3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 11:50:42.17 :vASjTEm40
季節は春、具体的に言うと四月。
古今東西どこへ行っても、入学式や卒業式、俗に言う出会いと別れの季節である。
しかし、進級しただけの俺、折木奉太郎には特に関係が無い事であった。
つまり、高校二年生になった俺には。
そんな事を思いながら、部室に行く。
俺が属する部活は古典部、部員は四人ほどいる。
【省エネ】をモットーとする俺が何故、古典部にいるかと言うと……それすら説明するのが億劫になってしまう。
まあ、何はともあれ、俺の日常はこんな感じだ。
そんな誰に話しかけているのかも分からない内容を頭の中で回転させ、扉を開ける。
季節は春、具体的に言うと四月。
古今東西どこへ行っても、入学式や卒業式、俗に言う出会いと別れの季節である。
しかし、進級しただけの俺、折木奉太郎には特に関係が無い事であった。
つまり、高校二年生になった俺には。
そんな事を思いながら、部室に行く。
俺が属する部活は古典部、部員は四人ほどいる。
【省エネ】をモットーとする俺が何故、古典部にいるかと言うと……それすら説明するのが億劫になってしまう。
まあ、何はともあれ、俺の日常はこんな感じだ。
そんな誰に話しかけているのかも分からない内容を頭の中で回転させ、扉を開ける。
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 11:53:06.92 :vASjTEm40
奉太郎「なんだ、千反田、もう居たのか」
える「はい! こんにちは、折木さん」
こいつは千反田える。
里志に言わせれば、結構な有名人らしい。
ああ、里志というのは……
里志「お、今日はホータローも来てたんだね」
こいつの事だ。
名前は福部里志。
これでも俺とは結構な付き合いで、世間一般で言う友人、という物だろう。
奉太郎「ああ、少し気が向いてな」
奉太郎「なんだ、千反田、もう居たのか」
える「はい! こんにちは、折木さん」
こいつは千反田える。
里志に言わせれば、結構な有名人らしい。
ああ、里志というのは……
里志「お、今日はホータローも来てたんだね」
こいつの事だ。
名前は福部里志。
これでも俺とは結構な付き合いで、世間一般で言う友人、という物だろう。
奉太郎「ああ、少し気が向いてな」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 11:56:43.38 :vASjTEm40
里志が来たという事は、恐らくあいつも来るであろう。
摩耶花「ふくちゃん、ちーちゃん、お疲れ様ー」
摩耶花「あ、なんだ、折木も居たんだ」
俺の事をおまけみたいな扱いをしてくるこいつは、伊原摩耶花。
小学校からの付き合いで、腐れ縁という奴だろう。
奉太郎「居て悪かったな」
ふう、とにもかくにも、これで古典部は勢ぞろい、という訳で。
える「皆さん揃いましたね」
奉太郎「揃ったとしても、やることなんてないだろう」
我ながらその通り、何しろ目的不明の部活である。
里志が来たという事は、恐らくあいつも来るであろう。
摩耶花「ふくちゃん、ちーちゃん、お疲れ様ー」
摩耶花「あ、なんだ、折木も居たんだ」
俺の事をおまけみたいな扱いをしてくるこいつは、伊原摩耶花。
小学校からの付き合いで、腐れ縁という奴だろう。
奉太郎「居て悪かったな」
ふう、とにもかくにも、これで古典部は勢ぞろい、という訳で。
える「皆さん揃いましたね」
奉太郎「揃ったとしても、やることなんてないだろう」
我ながらその通り、何しろ目的不明の部活である。
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 11:59:35.58 :vASjTEm40
摩耶花「やる事があっても、どうせ折木はやらないじゃん」
奉太郎(間違ってはいない)
里志「それがね、やる事があるんだよ、実は」
里志がこういう顔をする時は、大体よくない事が起こる、主に、俺にとって。
奉太郎「はあ」
それを短い溜息として表す。
える「福部さん、やる事とはなんでしょうか?」
摩耶花「あー、もしかして……あれ?」
伊原はどうやら、既に話を聞いてるらしい。
里志「そ、さすが摩耶花は勘がいいね!」
摩耶花「やる事があっても、どうせ折木はやらないじゃん」
奉太郎(間違ってはいない)
里志「それがね、やる事があるんだよ、実は」
里志がこういう顔をする時は、大体よくない事が起こる、主に、俺にとって。
奉太郎「はあ」
それを短い溜息として表す。
える「福部さん、やる事とはなんでしょうか?」
摩耶花「あー、もしかして……あれ?」
伊原はどうやら、既に話を聞いてるらしい。
里志「そ、さすが摩耶花は勘がいいね!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:02:16.35 :vASjTEm40
える「なんでしょう、なんでしょう、気になります!」
奉太郎(気になりません)
千反田の気になりますにも、大分早く突っ込みをできるようになってきた気がする。
里志「これだよ、遊園地のチケット!」
里志「親がくじ引きで当てたんだけど、忙しくて行けないから友達と行ってこいって、渡してくれたんだよね」
える「遊園地ですか! 行ったことなかったんですよ」
まあ、そうだろう、千反田が行った事が無くても不思議では無い。
奉太郎(しかし、俺もあんま記憶に無いな……最後に行ったのは幼稚園の時だったか)
摩耶花「え? ちーちゃん、遊園地に行ったことないの?」
える「はい! 一度行ってみたかったんです!」
える「なんでしょう、なんでしょう、気になります!」
奉太郎(気になりません)
千反田の気になりますにも、大分早く突っ込みをできるようになってきた気がする。
里志「これだよ、遊園地のチケット!」
里志「親がくじ引きで当てたんだけど、忙しくて行けないから友達と行ってこいって、渡してくれたんだよね」
える「遊園地ですか! 行ったことなかったんですよ」
まあ、そうだろう、千反田が行った事が無くても不思議では無い。
奉太郎(しかし、俺もあんま記憶に無いな……最後に行ったのは幼稚園の時だったか)
摩耶花「え? ちーちゃん、遊園地に行ったことないの?」
える「はい! 一度行ってみたかったんです!」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:17:59.79 :vASjTEm40
あー、まずいな、と思う。
これは断るのが難しい……かもしれない。
里志「それなら良かった、行くのは今度の日曜日でいいかな?」
える「日曜日でしたら大丈夫です、行きましょう!」
摩耶花「うん、私も日曜日は空いてる」
奉太郎「残念だ、日曜日はとても忙しい」
主に、家でごろごろするのに。
える「そうなんですか? 折木さん」
える「日曜日は忙しいんですか?」
千反田が顔を近づけ、聞いてくる。
あー、まずいな、と思う。
これは断るのが難しい……かもしれない。
里志「それなら良かった、行くのは今度の日曜日でいいかな?」
える「日曜日でしたら大丈夫です、行きましょう!」
摩耶花「うん、私も日曜日は空いてる」
奉太郎「残念だ、日曜日はとても忙しい」
主に、家でごろごろするのに。
える「そうなんですか? 折木さん」
える「日曜日は忙しいんですか?」
千反田が顔を近づけ、聞いてくる。
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:20:34.84 :vASjTEm40
奉太郎(こいつ、俺の予定は常に空いてるのを知ってて言ってるんじゃ……)
すると横から伊原が口を挟む、いつもの光景だ。
摩耶花「ちーちゃん、折木に予定が入ってる日なんてある訳無いでしょ」
里志「まあホータローにも色々事情があるんじゃない? 行けないなら行けないで仕方ないよ」
奉太郎(なんだ、珍しく里志が引いてるな)
そう、いつもなら何かと理由を付け、結局は俺も参加……という流れなのだが、今日は少し違った。
える「そうですか……残念ですが、仕方ないですね」
里志「今度機会があったらって事で、残念だけどね」
摩耶花「いいよいいよ、三人でも楽しいでしょ」
何か気になるが、いいだろう。
奉太郎(こいつ、俺の予定は常に空いてるのを知ってて言ってるんじゃ……)
すると横から伊原が口を挟む、いつもの光景だ。
摩耶花「ちーちゃん、折木に予定が入ってる日なんてある訳無いでしょ」
里志「まあホータローにも色々事情があるんじゃない? 行けないなら行けないで仕方ないよ」
奉太郎(なんだ、珍しく里志が引いてるな)
そう、いつもなら何かと理由を付け、結局は俺も参加……という流れなのだが、今日は少し違った。
える「そうですか……残念ですが、仕方ないですね」
里志「今度機会があったらって事で、残念だけどね」
摩耶花「いいよいいよ、三人でも楽しいでしょ」
何か気になるが、いいだろう。
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:23:50.98 :vASjTEm40
奉太郎(行かなくていいならなによりだ)
結果に少々満足し、本に目を移す。
里志「あー、それはそうとさ、ホータロー」
それを狙ったかの様に、里志が話しかけてきた。
奉太郎「なんだ」
里志「今日さ、僕たちは別々に来ただろ? 学校に」
奉太郎「そうだな、お前が朝、委員会の仕事があるとかなんとか」
里志「うんうん、それでね、朝会ったんだよ」
奉太郎「会ったって、誰に」
里志「……ホータローの、お姉さん」
奉太郎(行かなくていいならなによりだ)
結果に少々満足し、本に目を移す。
里志「あー、それはそうとさ、ホータロー」
それを狙ったかの様に、里志が話しかけてきた。
奉太郎「なんだ」
里志「今日さ、僕たちは別々に来ただろ? 学校に」
奉太郎「そうだな、お前が朝、委員会の仕事があるとかなんとか」
里志「うんうん、それでね、朝会ったんだよ」
奉太郎「会ったって、誰に」
里志「……ホータローの、お姉さん」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:26:26.36 :vASjTEm40
奉太郎「姉貴が帰って来ているのか!?」
奉太郎(まずいことになった、さては里志の奴……)
なるほど、里志は最初からこれを知ってた訳だ、それを踏まえて俺に言ってきた、という事か。
嫌な奴。
里志「それでね、遊園地の事を話したんだけど」
里志「そうしたら、さ」
里志「「あいつはどうせ暇だから、居ても家でごろごろしてるだけだから、連れていってあげてー」ってね」
里志「だけど、そんなホータローに予定が入っていたなんて残念だよ」
里志「後でお姉さんにも報告をしておかないとね」
奉太郎「待て」
奉太郎「今思い出したが、予定なんて入ってなかった」
奉太郎「姉貴が帰って来ているのか!?」
奉太郎(まずいことになった、さては里志の奴……)
なるほど、里志は最初からこれを知ってた訳だ、それを踏まえて俺に言ってきた、という事か。
嫌な奴。
里志「それでね、遊園地の事を話したんだけど」
里志「そうしたら、さ」
里志「「あいつはどうせ暇だから、居ても家でごろごろしてるだけだから、連れていってあげてー」ってね」
里志「だけど、そんなホータローに予定が入っていたなんて残念だよ」
里志「後でお姉さんにも報告をしておかないとね」
奉太郎「待て」
奉太郎「今思い出したが、予定なんて入ってなかった」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:28:38.06 :vASjTEm40
奉太郎(そんな事が姉貴の耳に入ったら、何をさせられるか分かったもんじゃない)
里志「え? そうなの? 無理をしなくていいんだよ?」
わざとらしい里志。
摩耶花「そうそう、折木の「用事」の方が大事でしょ」
ニヤニヤしながら言うな、こいつめ。
える「そうですね……無理をなさらないでください、折木さん」
何か最近、千反田もこういう流れが分かってきているような気がする。
勿論、思い過ごしだと思いたいが。
奉太郎「いやー、日付を一週間勘違いしていた。 次の日曜日は暇でしょうがない」
いつの日曜日も暇だが、それに突っ込みを入れる奴もいないだろう。
里志「そうかい、じゃあホータローも参加、という事で」
奉太郎(そんな事が姉貴の耳に入ったら、何をさせられるか分かったもんじゃない)
里志「え? そうなの? 無理をしなくていいんだよ?」
わざとらしい里志。
摩耶花「そうそう、折木の「用事」の方が大事でしょ」
ニヤニヤしながら言うな、こいつめ。
える「そうですね……無理をなさらないでください、折木さん」
