あかり「良い子過ぎて目立たないって言われるから、イメージを変えて悪い子になりたいんです！」

西垣(良い子で有名な時点で十分目立っていると思うが……。今日日の女子中学生は色々な悩みがあるんだろう)

西垣(ただちょっと遊んで気分を変えたいだけかもしれない。ここは付き合ってあげよう)

西垣「わかった。この薬を飲むといい。飲んでから寝るまで悪い子になる薬だ」ｽｯ

あかり「わぁい！ ありがとうございます！」ｷﾗｷﾗ

西垣(赤座の年上キラーっぷりはすごいと松本から聞いているが……、なるほど)

あかり「それでは……」ｺﾞｸｯ

あかり「ぶっひぇ～、このお薬、すごく美味しいですね！」ﾌﾟﾊｰ

西垣(そりゃあそうだ。それはドクターペッ●ーだ。これを美味しいとは……、赤座とは仲良くなれそうだ)

あかり「んん！？ 何だか悪い事をしたくてしょうがないよぉ！」ｳｽﾞｳｽﾞ

西垣(ギャグ漫画体質のお陰ですっかりその気になっているようだ……)ﾌﾑ

りせ「……」ﾎﾞﾛｯ

あかり「あっ、会長さん！？ 今手当てしてあげますね！」

西垣(まあ、元があれだからその気になったところで……)

あかり「あかりが早く治るように舐めてあげますね！」

西垣「！？」

あかり「それでは舐めますね～」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

りせ「……///」ﾎﾟｯ

西垣(明らかに何か別のスイッチが入っている……)

西垣(実はさっきの実験は松本に頼まれていた、赤座と意思疎通できるようになる薬の作成だ)

西垣(ひょっとしたら、その薬とドクターペッ●ーの組み合わせで赤座はこうなっているのかもしれん……)

西垣(これは願ってもないチャンスだ……。頑張れ松本……！)ｸﾞｯ

あかり「……」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

りせ「……///」ｶｵﾏｯｶ

あかり「舌が疲れてきちゃいました……、もうやめにしますね」ｽｯ

りせ「……」ｼｭﾝ

あかり「んん？ もっとですか～？」

りせ「……！」ｺｸｺｸ

あかり「うーん、ジェスチャーじゃなくてその可愛いお口から直接聞きたいですね！」ﾆｺｯ

あかり(人の弱みに付け込むなんて……、あかりって今すっごい悪い子だよぉ！)

りせ「……！ ……！///」

あかり「会長さん可愛いー！ 特別ですよぉ！」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

りせ「……///」ﾌﾟｼｭｰ

西垣(これは今日中に行き着くところまで行くかもしれん……！ 私は一向に構わんッ！)

あかり「あ……、もうこんな時間……。行かないと……」

りせ「……」ｼｭﾝ

あかり「どこに行くって、生徒会室にですよぉ！」

りせ「！」

あかり「悪い子のあかりは、頼まれてもいないのに生徒会室に乗り込んでお手伝いをしちゃいます！」ﾄﾞﾔｧ

りせ「……！」ﾊﾟｱｱ

あかり「それじゃ行きますよ！ 会長さん！」ｷﾞｭｯ

りせ「……///」ｷﾞｭｯ

あかり(会長さんを巻き込んで……、ほんとに悪い子だよぉ！)

あかり「西垣先生！ ありがとうございました！」ﾍﾟｺﾘ

ガラッ ピシャッ

西垣「きっちりお礼まで言って、頭まで下げる悪い子がどこにいる……」ﾌﾟﾌﾟｯ

～生徒会室～

ガラッ

櫻子「あっ、あかりちゃんだー！ 今日は手伝ってくれるの？」

向日葵「赤座さん、ごらく部の活動は……？」

あかり「ふっふっふ、悪い子のあかりは皆の仕事をなくしちゃうよぉ！」

生徒会一同「は？」ﾎﾟｶｰﾝ

あかり「あっ、悪い子のあかりは人の意見なんて聞かずに勝手にお茶をいれちゃうよぉ！」ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ

綾乃(何これ可愛い……)

千歳(今日の赤座さんは要チェックかもしれんな～)

