7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 18:45:51.48 :XynyBQgG0
来夏「うん!」
田中「合宿? なんの?」
来夏「合宿ったら合宿だよ。合唱部の!」
和奏「この時期に? 夏休みはもう終わったよ」
来夏「いいの! 別に一週間どこかで、とかじゃなくて。今度の休みに一泊二日でいいから、やろうよ」
紗羽「単に遊びたいだけじゃ……」
ウィーン「来夏!」 ガタッ
来夏「へ?」
ウィーン「合宿って言ったら、アレだよね。泥まみれになって、鬼コーチやライバルと鎬を削るあの!」
来夏「え? えっと……」
和奏「なんか、古臭い」
田中「この前買ってやった本はまともだったはずだけど……」
来夏「うん!」
田中「合宿? なんの?」
来夏「合宿ったら合宿だよ。合唱部の!」
和奏「この時期に? 夏休みはもう終わったよ」
来夏「いいの! 別に一週間どこかで、とかじゃなくて。今度の休みに一泊二日でいいから、やろうよ」
紗羽「単に遊びたいだけじゃ……」
ウィーン「来夏!」 ガタッ
来夏「へ?」
ウィーン「合宿って言ったら、アレだよね。泥まみれになって、鬼コーチやライバルと鎬を削るあの!」
来夏「え? えっと……」
和奏「なんか、古臭い」
田中「この前買ってやった本はまともだったはずだけど……」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 18:48:45.92 :XynyBQgG0
ウィーン「そう。パワーアップするには欠かせない、必要不可欠なイベント! それが合宿!
流石が来夏だ、よくわかっているね!」
来夏「……う、うん。そう。そうなの! このままじゃ、ただのお気楽部活で終わっちゃうでしょ!
だから、そろそろ活を入れようと思ってさ!」
ウィーン「うん! 来夏、さっそく準備を始めよう!」
来夏「おうともさ!」
和奏「……なんか、似た者同士というか」
紗羽「扱いやすいけど扱いにくいのが増えたって感じ」
田中「……で、実際どこで何をするんだ?」
来夏「それはねー……それを、みんなで考えようかと」
紗羽「結局そうなるんだね」
来夏「和奏ー、どうしたらいいー?」
和奏「え? 私?」
来夏「だって、音楽科だったから、詳しいかなーって」
和奏「それは関係ないよ。部活のことなら、来夏の方が知ってるんじゃないの?」
ウィーン「そう。パワーアップするには欠かせない、必要不可欠なイベント! それが合宿!
流石が来夏だ、よくわかっているね!」
来夏「……う、うん。そう。そうなの! このままじゃ、ただのお気楽部活で終わっちゃうでしょ!
だから、そろそろ活を入れようと思ってさ!」
ウィーン「うん! 来夏、さっそく準備を始めよう!」
来夏「おうともさ!」
和奏「……なんか、似た者同士というか」
紗羽「扱いやすいけど扱いにくいのが増えたって感じ」
田中「……で、実際どこで何をするんだ?」
来夏「それはねー……それを、みんなで考えようかと」
紗羽「結局そうなるんだね」
来夏「和奏ー、どうしたらいいー?」
和奏「え? 私?」
来夏「だって、音楽科だったから、詳しいかなーって」
和奏「それは関係ないよ。部活のことなら、来夏の方が知ってるんじゃないの?」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 18:51:10.12 :XynyBQgG0
紗羽「ああ。来夏ね、一年の時は法事で、二年の時は風邪ひいちゃって、声楽部の合宿参加したことないんだ」
来夏「ちょっ、勝手に言わないでよぉ!」
和奏「ああ、そうなんだ……」
ウィーン「ところで大智、行くならやっぱり海かな。山かな」
田中「え? あー、海は見慣れてるし、山のが良んじゃね?」
ウィーン「山……ということは、サバイバルとか!?」
田中「いや、それは無理だろ」
来夏「……よし、今決めた!」
和奏「早っ」
来夏「悩んでても仕方ないもん。こういうのは、ササーッと決めて、パパーッとやるの!」
紗羽「勢いだけは良いんだけどね……」
来夏「紗羽の家で、一日修行をする!」
紗羽「は?」
紗羽「ああ。来夏ね、一年の時は法事で、二年の時は風邪ひいちゃって、声楽部の合宿参加したことないんだ」
来夏「ちょっ、勝手に言わないでよぉ!」
和奏「ああ、そうなんだ……」
ウィーン「ところで大智、行くならやっぱり海かな。山かな」
田中「え? あー、海は見慣れてるし、山のが良んじゃね?」
ウィーン「山……ということは、サバイバルとか!?」
田中「いや、それは無理だろ」
来夏「……よし、今決めた!」
和奏「早っ」
来夏「悩んでても仕方ないもん。こういうのは、ササーッと決めて、パパーッとやるの!」
紗羽「勢いだけは良いんだけどね……」
来夏「紗羽の家で、一日修行をする!」
紗羽「は?」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 18:53:49.34 :XynyBQgG0
ウィーン「ねえ大智、もし山ならどこがいいかな?」
田中「どこって……俺もそんなに詳しくないし」
来夏「そうすれば、みんなだってあがり症直るんじゃない!?」
紗羽「あがり症なのは来夏だけでしょ……」
来夏「そうでなくとも、いい勉強にはなるんじゃないかと思」
紗羽「和奏、あまり緊張しない人?」
来夏「聞けよ!」
和奏「うん。しない、というか慣れたというか。
一応、緊張はしてるんだけどコントロール出来てるから、そこまで」
来夏「良いなー。あたし、スイッチ入らないとどうしようもなくってさー」
紗羽「入れば、良いんだけどね。入るまでが長いったら」
ウィーン「そっか……」
田中「どうしたんだ?」
ウィーン「うん。山なら、少し遠くだけど別荘があるから、そこに泊まるのもいいかと思って」
田中「へー。すげーな、お前んち」
来夏「ウィーン!」
ウィーン「ねえ大智、もし山ならどこがいいかな?」
田中「どこって……俺もそんなに詳しくないし」
来夏「そうすれば、みんなだってあがり症直るんじゃない!?」
紗羽「あがり症なのは来夏だけでしょ……」
来夏「そうでなくとも、いい勉強にはなるんじゃないかと思」
紗羽「和奏、あまり緊張しない人?」
来夏「聞けよ!」
和奏「うん。しない、というか慣れたというか。
一応、緊張はしてるんだけどコントロール出来てるから、そこまで」
来夏「良いなー。あたし、スイッチ入らないとどうしようもなくってさー」
