京子「んで、私達４人でこの護衛軍と王とかいうのを退治すれば良いんだよね」写真ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

結衣「そう言われたな」

ちなつ「確か護衛軍って３人（匹？）でしたよね？」

京子「そうだね」

ちなつ「んじゃあ王も合わせて４人だから、丁度良いじゃないですか。一人ずつ担当で」

結衣「お、本当だねー」

あかり「分担決めてそれぞれ行った方が効率良いかもねぇ」

京子「じゃあここで決めよう。みんなどれが良い？」

あかり「あかり、このピトーちゃんっていう猫耳さんが良いなぁ。可愛いよぉ」

結衣「ってか、それ以外はなんかみんな恐いなぁ……」

京子「王は気難しそうだし、このユピーっていうマッチョさんは見るからに好戦的っぽいし……」

ちなつ「このプフっていうキザそうな人も苦手なタイプですぅ……」

結衣「んじゃあ、ここはじゃんけんだな」

京子「えぇー？　じゃんけん？」

結衣「そうじゃなきゃ決まらないだろー？」

京子「まぁそうだけどー　（王とかになったら嫌だなー……）」

ドゴーン！　ドゴーン！


京子「お、もう結構バレてんだねー」

結衣「まぁ私達、絶もなにもしてないからねー」

ちなつ「あかりちゃん、もう完全にオート迎撃身につけたんだね～」

あかり「うん！　半径100m以内なら自動でお団子が殲滅してくれるよぉ」

京子「雑魚掃除ありがとなー」

結衣（しかしお団子無いあかりって新鮮だな……）




ﾗﾓｯﾄ「ﾊｧ……ﾊｧ……なんだあの赤い玉……」

ﾚｵﾙ「近寄った奴が……どんどん殺されてく……」

京子「じゃあ、じゃんけんするかー」

結衣「よーし」


シュッ　シュッ


京子・結衣・ちなつ（？　お団子が戻ってきた）

あかり「あー」

京子「どうしたんだー？」

あかり「オート迎撃じゃ対応しきれない敵さんに見つかっちゃったみたいだねぇ」

結衣「えぇ？」

あかり「しかもその敵さん、もうこっちにジャンプして向かって来てるみたいだよぉ」

京子「あ、あれじゃない？」

結衣「お、なんか飛んで来てるな」

ちなつ「あれって……猫耳だから、もしかしてこのピトーじゃないですか？」

京子「本当だ！　ジャンプ力がすごいって所も当てはまってるね」

結衣「もう来ちゃったかー。どうする？　とりあえず４人で迎え撃つ？」

京子「いや、私行く！」ｽｯ

結衣「えぇ？」

京子「あとの三人は頼んだぜ！」

あかり「京子ちゃん、ずるいよぉ」

京子「じゃあね～」ｼｭﾊﾞｯ



ピトー「！」

ピトー（向こうから……向かってきた……？）

あかり「良いなぁ京子ちゃん」

結衣「……ったく。仕方ないから、後の三人はじゃんけんで決めよう」

ちなつ「そうですね～」

結衣「いくぞー。じゃんけん」

あかり「ぽん！」



ピトー（なんで……向かって……）

京子「あはは。こんにちわー」ﾋﾞｭｰﾝ

ピトー（手の内が全く見えないけど……とりあえず……）

京子「あーちょっと待った待った」

ピトー「！？」

あかり「あかりが王様かぁ……」

結衣「私がこのスラッとした人かー。なんか駆け引きとかしてきそうで厄介そうだなー……」

ちなつ「こっちのゴリラはとにかく力でごり押してきそうで嫌ですよ～……」

あかり「王様はどういう事してくるか、見当もつかないよぉ」

結衣「とにかく冷酷非情らしいから気をつけなねー」

あかり「う、うん。（ちょっと不安だよぉー……）」

ちなつ「じゃあ、それぞれ向かいますか」

結衣「そうだなー」

京子「私、あんまり空中戦得意じゃないんだよね～」

ピトー「……」

京子「だから、とりあえず下に降りよう？」

ピトー（楽しそうだけど……あんまり闘いを楽しんでいられる状況でも無いにゃ。わざわざ敵の得意なフィールドに持ち込ませず……）

ピトー（ここですぐに…）


カシッ


ピトー「！！」


ピトー（抱きつ…）

京子「空中戦じゃ、手加減出来ないって言ってるの」

京子「みんなの死体は研究資料として持ち帰って来るように言われてるから」

京子「あんまり損壊させたくないんだよね。空だとさらに拡散しちゃうし」

ピトー「！！」

