宥「く、玄ちゃん…」

灼「…煩わしい」

赤土「どうしたみんな？日替わりでその日の部活の様子を書いてもらうからな…まずは」

憧「さ、最初は部長からがいいと思いまーす」

灼「ちょっ！」

赤土「そうだなーよし灼、一発目は任せたぞ」

憧「さて、晴絵も帰ったから言うけどさ」

憧「ぶっちゃけメンドくない？」

穏乃「…」

灼「…」

宥「…」

玄「？」

憧「てかいまどき部活の日誌とかってないっしょ！」

玄「そんなことないよ！きっと楽しいよ！」

穏乃「正直書くほどのことはやってないし」

灼「でも、ハルちゃんが決めたんだから、とりあえずは」

宥「やらないと…」

憧「あー私の番までに飽きてくれないかなー」

憧「ま、トップバッターは頼んだからね部長さん」

灼「チッ」

灼「はぁ、日誌持って帰って書こうと思ったけど」

灼「何かけばいいんだろ」

灼婆「おや、灼。宿題かい？」

灼「あ、おばあちゃん。えと、作文がでたの」

灼婆「珍しい宿題だねぇ。それなら邪魔しちゃ悪いしおばあちゃんは向こう行ってるよ」

灼「あ、うん」

灼「仕方ない…えっと

○月○日(月)　天気 快晴

本日より、阿知賀女子麻雀部で部の活動を記録する日誌を記すこことなった。
○日の部活の様子
　部員全員が参加し、限られた時間内ではあるが、各々が目標を持って練習に励んでいたと感じた。
　対局の様子から、穏乃がやや放銃率高し。また、玄の傾向は…




