1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 20:42:26.38 :ege7cffK0
衣(きっとかわいいポケモンに進化してくれるはずだ……!)ワクワク
衣(きっとかわいいポケモンに進化してくれるはずだ……!)ワクワク
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 20:51:16.54 :ege7cffK0
蒲原「衣、なにやってるんだー?」
衣「あぁ、智美! これか? これはだなぁ……」
衣「ポケモンだ!」ババーン
蒲原「お、衣も買ったのかー」
衣「なに!? ということは智美も……?」
蒲原「ああ、サファイヤだー」
衣「お、衣はルビーだぞ!」
蒲原「ワハハ、これでポケモン交換が捗るなー」
蒲原「衣、なにやってるんだー?」
衣「あぁ、智美! これか? これはだなぁ……」
衣「ポケモンだ!」ババーン
蒲原「お、衣も買ったのかー」
衣「なに!? ということは智美も……?」
蒲原「ああ、サファイヤだー」
衣「お、衣はルビーだぞ!」
蒲原「ワハハ、これでポケモン交換が捗るなー」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 20:56:27.98 :ege7cffK0
衣「さぁ、冒険の始まりだ!」ピコピコ
蒲原「衣は最初のポケモン何にするんだー?」
衣「このミズゴロウってやつだ! かわいいだろ?」
蒲原「おお、ほんとだ。衣みたいなつぶらな瞳をしてるな」
衣「よし、じゃあこいつには衣と同じ名前のニックネームをつけてやろう」
蒲原「それはいいアイデアだなー」ワハハ
衣「さぁ、冒険の始まりだ!」ピコピコ
蒲原「衣は最初のポケモン何にするんだー?」
衣「このミズゴロウってやつだ! かわいいだろ?」
蒲原「おお、ほんとだ。衣みたいなつぶらな瞳をしてるな」
衣「よし、じゃあこいつには衣と同じ名前のニックネームをつけてやろう」
蒲原「それはいいアイデアだなー」ワハハ
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:01:45.02 :ege7cffK0
衣「智美の方は何にするんだ?」
蒲原「私はキモリさー。一番初めのポケモンは草タイプにするって決めてるんだ」ワハハ
衣「んー、だがお世辞にもかわいいとは言えないな……」
蒲原「そうかー? 私はこういうの好きだぞ」ワハハ
衣「物好きだな。でも、智美のそういうところは嫌いじゃないぞ」
蒲原「そうか、ありがとなー」ワハハ
衣「智美の方は何にするんだ?」
蒲原「私はキモリさー。一番初めのポケモンは草タイプにするって決めてるんだ」ワハハ
衣「んー、だがお世辞にもかわいいとは言えないな……」
蒲原「そうかー? 私はこういうの好きだぞ」ワハハ
衣「物好きだな。でも、智美のそういうところは嫌いじゃないぞ」
蒲原「そうか、ありがとなー」ワハハ
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:07:43.99 :ege7cffK0
数日後―――
デデン...デンデンデンデン...!
蒲原「おお、進化か?」
衣「う、うん!」
蒲原「一体どんなポケモンに進化するんだろうなー」ワハハ
衣「た、楽しみだ」ドキドキ
衣(……ついにこのヌマクローともお別れか)
衣(『ころも』という名前のくせに智美みたいな顔をしてて結構好きだったんだが……)
衣「いけ、ヌマクロー進化!」
テテーン! ころもは ラグラージにしんかした!
衣「えっ……」
数日後―――
デデン...デンデンデンデン...!
蒲原「おお、進化か?」
衣「う、うん!」
蒲原「一体どんなポケモンに進化するんだろうなー」ワハハ
衣「た、楽しみだ」ドキドキ
衣(……ついにこのヌマクローともお別れか)
衣(『ころも』という名前のくせに智美みたいな顔をしてて結構好きだったんだが……)
衣「いけ、ヌマクロー進化!」
テテーン! ころもは ラグラージにしんかした!
衣「えっ……」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:13:08.91 :ege7cffK0
智美「おお、なんかすごそうなやつになったぞー」ワハハ
智美「最初のミズゴロウからは見違えるほどに成長したなー……な、ころm」
智美「……衣?」
衣「う、うそだ……」
智美「こ、衣どうした?」
衣「嘘だ……嘘だ嘘だ……っ!」
衣「こ、衣のヌマクローが……こんな……こんな気持ち悪いやつに進化するわけない……」
智美「こ、衣、落ち着け……」
衣「い、いやぁあああああっ!!」ブンッ
ガッシャーン
智美「おお、なんかすごそうなやつになったぞー」ワハハ
智美「最初のミズゴロウからは見違えるほどに成長したなー……な、ころm」
智美「……衣?」
衣「う、うそだ……」
智美「こ、衣どうした?」
衣「嘘だ……嘘だ嘘だ……っ!」
衣「こ、衣のヌマクローが……こんな……こんな気持ち悪いやつに進化するわけない……」
智美「こ、衣、落ち着け……」
衣「い、いやぁあああああっ!!」ブンッ
ガッシャーン
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:14:02.17 :BNipg9YV0
そこまで拒絶するのかよwwwwwwwwwwwwwwwwww
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:17:54.78 :ege7cffK0
智美「こ、衣! なんてことするんだ!」
衣「い、いやぁ……ぅう……」
智美「あぁ……アドバンスが粉々に」
智美「……っ、もう元には戻らないぞっ!」
衣「……っ、べ、別にいい……」
智美「そうか……じゃあ勝手にしろ!」
スタスタ...