京子「このままとりあえず下行くぜ～」ﾋﾞｭｰﾝｯ

ちなつ「……」ｼﾞﾄｰｯ

ちなつ（どう見てもあの階段の所に座ってる人よね……）

ちなつ（うわぁ……思っていた以上にがさつそう～……喋ると馬鹿が移りそう～……）

ちなつ（……さっさと終わらせましょ）ｽｯ



結衣「……」ｼﾞﾄｰｯ

結衣（あそこでバイオリン弾いてる人……だよな？）

結衣（めっちゃ自分に酔いしれてる……苦手だわー……）

結衣（さっさと終わらせよ……）ｽｯ

あかり「ふぅ」

あかり（この宮殿の最上階にいるんだよねぇ）

あかり（冷酷非情かぁ……ちょっと恐いよぉ……）

あかり（ファーストコンタクトは、どさくさにまぎれながらしたいなぁ……）

あかり（だから最初に挨拶として、お団子で空爆してから一気に侵入しよう……）

あかり「……」お団子ﾌﾜﾌﾜ

あかり「よーし行けぇ！」


お団子ﾋﾞｭﾝｯ　ﾋﾞｭﾝｯ


ドゴーン！　ドゴーン！　ドゴーン！　ドゴーン！

ドゴーン！　ドゴーン！　ドゴーン！　ドゴーン！


プフ・ユピー「「！？」」


プフ（敵の……）

ユピー（攻撃……！？）



プフ「王……！！」ｼｭﾊﾞｯ

カシッ

結衣「待ちな」

プフ「！？　（足を……掴まれ……）」



ユピー（上か……！）ﾀﾞｯ

足スパコーン

ユピー「！？」ﾄﾞｻｯ

ちなつ（うわぁ……足掛けたら思いっ切り転んじゃったよ……本当に馬鹿そうね……）

あかり「ふぅ。これで良いかなぁ　（ちょっと壊し過ぎちゃったよぉ）」

あかり「このどさくさに紛れて侵入するよぉ」

あかり「……」ｿﾜｿﾜ

あかり「でも緊張するよぉ……なんて言っても王様だもんねぇ」

あかり「でもそんな事言ってる暇は無いねぇ。みんなが終わらせて集まって来ちゃったら、あかりの手柄がなくなっちゃうよぉ」

あかり「……よーし」ﾀﾞｯ

シュバッ

スタッ

あかり（多分、この部屋だよねぇ）

あかり（煙幕でよく見えないよぉ）

あかり「……」ｷｮﾛｷｮﾛ

あかり「！」

あかり（あ、あれは……写真で見た王様……だよね？）

あかり「……？」

あかり（女の子を……抱えてる……？）




メルエム「……」

コムギ「うっ……うぅっ……」

コムギ「うぅっ……」

メルエム「おい、ピトーを呼べ」

雑魚兵「も、申し訳ありません！　ピトー様は今、敵と交戦中で……」

メルエム「他に回復能力を持った奴はおらぬか」

雑魚兵「何人か……心当たりは……」

メルエム「回復能力を持った者を総動員して、すぐに治療させろ」

雑魚兵「は！」




あかり（……あれれぇ？）

あかり（……お話と違うよぉ？）

ドシーン！！


京子「ふぅ」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

ピトー「……」

京子「じゃあさっそく行くぜ～。話題BOX！」ﾎﾟﾝｯ

ピトー（は、箱……？）

京子「よーし」ｺﾞｿｺﾞｿ

ピトー（一体なにが入ってるんだ……？）

京子「じゃあこれで！」紙ｻｯ

ピトー（！？　ただの紙切れ……？）

京子「うわぁ……これはハズれだねぇー……」

ピトー「……？」


京子「恥ずかしかった話！！」

京子「恥ずかしかった話かー。んじゃあ……」


京子「いや～ん♥」


京子「せーの！」


ピトー「いや～ん♥」


ピトー（！！　口が勝手に……！）


京子「じゃあ始めるぞ～」

ピトー（一体……なにが始まるんだ……！？）

京子「私、この間～　（お、あそこにちょうど良い間隔で三本の木が……）」

京子「道歩いてたんだよ～」ﾀﾞｯ

ピトー「！！　（来た……！）」

京子「そしたら～」

ピトー（くっ……テ……黒子舞想……！）

ピトー「！？」

ピトー（発動しない……！？）

京子「人の話に割って入るのは、ルール違反だよ～？」

ピトー「！」

京子「続けるね。そしたら～道に、氷が張った水たまりがあったんですよ～」ｶｼｯ

ピトー「！！　（足を掴まれた……！）」

京子「それを～ジャンプして避けようとしたら～（この杭で……まず左足を……）」ｸﾞｯ

ピトー「！！」

京子「ジャンプ力足りなくて～　（こっちの木に……）」ｸﾞｻｯ

