チャド「また置いてかれた・・・」

チャド「・・・」

チャド「ふっ・・・」

チャド「いつもいつも・・・これだ」

チャド「せっかく一護が免許を取ったのに」

チャド「初めてのドライブなのに・・・」

チャド「仲間とは・・・何なのか・・・」

啓吾「また置いてかれたのか」

チャド「・・・」

啓吾「仕方ないだろ。くよくよしてても」

チャド「浅野は免許取れたのか」

啓吾「・・・」

チャド「・・・そうか」

啓吾「仮免の学科でいつも落ちてさ・・・もう８回目だぜ」

チャド「・・・」

啓吾「本当に取れるのかよ俺・・・」

チャド「・・・」

水色「おーい」

啓吾「おお。水色」

水色「見てよ新車だよ。これ」

チャド「自分で買ったのか？」

水色「ううん。買ってもらった」

啓吾「そうだ！どっか行こうぜチャド。いいだろ水色」

水色「うん。いいよ」

チャド「俺はいい・・・」

啓吾「そんなこと言うなよ。なあ」

水色「そうだよ。乗ろうよチャド」

チャド「二人で行って来てくれ・・・」

水色「元気ないねチャド」

啓吾「ちょっとな」

石渡「いい天気だ！清々しい気分だね！！」

一護「燥ぐなよ」

石渡「ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

ルキア「茶渡は何をしてるのだろうな・・・」

織姫「茶渡くんなんて別にいいよ。大きいし邪魔だし」

恋次「トランクにでも押し込んで連れて来ればよかったな」

ルキア「ああ」

一護「・・・」

織姫「茶渡くんなんて忘れて楽しもうよ！！」

石渡「ウヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」

爺「泰虎よ・・・泰虎よ・・・」

チャド「・・・爺ちゃん・・・爺ちゃん！？」

爺「免許を取りに行くのだ」

チャド「だが俺にはそのような金が」

爺「問題無い。そうだろ泰虎」

チャド「・・・爺ちゃん」

チャド「・・・夢か・・・」

チャド「そうだ俺も免許を取りに行こう」

チャド「俺が免許を取ればみんな付いてきてくれるはずだ」

チャド「ここが自動車学校か・・・」

檜佐木「やあ茶渡くんじゃないか。何をしてるんだいベイビ～」

チャド「誰だ・・・」

檜佐木「俺だよ俺」

チャド「何だ檜佐木さんか。何してるんだ」

檜佐木「今や死神だって免許取る時代だぜ」

チャド「そうなのか」

檜佐木「雛森や吉良ですら持ってるんだぜ。俺はあれだけど」

チャド「調子はどうだ檜佐木さん」

檜佐木「・・・」

チャド「そうか・・・」

チャド「学科か・・・」

檜佐木「こんなものは聞かなくてもいいだろ」

チャド「ダメだ。ちゃんと聞かないと事故る」

檜佐木「テクだよテク」

チャド「違う」

射場「茶渡の言う通りじゃ」

チャド「アンタも免許を」

檜佐木「俺たちだけ出遅れてるんだぜ。何故だろうな」

射場「言うな。言うたらアカン・・・」

チャド「・・・」

檜佐木「しかし本当に動くのか。車って」

射場「それはわしも思う。あり得ん。鉄の塊が動くなんぞ」

チャド「動くんだ。だから俺たちは免許を」

射場「わしは信じん！」

檜佐木「俺も不安になってきた・・・怖くないのか茶渡は」

チャド「問題ない」

射場「ええのぉ。若いっちゅうのは」

檜佐木「そうっすよね」

石渡「キャッホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

ルキア「いつまでやっておるのだ」

石渡「ええやん」

ルキア「・・・」

一護「おっ。何だお前付いてきてたのか」

コン「ずっと居たんだぜ！荷物に紛れて」

恋次「何やってんだろな茶渡」

織姫「恋次くんってホモっぽいよね。気持ち悪い・・・」

恋次「ちげえよ。俺は」

織姫「そういえば一角さんも弓親さんもホモみたいだよな。ｸｽｸｽ」

恋次「何だよこいつ・・・茶渡が心配じゃねえのかよ！」

織姫「どうせ一緒に来ても行方不明になるのがオチだよ。茶渡くんは」

吉良「ええーっ！僕に初めて路上に出た時の話を聞きたいのかい！？」

チャド「そうだ」

檜佐木「怖いんだ。物凄く」

射場「わしも」

吉良「最初は勇気がいりますよ。でも出てしまえば僕たちの勝ちです」