紗羽「入れば、良いんだけどね。入るまでが長いったら」
ウィーン「そっか……」
田中「どうしたんだ?」
ウィーン「うん。山なら、少し遠くだけど別荘があるから、そこに泊まるのもいいかと思って」
田中「へー。すげーな、お前んち」
来夏「ウィーン!」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 18:56:17.50 :XynyBQgG0
ウィーン「ん? なに?」
来夏「もう一回言って」
ウィーン「え? 山なら、少し遠くだけど別荘があるから……」
来夏「みんな! 合宿先、決まったよ!」
紗羽「いえー!」
和奏「宿泊費浮いたね!」
ウィーン「?」
田中(とんでもなく強引だな……)
――――――――当日
来夏「みんな揃ったー?」
和奏「ウィーンがまだ」
田中「別荘の鍵借りてから来るってさ」
ウィーン「ん? なに?」
来夏「もう一回言って」
ウィーン「え? 山なら、少し遠くだけど別荘があるから……」
来夏「みんな! 合宿先、決まったよ!」
紗羽「いえー!」
和奏「宿泊費浮いたね!」
ウィーン「?」
田中(とんでもなく強引だな……)
――――――――当日
来夏「みんな揃ったー?」
和奏「ウィーンがまだ」
田中「別荘の鍵借りてから来るってさ」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 18:59:28.34 :XynyBQgG0
紗羽「なんか、ワクワクしてきた。あ、でも来夏。ちゃんと練習はすること。いい?」
来夏「うん! もちろん!」
和奏「山だから、やっぱり山菜が豊富なのかな」
紗羽「わたし、キノコだけはダメなんだよね」
和奏「そうなの? おいしいのに」
紗羽「だって、なんか苦くない? 筋張ってるし」
和奏「うーん。嫌いな人に、好きなところ言っても意味ないよね」
紗羽「あ、たしかに」
田中(こいつら、絶対旅行気分だろ……)
来夏「あ、ウィーン来たよ!」
ウィーン「ごめん、お待たせ。それじゃあ、行こうか!」
来夏・紗羽・和奏・ウィーン「「「おーっ!」」」 田中「おー……」
紗羽「なんか、ワクワクしてきた。あ、でも来夏。ちゃんと練習はすること。いい?」
来夏「うん! もちろん!」
和奏「山だから、やっぱり山菜が豊富なのかな」
紗羽「わたし、キノコだけはダメなんだよね」
和奏「そうなの? おいしいのに」
紗羽「だって、なんか苦くない? 筋張ってるし」
和奏「うーん。嫌いな人に、好きなところ言っても意味ないよね」
紗羽「あ、たしかに」
田中(こいつら、絶対旅行気分だろ……)
来夏「あ、ウィーン来たよ!」
ウィーン「ごめん、お待たせ。それじゃあ、行こうか!」
来夏・紗羽・和奏・ウィーン「「「おーっ!」」」 田中「おー……」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:02:52.64 :XynyBQgG0
――――――――
来夏「……電車移動して……そこから……バスで行って……」 ゼーゼー
和奏「……少し……歩いたところに……あるんだよね……」 ハーハー
ウィーン「うん。そうだよ」
紗羽「バスまでは良かったんだけど……」
田中「どんだけ山道歩くんだ? 一時間くらい歩いてるけど」
ウィーン「あと2、3キロだから。頑張って、みんな!」
来夏「まだそんなにあるのー!? もう歩きたくないよー」
紗羽「合宿しようって言ったの、誰だっけ? ん?」
来夏「うぅ……すみません……」
和奏「でも、足腰鍛えるにはいいかもね」
紗羽「合唱で足腰って必要なの?」
和奏「ないことはないけど……。どちらかと言えば、技術や気持ちが大事というか」
田中「つまり、なくても大丈夫なんだな」
――――――――
来夏「……電車移動して……そこから……バスで行って……」 ゼーゼー
和奏「……少し……歩いたところに……あるんだよね……」 ハーハー
ウィーン「うん。そうだよ」
紗羽「バスまでは良かったんだけど……」
田中「どんだけ山道歩くんだ? 一時間くらい歩いてるけど」
ウィーン「あと2、3キロだから。頑張って、みんな!」
来夏「まだそんなにあるのー!? もう歩きたくないよー」
紗羽「合宿しようって言ったの、誰だっけ? ん?」
来夏「うぅ……すみません……」
和奏「でも、足腰鍛えるにはいいかもね」
紗羽「合唱で足腰って必要なの?」
和奏「ないことはないけど……。どちらかと言えば、技術や気持ちが大事というか」
田中「つまり、なくても大丈夫なんだな」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:05:55.12 :XynyBQgG0
来夏「……あー、もう。疲れた! 歩きたくないー! 荷物重たいー」
紗羽「言いだしっぺが真っ先に投げ出したよ」
田中「車使えればよかったのにな」
来夏「誰もこんな大人数が乗れる車、持ってないんだから仕方ないじゃん!」
和奏「紗羽たちは、結構余裕そうだね」
紗羽「ウィーンは知ってる場所だし、わたしは弓道とか馬で鍛えてるし。田中は、見ての通りバドミ脳だし」
田中「バドミ脳?」
来夏「! そうだ。ウィーン、ちょっと来て」
ウィーン「ん?」
来夏「はい、お願い」 ポスッ
ウィーン「え? これ、来夏の荷物だよね……? どうして?」
来夏「見たことない? こうやって、荷物を多く運ぶことで鍛えられる漫画とか」
ウィーン「あ。あるよ! それをやっても良いんだね!」
来夏「うむ! 頑張りたまえ!」
ウィーン「わかった。頑張る!」
来夏「……あー、もう。疲れた! 歩きたくないー! 荷物重たいー」
紗羽「言いだしっぺが真っ先に投げ出したよ」
田中「車使えればよかったのにな」
来夏「誰もこんな大人数が乗れる車、持ってないんだから仕方ないじゃん!」
和奏「紗羽たちは、結構余裕そうだね」
紗羽「ウィーンは知ってる場所だし、わたしは弓道とか馬で鍛えてるし。田中は、見ての通りバドミ脳だし」
田中「バドミ脳?」
来夏「! そうだ。ウィーン、ちょっと来て」
ウィーン「ん?」
来夏「はい、お願い」 ポスッ
ウィーン「え? これ、来夏の荷物だよね……? どうして?」
来夏「見たことない? こうやって、荷物を多く運ぶことで鍛えられる漫画とか」
ウィーン「あ。あるよ! それをやっても良いんだね!」
来夏「うむ! 頑張りたまえ!」
ウィーン「わかった。頑張る!」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:09:13.21 :XynyBQgG0