ピトー「あぁぁぁぁっ！！」

京子「ちょうど水たまりの上に着地しちゃって～　（んで、右足をこっちの木に……）」ｸﾞｻｯ

ピトー「あぁぁぁぁっ！！」

京子「思いっ切り滑って～　（んで、胴体を真ん中の木に……）」ｸﾞｻｯ

ピトー「うわぁぁぁぁぁっ！」


京子「大股開きになっちゃったんですよ～　（これで完成！）」


ピトー（辱められるのが……僕で良かった……）

ピトー「くっ……」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

ピトー（少しも……動けない……）ﾊｧﾊｧ

ピトー「うぅっ……」血ｼﾞﾜｰ


京子「どっちが良い？」

ピトー「……？」ﾊｧﾊｧ

京子「その杭は次の紙を引くまで絶対に消えないから、ほっとけば君はこのまま絶命する。私はこっちを薦めるけど……」

ピトー「……」


京子「次の話も聞きたい？」ﾆﾔｯ

あかり「……」ｽｯ

メルエム「……」

あかり「お、王様ぁ」ﾃﾚﾃﾚ

メルエム「……」

あかり「（な、なんて言えば良いのかな……）　え、えぇっと……」ｱｾｱｾ

メルエム「……」


あかり「し、刺客だよぉ！」ﾄﾞﾔｯ


メルエム「……」

あかり（き、決まったかなぁ……）ﾄﾞｷﾄﾞｷ


メルエム「ピトーを探さねば！」ﾀﾞｯ

あかり「！！」


あかり（き、気づいてなかったの～？）ｵﾛｵﾛ

メルエム「……」ﾀﾞｯ

あかり（あぁ、行っちゃうよぉ～）ｵﾛｵﾛ

あかり「お団子、お願い！」ﾋﾞｭﾝｯ　ﾋﾞｭﾝｯ

あかり「王様の目の前まで行ったら、網状になってねぇ」


ﾋﾞｭﾝｯ　ﾋﾞｭﾝｯ

メルエム「！？」

ﾌﾜﾌﾜ　ﾌﾜﾌﾜ

メルエム（な、なんだこの赤玉は……！？）

ﾊﾞｯ

メルエム「なっ……（網……！？）」ｷｷｰｯ

あかり「戻っておいでぇ」指ｸｲｯ

ｶﾞﾊﾞｯ

メルエム「うっ……（そのまま後ろに……飛ばされ……）」ﾋﾞｭｰﾝｯ

あかり「良い子だよぉ」

京子「うーん……」ﾄｺﾄｺ

京子「お、右腕あったあった」ﾋｮｲｯ

京子「あと右足と首かぁ……」ﾄｺﾄｺ

京子「ふぅ」

京子「全くもー……」

京子「『子どもの頃の話』なんて引いちゃうからー……」

京子「私が小さい頃、お人形をばらばらにして遊んでたっていう話をしちゃったら……」

京子「うっ……」

京子「さすがにちょっとグロかったわー……」

京子「あー……どこだよ右腕と首ー……」ﾄｺﾄｺ

結衣「……」ｼﾞﾄｰｯ

プフ「……」

結衣「オイコラ、起きろ」

プフ「……」

結衣「あれ……息してない……？」

結衣（おいおい……）

結衣（念でちょっと体を強化して、ひたすら殴る蹴るの暴行を加えてただけなのに……）

プフ「……」

結衣「軟弱過ぎるだろ、おい」手刀ﾋﾟｼｯ

プフ「……」腕ﾎﾞｷｯ

結衣「あぁそうだ、あんまり損壊させない方が良いんだった……」ｱｾｱｾ

ユピー「出しやがれ！！」

ちなつ「……」

ユピー「おいこら！！　なんだなんだこの全体が真っピンクな空間は！　あとお前はどこにいんだよ！」

ちなつ「うるさいわねー……　（もふもふ越しにここまで声が聞こえるなんて……）」

ユピー「おい！！　いつまでこんな所にいさせるんだ！！　おい！！」

ちなつ「そんな事言われたって、私だってわからないわよ」

ユピー「あぁ！？」

ちなつ「あんただって、自分が食べたものがいつ消化されてるかなんて、一々知らないでしょ？」

ユピー「はぁ！？」

ちなつ（あんなでっかいから時間掛かるんだろうなー……）

ユピー「どういう事だおい！　こらぁ！！」

ちなつ（それまでずっとこの髪の中から聞こえる怒声を聞きながら過ごさなきゃいけないのかー……）ﾄｺﾄｺ

メルエム「何者だ貴様……　（いつからここに……まさかさっきの空爆も……）」

あかり「あ、赤座あかりです　（やっぱり王様は緊張するよぉ……）」ﾃﾚﾃﾚ

メルエム「……」ﾁﾗｯ

メルエム「……コムギを治療してるのは、貴様の能力か　（さっきの赤い玉……）」

あかり「あ、そうだよぉ。あの子は人間だからねぇ」

メルエム「そうか」

あかり「うん！　治療はあまり得意じゃないけど、必ず治るから安心してねぇ」ﾆｺﾆｺ