檜佐木「あんな車がバンバン通ってる道に出るなら虚と戦ってた方がマシだ」

吉良「いや・・・あれよりは楽ですよ」

射場「いや怖い。怖いって」

吉良「ﾁｯ。チキン共が・・・だから地味なんだよアンタ達は」

射場「アホぬかせ！うちの隊長なんて轢き殺されたんじゃ！！あんの鉄の塊に」

吉良「狛村隊長はほら・・・」

射場「怖いんじゃ・・・怖いんじゃ・・・」

拳西「ぐわあああああああああああああああああああああああ」

チャド「むっ！何だこの悲鳴は」

檜佐木「ああ・・・うちの隊長だ・・・」

雛森「ごめん遅れちゃった」

吉良「さっきの悲鳴は？」

雛森「轢いちゃったの」

吉良「・・・」

チャド「俺たちは今、免許を」

雛森「へえー。檜佐木さんと射場さんが免許を」

チャド「俺も」

雛森「凄いですね。やっとその気に」

チャド「俺」

雛森「頑張ってくださいね！解らない事は教えますよ。二人に」

チャド「・・・」

檜佐木「・・・参考になったか・・・？」

チャド「・・・」

射場「わしはなった。恐怖心を打ち消すんじゃろ。要するに」

檜佐木「また明日な。帰るんだろ現世に」

チャド「俺の居場所はあそこしかない」

チャド「・・・」

チャド「一護達ももう帰ってきてるだろ」

チャド「自動車学校へ行ってる事は秘密にしよう」

一護「チャド。土産だ」

チャド「・・・石か」

石渡「それとこれ」

チャド「何だこれ」

石渡「ミニカーさ！君にはそれがお似合いだ！！」

織姫「キャハハハハハハハ」

ルキア「もう良いだろ。茶渡いじめは」

一護「今度はさ。行こうぜチャド」

チャド「ああ・・・」

コン「ああ。楽しかった」

チャド「６人・・・居たんだな・・・」

一護「ほらコンはぬいぐるみだから」

チャド「居たんだな・・・居たんだな・・・」

檜佐木「何だ結局６人乗れたのか」

射場「黒崎ってのも小さい男よのぉ」

チャド「一護は違う！」

檜佐木「斑目や阿散井が高く評価してるから」

チャド「何かの間違いだ・・・一護は・・・一護は・・・」

射場「・・・」

檜佐木「・・・」

チャド「一護は俺をハブにしたりしない」

チャド「あいつは友達だ」

チャド「路上に出るんだ今度」

啓吾「・・・そうなんだ」

チャド「調子はどうだ」

啓吾「３０回目・・・」

チャド「頑張れ」

啓吾「姉ちゃんもさ・・・もう諦めろって」

チャド「・・・」

啓吾「この前さ一角さんや弓親さんと会ってさ・・・笑われたんだぜ・・・」

チャド「問題ない」

啓吾「あるよ！どうしたらいいんだ俺は！！」

チャド「俺に言われても困る」

啓吾「もう止めだ！何が免許だよ！！」

チャド「あっ・・・行ってしまった・・・」

一護「は？チャドが」

恋次「ああ。免許取りに行ってるらしいぜ」

一護「あいつが」

ルキア「茶渡だってやればできる男だ。それに我々だって持っている」

恋次「今や死神だって免許の時代だぜ」

一護「・・・まさか剣八は・・・無いだろ？」

ルキア「たわけ。更木隊長とて持っておるわ」

一護「どうやったんだ・・・剣八は」

ルキア「草鹿副隊長を忍ばせてだな・・・要するにカンニングだ」

一護「ふ、ふーん・・・」

遊子「お兄ちゃん。お客さんだよ」

一護「おう。今行く」

グリムジョー「よお黒崎。これ見ろよ」

一護「免許・・・だと・・・？」

グリムジョー「そうだぜ。破面だって持つ時代なんだぜこのカード」

一護「あんな砂地をどうやって走るんだ・・・っていうか居るのかよ」

グリムジョー「ハクだよ。ハク付けんだよ。このカードで」

一護「お前どうやって受かったんだ。お前が」

ネル「ネルが教えたんスよ。こっそりと」

一護「ネルが・・・へえ・・・」

グリムジョー「どうだ悔しいか黒崎！これ見ろよ！！」

ネル「一護も持ってんスか」

一護「ああ。ほらこれ」

グリムジョー「俺のがデカいな微妙に」

一護「・・・こいつ免許取ってどうするんだ・・・」

檜佐木「どうでした」

射場「アカンかった・・・震えるんじゃ・・・」

チャド「そんなに怖いのか射場さん」

射場「狛村隊長が轢き殺されたあの日を思い出す」

檜佐木「大丈夫ですよ。俺なんて隊長二人も死んでるんですよ」

チャド「檜佐木さんは図太いな」

檜佐木「お前にだけは言われたくない」

チャド「すまん・・・」