綾乃「あっ、歳納京子ったらまたプリントの提出忘れて……」

あかり「じゃ、悪い子のあかりが京子ちゃんを叱りに行っちゃいます！」ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ

綾乃(悪い子ならそこはスルーしてよ……。確かに赤座さんらしいけど……)ｶﾞｸｯ

千歳「綾乃ちゃん……。今日はもう再起不能やな……」

～ごらく部～

ガラッ

あかり「歳納京子ー！」

京子「うおっ！ なんだ、あかりか……」

ちなつ「あれ……、あかりちゃん……」

あかり(京子ちゃんを呼び捨てだなんて、すごくあかり悪い子だよぉ！)

結衣「ええっと、あかり。今日は何か来るのが遅かったけど……」

あかり「えっとね、あかり今日は悪い子だから生徒会の人の仕事をなくしてるの！」ﾄﾞﾔｯ

結衣・ちなつ「「は？」」ﾎﾟｶｰﾝ

京子「お、おう (単に手伝ってるだけじゃ……)」

あかり「京子ちゃん！プリントはちゃんと提出しなきゃだよ！ ちゃんと書いて！」ｸﾜｯ

京子「う、うん…… (あかりが怒ったみたいな顔しても可愛いだけだぞ……)」ｻﾗｻﾗ

京子「ほい……、書いたぞ。あかり……、ちゃんと大きくなって生まれ故郷のごらく部に……」

結衣「あかりは鮭か何かかよ」

あかり「それじゃ悪い子のあかりは、皆を驚かせたまま風のように去るね！」ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ

京子・結衣・ちなつ「「「……」」」

京子・結衣・ちなつ「「「ぶっ！」」」ﾌﾟﾌﾟｯ

～生徒会室～

ガラッ

あかり「ただいま戻りましたー！ 悪い子のあかりです！」

りせ「……///」ﾀﾞｷｯ

あかり「わわっ、会長さん……？ どうしたんですか？」

櫻子「会長、あかりちゃんが出てからずっと落ち着きがなかったんだよ！」

向日葵「二人とも、何かありましたの……？」

あかり「ええっと、あかりが会長さんをペロペロしちゃった事かなぁ……」

あかり(絆創膏を使わなかった極悪っぷりをアピールだよぉ！)

櫻子・向日葵・千歳「「「！？」」」

千歳「はあ～……！」ﾌﾞｼｭｯ

向日葵「い、池田先輩！ しっかりしてください！」

櫻子「杉浦先輩に続いて池田先輩も倒れちゃった……」

りせ「……///」ﾎﾟｰｯ

あかり「さて、悪い子だから、二人分の仕事を一気にこなしちゃうよぉ！」

櫻子・向日葵「「！！」」

櫻子「いやいや、あかりちゃんばかりにそんな負担はかけられないよ！」

向日葵「そ、そうですわ！ ここは私達が……！」

りせ「……！」ｺｸｺｸ

あかり(皆があかりに注目……！ 悪い子の効果がこんなに……！)

～数十分後～

櫻子「お、終わった……」ｾﾞｰﾊｰ

向日葵「赤座さんの仕事が早くて、ついペースが……」ｾﾞｰﾊｰ

あかり「わぁい！ これで生徒会の人の仕事を奪っちゃったよぉ！」ﾆｺｯ

りせ「……」ﾌｰｯ

櫻子(しかし、あの二人……)

向日葵(息がピッタリでしたわね……)

あかり「悪い子のあかりが生徒会を振り回しちゃった……、自分の極悪人っぷりが恐ろしいよぉ……」

櫻子・向日葵(どう見てもただ手伝っただけです。本当にありがとうございました)

あかり「さて、会長さん！ 一緒に帰りましょうか！」

りせ「……！」ｺｸｯ

あかり(疲れ切った会長さんに休む隙も与えないなんて……！)

櫻子「今日のあかりちゃん、会長に対して積極的だね……」

向日葵「ま、まあ二人にも色々あるのでしょう」ｺﾎﾝ

櫻子「？」←さっきの事はもう忘れてる

～帰り道～

あかり「さて、手でも繋ぐ？ りせちゃん！」ｽｯ

りせ「……！///」ｷﾞｭｯ

あかり(先輩に敬語を使わない上に、手を繋ぐ事で自由を奪うなんて……！)ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ

りせ「……///」ｷﾞｭ-ｯ

西垣『手を繋ぐくらいで満足しちゃ駄目だぞ松本……！』

りせ「……！」ｸﾞｯ

あかり「？」

あかり「あっ、あかりのお家に到着しちゃった……」

あかり(さて、公園のベンチに座って足止めしたり、飲みかけのコーヒーを渡してりせちゃんを困らせたけど、もう一押し……)

西垣『愛の語らいに間接キス。喜ばせているだけである』

あかり「りせちゃん、今日はお泊りしていく？」

あかり(家に帰さないなんて、これは悪い子だよぉ！)

りせ「……！」ｺｸｺｸ

あかり(えへへ、突然で驚いてるよぉ！)ﾆﾔﾘ

あかり「それでは、今日は自分の家だと思ってゆっくりしてね！」

あかり(プレッシャーをかけて追い打ちだよぉ……！)

りせ「……///」ﾎﾟｯ

西垣『もうこのまま住み着いてみるのもアリかもしれんな』

あかり「さて……、晩御飯だけど、リクエストは……」

りせ「……」

あかり「聞いてあげません！ あかりの愛情があれば何でもいいよね！」

りせ「……！///」ｺｸｯ

あかり(ふふっ、有無を言わさず押し切っちゃったよぉ……！)

りせ「……///」ﾜｸﾜｸ

西垣『早くも愛妻料理か』

あかり「わぁいうすしお！ あかりうすしお大好き！」ｶﾁｬｶﾁｬ

あかり(ふっふっふ、あかりの好きな味付け！ りせちゃんの好みは無視！)

ガラッ

あかね「ただいま～、何だか美味しそうな匂いが……」

あかね「あら……？ あなた、あかりのお友達？」

りせ「……」ｺｸｯ

あかり「あっ、その子はね！ 生徒会長のりせちゃん！」

あかり「悪い子のあかりは、りせちゃんの気持ちは無視して無理矢理お泊りさせて、
りせちゃんの好みを無視した愛情たっぷりの料理を作ってあげてるの！」

あかね「そ、そうなの…… (無理矢理にしてはりせちゃんは嬉しそうだけど……)」

あかね(そもそも愛情たっぷりとか悪い意味の内容では絶対に使わない……)

りせ「……///」ﾜｸﾜｸ

あかり「出来たよー！」ｺﾄｯ

りせ「……」ﾜｸﾜｸ

あかり「りせちゃん！ はい、あ～んして！」

りせ「！」

あかり(生徒会長を子供扱い……！ これは恐ろしい……！)

あかね(あかりの恋は素直に応援してあげたいけど、これは行き過ぎじゃ……)

りせ「……///」ｺｸｯ

あかね(りせちゃんもノリノリみたいね……)

あかり「はい、りせちゃん！ 残さず食べてね！」ｽｯ

あかり(ふふっ、りせちゃんを満腹で動けなくしちゃうよぉ！)

りせ「……」ﾊﾟｸｯ

りせ「……」ﾊｧ ｳｯﾒ

あかね「ふふっ、りせちゃん、あかりと好みが一緒みたいね」

あかね(それに、さっきから気になっていたけど何だか私達、似たような雰囲気がするというか……)

西垣『三人は天使だから当然である』

あかね(あら……？ 直接脳内に声が……？)