紗羽「ナチュラルに荷物押し付けたし」
和奏「ああいう機転の利き方は凄いと思う」
田中「なんなら、お前らのも持ってやろうか?」
紗羽「え?」
田中「女子はキツイだろ。こんな長道、重い荷物持って歩くの」
和奏「いいの?」
田中「気にすんなって。筋肉ついて体重増えたら困るだろうしな」
紗羽「さいてー」
和奏「無神経」
田中「え?」
紗羽「じゃ、お願いね」 ポイッ
和奏「よろしく」 ポイッ
田中(……俺、なんか悪いこと言ったのか……?) ボスボスッ
紗羽「ナチュラルに荷物押し付けたし」
和奏「ああいう機転の利き方は凄いと思う」
田中「なんなら、お前らのも持ってやろうか?」
紗羽「え?」
田中「女子はキツイだろ。こんな長道、重い荷物持って歩くの」
和奏「いいの?」
田中「気にすんなって。筋肉ついて体重増えたら困るだろうしな」
紗羽「さいてー」
和奏「無神経」
田中「え?」
紗羽「じゃ、お願いね」 ポイッ
和奏「よろしく」 ポイッ
田中(……俺、なんか悪いこと言ったのか……?) ボスボスッ
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:12:49.86 :XynyBQgG0
田中「というか、めちゃくちゃ重てぇし……何入ってんだ?」
紗羽「中見たら殴るよ」
田中「頼んだって見ねえよ」
紗羽「ほほー。言ったね。じゃ、ちゃっちゃとついてきなさい」
和奏「急いでね」
田中「え……」
来夏「ほらほらー、みんな早くしてよー? ウィーン先行っちゃうじゃん!」
紗羽「和奏、行こっ!」 タッ
和奏「うん!」 タッ
田中「ちょっ! ……くそっ! これぐらい!!」 ダッ!
――――――――到着
ウィーン「一応、電気とガスは使えるみたいだよ」
来夏「りょーかい! 流石はウィーンだ! パーフェクトワーク! 略してパックス!」
和奏「なにそれ」
田中「それだとパークスじゃね?」
田中「というか、めちゃくちゃ重てぇし……何入ってんだ?」
紗羽「中見たら殴るよ」
田中「頼んだって見ねえよ」
紗羽「ほほー。言ったね。じゃ、ちゃっちゃとついてきなさい」
和奏「急いでね」
田中「え……」
来夏「ほらほらー、みんな早くしてよー? ウィーン先行っちゃうじゃん!」
紗羽「和奏、行こっ!」 タッ
和奏「うん!」 タッ
田中「ちょっ! ……くそっ! これぐらい!!」 ダッ!
――――――――到着
ウィーン「一応、電気とガスは使えるみたいだよ」
来夏「りょーかい! 流石はウィーンだ! パーフェクトワーク! 略してパックス!」
和奏「なにそれ」
田中「それだとパークスじゃね?」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:16:23.73 :XynyBQgG0
紗羽「それにしても、こんな山中に、ぽつんと一軒家があるなんて……」
和奏「見た目も汚くないしね」
ウィーン「たまにお爺さんが友達に貸してたみたいだから」
紗羽「よし。じゃあ、荷物を置こっか」
来夏「あたしのベッドここねー!」 ボスッ
紗羽「また勝手に決めて……。というか、ベッドって三つだけ?」
ウィーン「三人家族だから」
和奏「あ、でもここしか別荘はないんだよね?」
ウィーン「うん。そうだよ」
和奏「……うーん。どうしよっか」
田中「ウィーン、ロフトって使えるか?」
ウィーン「んー。ちょっと埃っぽいけど、少し掃除すれば大丈夫だと思うよ」
田中「俺たち、そっちで寝るから。お前たちはベッド使えよ」
紗羽「それにしても、こんな山中に、ぽつんと一軒家があるなんて……」
和奏「見た目も汚くないしね」
ウィーン「たまにお爺さんが友達に貸してたみたいだから」
紗羽「よし。じゃあ、荷物を置こっか」
来夏「あたしのベッドここねー!」 ボスッ
紗羽「また勝手に決めて……。というか、ベッドって三つだけ?」
ウィーン「三人家族だから」
和奏「あ、でもここしか別荘はないんだよね?」
ウィーン「うん。そうだよ」
和奏「……うーん。どうしよっか」
田中「ウィーン、ロフトって使えるか?」
ウィーン「んー。ちょっと埃っぽいけど、少し掃除すれば大丈夫だと思うよ」
田中「俺たち、そっちで寝るから。お前たちはベッド使えよ」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:18:38.49 :XynyBQgG0
来夏「……」
紗羽「……」
和奏「……」
来夏・紗羽・和奏「「「カッコイー!」」」
田中「なっ……」
ウィーン「女性に優しく、自らを犠牲にする……大智、これが武士道ってやつだね!?」
田中「……この前一緒に買った本、ちゃんと読んでるか?」
来夏「寝床の確保も出来たわけだし、さっそく練習しますか!」
紗羽「どうやって?」
来夏「ここで」
和奏「ここで?」
来夏「うん。だって、人も居ないし。ここなら歌っても問題ないでしょ?」
田中「で、何やるんだ? やっぱ基礎トレか?」
来夏「……」
紗羽「……」
和奏「……」
来夏・紗羽・和奏「「「カッコイー!」」」
田中「なっ……」
ウィーン「女性に優しく、自らを犠牲にする……大智、これが武士道ってやつだね!?」
田中「……この前一緒に買った本、ちゃんと読んでるか?」
来夏「寝床の確保も出来たわけだし、さっそく練習しますか!」
紗羽「どうやって?」
来夏「ここで」
和奏「ここで?」
来夏「うん。だって、人も居ないし。ここなら歌っても問題ないでしょ?」
田中「で、何やるんだ? やっぱ基礎トレか?」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:21:33.79 :XynyBQgG0
来夏「バドミ脳はこれだから……」
田中「略すな」
紗羽「否定はしないんだ」
和奏「基礎が必要ないとまで言わないけど、みんな声の出し方とか、問題ないと思うよ」
来夏「おー。音楽科からの太鼓判いただきましたー!」
紗羽「じゃあ、何する?」
来夏「歌いましょう。あたし達は!」
田中「何を?」
来夏「うん。いくつか持ってきたんだー。でも、特に練習したいな、ってのはコレ!」
ウィーン「あ、潮風のハーモニーだ」
和奏「ウィーン、知ってるんだ」
田中「俺も知ってるぞ。よく練習で歌うからな」
紗羽「聞くのももちろんだけど、歌っても元気出るよねー」
来夏「うん。そこで、せっかく和奏も合唱部として活動することになったわけだし!