啓吾「チャ、チャド」

チャド「来たのか」

啓吾「昨日は悪かったな。もう一度頑張るよ俺」

チャド「そうだ。その意気込みだ」

恋次「・・・何だこれ」

吉良「阿散井くん！大変なんだよ！！」

恋次「うるせえな。見りゃわかる」

吉良「酷い事故でしょ・・・」

恋次「何があったんだ」

雛森「更木隊長と朽木隊長の車が正面衝突したの」

恋次「何やってんだよ隊長は・・・」

花太郎「退いてください！退いてください！」

白哉「れ、恋次・・・か・・・」

恋次「大丈夫っすか？」

白哉「済まぬ・・・」

恋次「隊長・・・隊長！！！」

一角「酷いな・・・こいつは」

剣八「何だてめえらか」

弓親「大丈夫ですか隊長？」

剣八「うるせえ！朽木はどこに行きやがった！！！」

弓親「四番隊が」

剣八「あの野郎！！！」

一角「さすがは隊長だぜ」

弓親「あの人には敵わないね」

一角「ああ」

チャド「色々あったが」

檜佐木「明日はいよいよ最終試験だな」

射場「長かったのぉ・・・」

檜佐木「頑張ろうぜ。茶渡、射場さん」

チャド「ムッ」

射場「・・・」

檜佐木「どうしたんです？」

射場「あの車・・・あの車なんじゃ！」

チャド「どうした射場さん」

射場「狛村隊長を轢き殺した！車が目の前におる！！」

チャド「なん・・・だと・・・？」

チャド「行ってしまったぞ」

檜佐木「どうする射場さん」

射場「あれじゃ。あれを拝借するんじゃ」

檜佐木「それがいいですね」

チャド「それは窃盗だぞ！射場さん、檜佐木さん」

射場「背に腹は代えられん」

檜佐木「そうだぜ茶渡」

チャド「・・・わかった。俺がドアをぶち壊そう」

檜佐木「キーがないぜ」

チャド「問題ない」

射場「どうじゃ」

檜佐木「練習の賜物ですね」

チャド「射場さん！前！」

射場「おっと」

檜佐木「どうするんですか」

射場「このまんま体当たりして」

チャド「・・・」

射場「後は・・・解るじゃろうが」

檜佐木「ああ」

チャド「なるほど・・・」

恋次「見ろよ一護」

一護「チャド達が車乗ってるな」

ルキア「もう取れたのだろうか」

恋次「あり得ねえだろ」

雛森「檜佐木さん・・・頭悪いよね」

吉良「ヤレヤレ・・・よく見たまエ」

恋次「・・・」

吉良「あれは盗みだヨ」

一護「よく解ったなお前」

吉良「見れば解るじゃないか。バカかネ君は」

一護「お、おう」

射場「よっしゃー！打ち取ったで！！」

檜佐木「しかし派手にやりましたね。射場さん」

一護「何やってんだよ」

チャド「一護・・・」

一護「よおチャド」

ルキア「何をやっておるのだ？」

チャド「捕り物だ」

雛森「ｷﾓﾁﾜﾙ」

吉良「馬鹿の考えてる事はわからないネ」

射場「いよいよ明日」

檜佐木「そうっすね」

檜佐木「やったぞ射場さん！」

射場「おう！！」

チャド「・・・」

檜佐木「どうした茶渡」

射場「お前・・・もしかして」

檜佐木「茶渡」

射場「茶渡」

チャド「・・・おめでとう二人とも」

檜佐木「おい！待てよ茶渡！！」

恋次「そうかお前だけ落っこちて」

チャド「ああ・・・」

恋次「元気出せよ」

チャド「射場さんと檜佐木さんは受かったんだ・・・俺だけ」

恋次「あの」

チャド「また俺だけだ・・・俺だけ」

恋次「茶渡・・・？」

チャド「俺だけ！！！！！！！！！！！！」

恋次「落ち着けってんだよ！何だよ免許ぐらいで」

チャド「俺だけ・・・」

一護「話は聞かせてもらったぜ」

チャド「一護」

一護「いいじゃねえか一度落ちたぐらいで」

ルキア「そうだぞ」

恋次「元気出せって」

一護「啓吾なんて仮免だけど３０回も落ちたらしいな」

恋次「そんな奴に比べたらマシだぞ茶渡」

チャド「・・・そうか？」

一護「そうだぜ」

恋次「そういうことだ」

チャド「ああ。そうだな」

檜佐木「あれから茶渡はどうした」

恋次「免許取れたみたいっすよ」

雛森「見た目的に頭悪そうなのに・・・凄いね」

吉良「でもほら射場さんや檜佐木さんに阿散井くんでも取れたんだから」

雛森「簡単だよね。免許なんて」

射場「こいつら・・・」

一護「恋次。ここに居たのか」

恋次「いつでも行けるぜ」

一護「チャドの初運転だからな。楽しみだぜ」

恋次「おう。そうだな」


終