何か最近、千反田もこういう流れが分かってきているような気がする。
勿論、思い過ごしだと思いたいが。
奉太郎「いやー、日付を一週間勘違いしていた。 次の日曜日は暇でしょうがない」
いつの日曜日も暇だが、それに突っ込みを入れる奴もいないだろう。
里志「そうかい、じゃあホータローも参加、という事で」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:31:45.96 :vASjTEm40
里志はとても満足そうな顔をして言った。
える「それは良かったです! 楽しみですね、折木さん!」
摩耶花「……強がり」
伊原が何か最後に言っていた気がするが、気にしないでおく。
里志「これで全員参加だね。 よかったよかった」
奉太郎(全く良くは無い)
里志「それで、ね」
里志「今日は、その日の準備や計画をしようと思ってるんだ」
奉太郎「たかが、遊園地だろ」
奉太郎「適当でいいんじゃないか?」
そう、たかが遊園地、予定なんて。特にいらないと思う。
里志はとても満足そうな顔をして言った。
える「それは良かったです! 楽しみですね、折木さん!」
摩耶花「……強がり」
伊原が何か最後に言っていた気がするが、気にしないでおく。
里志「これで全員参加だね。 よかったよかった」
奉太郎(全く良くは無い)
里志「それで、ね」
里志「今日は、その日の準備や計画をしようと思ってるんだ」
奉太郎「たかが、遊園地だろ」
奉太郎「適当でいいんじゃないか?」
そう、たかが遊園地、予定なんて。特にいらないと思う。
19:>>17 最後の文 ×予定なんて。 ○予定なんて、:2012/09/05(水) 12:34:49.31 :vASjTEm40
摩耶花「はぁ、折木なんも分かってないね」
摩耶花「行くとしたら、バスか電車でしょ? それの時刻も調べなきゃだし」
摩耶花「遊園地が開く時間とか、閉まる時間も調べないといけないでしょ」
奉太郎(さいで)
える「でも、確かに何時からやっているんでしょう」
える「思いっきり楽しむ為にも、朝は早くなりそうですね!」
すると里志が、巾着から携帯を取り出す。
里志「ちょっと待っててね、今調べちゃうから」
奉太郎「ん、携帯でそこまで調べられるのか」
里志「これは携帯じゃなくてスマホだよ、ホータロー」
奉太郎「似たようなもんだろ」
摩耶花「はぁ、折木なんも分かってないね」
摩耶花「行くとしたら、バスか電車でしょ? それの時刻も調べなきゃだし」
摩耶花「遊園地が開く時間とか、閉まる時間も調べないといけないでしょ」
奉太郎(さいで)
える「でも、確かに何時からやっているんでしょう」
える「思いっきり楽しむ為にも、朝は早くなりそうですね!」
すると里志が、巾着から携帯を取り出す。
里志「ちょっと待っててね、今調べちゃうから」
奉太郎「ん、携帯でそこまで調べられるのか」
里志「これは携帯じゃなくてスマホだよ、ホータロー」
奉太郎「似たようなもんだろ」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:38:09.77 :vASjTEm40
里志「分かってないなぁ、ホータローは。 ……えっと、朝の10時からやってるみたいだね」
持ってない奴からしたら同じだろう、しかし、持って無い奴の方が珍しいかも知れない。
える「営業時間は何時までやっているんでしょうか?」
里志「うん、えーっと」
里志「夜の10時って書いてあるかな」
摩耶花「12時間かぁ、大分楽しめそうだね」
奉太郎(正気か!? 12時間いるつもりか!?)
える「今からとても楽しみです! そこの場所でしたら、バスで1時間程でしょうか?」
里志「そうだね、丁度、僕たちの最寄駅から直行のバスが出てるみたい」
摩耶花「それなら朝は8時30分くらいに学校の前! でいいかな?」
と、ここで水を差す。
里志「分かってないなぁ、ホータローは。 ……えっと、朝の10時からやってるみたいだね」
持ってない奴からしたら同じだろう、しかし、持って無い奴の方が珍しいかも知れない。
える「営業時間は何時までやっているんでしょうか?」
里志「うん、えーっと」
里志「夜の10時って書いてあるかな」
摩耶花「12時間かぁ、大分楽しめそうだね」
奉太郎(正気か!? 12時間いるつもりか!?)
える「今からとても楽しみです! そこの場所でしたら、バスで1時間程でしょうか?」
里志「そうだね、丁度、僕たちの最寄駅から直行のバスが出てるみたい」
摩耶花「それなら朝は8時30分くらいに学校の前! でいいかな?」
と、ここで水を差す。
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:41:58.26 :vASjTEm40
奉太郎「各自、別々に行って、遊園地前で集合でいいんじゃないか」
摩耶花「そんな事したら、あんた何時に来るか分かったもんじゃないでしょ」
奉太郎(確かに、ごもっとも)
里志「はは、じゃあ集合時間は8時30分! 場所は学校の前って事で!」
える「了解です! 後は、他に決めることはありますか?」
里志「そうだねぇ」
すると里志は、何か含んだ言い方で続けた。
里志「……そういえばさ」
里志「次の月曜日って休みじゃない?」
える「次の月曜日……そうですね、祝日ですので」
里志「じゃあ泊まりで行こうか!」
おい、ふざけるな。
奉太郎「各自、別々に行って、遊園地前で集合でいいんじゃないか」
摩耶花「そんな事したら、あんた何時に来るか分かったもんじゃないでしょ」
奉太郎(確かに、ごもっとも)
里志「はは、じゃあ集合時間は8時30分! 場所は学校の前って事で!」
える「了解です! 後は、他に決めることはありますか?」
里志「そうだねぇ」
すると里志は、何か含んだ言い方で続けた。
里志「……そういえばさ」
里志「次の月曜日って休みじゃない?」
える「次の月曜日……そうですね、祝日ですので」
里志「じゃあ泊まりで行こうか!」
おい、ふざけるな。
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:49:37.68 :vASjTEm40
ただでさえ三日しかない休みの内、二日も動いて過ごせと?
冗談じゃない。
とは言えず、もっともらしい意見を述べてみる。
奉太郎「おいおい、泊まるにしてもホテルとかどうするんだ」
里志「その辺は抜かり無し! 」
里志「どうやら、このチケットにはホテルも付いているんだよ」
里志「日帰りでもいいらしいけど、皆はどっちがいいかな?」
なんと言うことだ、全く。
摩耶花「じゃあ、泊まりで行きたい人!」
ただでさえ三日しかない休みの内、二日も動いて過ごせと?
冗談じゃない。
とは言えず、もっともらしい意見を述べてみる。
奉太郎「おいおい、泊まるにしてもホテルとかどうするんだ」
里志「その辺は抜かり無し! 」
里志「どうやら、このチケットにはホテルも付いているんだよ」
里志「日帰りでもいいらしいけど、皆はどっちがいいかな?」
なんと言うことだ、全く。
摩耶花「じゃあ、泊まりで行きたい人!」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:52:39.55 :vASjTEm40
える「はい!」
里志「はーい」
奉太郎「……」
伊原の何か悲しい物を見る眼で見られると、さすがの俺も、ちと悲しい。
摩耶花「……日帰りで行きたい人」
奉太郎「はい」
即答、だがそれに返す伊原も即答。
摩耶花「じゃあ、泊まりでいこうか」
奉太郎(はあ……)
える「はい!」
里志「はーい」
奉太郎「……」
伊原の何か悲しい物を見る眼で見られると、さすがの俺も、ちと悲しい。
摩耶花「……日帰りで行きたい人」
奉太郎「はい」
即答、だがそれに返す伊原も即答。
摩耶花「じゃあ、泊まりでいこうか」
奉太郎(はあ……)
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:55:37.85 :O+ZC30pU0
すげぇ、オラワクワクしてきたぞ
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:56:11.29 :vASjTEm40
里志「これで、大体の予定は決まったね。 時間もできたし、大分ゆっくりできそうだ」
える「そうですね! 今日の夜、寝れるか心配です」
奉太郎(まだ木曜日だぞ!? 行く頃には千反田、倒れているのではないだろうか)
里志「じゃ、準備とかは各自で済ませておくとして……今日は解散しようか?」
える「分かりました、もう大分日も暮れてきてますしね」
千反田の言葉を聞き、腕時計に目をやる。
奉太郎(いつの間にか、もう17時か)
奉太郎「よし、帰ろう」
摩耶花「あんた、今の一瞬だけやる気出てたわね……」
奉太郎「気のせいだ」
確かにそれは気のせいだ、日帰りがいい人の挙手の時だってやる気はあった。
里志「これで、大体の予定は決まったね。 時間もできたし、大分ゆっくりできそうだ」
える「そうですね! 今日の夜、寝れるか心配です」
奉太郎(まだ木曜日だぞ!? 行く頃には千反田、倒れているのではないだろうか)
里志「じゃ、準備とかは各自で済ませておくとして……今日は解散しようか?」
える「分かりました、もう大分日も暮れてきてますしね」
千反田の言葉を聞き、腕時計に目をやる。
奉太郎(いつの間にか、もう17時か)
奉太郎「よし、帰ろう」
摩耶花「あんた、今の一瞬だけやる気出てたわね……」
奉太郎「気のせいだ」
確かにそれは気のせいだ、日帰りがいい人の挙手の時だってやる気はあった。
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 12:59:20.83 :vASjTEm40
里志「あはは。 じゃあ僕は摩耶花とこの後、買い物に行かないといけないんだ」
里志「という訳で、お先に帰らせてもらうね」
と言いながら、既にドアに手を掛けている。
奉太郎「じゃあなー」
止める必要も特にないし、友人を見送る。
摩耶花「折木、あんた日曜日ちゃんと来なさいよ、遅刻しないでね」
おまけで、伊原も。
奉太郎(親にしつけられる小学生の気分が少し分かった気がする)
える「はい、では、また明日!」
残された部室には、俺と千反田。
奉太郎(千反田と二人っきりになってしまった)
奉太郎(と言っても、もう生徒はほとんど帰っている)
奉太郎(今から、例の気になりますが出たとしても、明日には持ち越せそうだな)
里志「あはは。 じゃあ僕は摩耶花とこの後、買い物に行かないといけないんだ」
里志「という訳で、お先に帰らせてもらうね」
と言いながら、既にドアに手を掛けている。
奉太郎「じゃあなー」
止める必要も特にないし、友人を見送る。
摩耶花「折木、あんた日曜日ちゃんと来なさいよ、遅刻しないでね」
おまけで、伊原も。
奉太郎(親にしつけられる小学生の気分が少し分かった気がする)
える「はい、では、また明日!」
残された部室には、俺と千反田。
奉太郎(千反田と二人っきりになってしまった)
奉太郎(と言っても、もう生徒はほとんど帰っている)
奉太郎(今から、例の気になりますが出たとしても、明日には持ち越せそうだな)
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:02:36.84 :vASjTEm40
奉太郎「じゃあ、俺たちも帰るか」
える「はい!」
える「……あ」
千反田が口に手を当て、何かを思い出した仕草を取る。
奉太郎「ん? どうした」
える「鞄を教室に置いたままでした」
こいつはしっかりしているが、どこか抜けている所もある、そんな奴だ。
える「取ってくるので、折木さんはお先に帰っていてください。 すいません」
奉太郎「いや、昇降口で待ってるよ」
奉太郎(待ってる分には無駄なエネルギーを抑えられるしな)
える「そうですか、では私は一旦教室まで行くので、また後で」
奉太郎「ああ」
奉太郎「じゃあ、俺たちも帰るか」
える「はい!」
える「……あ」
千反田が口に手を当て、何かを思い出した仕草を取る。
奉太郎「ん? どうした」
える「鞄を教室に置いたままでした」
こいつはしっかりしているが、どこか抜けている所もある、そんな奴だ。
える「取ってくるので、折木さんはお先に帰っていてください。 すいません」
奉太郎「いや、昇降口で待ってるよ」
奉太郎(待ってる分には無駄なエネルギーを抑えられるしな)
える「そうですか、では私は一旦教室まで行くので、また後で」
奉太郎「ああ」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:04:56.32 :vASjTEm40
~階段~
奉太郎「今日は疲れたな」
奉太郎「座っているだけだったが……」
「……でさー」
奉太郎(あれは、漫研の部員達か?)