みんなで合わせられたら良いな、って」
来夏「バドミ脳はこれだから……」
田中「略すな」
紗羽「否定はしないんだ」
和奏「基礎が必要ないとまで言わないけど、みんな声の出し方とか、問題ないと思うよ」
来夏「おー。音楽科からの太鼓判いただきましたー!」
紗羽「じゃあ、何する?」
来夏「歌いましょう。あたし達は!」
田中「何を?」
来夏「うん。いくつか持ってきたんだー。でも、特に練習したいな、ってのはコレ!」
ウィーン「あ、潮風のハーモニーだ」
和奏「ウィーン、知ってるんだ」
田中「俺も知ってるぞ。よく練習で歌うからな」
紗羽「聞くのももちろんだけど、歌っても元気出るよねー」
来夏「うん。そこで、せっかく和奏も合唱部として活動することになったわけだし!
みんなで合わせられたら良いな、って」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:25:10.77 :XynyBQgG0
田中「白祭で歌うためか?」
来夏「んー。まだ考えてないけど、5人でちゃんと歌えるストック、作っておきたいじゃん」
和奏「わかった。じゃあ、しっかり覚えるね」
来夏「その意気だよ和奏! それじゃ、まずはあたし達でお手本見せるから」
和奏「うん。お願い」
来夏「よし。いち、に、さん、はい」
~~~♪
――――――――
来夏「あー。歌った歌ったー」
紗羽「やっぱり和奏の声って良いね。声の出し方が本当に上手」
和奏「そ、そうかな」
田中「白祭で歌うためか?」
来夏「んー。まだ考えてないけど、5人でちゃんと歌えるストック、作っておきたいじゃん」
和奏「わかった。じゃあ、しっかり覚えるね」
来夏「その意気だよ和奏! それじゃ、まずはあたし達でお手本見せるから」
和奏「うん。お願い」
来夏「よし。いち、に、さん、はい」
~~~♪
――――――――
来夏「あー。歌った歌ったー」
紗羽「やっぱり和奏の声って良いね。声の出し方が本当に上手」
和奏「そ、そうかな」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:28:25.23 :XynyBQgG0
田中「……にしても、腹減ったな」
来夏「よっしゃ、じゃあ晩御飯にしましょう!」
紗羽「冷蔵庫に入れてた食材出そっか」
田中「俺たちは、何したらいい?」
紗羽「田中、料理は?」
田中「そんなに」
来夏「お姉さんと二人で暮らしてるのに、料理もできないのかあんたは!」
田中「二人とも忙しいんだから、仕方ねーだろ」
和奏「じゃ、田中くんは、お風呂の準備お願いしてもいいかな。ウィーンも一緒にお願い」
ウィーン「うん。備え付けのものと、少し離れに露天風呂があるけど。どっちがいい?」
来夏「露天風呂!」
ウィーン「わかった。じゃあ、行こうか大智」
田中「おう。あ、坂井」
和奏「ん?」
田中「……にしても、腹減ったな」
来夏「よっしゃ、じゃあ晩御飯にしましょう!」
紗羽「冷蔵庫に入れてた食材出そっか」
田中「俺たちは、何したらいい?」
紗羽「田中、料理は?」
田中「そんなに」
来夏「お姉さんと二人で暮らしてるのに、料理もできないのかあんたは!」
田中「二人とも忙しいんだから、仕方ねーだろ」
和奏「じゃ、田中くんは、お風呂の準備お願いしてもいいかな。ウィーンも一緒にお願い」
ウィーン「うん。備え付けのものと、少し離れに露天風呂があるけど。どっちがいい?」
来夏「露天風呂!」
ウィーン「わかった。じゃあ、行こうか大智」
田中「おう。あ、坂井」
和奏「ん?」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:31:15.95 :XynyBQgG0
田中「別にもう、君付けして呼ばなくてもいいぜ。俺たち、一緒にやってく仲間だろ」
和奏「あ……うん」
来夏「かっこつけてないで、さっさと動く!」
田中「はいはい」
――――――――
来夏「あ。おかえりー。もう出来てるよー」
田中「おー。なんかすっげえ豪華だな」
紗羽「こーんなキャワイイ女の子達の手料理食べられるんだから、二人は幸せものだねー」
ウィーン「凄い……。ありがとう、みんな」
和奏「それじゃ、冷めないうちに食べよっか」
「「「「「いただきまーす」」」」」
紗羽「……あ、来夏!」
来夏「ん?」
田中「別にもう、君付けして呼ばなくてもいいぜ。俺たち、一緒にやってく仲間だろ」
和奏「あ……うん」
来夏「かっこつけてないで、さっさと動く!」
田中「はいはい」
――――――――
来夏「あ。おかえりー。もう出来てるよー」
田中「おー。なんかすっげえ豪華だな」
紗羽「こーんなキャワイイ女の子達の手料理食べられるんだから、二人は幸せものだねー」
ウィーン「凄い……。ありがとう、みんな」
和奏「それじゃ、冷めないうちに食べよっか」
「「「「「いただきまーす」」」」」
紗羽「……あ、来夏!」
来夏「ん?」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:33:31.23 :XynyBQgG0
紗羽「お味噌汁にキノコ入ってる!」
来夏「へ? ああ、ごめんごめん。よけ忘れちゃったみたい」
紗羽「もー。責任とって食べてね、はい」
来夏「えー。それぐらい食べなよー。ちょっとじゃん」