メルエム「……そうか」

メルエム「あの赤い玉は、お前の攻撃手段でもあるのか？」

あかり「まぁ、一応そうだねぇ」

メルエム「……そうか　（２つとも使っているという事は、今は丸腰の状態か……）」


メルエム「……」ﾄﾞｻｯ

あかり「！」


メルエム「治療が済むまで待つ」

メルエム「……」


あかり（どうしよう……）ｵﾛｵﾛ

あかり（お団子は遠隔攻撃用のただのサブ能力で……）

あかり（メインの攻撃能力は、治療しながらでも普通に使えるんだけど……）

あかり「……」

あかり（でもあんなに優しい所を見せて貰って……）

あかり（恥かかせたくないよぉ……）


メルエム「……」

メルエム「……」


あかり「……」

あかり（この女の子の所を……ずっと心配そうな顔で見つめてる……）

あかり「……」

あかり（本当に……）

あかり（話が違うよぉ……）


ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ


メルエム「！」

あかり「！」

京子「あかりー。済んだかー？」ﾄｺﾄｺ

結衣「全然闘ってるような音はしないけど……」ﾄｺﾄｺ

ちなつ「空爆の後はこっちずっと静かでしたよねー」ﾄｺﾄｺ

ﾊﾞｯ


京子・結衣・ちなつ「「！？」」


メルエム「……」

あかり「えへへ　（ど、どう説明したら良いのかな～……）」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ


京子（あれが王だよな……？　なんで闘ってないんだ？）

結衣（誰だあの女の子……？　あかりが治療してるけど……）

ちなつ（あかりちゃん、別に治療しながらでも闘えるでしょ……？）

メルエム「……」ｽｯ


京子・結衣・ちなつ「「！」」


メルエム「場所を替える」

京子「え？」

メルエム「討伐に来たのだろう？　それなら、そちらも広い場所の方が都合が良いだろう」

結衣「あ、いやー……（確かに、王だけは確実に殺害するように言われてるけど……）」

メルエム「もちろん、３対１で構わない。しかし、とにかく場所は替えさせて貰う」

あかり（き、きっと、この子がいるからだ……）

ちなつ「じゃ、じゃあ、とりあえず、外に行きますか……」ﾁﾗｯ

京子・結衣「「う、うん」」

メルエム「それで良い」ｽﾀｯ


あかり「ま、待ってぇ！」

メルエム「……」


京子（あかり……？）

結衣（一体どうしたんだ……？）


あかり「治療終わったよぉ」


メルエム「！」


コムギ「……」ﾊﾟﾁｯ


ちなつ「あ……」


コムギ「そ、総帥様……」ﾑｸｯ

メルエム「コムギ、無事か！」ﾀﾞｯ


京子・結衣・ちなつ「「……！」」

コムギ「ぶ、無事です……」

メルエム「……そうか。良かった」

あかり「……」ﾆｺﾆｺ


京子「……」


あかり「ふぅ」


京子「あかり！」


あかり「！」

京子「ちょっとこっち来な」

あかり「……」ﾄｺﾄｺ

結衣・ちなつ「「……」」

京子「あかり、お前…」

あかり「……」


京子「変な情が生まれちゃってるんじゃないだろうな？」

あかり「……」


京子「……王の殺害は絶対の遂行義務事項」

あかり「……」

京子「……やりたくないなら、私達がやるから、ここにいなさい」

あかり「……」

京子「……良い？」

あかり「ううん」

京子「！」

あかり「王様の担当はあかりだよぉ」

あかり「……」ｽｯ

京子「（まさか、逃がしたりする気じゃ……！）　下手な事し出したら、私達があかりを止めるからな！」

あかり「安心してよぉ」ﾄｺﾄｺ

結衣・ちなつ「「……」」


あかり「王様」

メルエム「！」

あかり「治療が済んだから、約束通り、勝負だよぉ」

メルエム「……」


コムギ「え……？　しょ、勝負ってまさか……（さっきの空爆も……人間による……攻撃……）」

コムギ「やめて下さい！　どなたか存じませんが、総帥様に酷い事をしないでください！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