奉太郎(男子トイレから出てきた? 何をやってたんだか)
奉太郎(まあ、どうでもいいか)
千反田が居たら、ほぼ、気になりますと言っていたであろう。
だが幸い、今は千反田が居ない。
今日はつくづく運が悪いと思っていたが、そうでもないかもしれない。
~階段~
奉太郎「今日は疲れたな」
奉太郎「座っているだけだったが……」
「……でさー」
奉太郎(あれは、漫研の部員達か?)
奉太郎(男子トイレから出てきた? 何をやってたんだか)
奉太郎(まあ、どうでもいいか)
千反田が居たら、ほぼ、気になりますと言っていたであろう。
だが幸い、今は千反田が居ない。
今日はつくづく運が悪いと思っていたが、そうでもないかもしれない。
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:08:29.85 :vASjTEm40
~昇降口~
奉太郎(遅いな、あいつ)
える「折木さーん!」
奉太郎(優等生が廊下を走っている、中々に面白い)
える「すいません、教室に鍵が掛かっていまして、職員室まで取りに行っていたら遅れてしまいました」
奉太郎「いや、気にするな」
奉太郎「待ってる分には、疲れないしな」
と伝えると、千反田は幾分か嬉しそうな顔をした。
える「……はい!」
える「では、帰りましょうか」
~昇降口~
奉太郎(遅いな、あいつ)
える「折木さーん!」
奉太郎(優等生が廊下を走っている、中々に面白い)
える「すいません、教室に鍵が掛かっていまして、職員室まで取りに行っていたら遅れてしまいました」
奉太郎「いや、気にするな」
奉太郎「待ってる分には、疲れないしな」
と伝えると、千反田は幾分か嬉しそうな顔をした。
える「……はい!」
える「では、帰りましょうか」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:11:15.80 :vASjTEm40
~帰り道~
える「……折木さんは」
若干言いづらそうに、俺の方に顔を向けてきた。
奉太郎「ん?」
える「折木さんは、遊園地は楽しみではないのですか?」
そういう事か、まあ内心、ほんの少しでは楽しみでは……あるかもしれない。
奉太郎「……疲れる事はしたくないからな」
える「そう、ですか……」
千反田は悲しそうにそう言うと、黙りこくってしまう。
奉太郎「でも、まあ」
える「?」
奉太郎「たまには、悪くないかもしれない」
~帰り道~
える「……折木さんは」
若干言いづらそうに、俺の方に顔を向けてきた。
奉太郎「ん?」
える「折木さんは、遊園地は楽しみではないのですか?」
そういう事か、まあ内心、ほんの少しでは楽しみでは……あるかもしれない。
奉太郎「……疲れる事はしたくないからな」
える「そう、ですか……」
千反田は悲しそうにそう言うと、黙りこくってしまう。
奉太郎「でも、まあ」
える「?」
奉太郎「たまには、悪くないかもしれない」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:14:19.53 :vASjTEm40
える「それなら、良かったです!」
奉太郎「良くはないが……」
ああ、全くもって良くはない。
良くも悪くも無い、つまり普通。
える「……ふふ」
お嬢様らしく、上品に笑うと、千反田は嬉しそうに前を向いた。
奉太郎(……ま、別にいいか)
える「あ、折木さんの家はあちらでしたよね」
いつの間にか、家の近くまで来ていた様だ。
奉太郎「ああ、そうだな」
える「では、ここで失礼します」
える「また明日、学校で」
奉太郎「ん、気をつけてな」
える「……はい!」
奉太郎(一々、ニコニコしながらこっちを見るな……全く)
える「それなら、良かったです!」
奉太郎「良くはないが……」
ああ、全くもって良くはない。
良くも悪くも無い、つまり普通。
える「……ふふ」
お嬢様らしく、上品に笑うと、千反田は嬉しそうに前を向いた。
奉太郎(……ま、別にいいか)
える「あ、折木さんの家はあちらでしたよね」
いつの間にか、家の近くまで来ていた様だ。
奉太郎「ああ、そうだな」
える「では、ここで失礼します」
える「また明日、学校で」
奉太郎「ん、気をつけてな」
える「……はい!」
奉太郎(一々、ニコニコしながらこっちを見るな……全く)
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:17:41.39 :vASjTEm40
.............
時が経つのは早いとは言うが、あっという間に金曜日が終わり、既に土曜日の夜になっていた。
楽しい時間はすぐに過ぎるとはよく言ったものだ。
俺は、楽しい等と思ってはいないと思うが……
とにもかくにも、現在は土曜日の夜7時。
準備が丁度終わり、リビングでゆっくりと無為な時間を過ごしている所だ。
見ていた時代劇も終わり、CMに入ったところで電源を切る。
奉太郎(コーヒーでも飲むか)
と思い、台所へ足を向ける。
すると突然、電話が鳴り響いた。
周りを見渡すが、他に出てくれる人など居ない。
.............
時が経つのは早いとは言うが、あっという間に金曜日が終わり、既に土曜日の夜になっていた。
楽しい時間はすぐに過ぎるとはよく言ったものだ。
俺は、楽しい等と思ってはいないと思うが……
とにもかくにも、現在は土曜日の夜7時。
準備が丁度終わり、リビングでゆっくりと無為な時間を過ごしている所だ。
見ていた時代劇も終わり、CMに入ったところで電源を切る。
奉太郎(コーヒーでも飲むか)
と思い、台所へ足を向ける。
すると突然、電話が鳴り響いた。
周りを見渡すが、他に出てくれる人など居ない。
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:20:17.31 :vASjTEm40
奉太郎(姉貴は部屋にでもいるのか、くそ)
奉太郎(にしても、誰だ、こんな時間に)
傍から見たら、面倒くさそうに受話器を取る。
奉太郎「折木ですが」
向こうから聞こえてきた声は、俺の見知った人物の物であった。
える「折木さんですか? こんばんは」
奉太郎「あ、こんばんは」
急に挨拶をされ、思わず挨拶を返してしまう。
奉太郎「千反田か、何か用か?」
える「えっと、今からお会いできますか?」
奉太郎(今から? 外に出るのは御免こうむりたい……)
奉太郎(姉貴は部屋にでもいるのか、くそ)
奉太郎(にしても、誰だ、こんな時間に)
傍から見たら、面倒くさそうに受話器を取る。
奉太郎「折木ですが」
向こうから聞こえてきた声は、俺の見知った人物の物であった。
える「折木さんですか? こんばんは」
奉太郎「あ、こんばんは」
急に挨拶をされ、思わず挨拶を返してしまう。
奉太郎「千反田か、何か用か?」
える「えっと、今からお会いできますか?」
奉太郎(今から? 外に出るのは御免こうむりたい……)
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:23:30.73 :vASjTEm40
奉太郎「えーっと、用件が全く飲み込めないんだが」
える「あ、すいません! お渡ししたい物があるんです」
奉太郎「明日どうせ会うだろう、その時でいいんじゃないか?」
える「いえ、今でないとダメなんです!」
こうなってしまうと、断るのにも中々エネルギー消費が著しい。
仕方ない……が、家から出るのは如何せん回避したい。
奉太郎「……分かった、だが家から出るのが非常に面倒くさい」
える「それなら丁度よかったです、今から折木さんの家に行くつもりでしたので」
さいで。
奉太郎「えーっと、用件が全く飲み込めないんだが」
える「あ、すいません! お渡ししたい物があるんです」
奉太郎「明日どうせ会うだろう、その時でいいんじゃないか?」
える「いえ、今でないとダメなんです!」
こうなってしまうと、断るのにも中々エネルギー消費が著しい。
仕方ない……が、家から出るのは如何せん回避したい。
奉太郎「……分かった、だが家から出るのが非常に面倒くさい」
える「それなら丁度よかったです、今から折木さんの家に行くつもりでしたので」
さいで。
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:28:33.26 :vASjTEm40
奉太郎「そうか、じゃあ待ってる」
える「はい!」
そう言うと千反田は電話を切った。
自転車で来れば、結構すぐに着くだろう。
と言っても20分、30分程は掛かるだろうが。
そして俺は元々の目的のコーヒーを淹れ、再びテレビを付ける。
テレビでは「移り変わる景色」等といって、世界の情景等を流していた。
それを見ながらコーヒーを啜る。
そうして又も無為な時間を過ごす。
奉太郎(幸せだ)
最後の景色が映し終わり、番組は終了した。
ふと、時計に目をやると、時刻は20時30分。
奉太郎「そうか、じゃあ待ってる」
える「はい!」
そう言うと千反田は電話を切った。
自転車で来れば、結構すぐに着くだろう。
と言っても20分、30分程は掛かるだろうが。
そして俺は元々の目的のコーヒーを淹れ、再びテレビを付ける。
テレビでは「移り変わる景色」等といって、世界の情景等を流していた。
それを見ながらコーヒーを啜る。
そうして又も無為な時間を過ごす。
奉太郎(幸せだ)
最後の景色が映し終わり、番組は終了した。
ふと、時計に目をやると、時刻は20時30分。
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:32:30.72 :vASjTEm40
奉太郎(電話したのが、確か19時くらいだったか……?)
奉太郎(ってことは、1時間30分経っているのか?)
奉太郎(何をしているんだ、あいつは)
と思った所で、狙い済まされたかの様にインターホンが鳴る。
俺は若干固まった体を動かし、玄関のドアからのそのそと顔を出す。
そこには、予想通りの人物が顔を覗かせていた。
える「あ、折木さん! こんばんは」
奉太郎「随分と遅かったな、何かあったのか?」
える「何か……という程の事ではないのですが、自転車がパンクしてしまいまして」
自転車がパンク? それは不幸な事で……というか。
奉太郎「お前、歩いてきたのか?」
える「ええ、体力には自信があるんです!」
いやいや、体力に自信があっても、結構な距離、ましてや夜だ。
奉太郎(電話したのが、確か19時くらいだったか……?)