田中「好き嫌いしてたら、大きくなれねーぞ」
来夏「そうそう。田中良いこと言った!」
紗羽「来夏に言われてもねー、和奏」
和奏「ん? ……んー。んふふ」 モグモグ
ウィーン「みんなで食べるのって、楽しいね」
田中「楽しいっつーより、姦しいっつー感じだけどな」
ウィーン「かしましい……? それ、どういう意味?」
来夏「昔ね、カシマって人が三人の女の人を集めて、食事会を開いたことが由来でね~~」
田中「ウソ教えんなよ……」
紗羽「お味噌汁にキノコ入ってる!」
来夏「へ? ああ、ごめんごめん。よけ忘れちゃったみたい」
紗羽「もー。責任とって食べてね、はい」
来夏「えー。それぐらい食べなよー。ちょっとじゃん」
田中「好き嫌いしてたら、大きくなれねーぞ」
来夏「そうそう。田中良いこと言った!」
紗羽「来夏に言われてもねー、和奏」
和奏「ん? ……んー。んふふ」 モグモグ
ウィーン「みんなで食べるのって、楽しいね」
田中「楽しいっつーより、姦しいっつー感じだけどな」
ウィーン「かしましい……? それ、どういう意味?」
来夏「昔ね、カシマって人が三人の女の人を集めて、食事会を開いたことが由来でね~~」
田中「ウソ教えんなよ……」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:36:15.63 :XynyBQgG0
ウィーン「ありがとう、来夏。
やっぱり、こうやって大人数で食べるのは、賑やかでいいよね」
紗羽「うちはいっつも正座して、黙々と食べるからなぁ」
来夏「さすがはお寺の子!」
和奏「うちもお父さんと二人だし……」
田中「ま、たまには、悪くねーかもな」
来夏「よっしゃ。それじゃあ、さっさと食べてお風呂行こーっと!」
田中「どっから、それじゃあが出てきたんだよ」
――――――――
来夏「はー、気持ち良かったー」
ウィーン「あ、おかえり」
ウィーン「ありがとう、来夏。
やっぱり、こうやって大人数で食べるのは、賑やかでいいよね」
紗羽「うちはいっつも正座して、黙々と食べるからなぁ」
来夏「さすがはお寺の子!」
和奏「うちもお父さんと二人だし……」
田中「ま、たまには、悪くねーかもな」
来夏「よっしゃ。それじゃあ、さっさと食べてお風呂行こーっと!」
田中「どっから、それじゃあが出てきたんだよ」
――――――――
来夏「はー、気持ち良かったー」
ウィーン「あ、おかえり」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:39:15.95 :XynyBQgG0
紗羽「あれ。二人とも、もうお風呂入っちゃったの?」
田中「お前たちが長いんだよ。先にこっちの使わせてもらった」
来夏「うわー、もったいな! 景色も湯加減も完璧だったのにー」
田中「別に、どこでも一緒だろ。……さて、筋トレすっかな」
和奏「お風呂上がりにするの?」
田中「日課だからな。身体があったまってるうちにやるのが一番いいんだ。
普段はランニングした後にやるんだけど、今日は仕方ないからこれで」
紗羽「ふーん。手伝ってあげよっか?」
田中「手伝うって? 腕立てだぞ?」
紗羽「んー……あ、上に乗るとか」
田中「ケガするぞ」
来夏「あら、紳士的」
田中「いや、俺が」
紗羽「……」
田中「ちょっ……無言で腕をひね……いたたた!」
紗羽「あれ。二人とも、もうお風呂入っちゃったの?」
田中「お前たちが長いんだよ。先にこっちの使わせてもらった」
来夏「うわー、もったいな! 景色も湯加減も完璧だったのにー」
田中「別に、どこでも一緒だろ。……さて、筋トレすっかな」
和奏「お風呂上がりにするの?」
田中「日課だからな。身体があったまってるうちにやるのが一番いいんだ。
普段はランニングした後にやるんだけど、今日は仕方ないからこれで」
紗羽「ふーん。手伝ってあげよっか?」
田中「手伝うって? 腕立てだぞ?」
紗羽「んー……あ、上に乗るとか」
田中「ケガするぞ」
来夏「あら、紳士的」
田中「いや、俺が」
紗羽「……」
田中「ちょっ……無言で腕をひね……いたたた!」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:42:43.11 :XynyBQgG0
和奏「あ、ねえウィーン」
ウィーン「ん?」
和奏「お風呂の近くに、別の道あるよね?」
ウィーン「うん。それが?」
和奏「あれ、どこに繋がってるの?」
ウィーン「確か、小さな神社があるはずだよ」
来夏「へー。そうなんだ」
紗羽「何かたくらんでる?」
来夏「ふっふーん。ご名答!」
来夏「肝試しにでも行きましょう!」
和奏「肝試し?」
来夏「そう。そういえばあたし達、夏休みに夏休みらしいことしてないし!
ここで、一発何かやっておこうかと」
和奏「あ、ねえウィーン」
ウィーン「ん?」
和奏「お風呂の近くに、別の道あるよね?」
ウィーン「うん。それが?」
和奏「あれ、どこに繋がってるの?」
ウィーン「確か、小さな神社があるはずだよ」
来夏「へー。そうなんだ」
紗羽「何かたくらんでる?」
来夏「ふっふーん。ご名答!」
来夏「肝試しにでも行きましょう!」
和奏「肝試し?」
来夏「そう。そういえばあたし達、夏休みに夏休みらしいことしてないし!