憧「おっはよー」

灼「今日は憧の番だからね」

憧「うげ、やっぱりあったし」　

穏乃「憧、大丈夫？」

憧「大丈夫大丈夫、こんな日誌なんてどうせ適当に良かったとか反省点はとか書いときゃいいんだからwww」

穏乃「そんなんでいいのかなー？」

憧「まったくシズは心配性なんだから」


憧「ふぁぁーさて、寝る前にぱぱっと書いちゃいますか」

憧「どうせ灼だって２、３行しか…」

憧「…」

憧「…何、これ？」

憧「えー何これ何これ…めっちゃびっしり書いてあるんですけど」

憧「まるまる２ページ昨日の部活の様子とか書いてあるし」

憧「何か一人一人の対局成績とかまとめてあるんですけどー」

憧「怖っ！」

憧「えっ！？てかこれってそんなにマジなもんなの？」

憧「どうしよー…何も考えてなかった…けどこれで私が２、３行しか書かなかったらまるで私が欠けない人みたいだし」

憧「…何か眠くなってきたし…」

憧「おはよーございまーす…」

玄「あ！憧ちゃん！おはよー！」

憧「あっと、玄だけか。シズは遅れてくるって言ってたし…よし」

憧「はい、じゃあ玄これ！今日は玄の番だからね！」

玄「え！ホント？わー何書こっかなー」

憧「その日あったことをそのまま書けばいいんだよーあは」

玄「ふぅ～む」

玄「えへへ～」

宥「あ、それ…今日は玄ちゃんの番なの？」

玄「えっへん。今日のことしっかり書くからねー」

宥「あんまり夜更かししちゃダメだよ？私、咲寝ちゃうけど」

玄「うん、私もすぐ寝るから、おやすみおねえちゃん」

玄「よっおし！…その前に、憧ちゃんはどんなこと書いたのかなー」

玄「わっ！憧ちゃんスゴーいこんなにしっかり書いてるよ」

玄「みんなのこととかもまとめてあるし、２ページびっしりだよ」

玄「あれ？でもこれ一番最初のページに書かれてる…最初に書いたの灼ちゃんじゃなかったっけ？…」

ﾁｸﾀｸﾁｸﾀｸ

玄「勘違いだね！」

玄「よーし私も一杯書くからね！」

玄「えーっと…あとは」

玄「こんなことがあって…」



赤土「おーっす玄、おはよー」

玄「あ、おはようございます！」

赤土「日誌のほうはどうだ？みんなしっかり書いてるか？」

玄「はい！私も昨日一杯書きました」

赤土「おっそれは楽しみだなー。とりあえず一週間ぐらいしたら一回集めるからな」

玄「というわけではい！シズちゃん！」

穏乃「わ、私ですか！？」

憧「そりゃ順番的には宥姉がラストでしょ」

宥「な、何かハードル高いんだけど…」

玄「頑張って、おねえちゃん！！」

穏乃「ヤだなぁ…こういうの書くの苦手なんだけど…」

憧「まーシズは頭使うの苦手だもんねー」

穏乃「何だよそれ。憧だって私とそんな変わんないだろ」

憧「わ、私はこうみえても頭使ってるんだから…マルチな方面に」

穏乃「？」

穏乃母「あれ？あんた何それ？宿題？」

穏乃「麻雀部で日誌書いてるんだよ」

穏乃母「はぁーあんた、慣れないことして熱出さないでよ？」

穏乃「失礼だよ！」



穏乃「もー！みんなして私のことー！」

穏乃「こうなったら何とかすごい日誌に仕上げてやる！」

穏乃「となれば、まずは玄さんの内容をお手本にして…」

穏乃「…」

○月△日　水曜日　晴れ　

今日の部活はとても楽しかったです。それはなぜかというとみんなで一緒に麻雀ができたからです
私はしっかりと練習をしました。そして、全国も頑張るぞー、と思いました。
部活が始まる前には掃除を頑張りました。カーテンが汚れていたのでふきました。
とてもきれいになったのでとても嬉しかったです。部活中は…