奉太郎(ってことは、1時間30分経っているのか?)
奉太郎(何をしているんだ、あいつは)
と思った所で、狙い済まされたかの様にインターホンが鳴る。
俺は若干固まった体を動かし、玄関のドアからのそのそと顔を出す。
そこには、予想通りの人物が顔を覗かせていた。
える「あ、折木さん! こんばんは」
奉太郎「随分と遅かったな、何かあったのか?」
える「何か……という程の事ではないのですが、自転車がパンクしてしまいまして」
自転車がパンク? それは不幸な事で……というか。
奉太郎「お前、歩いてきたのか?」
える「ええ、体力には自信があるんです!」
いやいや、体力に自信があっても、結構な距離、ましてや夜だ。
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:35:42.49 :vASjTEm40
奉太郎「はあ、まあいい」
奉太郎「用件ってのは、なんだったんだ」
える「そうでした、えっと」
おもむろに、バッグに手を入れ、物を取り出した。
える「これです!」
これは……
奉太郎「お守り?」
える「はい!」
奉太郎「これを届けに、わざわざきたのか」
える「ええ、今日の内に渡したかったんです」
える「遠くに出かけるので、是非!」
奉太郎「はあ、まあいい」
奉太郎「用件ってのは、なんだったんだ」
える「そうでした、えっと」
おもむろに、バッグに手を入れ、物を取り出した。
える「これです!」
これは……
奉太郎「お守り?」
える「はい!」
奉太郎「これを届けに、わざわざきたのか」
える「ええ、今日の内に渡したかったんです」
える「遠くに出かけるので、是非!」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:38:48.93 :vASjTEm40
遠くと言うほどの遠くではないだろう。
いや、こいつにとっては遠くなのかもしれないか。
というか、だ。
これなら別に明日でも構わなかったんじゃないだろうか。
その疑問を、言葉にする。
奉太郎「明日でも良かったんじゃないか? これなら」
える「いえ、その」
える「福部さんと摩耶花さんには、秘密で……内緒で渡したかったんです」
千反田は少し恥ずかしそうにそう告げると、口を閉じた。
ああ、こいつはそんな事の為にわざわざ家まで来たというのか、歩いて、一時間半も。
顔が少し熱くなるのを俺は感じた。
遠くと言うほどの遠くではないだろう。
いや、こいつにとっては遠くなのかもしれないか。
というか、だ。
これなら別に明日でも構わなかったんじゃないだろうか。
その疑問を、言葉にする。
奉太郎「明日でも良かったんじゃないか? これなら」
える「いえ、その」
える「福部さんと摩耶花さんには、秘密で……内緒で渡したかったんです」
千反田は少し恥ずかしそうにそう告げると、口を閉じた。
ああ、こいつはそんな事の為にわざわざ家まで来たというのか、歩いて、一時間半も。
顔が少し熱くなるのを俺は感じた。
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:41:25.75 :vASjTEm40
奉太郎「……そうか、ありがとうな」
える「いえ、本当は金曜日に渡せればよかったんですが」
える「ご利益があるお守りも、手に入れるのは難しいんですよ」
奉太郎「すまないな、わざわざ」
える「気にしないでください、私が急に押しかけた様な物ですから」
全く、なんだと思えばお守り一個とは。
まあ、嬉しくないと言えば嘘になる。
える「では、私はこれで帰りますね、また明日、お会いしましょう」
と言い、千反田は再び歩き出そうとする。
奉太郎(これは俺のモットーには反しない……やらなくてはいけない事、だ)
奉太郎「千反田」
奉太郎「……そうか、ありがとうな」
える「いえ、本当は金曜日に渡せればよかったんですが」
える「ご利益があるお守りも、手に入れるのは難しいんですよ」
奉太郎「すまないな、わざわざ」
える「気にしないでください、私が急に押しかけた様な物ですから」
全く、なんだと思えばお守り一個とは。
まあ、嬉しくないと言えば嘘になる。
える「では、私はこれで帰りますね、また明日、お会いしましょう」
と言い、千反田は再び歩き出そうとする。
奉太郎(これは俺のモットーには反しない……やらなくてはいけない事、だ)
奉太郎「千反田」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:44:02.10 :vASjTEm40
後ろ姿に声を掛けると、すぐに千反田は振り返った。
奉太郎「その、送って行く、家まで」
千反田から見たら、俺は随分と変な顔になっていただろう、多分。
える「え、悪いですよ、そんな」
奉太郎「今から歩いて帰ったら大分遅い時間になるだろ、危ないしな」
頭をボリボリと掻きながら、そう告げる。
千反田は少し考えると、笑顔になり、答えた。
える「……では、お願いします」
奉太郎「……ああ」
さすがに、歩いて行くのは遠すぎる。
そう思い、自転車を出し、千反田に後ろに乗るように促した。
後ろ姿に声を掛けると、すぐに千反田は振り返った。
奉太郎「その、送って行く、家まで」
千反田から見たら、俺は随分と変な顔になっていただろう、多分。
える「え、悪いですよ、そんな」
奉太郎「今から歩いて帰ったら大分遅い時間になるだろ、危ないしな」
頭をボリボリと掻きながら、そう告げる。
千反田は少し考えると、笑顔になり、答えた。
える「……では、お願いします」
奉太郎「……ああ」
さすがに、歩いて行くのは遠すぎる。
そう思い、自転車を出し、千反田に後ろに乗るように促した。
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:47:32.17 :vASjTEm40
える「二人乗りですね! 少し、やってみたかったんです」
奉太郎(なんにでも好奇心があるのか、こいつは)
千反田を後ろに乗せ、家に向かう。
道中は特にこれと言って、会話という会話は無かった気がする。
気がする、というのも変な言い方だが、俺もどうやら緊張していた様だ。
覚えていないのは、仕方ない。
楽しい時間はすぐに過ぎる……等言ったが、あの言葉は概ね正しいのかもしれない。
千反田の家には、思いのほか早く着いた。
える「折木さん、ありがとうございました」
奉太郎「いや、こっちこそ、お守りありがとな」
千反田は優しそうに笑うと「では、また明日」と言い、家の中に入っていった。
える「二人乗りですね! 少し、やってみたかったんです」
奉太郎(なんにでも好奇心があるのか、こいつは)
千反田を後ろに乗せ、家に向かう。
道中は特にこれと言って、会話という会話は無かった気がする。
気がする、というのも変な言い方だが、俺もどうやら緊張していた様だ。
覚えていないのは、仕方ない。
楽しい時間はすぐに過ぎる……等言ったが、あの言葉は概ね正しいのかもしれない。
千反田の家には、思いのほか早く着いた。
える「折木さん、ありがとうございました」
奉太郎「いや、こっちこそ、お守りありがとな」
千反田は優しそうに笑うと「では、また明日」と言い、家の中に入っていった。
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:49:33.73 :vASjTEm40
俺はそのまま、まっすぐ家に帰るつもり……だったのだが、どうにも気分が乗らず公園に寄る。
この公園というのも、神山市では随分と高い位置に設置されており、景色は結構な物だ。
滑り台に座り溜息を付くと、神山市の夜景を眺めた。
先ほど家で見た「移り変わる景色」程では無いが、中々に美しかった。
俺は、何故か心に少し残るモヤモヤを洗い流せないかとここに来たのだが……どうやら数十分経っても、消えそうには無かった。
おわり
俺はそのまま、まっすぐ家に帰るつもり……だったのだが、どうにも気分が乗らず公園に寄る。
この公園というのも、神山市では随分と高い位置に設置されており、景色は結構な物だ。
滑り台に座り溜息を付くと、神山市の夜景を眺めた。
先ほど家で見た「移り変わる景色」程では無いが、中々に美しかった。
俺は、何故か心に少し残るモヤモヤを洗い流せないかとここに来たのだが……どうやら数十分経っても、消えそうには無かった。
おわり
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:50:30.09 :DfTgR1c50
ん?
