男「ひゃ！！」

後輩「ふふっ先輩ってば可愛いです」

男「あ、あのさなんなのいきなり。精子なんて何に使うの？　ご飯にでもかけて食べるの？」

後輩「ご飯に……ですか？　そういうプレイが好みなんですか？」

男「え？」

後輩「ちょっと待っててくださいね」タッタッタッ

男「？」

幼馴染「男ーおはよー」

男「……おはよう」

幼「いきなりだけどね男、精子ちょうだい」

男「……なに？　トーストにでも塗るつもり？」

幼「えー、やっぱり男ってばそういうプレイが好みなの？」

男「え？」

幼「しかたないなぁ。ちょっと待っててね」タッタッタ

男「なんなんだ？」

友「よう！　いよいよ今日からだな！」

男「あ？　なんだよ。今日からって何がだ？」

友「はぁ？　カレンダーめくるの忘れたのか？」

男「だからなんだよ。何の日かいえよ」

友「寝ぼけてるのか？　今日から女の妊娠期間が1時間になったんだぞ？」

男「え？」

友「だからそのまんまだよ。セックスして1時間後には赤ちゃんを出産できるんだぜ？」

男「なにいってんだお前」

友「お前がなにいってんだ」

男「……あ、あそこに委員長が。おーい委員長ー！！」

委員長「な、何？　私に精子くれるんですか？//」

男「…！」
男（この反応…まさか）

男「いきなりだけど女性の妊娠期間ってどれくらいだっけ？」

委員長「え？// 昨日の受精分までは10ヶ月で本日分からは約1時間ですよ」

男「oh…」

委員長「そ、それより精子…ほしいな//」

男「なにがどうなってこうなったのか……」

友「なんだよ、まだ寝ぼけてんのかよ」

男「いやいや常識から考えてありえないだろ」

友「まぁ俺も詳しいことはわかんないんだけどさ、どーもこの国の少子化ってのが深刻らしいんだわ」

男「いや、それはそうだが1時間で出産ってどういう事だよ。どんな科学だよ」

友「さあなー。でもまぁスマホとかでもバージョンアップするだろ？　それと同じじゃね？」

男「お前、俺を納得させる気あるのか？」

クラスメイト「生まれる……ヒッヒッ、フー」

助産士「頑張って、もう少しよ」

クラス全体「がんばれー頑張れー！！」

オぎゃーー－ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！

クラス「うまれたぞおおおおおおおおおお。クラス第一号だ」

男「……」

友「な？」

友「しかしまぁ早速産むとは……やるな！　あの女！おとなしそうな顔して」

男「しかし、高校生で出産ってどうやって育てるんだよ……」

友「さぁな。でも妊娠期間の短縮によって母体への負担が軽くなり、男女の性欲差が縮まるんだから俺達にしてみりゃ願ったり叶ったりだよな」

男「ふーん。まぁ俺はこの歳で親父になんてなりたかないけど」

友「枯れてんねぇー。でもお前なんだかんだで見てくれはいいし、精子欲しがる女いるだろうけどな」

男「精子ねぇ……」

男「！！！」

後輩「先輩！　ほかほかご飯盛って来たので、これに精子乗っけてください！」

幼馴染「男！　食パン持ってきたからこれに塗ってね！！」

男「ちょ、ちょっと待てよ……そ、それは」

幼「いいからかけて。私、男の子供産みたいの」

後輩「そうですぅ。先輩の赤ちゃん欲しいです」

友「２８２８」

男「い、いや俺子供とかその、いらないっていうか……」

幼「え！？」

男「ま、まだ早いかなーって……」

後輩「先輩、酷いです」

友「おいおい、男よ。別にいいじゃねーか精子の3億匹や4億匹」

男「バカいってんじゃねーよ……子供なんて育てられるか」

おぎゃーおぎゃー！！！

クラス「クラス2号目の誕生だー！！！！」

友「いやーみんなお盛んだねぇ」

男「いいから俺のフォローしろよ」

友「ククッ。いいから見てろって」

友「よく見てみろよ。さっき産まれた赤ちゃんと今産まれた赤ちゃんどうやら、父親は同じらしいぜ？」

男「ほんとだな。なにやら土下座してるぞ」

友「どうやら面白いものが見れそうだぞ？」


　　　　　　　　　　　　　　　完

人間を短期間・そして少ない資金で誕生させる事が可能になった世界では
女性に母性本能が働かなくなった。
女性達は産まれた子供を道具のように扱い、弱い個体を駆逐して行った。
そして、子供達はあるレベルに達すると姿を変えた。
人々はそれらをポケットモンスターと名づけた。
そして伝説のポケモントレーナー・サトシが現れるのはあと少し後になってからの話である。

2013年SS大賞有力候補だわこれ。