あかり「さぁて、お次はお風呂だよぉ！ 取って置きの悪いことをりせちゃんにしちゃうんだから！」

りせ「……///」ﾃﾚﾃﾚ

西垣『勝負どころかもしれんな……！』

りせ「……！」ｸﾞｯ

～お風呂～

カポーン

あかり(まずは、嫌がるりせちゃんを無理矢理お風呂に連れ込んでお湯攻めだよぉ！)ﾊﾞｼｬｧ

りせ「……♪」

あかり(そしてお次は、薬品を体中に塗りたくってゴシゴシ……！)ｺﾞｼｺﾞｼ

りせ「……♪」

あかり(薬品が体中に回った……！ 再びお湯攻めだよぉ！)ﾊﾞｼｬｧ

りせ「……♪」

あかり(お湯攻めの後は布で体をゴシゴシとこする……！)ｺﾞｼｺﾞｼ

あかり(最後に熱風攻め……！ こ、これは極悪だよぉ！)ﾌﾞｫｰ

りせ「……♪」

西垣『結局普通に風呂に入っただけだったな』

りせ「……！」ｶﾞｰﾝ

あかり「今日のあかりは悪い子だから、夜更かししちゃうもん！」

あかり「えへへ、今日は寝かさないからね、りせちゃん！」

あかね「」ｶﾞﾀｯ

りせ「……///」ﾎﾟｯ

西垣『多分赤座は意味わかってないぞ』

～数時間後、あかりの部屋～

あかり「あかりは悪い子なんだよぉ……、夜更かし……する……」ｳﾂﾗｳﾂﾗ

りせ「……」ﾌﾙﾌﾙ

あかり「えへへ……、りせちゃん困ってる……。よーし、ここはもっと困らせちゃうよぉ……」ｳﾂﾗｳﾂﾗ

りせ「？」

あかり「えーいっ！」ﾑｷﾞｭｯ

りせ「！」

あかり「こうやって朝までりせちゃんを拘束だぁ……むにゅ……」ｽｰｽｰ

りせ「……///」ｷﾞｭ-ｯ

あかり「……」ｽｰｽｰ

りせ「……」ｷﾞｭｯ

あかり「……」ｽｰｽｰ

りせ(……、やっぱり赤座さんは悪い子……)

りせ(こんなにドキドキさせて、夢中にさせて……、キスもしてくれないんだから……)

りせ(でもね、私も結構悪い子なの)ｽｰｯ



チュッ




あかり「むにゅ……」ｽｰｽｰ

りせ(ずっとずっと前から憧れていた子と一緒にいて、何もしないで終わるなんて出来ないんだから……)

りせ(おやすみ……、赤座さん)

～～～

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ……

あかり「んっ、もう朝かぁ……。 って、か、会長さんが何であかりのベッドに……！？」

あかり「あ……、何か色々思い出してきた……。お薬を飲んで会長さんの傷を舐めて、それから……」

あかり「ひょ、ひょっとしてあかり、とんでもない事しちゃったんじゃ……」ｻｰｯ

りせ「……」ﾑｸｯ

あかり「あ、お、おはようございます……、会長さん……」ｵﾄﾞｵﾄﾞ

りせ「？」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

京子「あかりー！ 学校行くぞー！」

あかり「う、うん……、今行くよぉ！」ｱｯｶﾘｱｯｶﾘ

りせ「……」ﾄﾃﾃﾃﾃ

京子・結衣「「！？」」

結衣「か、会長がなんであかりの家に……」

京子「か、会長さん！ あかりと過ごした一夜はどうでしたか！？」

結衣「何言ってんだ、コラ」ｺﾞﾝｯ

京子「痛ッ！」

りせ「……///」ｶｵﾏｯｶ

京子・結衣「「！？」」

京子「しかし……、あかりと会長がそういう関係だったとは……」

結衣「いやいや、はやとちりかもしれないだろ……。な、あかり」

あかり(ど、どうしよう……。罪悪感が……)ｵﾄﾞｵﾄﾞ

結衣「？」

京子「あかりは立派に巣立って行ったんだな……」

あかり「あ、あの、京子ちゃん……」

京子「ん？」

あかり「き、昨日はごめんね……」ｵﾄﾞｵﾄﾞ

京子「は？」ﾎﾟｶｰﾝ

あかり「だ、だってあかりは昨日は悪い子になって、その……」ｼｭﾝ

京子・結衣「「ぶっ！」」ﾋｸﾋｸ

あかり「ど、どうして笑うの！？」

京子「いや、だって……」ﾌﾟﾌﾟｯ

結衣「そ、そりゃあね……」ﾌﾟﾌﾟｯ

あかり「？」

りせ「……」ｸｽｯ

～七森中学、昼休み～

あかり「と、とりあえず、皆許してくれたみたいだけど……」

あかり(池田先輩には『新しい可能性を見せてもらった』とかよくわからない感謝までされちゃった……)