最後の行が見えないな
最後の行が見えないな
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:52:27.61 :vASjTEm40
>>51
すいません、まだ続きます
二話目、投下しますね
>>51
すいません、まだ続きます
二話目、投下しますね
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:53:47.79 :oq2eDfG20
俺は信じてた
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:54:30.91 :vASjTEm40
どうにも寝心地が悪く、目が覚めた。
時計に目をやると、時刻は5時。
奉太郎「なんだ、まだ5時か……」
今日は8時30分に、学校の前で集合の予定となっている。
それもそう、遊園地に古典部で遊びに行く、という里志の粋な計らいによって、だ。
奉太郎(二度寝したら、寝過ごしそうだな)
そう思い、ベッドからのそのそと這い出る。
奉太郎(少し早い気もするが、仕度するか)
洗面所に行き、寝癖を流し、歯を磨き、顔を洗う。
朝飯にパンを一枚食べ、コーヒーを飲む。
大分時間を使ったと思ったが、時刻はまだ5時30分であった。
どうにも寝心地が悪く、目が覚めた。
時計に目をやると、時刻は5時。
奉太郎「なんだ、まだ5時か……」
今日は8時30分に、学校の前で集合の予定となっている。
それもそう、遊園地に古典部で遊びに行く、という里志の粋な計らいによって、だ。
奉太郎(二度寝したら、寝過ごしそうだな)
そう思い、ベッドからのそのそと這い出る。
奉太郎(少し早い気もするが、仕度するか)
洗面所に行き、寝癖を流し、歯を磨き、顔を洗う。
朝飯にパンを一枚食べ、コーヒーを飲む。
大分時間を使ったと思ったが、時刻はまだ5時30分であった。
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 13:57:44.33 :vASjTEm40
奉太郎(後3時間もあるな……どうしたものか)
着替えを済ませると、外に出た。
柄にも無く、少し散歩でもしようと思い至ったからである。
奉太郎(さすがに、まだ朝は寒い)
まだ薄っすらと暗い空の下、目的地も無く歩いた。
20分ほどだろうか、神社が視界に入ってくる。
奉太郎(特に頼む事など無いが、寄ってみるか)
長い階段を半ば程まで上ったところで、若干後悔したが。
一番上まで到達し、息が少し上がる。
ふと、人が居るのに気付いた。
奉太郎(あれは……)
すると、そいつがこちらに振り向く。
奉太郎(後3時間もあるな……どうしたものか)
着替えを済ませると、外に出た。
柄にも無く、少し散歩でもしようと思い至ったからである。
奉太郎(さすがに、まだ朝は寒い)
まだ薄っすらと暗い空の下、目的地も無く歩いた。
20分ほどだろうか、神社が視界に入ってくる。
奉太郎(特に頼む事など無いが、寄ってみるか)
長い階段を半ば程まで上ったところで、若干後悔したが。
一番上まで到達し、息が少し上がる。
ふと、人が居るのに気付いた。
奉太郎(あれは……)
すると、そいつがこちらに振り向く。
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:00:45.47 :vASjTEm40
奉太郎「千反田か」
千反田はどうやら、少し驚いた様子。
無論、俺も多少驚いた。
一呼吸程の間を置くと、こちらに向かってきた。
える「折木さん、おはようございます。 どうしたんですか?」
奉太郎「少し早く起きすぎてしまってな、ちょっと、散歩を」
える「ふふ、珍しいですね」
奉太郎「里志風に言うと、世にも珍しい散歩する奉太郎って所か」
える「い、いえ! 折木さんも、お参りとかするんだな、と思っただけです」
奉太郎「いや、たまたま寄っただけだ」
奉太郎「お参りって程でも無い」
奉太郎「千反田か」
千反田はどうやら、少し驚いた様子。
無論、俺も多少驚いた。
一呼吸程の間を置くと、こちらに向かってきた。
える「折木さん、おはようございます。 どうしたんですか?」
奉太郎「少し早く起きすぎてしまってな、ちょっと、散歩を」
える「ふふ、珍しいですね」
奉太郎「里志風に言うと、世にも珍しい散歩する奉太郎って所か」
える「い、いえ! 折木さんも、お参りとかするんだな、と思っただけです」
奉太郎「いや、たまたま寄っただけだ」
奉太郎「お参りって程でも無い」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:03:10.33 :vASjTEm40
える「そうですか、では少し、お話しませんか?」
特にこれといってする事が無かったので、丁度いい。
奉太郎「ああ、じゃあ公園にでも行くか」
える「はい!」
~公園~
公園に入ったところで、千反田が口を開いた。
える「ここの公園、私……好きなんですよ」
奉太郎「そうなのか、俺も別に嫌いではないな」
そう言いながら、自販機に小銭を入れる。
温かいコーヒーを買い、続いて紅茶を買う。
奉太郎「お礼といっちゃなんだが、おごりだ」
える「そうですか、では少し、お話しませんか?」
特にこれといってする事が無かったので、丁度いい。
奉太郎「ああ、じゃあ公園にでも行くか」
える「はい!」
~公園~
公園に入ったところで、千反田が口を開いた。
える「ここの公園、私……好きなんですよ」
奉太郎「そうなのか、俺も別に嫌いではないな」
そう言いながら、自販機に小銭を入れる。
温かいコーヒーを買い、続いて紅茶を買う。
奉太郎「お礼といっちゃなんだが、おごりだ」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:09:46.90 :vASjTEm40
と言って千反田に紅茶を渡すと、千反田は熱そうにそれを両手で往復させていた。
える「ええっと、お礼……というのは?」
奉太郎「昨日のお守り、飲み物一本で釣り合うとは思えんがな」
奉太郎「また今度、何か渡すよ」
そう言うと千反田はベンチに座りながら、答えた。
える「いえ、大丈夫ですよ。 お気持ちだけで」
俺は「そうか」と言い、千反田の横に座る。
公園の時計によると、現在は6時を少しまわった所だ。
ところで、この公園というのも随分と辺境な場所にあり、知っているのは好奇心旺盛な小学生くらいだろう。
……無論、俺が知っているのは里志に教えてもらったからだが。
と言って千反田に紅茶を渡すと、千反田は熱そうにそれを両手で往復させていた。
える「ええっと、お礼……というのは?」
奉太郎「昨日のお守り、飲み物一本で釣り合うとは思えんがな」
奉太郎「また今度、何か渡すよ」
そう言うと千反田はベンチに座りながら、答えた。
える「いえ、大丈夫ですよ。 お気持ちだけで」
俺は「そうか」と言い、千反田の横に座る。
公園の時計によると、現在は6時を少しまわった所だ。
ところで、この公園というのも随分と辺境な場所にあり、知っているのは好奇心旺盛な小学生くらいだろう。
……無論、俺が知っているのは里志に教えてもらったからだが。
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:13:02.15 :vASjTEm40
神山市を朝日が照らす。
千反田がこちらを向き、嬉しそうに言う。
える「私、この景色が好きなんです」
える「朝早く起きたときは、いつもここに来ているんですよ」
そう言う千反田の瞳は、太陽の光が反射し、眩しかった。
奉太郎「そうか、俺は夜景が好きだな」
もっとも、朝日を見るのにここまでわざわざ来ることが無いというのが1番の理由だ。
奉太郎「でも、綺麗だなぁ」
える「はい、今度、夜景も見に来てみますね」
その後は少しだけ雑談をして、千反田は仕度があるので、と言って帰っていった。
まあ、女子ならば色々と準備に時間がかかるのだろう、良くは分からん。
俺もそのまま家に戻り、後は時間が来るまで、ぼーっとしていた。
ぼーっとしすぎて、集合時間に遅れそうになったのは笑えなかったが。
神山市を朝日が照らす。
千反田がこちらを向き、嬉しそうに言う。
える「私、この景色が好きなんです」
える「朝早く起きたときは、いつもここに来ているんですよ」
そう言う千反田の瞳は、太陽の光が反射し、眩しかった。
奉太郎「そうか、俺は夜景が好きだな」
もっとも、朝日を見るのにここまでわざわざ来ることが無いというのが1番の理由だ。
奉太郎「でも、綺麗だなぁ」
える「はい、今度、夜景も見に来てみますね」
その後は少しだけ雑談をして、千反田は仕度があるので、と言って帰っていった。
まあ、女子ならば色々と準備に時間がかかるのだろう、良くは分からん。
俺もそのまま家に戻り、後は時間が来るまで、ぼーっとしていた。
ぼーっとしすぎて、集合時間に遅れそうになったのは笑えなかったが。
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:15:52.85 :vASjTEm40
~バス~
そんなこんなで、今はバスに揺られている。
横で里志が、外に見える景色について様々な雑学を披露しているのを聞き、目を瞑る。
そうやって何も考えずにしているだけで俺は充分に幸せなのだが、里志が唐突に声を掛けてきた。
里志「そういえば、ホータロー」
奉太郎「……ん」
里志「ホータローってさ、遊園地の乗り物、楽しめるのかなって思ったんだけど」
里志「どうなのかな?」
奉太郎「まあ、それなりには楽しめるんじゃないか」
奉太郎(俺も人並みには楽しめるだろう、恐らく)
~バス~
そんなこんなで、今はバスに揺られている。
横で里志が、外に見える景色について様々な雑学を披露しているのを聞き、目を瞑る。
そうやって何も考えずにしているだけで俺は充分に幸せなのだが、里志が唐突に声を掛けてきた。
里志「そういえば、ホータロー」
奉太郎「……ん」
里志「ホータローってさ、遊園地の乗り物、楽しめるのかなって思ったんだけど」
里志「どうなのかな?」
奉太郎「まあ、それなりには楽しめるんじゃないか」
奉太郎(俺も人並みには楽しめるだろう、恐らく)
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:18:42.21 :vASjTEm40
すると伊原が、後ろから突然話しかけてくる。
摩耶花「折木って、アトラクションを楽しめそうにないよね」
失礼な奴だ、全く。
それを口に出して反論しようとしたが……
える「折木さん!」
今にも食ってかからん、といった距離まで千反田が顔を近づけてきた。
奉太郎「な、なんだ」
俺が若干引くも、千反田は更に距離を詰め、パンフレットを指差しながら言う。
える「私、このジェットコースターという乗り物が……」
える「気になります!」
さいで。
すると伊原が、後ろから突然話しかけてくる。
摩耶花「折木って、アトラクションを楽しめそうにないよね」
失礼な奴だ、全く。
それを口に出して反論しようとしたが……
える「折木さん!」
今にも食ってかからん、といった距離まで千反田が顔を近づけてきた。
奉太郎「な、なんだ」
俺が若干引くも、千反田は更に距離を詰め、パンフレットを指差しながら言う。
える「私、このジェットコースターという乗り物が……」
える「気になります!」
さいで。
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:21:27.03 :vASjTEm40
奉太郎「気になるなら乗ればいいだろう」
里志「はは、確かにそうだね、じゃあ最初に行こうか?」
摩耶花「私はちょっと怖いけど……いいよ、賛成」
える「ありがとうございます。 折木さんも行きますよね?」
ああ、参ったな。
俺は乗らないつもりだったんだが、どうやらこの流れだと全員で乗ることになりそうだ。
別に俺は、絶叫系という奴が苦手という訳ではない。
だけど、ジェットコースターは如何せん……
奉太郎「気になるなら乗ればいいだろう」
里志「はは、確かにそうだね、じゃあ最初に行こうか?」
摩耶花「私はちょっと怖いけど……いいよ、賛成」
える「ありがとうございます。 折木さんも行きますよね?」
ああ、参ったな。
俺は乗らないつもりだったんだが、どうやらこの流れだと全員で乗ることになりそうだ。
別に俺は、絶叫系という奴が苦手という訳ではない。
だけど、ジェットコースターは如何せん……
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:24:16.13 :vASjTEm40
~遊園地~
里志「うわあ、さすが、すごかったね」
える「わ、わたし、ちょっと怖かったです」
摩耶花「私も怖かった……でも、すごかったね」
里志「あれ、ホータローは?」
奉太郎「すまん、ちょっと気持ちが悪い」
如何せん俺は、酔うのだ。
摩耶花「ええ、あんたジェットコースターでも酔うの?」
奉太郎「わ、悪かったな」
里志「ホータロー……」
哀れみの目で俺を見るな。
~遊園地~
里志「うわあ、さすが、すごかったね」
える「わ、わたし、ちょっと怖かったです」
摩耶花「私も怖かった……でも、すごかったね」
里志「あれ、ホータローは?」
奉太郎「すまん、ちょっと気持ちが悪い」
如何せん俺は、酔うのだ。
摩耶花「ええ、あんたジェットコースターでも酔うの?」
奉太郎「わ、悪かったな」
里志「ホータロー……」
哀れみの目で俺を見るな。
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:27:47.81 :vASjTEm40
奉太郎「……すまん、少し休ませてくれ」
える「折木さん、大丈夫ですか?」
摩耶花「もー、しょうがないわね」
なんとも情けない。
俺が既に帰りたくなっていると、遠くからパレードらしき音が聞こえて来る。
里志「おわっ! なんだあれ? ちょっと行ってくる!」
里志はどうやら、そっちに更なる興味を惹かれ、パレードへ向かって走っていった。
摩耶花「ちょ、ちょっとふくちゃん!」
伊原もそれを呼び止めようとし、無理だと悟ると追いかけようとするが、俺と千反田を見て一瞬躊躇う。
その一部始終を見ていた千反田は言った。
奉太郎「……すまん、少し休ませてくれ」
える「折木さん、大丈夫ですか?」
摩耶花「もー、しょうがないわね」
なんとも情けない。
俺が既に帰りたくなっていると、遠くからパレードらしき音が聞こえて来る。
里志「おわっ! なんだあれ? ちょっと行ってくる!」
里志はどうやら、そっちに更なる興味を惹かれ、パレードへ向かって走っていった。
摩耶花「ちょ、ちょっとふくちゃん!」
伊原もそれを呼び止めようとし、無理だと悟ると追いかけようとするが、俺と千反田を見て一瞬躊躇う。
その一部始終を見ていた千反田は言った。
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:30:11.75 :vASjTEm40
える「大丈夫ですよ、摩耶花さん、折木さんは私が見ていますので」
摩耶花「う、うん……ごめんね、ちーちゃん、折木」
奉太郎「……いいから早く行って来い、里志が迷子になる前に」
それを聞くと、伊原は申し訳なさそうな顔を再度こちらに向け、里志の後を追って行った。
奉太郎「すまんな、千反田」
える「いえ、私の方こそ、無理やり乗せてしまったみたいで……」
こいつは、人を責めると言う事をしない。
だからたまにそれが、辛く感じてしまう。
しかし、それもこいつのいい所ではあるのだろう。
それからはしばらく木陰で休み、千反田が飲み物やらを用意してくれたお陰で、すっかりと体調はよくなった。
える「大丈夫ですよ、摩耶花さん、折木さんは私が見ていますので」
摩耶花「う、うん……ごめんね、ちーちゃん、折木」
奉太郎「……いいから早く行って来い、里志が迷子になる前に」
それを聞くと、伊原は申し訳なさそうな顔を再度こちらに向け、里志の後を追って行った。
奉太郎「すまんな、千反田」
える「いえ、私の方こそ、無理やり乗せてしまったみたいで……」
こいつは、人を責めると言う事をしない。
だからたまにそれが、辛く感じてしまう。
しかし、それもこいつのいい所ではあるのだろう。
それからはしばらく木陰で休み、千反田が飲み物やらを用意してくれたお陰で、すっかりと体調はよくなった。
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:33:33.58 :vASjTEm40
俺が「もう大丈夫だ」と千反田に言うと、何故か千反田は幸せそうに笑った。
起き上がり、礼を言う。
える「いえいえ、とんでもないです」
える「それより、福部さんと摩耶花さんと、合流しましょう」
ふむ、そうだな、合流しよう。
どうやって?