あかり「……」

あかり「ごめんねぇ」

あかり「……」ｽｯ

メルエム「場所を替えるか」

あかり「ううん。ここで良いよぉ」

メルエム「な……」


京子（おいおい、あかりがこんな所でマジ能力使ったら……）

結衣（私達も含めて灰になっちゃうだろ……！）

ちなつ「！」

ちなつ（まさかあかりちゃん、みんなには言ってないあっちの能力を……）


コムギ「やめて下さい！　おでがいします！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


あかり「……」手ｽｯ

あかり「……」虫箱ﾎﾟﾝｯ


京子・結衣「「！？」」

ちなつ（や、やっぱり……）

あかり「……」ｸﾙｯ

あかり「みんな、ごめんねぇ」

京子・結衣・ちなつ「「……」」

あかり「ちゃんと討伐はする。それは約束するよぉ」

あかり「でもこの方法だと、死体も証拠も残せないから…」

あかり「闘いがヒートアップし過ぎて、焼きつくしちゃったって事で、口裏合わせてねぇ」

京子・結衣（い、一体なにを……）

ちなつ「……」


あかり「……」ｸﾙｯ

メルエム「……！」

あかり「……」蓋ﾊﾟｶｯ

メルエム「……！？」

メルエム「なっ……！　（どんどん引っ張られる……！）」

メルエム「くっ……　（な、なんて力だ……）」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

あかり「……」


京子（お、王が……どんどん虫箱の方に……）

結衣（す、吸い寄せられてく……）


コムギ「やべでぐださい！　おねがいしばす！　総統様に酷い事しだいでぐださい！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


あかり「……」

あかり「……ごめんねぇ」


メルエム「くっ……　（このままでは……あの箱に……飲まれてしまう……！）」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

あかり「……」

あかり「……」

メルエム「くっ……　（もう……ダメだ……）」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

あかり「……」

メルエム「済まぬ……コムギ！」

コムギ「総帥様……！」


シュバッ


京子（王が……完全に……）

結衣「虫箱の中に……飲まれた……」

ちなつ「……」


あかり「……ふぅ」蓋ﾄｼﾞｯ

京子「あ、あかり……」ﾀｯﾀｯﾀ

結衣「や、やったのか……？」ﾀｯﾀｯﾀ

あかり「……」虫箱ｽｯ

京子・結衣「「！？」」


京子（虫箱の中に……一匹……）

結衣（蟻……本物の方の……昆虫の蟻が……）

ちなつ「……」


あかり「……」虫箱ﾎﾟﾝｯ


京子（小さい……新しい虫箱……？）

結衣（こっちは土がたくさん入ってる……）


あかり「……」ｽｯ


京子（蟻を……そっちに移した……？）

コムギ「（総帥様のお声が……無くなった……）　総帥様！　どこにいらっしゃるどですか！」ｵﾛｵﾛ


あかり「……」ﾄｺﾄｺ


コムギ「総帥様！！」ｵﾛｵﾛ


あかり「……」ｽｯ

コムギ「……？」


あかり「ここにいるよぉ」

コムギ「！！」

コムギ「こ、ここ……？」

あかり「本物の蟻の寿命って……」虫箱ｽｯ

コムギ（……？　少し重みのある……箱のようなものが……手に……）

あかり「そんなに長くはないけど……大切に飼ってあげてねぇ」

コムギ「……そ、総帥様はどこに……」


あかり「今は、貴方の手の中にいるよぉ」

コムギ「！」

コムギ（という事は……こ、この箱の中に……）

コムギ「あ、あなた、総帥様に一体なにをしたんですか……！」


あかり「ちゃんと生きてるから、信じて」手ｷﾞｭｯ

コムギ「！」


あかり「でももう会話は出来ないし、手を触れ合う事も出来ない」

コムギ「……！」

あかり「ごめんねぇ。こんな方法しかなくて」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

コムギ「……」

あかり「本当に……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ



あかり「本当に、悪手だよねぇ」



終