穏乃「…こんな感じでもいいんだ。これ」

穏乃「何か逆にハードル高い気もするんだけど」

穏乃「えっと、○月×日…あれ、くもりってどう書くんだっけ？」

穏乃「まいいや。今日は、集中して…」



穏乃「あ゛ー」

憧「怖っ！」

穏乃「昨日考えすぎて寝不足でさー」

憧「あんた、あんなのにマジになんなくても…」

憧「それで、しっかりと書けたの？」

穏乃「いやー途中から意識もうろーとしちゃってさ」

穏乃「まあー朝見たら書けてはいたんだけど、ほら」


　今日のはんせいてんはすこｓعِيدٌ سَعِيدٌ


憧「あーこれはあの、逆から読むっていう」

穏乃「まーなんとか読めるっちゃ読めるレベルだし」

穏乃「こういうのはやっぱり内容よりも書いたっていう努力だよね」

憧「え！？あ、まーそりゃ基本でしょ！」

穏乃「ふぁあーあ、とりあえず今日はこれを宥さんに渡して寝たいなぁ」


宥「じゃあ家で書いてくるね」

灼「けど考えてみたら一週間目で回収って私二回書くことになるんだ」

憧「うえっ！？」

穏乃「Ｚzzz」

灼「？どうしたの？」

憧「い、いやー何でもない…けど。なんだったら灼の変わりに金曜は私が書こっかなーって」

灼「？」

憧「あはは…」

宥「何て書こうかなぁ」

玄「おねえちゃん、どうしたの？」

宥「あ、玄ちゃん。日誌にどんなこと書こうかなって思って」

玄「楽しかったことかけばいいんだよ。赤土先生もみんなのこと知りたいって言ってたよ」

宥「楽しかったこと…」

宥「文章書くの苦手だなぁ。えと」

○月□日　（木）

灼「…本当にやるの？」

憧「もち！やっぱりこういうことで部長の手を煩わせちゃいけないしね」

宥「じゃあ、はい憧ちゃん」

憧「はいはい。家でしっかり書き直、いやいや書いてくるぞー」

玄「何か憧ちゃん元気だねー」

穏乃「憧ってこういうこと好きだったんだなー」



憧「さて、どうしよう」

憧「選択肢は２つ。一つはこのまま普通に書くこと。しかしこれじゃあ灼の分がないという事態になる」

憧「かといって今更前の灼の分を直しても、もう玄とかには見られてる可能性もあるわけで」

憧「どうすれば…みんなの見てもなぁ」

憧「玄のはホントに日記だし、シズのは日記ではないし…宥姉のは…！！」


　活動の様子…５
　参加率…５
　目標に沿って活動できたか…４
　反省点を見つけられたか…５
　今日の反省点…床暖の取り付け忘れ

憧「こ、こ、こ、これだー！！」

憧「てかこれあり！？」

憧「宥姉…意外とフリーダム」

憧「ってそうじゃなくて。これよこれ」

憧「面倒な内容をいちいち文章化する必要はなかったんだ」

憧「この数値化なら、格段に効率は上がるし何より楽！」

憧「さすが最年長は考える事が違いますなぁ」

憧「さて、それじゃあ…」

赤土「おっはよー、みんないるかー」

玄「おはようございます！」

穏乃「おはようございまーす」

赤土「よーしそれじゃあさっそく日誌を回収するぞ」

灼「昨日書いたのは憧だけど」

憧「はーぃ…」

宥「？」

赤土「どうした憧、体調でも悪いのか？」

憧「え？いやそんなことでは…」

赤土「全国近いんだし気をつけてくれよ？それじゃあこれは今日読んでまた月曜日に返すからな」

月曜日

赤土「…」

灼「あ、ハルちゃんおはよう」

穏乃「…あのどうかしたんですか」

赤土「…日誌を見させてもらった」

玄「あ！どうでした私たちしっかり頑張ってるんですよ？」

赤土「ああ、それはよくわかったよ…この」

赤土「５とか４とかの数字ではな！！」

憧「……」

赤土「残念だよ、せっかくの日誌なのに、全員が全員こんな風に適当にしか書いていないなんて」

灼「えそ、そんなはず」

憧「ちょっと誰ー？一番最初にこういう書き方したのー（棒」

灼「違っ、、一番最後に書いた憧が怪しいよ！私はしっかりかいたもん！」

憧「ちょっ、責められたら人を疑うってサイテー！」

灼「お前だよ！」

穏乃「ちょ、ちょっと２人とも落ち着いて」

玄「そ、そうだよ喧嘩しないで」

宥「あ、あのそういう書き方したのは私だけで…みんなのは何かの間違いだと…」

憧「ほらー灼のせいで宥姉が謝らなきゃいけなくなったよー？」

灼「だから、私じゃないってば！」

赤土「みんないい加減にしろ！」ﾂｸｴﾄﾞﾝｯ

赤土「みっともないぞ、これから全国だっていうのになんだこのまとまりのなさは！」

穏乃「結構赤土さんのせいですけどね！」

赤土「別に私は怒ってるわけじゃないんだぞ？」

赤土「みんなが本当のことを言ってくれればそれでいいんだ」

灼「だから、きっと憧が全部書き換えて…」

赤土「きっと、って憧を疑ってるのか！」ﾂｸｴﾄﾞﾝｯ

灼「怒ってんじゃん…」ﾎﾞｿｯ

宥「何か、疲れてきた…」

憧「ねぇもうこういう言い争いはやめにしない？」

憧「私たち仲間でしょ！？こんなこと良くないよ！」

玄「憧ちゃん」

灼「ﾁｯ」

赤土「憧の言うとおりだ。もう誰のせいとか犯人探しはやめよう」

穏乃「赤土さんが一番騒いでましてけどね」

赤土「ほら、憧と灼は仲直りの握手だ。な？」

灼「煩わしい…」ｶﾞｼｯ

憧「まー疑われた身としては納得いかないけど」ｶﾞｼｯ

赤土「うんうん、やっぱりこうじゃないとな。あっはっはっは」

宥「ぅん…」

玄「おねえちゃん、寝ちゃダメだよ！」

赤土「さて、この問題はこれで解決したとして」

穏乃「ふぅ」

赤土「でもやっぱりこういう問題が起きるってことはみんなにも少しは原因があるんじゃないか？」

灼「は？」

赤土「と、いうわけで全員明日までに今日のことの反省文を書いてくること」

赤土「無理とは言わせないぞ。できるまでやらせるから無理とはいえないんだからな」

憧「何言ってんだこいつ」

赤土「書いてきた反省文は明日の部活で読んでもらうからな。こうすることで部の心が一つになるんだ！」

宥「Ｚzzz」

玄「おねえちゃ～ん！！」


おわれ