奉太郎「そうだな、じゃあどうやって合流しようか」
千反田もようやく合流する方法がない事に気付いたのか、若干気まずそうに言う。
える「ええっと……探しましょう!」
という訳で、俺と千反田は里志と伊原を探すことになった訳だが……
俺が「もう大丈夫だ」と千反田に言うと、何故か千反田は幸せそうに笑った。
起き上がり、礼を言う。
える「いえいえ、とんでもないです」
える「それより、福部さんと摩耶花さんと、合流しましょう」
ふむ、そうだな、合流しよう。
どうやって?
奉太郎「そうだな、じゃあどうやって合流しようか」
千反田もようやく合流する方法がない事に気付いたのか、若干気まずそうに言う。
える「ええっと……探しましょう!」
という訳で、俺と千反田は里志と伊原を探すことになった訳だが……
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:37:57.05 :vASjTEm40
える「折木さん! あの乗り物はなんて名前なんですか? 私、気になります!」
える「折木さん! あのぐるぐる回っている物はなんでしょうか? 私、気になります!」
える「折木さん! あそこは何を売っているのでしょうか? 私、気になります!」
える「折木さん!」
こんな具合で、目的はすっかりと入れ替ってしまっていた。
だが、千反田もいざ乗る前となると「折木さん、大丈夫ですか?」と聞いてくるので、かなり断り辛い。
まあ、酔うのはジェットコースターくらいで、問題はないのだが。
奉太郎(しかし)
奉太郎(これはもしかして、デートという奴になるのか)
それを意識しだすと、なんだか妙に恥ずかしい。
千反田は全く気付いていない様子だ。
える「折木さん! あの乗り物はなんて名前なんですか? 私、気になります!」
える「折木さん! あのぐるぐる回っている物はなんでしょうか? 私、気になります!」
える「折木さん! あそこは何を売っているのでしょうか? 私、気になります!」
える「折木さん!」
こんな具合で、目的はすっかりと入れ替ってしまっていた。
だが、千反田もいざ乗る前となると「折木さん、大丈夫ですか?」と聞いてくるので、かなり断り辛い。
まあ、酔うのはジェットコースターくらいで、問題はないのだが。
奉太郎(しかし)
奉太郎(これはもしかして、デートという奴になるのか)
それを意識しだすと、なんだか妙に恥ずかしい。
千反田は全く気付いていない様子だ。
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:41:03.53 :vASjTEm40
える「折木さん、次はあそこに行きましょう!」
ま、別にいいか。
ただ、二人でコーヒーカップに乗ったときは、かなり恥ずかしかった。
奉太郎「それにしても」
奉太郎「本当に初めてだったんだな、遊園地」
える「ええ、見るもの全てが気になってしまいます!」
奉太郎(それは、良かったです)
散々動いたせいか、少し腹が減ってきた。
気付けば太陽は頂上を通り越している。
なるほど、腹が減る訳だ。
奉太郎「千反田、どこかで飯を食べないか?」
える「そう、ですね。 私もお腹が減ってきてしまいました」
奉太郎「決定だな、どこか近くの店に入ろう」
える「はい!」
える「折木さん、次はあそこに行きましょう!」
ま、別にいいか。
ただ、二人でコーヒーカップに乗ったときは、かなり恥ずかしかった。
奉太郎「それにしても」
奉太郎「本当に初めてだったんだな、遊園地」
える「ええ、見るもの全てが気になってしまいます!」
奉太郎(それは、良かったです)
散々動いたせいか、少し腹が減ってきた。
気付けば太陽は頂上を通り越している。
なるほど、腹が減る訳だ。
奉太郎「千反田、どこかで飯を食べないか?」
える「そう、ですね。 私もお腹が減ってきてしまいました」
奉太郎「決定だな、どこか近くの店に入ろう」
える「はい!」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:45:16.18 :vASjTEm40
俺は辺りを見回し、ファミレスらしき建物を見つけた。
奉太郎「あそこにするか」
ファミレスに入ると、店内は結構な賑わいをかもしだしている。
席に案内され、千反田と一緒に腰を掛ける。
奉太郎(何を食べようか)
メニューを見ながらどれにするか悩む。
千反田はというと、とても真剣にメニューを見ていた。
奉太郎(そこまで必死に見なくても、メニューは逃げないぞ)
奉太郎(に、しても)
「それでさ、あれはそう言う訳であそこにあるんだよ! 分かった?」
「へえ、そうなんだ。 じゃあ、あれは?」
奉太郎(後ろがやけに騒がしいな)
俺は辺りを見回し、ファミレスらしき建物を見つけた。
奉太郎「あそこにするか」
ファミレスに入ると、店内は結構な賑わいをかもしだしている。
席に案内され、千反田と一緒に腰を掛ける。
奉太郎(何を食べようか)
メニューを見ながらどれにするか悩む。
千反田はというと、とても真剣にメニューを見ていた。
奉太郎(そこまで必死に見なくても、メニューは逃げないぞ)
奉太郎(に、しても)
「それでさ、あれはそう言う訳であそこにあるんだよ! 分かった?」
「へえ、そうなんだ。 じゃあ、あれは?」
奉太郎(後ろがやけに騒がしいな)
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:48:00.06 :vASjTEm40
と思いつつ後ろに視線を向けると、何やら見慣れた後頭部。
そしてその、後頭部を持った人物の向かいに座っている奴が声をあげた。
摩耶花「あれ? 折木?」
後頭部も気付いたのか、こちらを振り向く。
里志「ホータローじゃないか! こんな所で何をしているんだい」
あのなぁ。
える「あれ? 福部さんに、摩耶花さん!」
摩耶花「ちーちゃんも! 変な事されなかった?」
最初に聞くのがそれなのか、納得できん。
里志「あはは、ごめんね。 ついつい見たいものがありすぎて」
奉太郎「千反田が乗り移りでもしたか」
と思いつつ後ろに視線を向けると、何やら見慣れた後頭部。
そしてその、後頭部を持った人物の向かいに座っている奴が声をあげた。
摩耶花「あれ? 折木?」
後頭部も気付いたのか、こちらを振り向く。
里志「ホータローじゃないか! こんな所で何をしているんだい」
あのなぁ。
える「あれ? 福部さんに、摩耶花さん!」
摩耶花「ちーちゃんも! 変な事されなかった?」
最初に聞くのがそれなのか、納得できん。
里志「あはは、ごめんね。 ついつい見たいものがありすぎて」
奉太郎「千反田が乗り移りでもしたか」
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:50:58.52 :vASjTEm40
奉太郎「ま、別にいいさ、俺のせいで回れないって方が嫌だからな」
摩耶花「ちーちゃんは折木のせいで回れなかったんじゃないー?」
失礼な、しっかり回った……もとい、振り回された。
える「そんな事ないですよ! 色々な乗り物に乗ってきました!」
と、ここで里志は余計なひと言。
里志「色々、ね。 デートみたいに楽しめた訳だ」
一瞬の沈黙。
千反田はそれを聞くと、顔を真っ赤にして必死の言い訳を始める。
える「そ、そんなんじゃないです! ただ、折木さんと一緒に観覧車やコーヒーカップに乗っただけで……」
ああ、そこまで詳細に言う必要は無いだろう。
里志「千反田さん! 世間一般ではね、それをデートっていうんだよ」
こいつはまた、余計な事を。
奉太郎「ま、別にいいさ、俺のせいで回れないって方が嫌だからな」
摩耶花「ちーちゃんは折木のせいで回れなかったんじゃないー?」
失礼な、しっかり回った……もとい、振り回された。
える「そんな事ないですよ! 色々な乗り物に乗ってきました!」
と、ここで里志は余計なひと言。
里志「色々、ね。 デートみたいに楽しめた訳だ」
一瞬の沈黙。
千反田はそれを聞くと、顔を真っ赤にして必死の言い訳を始める。
える「そ、そんなんじゃないです! ただ、折木さんと一緒に観覧車やコーヒーカップに乗っただけで……」
ああ、そこまで詳細に言う必要は無いだろう。
里志「千反田さん! 世間一般ではね、それをデートっていうんだよ」
こいつはまた、余計な事を。
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:53:58.27 :vASjTEm40
える「そ、そうなんですか。 知らなかったです」
そう言うと、千反田は顔を伏せてしまった。
奉太郎「はあ」
摩耶花「やっぱりしてたんじゃない、ヘンな事」
おい、それだけで変な事扱いとは、世の中の男はどうなる。
奉太郎「大体だな、本当にただ一緒に回っていただけだぞ」
奉太郎「お前らだって、気になる物があったら見て回るだろ、里志もさっきそうだったように」
そこまで言って、これは俺のモットーに反する事ではないか、と思い始めた。
しなくてもいい事。だったのでは、と。
里志「はは、ジョークだよ。 ごめんね、千反田さん、ホータローも」
奉太郎「俺は、別にいい」
える「い、いえ、大丈夫です。 気にしないでください」
そう言うと、千反田はようやく顔をあげた。
える「そ、そうなんですか。 知らなかったです」
そう言うと、千反田は顔を伏せてしまった。
奉太郎「はあ」
摩耶花「やっぱりしてたんじゃない、ヘンな事」
おい、それだけで変な事扱いとは、世の中の男はどうなる。
奉太郎「大体だな、本当にただ一緒に回っていただけだぞ」
奉太郎「お前らだって、気になる物があったら見て回るだろ、里志もさっきそうだったように」
そこまで言って、これは俺のモットーに反する事ではないか、と思い始めた。
しなくてもいい事。だったのでは、と。
里志「はは、ジョークだよ。 ごめんね、千反田さん、ホータローも」
奉太郎「俺は、別にいい」
える「い、いえ、大丈夫です。 気にしないでください」
そう言うと、千反田はようやく顔をあげた。
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 14:57:19.43 :vASjTEm40
それからは、席を4人の所に移してもらい、談笑しながら飯を食べる。
一通り食べ終わり、会計を済ませ、店を出ようとした所で、千反田がなにやら言いたそうにこちらを見ていた。
奉太郎「千反田、どうかしたのか」
千反田は、伊原と里志に聞こえてないのを確認し、こう言った。
える「あの、折木さん、さっきはありがとうございました」
なんだ、そんな事か。
軽く返事をし、行こうとすると。
える「でも、勘違いされたままでも、私は気にしませんよ」
言われたこっちが恥ずかしくなる。
別に俺も、そのままでも良かったんだが……疲れるしな。
しかし「俺もそのままでも良かった」とは、いくら言おうとしても、何故か言葉にできなかった。
出てきたのは「ああ、そうか」という無愛想な返事。
それからは、席を4人の所に移してもらい、談笑しながら飯を食べる。