ここで、一発何かやっておこうかと」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:45:44.82 :XynyBQgG0
田中「おい、今は合宿……」
来夏「何か言った?」
紗羽「空気読んで」
田中「……はい」
和奏「帰ってきたら、ちゃんと練習しようね」
紗羽「うん、もちろん」
田中(扱いの差が……)
来夏「じゃあ、まずは田中が行ってくること!」
田中「はぁ? 俺だけ?」
和奏「いくらなんでも一人は……」
紗羽「じゃ、和奏も行く?」
和奏「えっ? それは……」
来夏「……うん。わかった。じゃあ、じゃんけんで決めよう。公平に!」
田中「既に不公平だろ……」
田中「おい、今は合宿……」
来夏「何か言った?」
紗羽「空気読んで」
田中「……はい」
和奏「帰ってきたら、ちゃんと練習しようね」
紗羽「うん、もちろん」
田中(扱いの差が……)
来夏「じゃあ、まずは田中が行ってくること!」
田中「はぁ? 俺だけ?」
和奏「いくらなんでも一人は……」
紗羽「じゃ、和奏も行く?」
和奏「えっ? それは……」
来夏「……うん。わかった。じゃあ、じゃんけんで決めよう。公平に!」
田中「既に不公平だろ……」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:48:39.05 :XynyBQgG0
来夏「いくよー。じゃーんけん、ポン!」
和奏「あ」
紗羽「来夏の一人負けだ」
来夏「なんですとぉおおお!?」
紗羽「頑張っておいでー♪」
来夏「……紗羽も来てよ!」
紗羽「え?」
来夏「この前、数学の宿題写さしてあげたよね?」
紗羽「あー……」
来夏「来週の英語のプリントの答えも、中間テストの勉強も、全部あたしが」
紗羽「わかったわかった。ついてくから」
来夏「素直でよろしい」
来夏「いくよー。じゃーんけん、ポン!」
和奏「あ」
紗羽「来夏の一人負けだ」
来夏「なんですとぉおおお!?」
紗羽「頑張っておいでー♪」
来夏「……紗羽も来てよ!」
紗羽「え?」
来夏「この前、数学の宿題写さしてあげたよね?」
紗羽「あー……」
来夏「来週の英語のプリントの答えも、中間テストの勉強も、全部あたしが」
紗羽「わかったわかった。ついてくから」
来夏「素直でよろしい」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:51:09.86 :XynyBQgG0
紗羽「はぁ……。ウィーン、懐中電灯とかはある?」
ウィーン「うん。持ってくるね」
和奏「私とウィーンは、どうしてたらいい?」
来夏「お留守番で!」
和奏「わかった」
紗羽「やっぱり、ちょっと怖かったの? 肝試し」
和奏「好きではないかな」
ウィーン「はい、紗羽。気を付けてね。あんまり遠くはないから」
紗羽「ありがと。じゃ、行こっか。来夏、田中」
田中「もうお前たちで行けばいいだろ……」
来夏「はい、田中は先頭」
田中「おい、押すな」
紗羽「よろしくねー」
紗羽「はぁ……。ウィーン、懐中電灯とかはある?」
ウィーン「うん。持ってくるね」
和奏「私とウィーンは、どうしてたらいい?」
来夏「お留守番で!」
和奏「わかった」
紗羽「やっぱり、ちょっと怖かったの? 肝試し」
和奏「好きではないかな」
ウィーン「はい、紗羽。気を付けてね。あんまり遠くはないから」
紗羽「ありがと。じゃ、行こっか。来夏、田中」
田中「もうお前たちで行けばいいだろ……」
来夏「はい、田中は先頭」
田中「おい、押すな」
紗羽「よろしくねー」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:54:36.25 :XynyBQgG0
――――――――残された二人。
和奏「……」 パラリ
ウィーン「……」
和奏「……遅いね、みんな」
ウィーン「そうだね。全部で一時間はかからないと思うんだけど……」
和奏「そっか」
ウィーン「うん」
和奏「……」
ウィーン「……」
――――――――残された二人。
和奏「……」 パラリ
ウィーン「……」
和奏「……遅いね、みんな」
ウィーン「そうだね。全部で一時間はかからないと思うんだけど……」
和奏「そっか」
ウィーン「うん」
和奏「……」
ウィーン「……」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 19:58:09.01 :XynyBQgG0
和奏「……」 パラリ
ウィーン「ねえ和奏、その本は?」
和奏「ん? これ?」
ウィーン「うん。教科書じゃないみたいだけど」
和奏「家にあった、作曲の本なんだ」
ウィーン「和奏、曲を作るの?」
和奏「お母さんが書きかけの楽譜を残してくれたから。それを完成させたくて」
ウィーン「へー、凄いね! 流石は和奏だ!」
和奏「さすがってほどじゃ……」
和奏「……」 パラリ
ウィーン「ねえ和奏、その本は?」
和奏「ん? これ?」
ウィーン「うん。教科書じゃないみたいだけど」
和奏「家にあった、作曲の本なんだ」
ウィーン「和奏、曲を作るの?」
和奏「お母さんが書きかけの楽譜を残してくれたから。それを完成させたくて」
ウィーン「へー、凄いね! 流石は和奏だ!」
和奏「さすがってほどじゃ……」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:01:10.70 :XynyBQgG0
和奏「さすがってほどじゃ……」
ウィーン「ううん。そんなこと、僕にはできないもの。だから、凄いと思うよ」
和奏「そう……かな。まだまだ全然なんだけど」
ウィーン「やろうとするのが素晴らしいんだよ」
和奏「……」
ウィーン「……」
和奏「……? どうしたの?」
ウィーン「……ねえ和奏」
和奏「?」
ウィーン「前から思ってたんだけど」
和奏「うん」
ウィーン「和奏って、可愛いよね」
和奏「へっ!?」
和奏「さすがってほどじゃ……」
ウィーン「ううん。そんなこと、僕にはできないもの。だから、凄いと思うよ」
和奏「そう……かな。まだまだ全然なんだけど」
ウィーン「やろうとするのが素晴らしいんだよ」
和奏「……」
ウィーン「……」
和奏「……? どうしたの?」
ウィーン「……ねえ和奏」
和奏「?」
ウィーン「前から思ってたんだけど」
和奏「うん」
ウィーン「和奏って、可愛いよね」
和奏「へっ!?」
48:46の一行目ミスちゃった。ごめんね:2012/10/12(金) 20:05:13.96 :XynyBQgG0
ウィーン「あれ? 意味違ったかな。あっちではLieblichって言うんだけど……」
和奏「わ、私、ドイツ語わかんないよ」
ウィーン「そっか。ごめん」
和奏「ううん……いいよ」
ウィーン「……」
和奏「……」
和奏「……う、ウィーン!」
ウィーン「ん?」
和奏「さっきの……ことだけど」
ウィーン「Lieblich?」
和奏「じゃなくて、日本語の方」
ウィーン「和奏が可愛いってこと?」
和奏「んっ……。そ、それって……どういう意味……?」
ウィーン「どうって、褒めたんだけど……。やっぱり意味、おかしかったかな?」
ウィーン「あれ? 意味違ったかな。あっちではLieblichって言うんだけど……」
和奏「わ、私、ドイツ語わかんないよ」
ウィーン「そっか。ごめん」
和奏「ううん……いいよ」
ウィーン「……」
和奏「……」
和奏「……う、ウィーン!」
ウィーン「ん?」
和奏「さっきの……ことだけど」