あかり「と、とにかく。会長さんにはもっと謝らなきゃ……。一番迷惑かけちゃったし……」

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｰﾝ

西垣『一年二組、赤座あかり。至急、生徒会室まで来い。来ないと強制的に爆友に……』

？『な、何言ってるんですか！？ 西垣先生！？』ｶﾞﾀｯ

あかり「や、やっぱり怒られちゃうのかな……」

あかり「あれ？ 今の誰の声だろ……？」

～生徒会室～

ガラッ

あかり「し、失礼します……」

西垣「おお、松本がお待ちかねだぞ」

あかり「え？」

りせ「ええっと……、何から話したらいいのかな……」

あかり「あ、会長さん、声が……」

りせ「ええ、西垣先生のお薬のお陰で、ね」

あかり「そ、そうなんですか……」

西垣(ご都合展開は任せろー)ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

りせ「さて……、呼び出された理由はわかっていますね？」

あかり「はい……」

りせ「赤座さん、あなたは本当に悪い子です！」

あかり「は、はい……」

りせ「私をこんなに夢中にさせて……！」

あかり「はい？」

りせ「そんな悪い子は罰として、私が監視しなければいけません！」

あかり「は、はひっ！？」



りせ「今日から私は赤座りせとして、赤座さんを24時間体制で監視します！」



あかり「……え？」ﾎﾟｶｰﾝ

りせ「そ、その……、あなたと過ごした一夜が忘れられません！ ちゃんと責任を取ってください！///」ｶｱｱ

あかり「あ、あのー、お話がよく……」

りせ「そ、そんな……。私を弄んでいたんですか！？ ひ、ひどい……」ｼﾞﾜｯ

あかり「は、はひっ！？ あの、会長さん、落ち着いて……」ｵﾛｵﾛ

ｶﾞﾔｶﾞﾔ…

あかり(あれ、何か騒がしいよぉ……)

西垣「あ、放送切るの忘れてた。いやー、参った参った」(棒読み)

あかり「ええええええええええええ！？」

西垣「さて、超絶美少女の松本を傷付けたんだ。これは一生かけて面倒見るしかないな？」

あかり「に、西垣先生！ ちゃんと放送は切ってください！」

西垣「やだ。だって面白いし」ﾌﾝｿﾞﾘ

りせ「愛してるって言ってくれなきゃ……、許してあげないんだから……」ｸｽﾝ

あかり「え、えーと、そのー……」

ｶﾞﾝﾊﾞﾚｰ! ｲｯﾁｬｴ! ｷﾏｼｷﾏｼ!

西垣「おお、学校中がお前を応援してるぞ！ これは期待に応えないとな！」

西垣「ファイトー！ 赤座ー！」

あかり「先生もなんでちゃっかり加わってるんですか！？」

りせ「赤座さん……、私なんてどうでもいいんだ……」ｸｽﾝ

あかり「あう……、ええっと、その……」



あかり「りせちゃん！ 愛してる！」

あかり(ああ……、言っちゃった……、あはは……)

りせ「……」




りせ「……、不束者ですがよろしくお願いします……、あかりちゃん……///」ﾍﾟｺﾘ

京子「おめでとう」

結衣「おめでとう」

ちなつ「おめでとう」

櫻子「おめでとう」

向日葵「おめでとう」

綾乃「おめでとう」

千歳「おめでとう」

千鶴「おめでとう」

西垣「おめでとう」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ……

こうして、全校公認カップルになったあかりとりせは、サ●エさん時空の中で
常時最強装備状態で時たま爆発に巻き込まれたりしながら、幸せに暮らしましたとさ……

おしまい

実はこれさくあかでほとんど同じ筋で書く予定でした。
櫻子はセリフが増えて面倒とか、撫子と花子の書き方がよくわからなかったとか、
そんなことあるわけないじゃないですか。
オチは以前書いた松本りせ一日自由券の没ENDだったりします。
ではではでは