一通り食べ終わり、会計を済ませ、店を出ようとした所で、千反田がなにやら言いたそうにこちらを見ていた。
奉太郎「千反田、どうかしたのか」
千反田は、伊原と里志に聞こえてないのを確認し、こう言った。
える「あの、折木さん、さっきはありがとうございました」
なんだ、そんな事か。
軽く返事をし、行こうとすると。
える「でも、勘違いされたままでも、私は気にしませんよ」
言われたこっちが恥ずかしくなる。
別に俺も、そのままでも良かったんだが……疲れるしな。
しかし「俺もそのままでも良かった」とは、いくら言おうとしても、何故か言葉にできなかった。
出てきたのは「ああ、そうか」という無愛想な返事。
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:00:12.88 :vASjTEm40
その後、外で待っていた里志、伊原と合流し、遊園地を再び見て回る。
……お化け屋敷に行ったときの伊原の怖がりっぷりは、是非とも永久保存しておきたかった。
……夜のパレードを見て、千反田は目をキラキラと輝かせていた。
……里志はと言うと、相変わらずすぐにどこかえ消え、気付いたら戻ってきてる、と言った感じだ。
やはり、楽しい時間はすぐに過ぎるのだろうか。
俺も別段、人が楽しめる事を楽しめない……と言った訳でもない。
人並みには、楽しめる。
間もなく閉園時間となり、朝の内にチェックインしてあったホテルへと帰って行く。
俺はすぐにでも寝たかったのだが、里志のくだらない与太話を聞かされ、寝たのは大分遅い時間になってしまった。
その後、外で待っていた里志、伊原と合流し、遊園地を再び見て回る。
……お化け屋敷に行ったときの伊原の怖がりっぷりは、是非とも永久保存しておきたかった。
……夜のパレードを見て、千反田は目をキラキラと輝かせていた。
……里志はと言うと、相変わらずすぐにどこかえ消え、気付いたら戻ってきてる、と言った感じだ。
やはり、楽しい時間はすぐに過ぎるのだろうか。
俺も別段、人が楽しめる事を楽しめない……と言った訳でもない。
人並みには、楽しめる。
間もなく閉園時間となり、朝の内にチェックインしてあったホテルへと帰って行く。
俺はすぐにでも寝たかったのだが、里志のくだらない与太話を聞かされ、寝たのは大分遅い時間になってしまった。
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:04:31.45 :vASjTEm40
翌朝、目を覚まし、里志と共に伊原、千反田と合流する。
すると何やら千反田は申し訳なさそうに、頭を下げてきた。
える「すいません、実は家の事情で……」
要約すると、どうやら千反田は家の事情で一足先に帰らなくてはいけなくなったらしい。
携帯を持っていない千反田にどうやって連絡を取ったのかは謎だが……恐らくホテルへ電話が入ったのだろう。
里志と伊原は残念そうにしていたし、俺も少ないよりは多いほうがいい、程には思うので多少は残念だったと思う。
そして千反田を見送り、3人でどうするか話を始める、つまりこれが現在。
里志「さて、と。 どうしようか」
奉太郎「と言われてもな」
摩耶花「うーん、ここにずっと居てもあれだし……とりあえず遊園地に行かない?」
里志「そうだね、折角きたんだし、楽しまなくちゃ!」
奉太郎「……」
翌朝、目を覚まし、里志と共に伊原、千反田と合流する。
すると何やら千反田は申し訳なさそうに、頭を下げてきた。
える「すいません、実は家の事情で……」
要約すると、どうやら千反田は家の事情で一足先に帰らなくてはいけなくなったらしい。
携帯を持っていない千反田にどうやって連絡を取ったのかは謎だが……恐らくホテルへ電話が入ったのだろう。
里志と伊原は残念そうにしていたし、俺も少ないよりは多いほうがいい、程には思うので多少は残念だったと思う。
そして千反田を見送り、3人でどうするか話を始める、つまりこれが現在。
里志「さて、と。 どうしようか」
奉太郎「と言われてもな」
摩耶花「うーん、ここにずっと居てもあれだし……とりあえず遊園地に行かない?」
里志「そうだね、折角きたんだし、楽しまなくちゃ!」
奉太郎「……」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:07:39.97 :vASjTEm40
俺はどっちかというと、ホテルで寝ていたかった。
里志がまず「ホータローも来るよね?」といい、伊原までもが「折木も来なさいよ?」等というので、仕方なく、参加する。
二人とも、千反田が帰ったことによって多少は寂しかったのかもしれない。
だがやはり、3人で回った所で何か物足りない気分となってしまう。
それは俺以外の二人も感じていた事の様で、昼過ぎ頃には「帰ろうか」という雰囲気になっていた。
荷物を持ち、バスの停留所まで歩く。
伊原と里志がバスに乗り込んだ後で、あることを思い出した。
里志「ホータロー、もう出発しちゃうよ」
里志が未だバスに乗らない俺に向けて言う。
摩耶花「これ逃したら次は1時間後よ? もしかして遊園地が恋しくなった?」
と続けて伊原も言ってくる。
俺はどっちかというと、ホテルで寝ていたかった。
里志がまず「ホータローも来るよね?」といい、伊原までもが「折木も来なさいよ?」等というので、仕方なく、参加する。
二人とも、千反田が帰ったことによって多少は寂しかったのかもしれない。
だがやはり、3人で回った所で何か物足りない気分となってしまう。
それは俺以外の二人も感じていた事の様で、昼過ぎ頃には「帰ろうか」という雰囲気になっていた。
荷物を持ち、バスの停留所まで歩く。
伊原と里志がバスに乗り込んだ後で、あることを思い出した。
里志「ホータロー、もう出発しちゃうよ」
里志が未だバスに乗らない俺に向けて言う。
摩耶花「これ逃したら次は1時間後よ? もしかして遊園地が恋しくなった?」
と続けて伊原も言ってくる。
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:11:31.03 :vASjTEm40
奉太郎「……すまん、ちとホテルに忘れ物をした」
二人とも、呆れた様な顔をし、続ける。
里志「うーん、ま、仕方ないよ、降りよう摩耶花」
摩耶花「もう、しっかりしてよね、折木」
そう言ってくれたが、二人を連れて行くわけには……ダメだ、連れて行くわけにはいかない。
奉太郎「いや、俺だけ次のバスで帰る。 すまないが先に帰っていてくれ」
二人もそれなら……と言った感じで、納得した様子ではあった。
バスを見送り、遊園地に向かう。
ホテルへ忘れ物をした、というのは嘘。
だからといって、一人で遊園地を楽しむぞ! という訳でもない。
一つ、目的があった。
奉太郎「……すまん、ちとホテルに忘れ物をした」
二人とも、呆れた様な顔をし、続ける。
里志「うーん、ま、仕方ないよ、降りよう摩耶花」
摩耶花「もう、しっかりしてよね、折木」
そう言ってくれたが、二人を連れて行くわけには……ダメだ、連れて行くわけにはいかない。
奉太郎「いや、俺だけ次のバスで帰る。 すまないが先に帰っていてくれ」
二人もそれなら……と言った感じで、納得した様子ではあった。
バスを見送り、遊園地に向かう。
ホテルへ忘れ物をした、というのは嘘。
だからといって、一人で遊園地を楽しむぞ! という訳でもない。
一つ、目的があった。
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:15:42.78 :vASjTEm40
~バス~
今日の出来事を振り返り、俺は少し眠くなってきた。
窓の外には、夕暮れが見える。
奉太郎(もう夕方か)
奉太郎(少し、寝るか)
夢は、特に見なかった。
次に起きた時には、最寄の駅の停留所に居て、バスの乗務員によって起こされた。
奉太郎(体が重い)
奉太郎(帰るか)
辺りは既に暗くなっていて、仕事帰りのサラリーマンが群れをなしている。
奉太郎(祝日まで働いて、大変だなぁ)
それを見て「この二日は、意外と面白かったかもしれない」等、柄にも無いことを考えてしまう。
~バス~
今日の出来事を振り返り、俺は少し眠くなってきた。
窓の外には、夕暮れが見える。
奉太郎(もう夕方か)
奉太郎(少し、寝るか)
夢は、特に見なかった。
次に起きた時には、最寄の駅の停留所に居て、バスの乗務員によって起こされた。
奉太郎(体が重い)
奉太郎(帰るか)
辺りは既に暗くなっていて、仕事帰りのサラリーマンが群れをなしている。
奉太郎(祝日まで働いて、大変だなぁ)
それを見て「この二日は、意外と面白かったかもしれない」等、柄にも無いことを考えてしまう。
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:20:29.04 :vASjTEm40
奉太郎(一週間分くらいは動いたな、この二日で)
奉太郎(いや、二週間か?)
そこまで考え、ああ、これは無駄な事だと思い、放棄する。
俺の視界に我が家が見えてくる、長い二日間も、ようやく終わり。
思えば、省エネとはかけ離れた二日になってしまった。
そんな事を考えながら、重い荷物を背負い、家の扉を開けた。
第二話
おわり
奉太郎(一週間分くらいは動いたな、この二日で)
奉太郎(いや、二週間か?)
そこまで考え、ああ、これは無駄な事だと思い、放棄する。
俺の視界に我が家が見えてくる、長い二日間も、ようやく終わり。
思えば、省エネとはかけ離れた二日になってしまった。
そんな事を考えながら、重い荷物を背負い、家の扉を開けた。
第二話
おわり
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:28:51.89 :vASjTEm40
昨日は、申し訳ないことをしてしまいました。
折角皆さんと、遊園地に遊びに行っていたのに、途中で用事が入るなんて……
今日皆さんに会ったら、謝りましょう。
私は、いつもより少し早く目が覚めました。
時刻はまだ、朝の5時。
少しどうするか悩みましたが……決めました!
える(いつもの公園に行きましょう)
そう思い、公園に向かいます。
まだ外は少し暗く、日が昇るのにはちょっとだけ時間がありそうです。
公園の入り口に着き、いつものベンチに座ろうとしたところで、人影があるのに気付きました。
昨日は、申し訳ないことをしてしまいました。
折角皆さんと、遊園地に遊びに行っていたのに、途中で用事が入るなんて……
今日皆さんに会ったら、謝りましょう。
私は、いつもより少し早く目が覚めました。
時刻はまだ、朝の5時。
少しどうするか悩みましたが……決めました!
える(いつもの公園に行きましょう)
そう思い、公園に向かいます。
まだ外は少し暗く、日が昇るのにはちょっとだけ時間がありそうです。
公園の入り口に着き、いつものベンチに座ろうとしたところで、人影があるのに気付きました。
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:31:44.54 :vASjTEm40
える(あれは……折木さんでしょうか?)