ウィーン「Lieblich?」
和奏「じゃなくて、日本語の方」
ウィーン「和奏が可愛いってこと?」
和奏「んっ……。そ、それって……どういう意味……?」
ウィーン「どうって、褒めたんだけど……。やっぱり意味、おかしかったかな?」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:08:26.18 :XynyBQgG0
和奏「……褒め言葉?」
ウィーン「うん」
和奏「……なぁんだ」
和奏「……ウィーン、そういう言葉はあんまり言わない方がいいよ」
ウィーン「え? どうして?」
和奏「……誤解をする人がいるから!」
ウィーン「誤解?」
和奏「そう!」
ウィーン「誤解って、勘違いってことだよね? でも、可愛くない人に言わなければ、良いんじゃないのかな?」
和奏「あー……。女の人に言うのが危ないかな」
ウィーン「男の人には言ってもいいの?」
和奏「そうじゃなくて……。えーっと……」
ウィーン「?」
和奏「……褒め言葉?」
ウィーン「うん」
和奏「……なぁんだ」
和奏「……ウィーン、そういう言葉はあんまり言わない方がいいよ」
ウィーン「え? どうして?」
和奏「……誤解をする人がいるから!」
ウィーン「誤解?」
和奏「そう!」
ウィーン「誤解って、勘違いってことだよね? でも、可愛くない人に言わなければ、良いんじゃないのかな?」
和奏「あー……。女の人に言うのが危ないかな」
ウィーン「男の人には言ってもいいの?」
和奏「そうじゃなくて……。えーっと……」
ウィーン「?」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:09:27.31 :5X0OJ/Ok0
ヴィーン
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:11:09.37 :XynyBQgG0
和奏「日本では、そういうこと言うとね。もしかして、好きなのかな? って勘違いしちゃうの」
ウィーン「そうなんだ。でも、僕は和奏のこと、好きだよ」
和奏「ええっ!?」
ウィーン「もちろん、大智も来夏も紗羽もね!」
和奏「……もー……調子狂うなあ」
ウィーン「?」
和奏「ウィーン、英語は?」
ウィーン「問題ないよ」
和奏「さっき言ったのはLoveの話。今、ウィーンが言ってくれたのはLikeだよね?」
ウィーン「多分……」
和奏「多分って」
ウィーン「そういうこと……あまりよく、わからないから」
和奏「……そっか」
和奏「日本では、そういうこと言うとね。もしかして、好きなのかな? って勘違いしちゃうの」
ウィーン「そうなんだ。でも、僕は和奏のこと、好きだよ」
和奏「ええっ!?」
ウィーン「もちろん、大智も来夏も紗羽もね!」
和奏「……もー……調子狂うなあ」
ウィーン「?」
和奏「ウィーン、英語は?」
ウィーン「問題ないよ」
和奏「さっき言ったのはLoveの話。今、ウィーンが言ってくれたのはLikeだよね?」
ウィーン「多分……」
和奏「多分って」
ウィーン「そういうこと……あまりよく、わからないから」
和奏「……そっか」
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:14:31.17 :XynyBQgG0
ウィーン「和奏は、わかるの?」
和奏「うーん。来夏なら、詳しいそうだけど……私はあんまり」
ウィーン「そっか」
和奏「やっぱ、知りたいの?」
ウィーン「そうだね。わからないことだし、知っておきたいとは思ってる」
和奏「知ろうとして、知るものでもないと思うんだけどね」
ウィーン「そうなんだ」
和奏「……でも、私もちゃんとは知らないから。知りたいとは思う」
ウィーン「……例えば、僕と和奏じゃ無理かな?」
和奏「へっ?」
ウィーン「今はまだ全然わからないんだけど……なろうと思えば」
和奏「ええっと。ウィーン、落ち着いて」
ウィーン「僕は落ち着いてるよ」
ウィーン「和奏は、わかるの?」
和奏「うーん。来夏なら、詳しいそうだけど……私はあんまり」
ウィーン「そっか」
和奏「やっぱ、知りたいの?」
ウィーン「そうだね。わからないことだし、知っておきたいとは思ってる」
和奏「知ろうとして、知るものでもないと思うんだけどね」
ウィーン「そうなんだ」
和奏「……でも、私もちゃんとは知らないから。知りたいとは思う」
ウィーン「……例えば、僕と和奏じゃ無理かな?」
和奏「へっ?」
ウィーン「今はまだ全然わからないんだけど……なろうと思えば」
和奏「ええっと。ウィーン、落ち着いて」
ウィーン「僕は落ち着いてるよ」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:17:19.28 :XynyBQgG0
和奏「わかってるけど……その……」
ウィーン「顔、赤いけど大丈夫? 風邪?」
和奏「違う違う。とにかく、私たちってそういう関係じゃないでしょ?」
ウィーン「うん。でも、そういう関係になるにはまず好きになってから、だと思ったけど」
和奏「……だ、だから。もー……そんな簡単に言うことじゃないでしょ」
ウィーン「?」
ドンドンドン
田中「おーい。坂井、ウィーン。開けてくれー」
ウィーン「あ、大智たちだ。帰って来たんだね」
ガチャッ
和奏「どうしたの?」
ウィーン「背中に居るのは来夏で……横に居るのは、紗羽?」
和奏「わかってるけど……その……」
ウィーン「顔、赤いけど大丈夫? 風邪?」
和奏「違う違う。とにかく、私たちってそういう関係じゃないでしょ?」
ウィーン「うん。でも、そういう関係になるにはまず好きになってから、だと思ったけど」
和奏「……だ、だから。もー……そんな簡単に言うことじゃないでしょ」
ウィーン「?」
ドンドンドン
田中「おーい。坂井、ウィーン。開けてくれー」
ウィーン「あ、大智たちだ。帰って来たんだね」
ガチャッ
和奏「どうしたの?」
ウィーン「背中に居るのは来夏で……横に居るのは、紗羽?」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:19:38.94 :XynyBQgG0
田中「こいつら、二人して物陰から飛んできたタヌキにビビってさ。
宮本は気絶するわ、沖田は腰抜かすわで大変だったんだよ……」
和奏「それで時間かかったわけか」
田中「ったく、いい加減起きろよ、宮本。……で、沖田。早く腕から離れてくれ」
紗羽「……死ぬかと思った……」
ウィーン「ねえ、和奏」
和奏「ん?」
ウィーン「この場合は、三角関係っていうのかな?」
和奏「……ただの友達だから」
ウィーン「そっか」
――――――――次の日
来夏「一生の不覚」
紗羽「は?」
田中「こいつら、二人して物陰から飛んできたタヌキにビビってさ。
宮本は気絶するわ、沖田は腰抜かすわで大変だったんだよ……」
和奏「それで時間かかったわけか」
田中「ったく、いい加減起きろよ、宮本。……で、沖田。早く腕から離れてくれ」
紗羽「……死ぬかと思った……」
ウィーン「ねえ、和奏」
和奏「ん?」
ウィーン「この場合は、三角関係っていうのかな?」
和奏「……ただの友達だから」
ウィーン「そっか」
――――――――次の日
来夏「一生の不覚」
紗羽「は?」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:22:31.50 :XynyBQgG0
来夏「せっかくの一泊二日の旅行で、早寝しちゃうなんて!