近づいて見たら、すぐに分かりました、やはり折木さんです。
える「おはようございます、折木さん」
える「昨日はその……すいませんでした」
奉太郎「千反田か」
奉太郎「別に気にするほどの事でもないだろう」
える「そうですか、ありがとうございます」
える「今日もお散歩ですか?」
奉太郎「いや、今日はちょっと、用があった」
奉太郎「ここで待ってれば、千反田が来ると思ってな」
はて、私に用事とはなんでしょうか……気になります。
える(あれは……折木さんでしょうか?)
近づいて見たら、すぐに分かりました、やはり折木さんです。
える「おはようございます、折木さん」
える「昨日はその……すいませんでした」
奉太郎「千反田か」
奉太郎「別に気にするほどの事でもないだろう」
える「そうですか、ありがとうございます」
える「今日もお散歩ですか?」
奉太郎「いや、今日はちょっと、用があった」
奉太郎「ここで待ってれば、千反田が来ると思ってな」
はて、私に用事とはなんでしょうか……気になります。
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:34:28.40 :vASjTEm40
える「私に用事……ですか?」
奉太郎「ああ」
すると折木さんは、持っていた袋を私に渡してきました。
可愛らしくラッピングされたそれは、何かのプレゼントの様な……
える「これは、プレゼントでしょうか?」
奉太郎「まあ、そうだ」
どうしてでしょう……何か、今日は記念日なのか……気になります!
える(もしかして、私の誕生日だと思って……?)
える「すいません、私の誕生日はまだ先なんですが」
奉太郎「いや、違う」
奉太郎「それに俺はお前の誕生日を知らん」
える「私に用事……ですか?」
奉太郎「ああ」
すると折木さんは、持っていた袋を私に渡してきました。
可愛らしくラッピングされたそれは、何かのプレゼントの様な……
える「これは、プレゼントでしょうか?」
奉太郎「まあ、そうだ」
どうしてでしょう……何か、今日は記念日なのか……気になります!
える(もしかして、私の誕生日だと思って……?)
える「すいません、私の誕生日はまだ先なんですが」
奉太郎「いや、違う」
奉太郎「それに俺はお前の誕生日を知らん」
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 15:37:07.43 :vASjTEm40
える「そ、そうですか。 では、これは?」
奉太郎「この前のお礼だよ、お守りの」
える「あ! そうでしたか。 わざわざありがとうございます」
折木さんがしっかりと覚えていてくれたのは、意外でした。
でも、嬉しかったです。
すると、折木さんはまだ薄っすらと暗い街並みを見ながら答えました。
奉太郎「その、なんだ。 伊原と里志には言わないでくれよ」
える「えっと、でも一緒に買ったのではないんですか?」
奉太郎「いや……あいつらには先に帰ってもらって、後から買って帰ったんだよ」
正直、折木さんがそこまでしてプレゼントを買ってきてくれたと聞いたときは、ちょっと泣きそうになってしまいましたが……
我が子の成長を見守る母親……とはちょっと違います、なんでしょうか。
える「そ、そうですか。 では、これは?」
奉太郎「この前のお礼だよ、お守りの」
える「あ! そうでしたか。 わざわざありがとうございます」
折木さんがしっかりと覚えていてくれたのは、意外でした。
でも、嬉しかったです。
すると、折木さんはまだ薄っすらと暗い街並みを見ながら答えました。
奉太郎「その、なんだ。 伊原と里志には言わないでくれよ」
える「えっと、でも一緒に買ったのではないんですか?」
奉太郎「いや……あいつらには先に帰ってもらって、後から買って帰ったんだよ」
正直、折木さんがそこまでしてプレゼントを買ってきてくれたと聞いたときは、ちょっと泣きそうになってしまいましたが……
我が子の成長を見守る母親……とはちょっと違います、なんでしょうか。
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:04:50.08 :vASjTEm40
でも、いきなり泣いたりなんかしたら、折木さんも迷惑することでしょう。
える「あ、そ、その、ありがとうございます。 とても嬉しいです」
少し、顔が熱いです。
折木さんは「袋は帰ってから開けてくれ」と言うと、帰ってしまわれました。
嬉しくて、上手くお礼を言えなかったのが残念ですが。
私はプレゼントを抱くと、今日が昇ってきた朝日に向かい、頭を下げ、言いました。
える「折木さん、ありがとうございます」
でも、いきなり泣いたりなんかしたら、折木さんも迷惑することでしょう。
える「あ、そ、その、ありがとうございます。 とても嬉しいです」
少し、顔が熱いです。
折木さんは「袋は帰ってから開けてくれ」と言うと、帰ってしまわれました。
嬉しくて、上手くお礼を言えなかったのが残念ですが。
私はプレゼントを抱くと、今日が昇ってきた朝日に向かい、頭を下げ、言いました。
える「折木さん、ありがとうございます」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:08:29.34 :vASjTEm40
~部室~
里志「いやあ、二日間、お疲れ様」
摩耶花「ちーちゃんも残念だったね、今度また行こうね」
える「いえ、初日で充分に楽しめたので」
える「でも、また機会があったら行きたいです」
える「二日目は急用が入ってしまい、すいませんでした」
里志「千反田さんが謝る事でもないよ。 家の事情なら仕方ないしね」
摩耶花「そうそう、ちーちゃんは忙しいんだから、一々謝らなくてもいいのに」
奉太郎「……そうだな、人間誰しも急な用事はあるものだ」
摩耶花「折木がそれを言うの? あんたに急用入ってる所なんて見たことないんだけど?」
奉太郎「うぐ……」
そう言われ、折木さんは苦笑いをしていました。
~部室~
里志「いやあ、二日間、お疲れ様」
摩耶花「ちーちゃんも残念だったね、今度また行こうね」
える「いえ、初日で充分に楽しめたので」
える「でも、また機会があったら行きたいです」
える「二日目は急用が入ってしまい、すいませんでした」
里志「千反田さんが謝る事でもないよ。 家の事情なら仕方ないしね」
摩耶花「そうそう、ちーちゃんは忙しいんだから、一々謝らなくてもいいのに」
奉太郎「……そうだな、人間誰しも急な用事はあるものだ」
摩耶花「折木がそれを言うの? あんたに急用入ってる所なんて見たことないんだけど?」
奉太郎「うぐ……」
そう言われ、折木さんは苦笑いをしていました。
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:12:14.61 :vASjTEm40
このお二人も、最初は仲が悪いのかとも思いましたが、どうやら違うようです。
摩耶花さんも心の底から言っている言葉ではないみたいですし。
これはこれで、いいコンビなのかもしれません。
摩耶花「あ、そうだちーちゃん」
える「はい?」
摩耶花「昨日の帰りの事なんだけどさ」
摩耶花「ふくちゃん、話してあげて」
昨日の帰りの事……なんでしょうか?
……気になります。
里志「じゃあ聞いてもらおうかな」
里志「ホータローの忘れ物事件、をね!」
このお二人も、最初は仲が悪いのかとも思いましたが、どうやら違うようです。
摩耶花さんも心の底から言っている言葉ではないみたいですし。
これはこれで、いいコンビなのかもしれません。
摩耶花「あ、そうだちーちゃん」
える「はい?」
摩耶花「昨日の帰りの事なんだけどさ」
摩耶花「ふくちゃん、話してあげて」
昨日の帰りの事……なんでしょうか?
……気になります。
里志「じゃあ聞いてもらおうかな」
里志「ホータローの忘れ物事件、をね!」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:15:35.24 :vASjTEm40
それを聞いた折木さんは、少し顔を歪めていました。
里志「前に話した【愛無き愛読書】は覚えているかな?」
里志「あれで分かったこと、事件の内容は勿論だけど……もう一つ」
里志「ホータローは意外と抜けているって事が分かったよね」
里志「それでね、昨日の帰りなんだけど……」
そう言うと、福部さんは昨日の帰り、バスに乗る時にあったことを話してくれました。
それを聞いた私は、ちょっといたずら心を突付かれてしまいます。
える「そんな事が……」
える「折木さん!」
奉太郎「な、なんだ」
える「折木さんが何故、忘れ物をしたのか」
える「何を忘れたのか」
える「そして、それを見つける事が出来たのか」
える「私、気になります!」
それを聞いた折木さんは、少し顔を歪めていました。
里志「前に話した【愛無き愛読書】は覚えているかな?」
里志「あれで分かったこと、事件の内容は勿論だけど……もう一つ」
里志「ホータローは意外と抜けているって事が分かったよね」
里志「それでね、昨日の帰りなんだけど……」
そう言うと、福部さんは昨日の帰り、バスに乗る時にあったことを話してくれました。
それを聞いた私は、ちょっといたずら心を突付かれてしまいます。
える「そんな事が……」
える「折木さん!」
奉太郎「な、なんだ」
える「折木さんが何故、忘れ物をしたのか」
える「何を忘れたのか」
える「そして、それを見つける事が出来たのか」
える「私、気になります!」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:19:24.20 :vASjTEm40
そう言い、いつもの様に折木さんにお願いをしました。
折木さんはというと。
奉太郎「い、いや……それは」
と口篭ってしまいました。
少々やりすぎてしまったかもしれません。
その光景を見ていた福部さん、摩耶花さんの方を向き、私は言いました。
える「でも、やっぱり気にならないかもしれません……」
福部さんと摩耶花さんは少し……かなり残念そうな顔をした後に、興味がなくなったのか二人で話し始めました。
える「折木さん」
える「……冗談、ですよ」
える「折木さんがその時に何をしていたか、私、知っていますから」
そう言い、いつもの様に折木さんにお願いをしました。
折木さんはというと。
奉太郎「い、いや……それは」
と口篭ってしまいました。
少々やりすぎてしまったかもしれません。
その光景を見ていた福部さん、摩耶花さんの方を向き、私は言いました。
える「でも、やっぱり気にならないかもしれません……」
福部さんと摩耶花さんは少し……かなり残念そうな顔をした後に、興味がなくなったのか二人で話し始めました。
える「折木さん」
える「……冗談、ですよ」
える「折木さんがその時に何をしていたか、私、知っていますから」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:21:09.90 :vASjTEm40
奉太郎「み、妙な冗談を急に言うな……」
折木さんはそう言うと、手に持っていた小説に再び目を落とします。
なんだか、不思議と気分がよくなります。
部室に集まり、なんでもない会話をする。
これが、私たちの「古典部」です。
2.5話
おわり
奉太郎「み、妙な冗談を急に言うな……」
折木さんはそう言うと、手に持っていた小説に再び目を落とします。
なんだか、不思議と気分がよくなります。
部室に集まり、なんでもない会話をする。
これが、私たちの「古典部」です。
2.5話
おわり
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:24:20.38 :vASjTEm40
以上で2,5話、終わりです。
代理の方、支援してくれた方、ありがとうございます
以上で2,5話、終わりです。
代理の方、支援してくれた方、ありがとうございます
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:26:56.25 :vASjTEm40
次は土曜日辺りに、三話、四話、4,5話を投下できると思います。
次は土曜日辺りに、三話、四話、4,5話を投下できると思います。
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/05(水) 16:28:49.69 :atTmg/mIO
お疲れさま楽しみにしてる





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