夜の練習もできなかったし!! あー!!」
田中「旅行って……」
来夏「もー。こうなったら、またやろうねみんな!」
和奏「開口一番にそれ?」
ウィーン「うん。その時は、またここを使おうよ」
来夏「よぉっしゃ。持ち主さんの許可降りたよ!」
田中「やっぱ遊びたいだけじゃねーか……」
来夏「ちゃんと練習もしたでしょー?」
和奏「そうだね。多分、もう何回かやれば私も、大丈夫だと思う」
来夏「うんうん。得る物の多い、良い合宿だったねー」
紗羽「来夏ったら。次は、しっかり計画立ててやるから覚悟してね」
来夏「……はい」
来夏「せっかくの一泊二日の旅行で、早寝しちゃうなんて!
夜の練習もできなかったし!! あー!!」
田中「旅行って……」
来夏「もー。こうなったら、またやろうねみんな!」
和奏「開口一番にそれ?」
ウィーン「うん。その時は、またここを使おうよ」
来夏「よぉっしゃ。持ち主さんの許可降りたよ!」
田中「やっぱ遊びたいだけじゃねーか……」
来夏「ちゃんと練習もしたでしょー?」
和奏「そうだね。多分、もう何回かやれば私も、大丈夫だと思う」
来夏「うんうん。得る物の多い、良い合宿だったねー」
紗羽「来夏ったら。次は、しっかり計画立ててやるから覚悟してね」
来夏「……はい」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:25:14.61 :XynyBQgG0
――――――――帰路
来夏「あー。やっぱ、あたしをおぶってくれたの田中だったんだー。
紗羽にしちゃ、広い背中だと思った。なんかゴツゴツしてるし」
紗羽「昨日は、わたしも腰抜かしちゃってたし」
田中「大変だったんだぞ。……ホントに」
来夏「はいはい。ありがとね、田中きゅん」
田中「感謝してねーな、お前」
紗羽「それじゃ、ご褒美に荷物持たせてあげるね」
来夏「あ。あたしも!」
田中「また!? って、勝手に! ふざけんな、おい!」 ボスボスッ
ウィーン「楽しそうだね」
和奏「うん」
ウィーン「……ねえ、和奏」
和奏「ん?」
ウィーン「昨日のことだけど」
――――――――帰路
来夏「あー。やっぱ、あたしをおぶってくれたの田中だったんだー。
紗羽にしちゃ、広い背中だと思った。なんかゴツゴツしてるし」
紗羽「昨日は、わたしも腰抜かしちゃってたし」
田中「大変だったんだぞ。……ホントに」
来夏「はいはい。ありがとね、田中きゅん」
田中「感謝してねーな、お前」
紗羽「それじゃ、ご褒美に荷物持たせてあげるね」
来夏「あ。あたしも!」
田中「また!? って、勝手に! ふざけんな、おい!」 ボスボスッ
ウィーン「楽しそうだね」
和奏「うん」
ウィーン「……ねえ、和奏」
和奏「ん?」
ウィーン「昨日のことだけど」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:28:03.59 :XynyBQgG0
和奏「! う、うん」
ウィーン「寝る前に色々と考えてみたんだけど。
やっぱり、先に知らないといけないことがあると思って」
和奏「先に?」
ウィーン「うん。まずは、ちゃんと和奏のことを知ろうかと」
和奏「へ?」
ウィーン「何も知らずに、好きになるなんて出来ないよね。だからさ。」
和奏「ま、待っ……な、なんで、私なの?」
ウィーン「……さあ?」
和奏「さあ、って……」
ウィーン「よくわからないけど、そういうものなんじゃ?」
和奏「……しらない」
ウィーン「うん。だから、もっと知っていくよ。よろしくね」
和奏「好きにして」
ウィーン「そうする」
和奏「……」
和奏「! う、うん」
ウィーン「寝る前に色々と考えてみたんだけど。
やっぱり、先に知らないといけないことがあると思って」
和奏「先に?」
ウィーン「うん。まずは、ちゃんと和奏のことを知ろうかと」
和奏「へ?」
ウィーン「何も知らずに、好きになるなんて出来ないよね。だからさ。」
和奏「ま、待っ……な、なんで、私なの?」
ウィーン「……さあ?」
和奏「さあ、って……」
ウィーン「よくわからないけど、そういうものなんじゃ?」
和奏「……しらない」
ウィーン「うん。だから、もっと知っていくよ。よろしくね」
和奏「好きにして」
ウィーン「そうする」
和奏「……」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:29:43.32 :XynyBQgG0
来夏「二人とも早くはやくー! 置いてくよー!」
ウィーン「ほら、行こうよ和奏」
和奏「……うん」
おしまい
来夏「二人とも早くはやくー! 置いてくよー!」
ウィーン「ほら、行こうよ和奏」
和奏「……うん」
おしまい
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/12(金) 20:33:08.95 :MEBF0Vwp0
おつでした
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