衣「うぅ……」
衣「ぅえーん! うえーん!」ポロポロ
智美「こ、衣! なんてことするんだ!」
衣「い、いやぁ……ぅう……」
智美「あぁ……アドバンスが粉々に」
智美「……っ、もう元には戻らないぞっ!」
衣「……っ、べ、別にいい……」
智美「そうか……じゃあ勝手にしろ!」
スタスタ...
衣「うぅ……」
衣「ぅえーん! うえーん!」ポロポロ
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:20:47.03 :ege7cffK0
その夜―――
透華「――それから王子は、」
衣「……」スゥ
透華「あら、もう寝てしまいましたのね」
...パチッ
透華「おやすみなさいまし、衣……」
...ガチャ
衣「……ん……」
―――――――――――――――――――
衣「……ん、ここは……」
??「どうして僕を捨てたんだい……?」
衣「っ!? お、お前は誰だ……!」
その夜―――
透華「――それから王子は、」
衣「……」スゥ
透華「あら、もう寝てしまいましたのね」
...パチッ
透華「おやすみなさいまし、衣……」
...ガチャ
衣「……ん……」
―――――――――――――――――――
衣「……ん、ここは……」
??「どうして僕を捨てたんだい……?」
衣「っ!? お、お前は誰だ……!」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:24:14.12 :ege7cffK0
ラグラージ「……」
衣「ひっ……! ら、ラグラージ……!」
ラグラージ「……」ユラーリ
衣「く、来るな……っ!!」
ラグラージ「……どうして逃げるんだい?」
衣「そ、そんなの決まっている! お、お前が……」
衣「お前が気持ち悪いからだっ!!」
ラグラージ「……そうか。でも」
ラグラージ「……僕は、君なんだよ?」
衣「は、はぁ……? な、なにを言っている!?」
ラグラージ「……」
衣「ひっ……! ら、ラグラージ……!」
ラグラージ「……」ユラーリ
衣「く、来るな……っ!!」
ラグラージ「……どうして逃げるんだい?」
衣「そ、そんなの決まっている! お、お前が……」
衣「お前が気持ち悪いからだっ!!」
ラグラージ「……そうか。でも」
ラグラージ「……僕は、君なんだよ?」
衣「は、はぁ……? な、なにを言っている!?」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:28:47.03 :ege7cffK0
ラグラージ「忘れたのかい? 君が僕につけたニックネーム……」
衣「……あっ」
ラグラージ「君が僕につけた名前……それは、」
衣「や、やめろ……! それを言うな!」
ラグラージ「『ころも』」
衣「うわぁああああ!! やめろっ!!」
ころも「君の名前さ」
衣「……」ガクッ
ラグラージ「忘れたのかい? 君が僕につけたニックネーム……」
衣「……あっ」
ラグラージ「君が僕につけた名前……それは、」
衣「や、やめろ……! それを言うな!」
ラグラージ「『ころも』」
衣「うわぁああああ!! やめろっ!!」
ころも「君の名前さ」
衣「……」ガクッ
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:31:15.36 :ege7cffK0
ころも「僕は君であり、そして……」
ころも「君は僕なのさ」
衣「ぅ……う、」
衣「うわぁあああああああああっ!!!」
―――――――――――――――――――
衣「――ぁあああああああっ!!」バッ
衣「はぁ、はぁ……」
衣(ゆ、夢……?)
ころも「僕は君であり、そして……」
ころも「君は僕なのさ」
衣「ぅ……う、」
衣「うわぁあああああああああっ!!!」
―――――――――――――――――――
衣「――ぁあああああああっ!!」バッ
衣「はぁ、はぁ……」
衣(ゆ、夢……?)
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:33:34.15 :ege7cffK0
衣「よ、よかった……」
衣「……っ、よかった……夢で……本当に……」グスッ
衣「……っ」ゴシゴシ
衣「……トイレにでも行こう」スクッ
スタスタ...
衣「うわぁああああああああああああああああああっ!!!」
衣「よ、よかった……」
衣「……っ、よかった……夢で……本当に……」グスッ
衣「……っ」ゴシゴシ
衣「……トイレにでも行こう」スクッ
スタスタ...
衣「うわぁああああああああああああああああああっ!!!」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:37:31.39 :ege7cffK0
―――――――――――――――――――
智美「なに……? 衣が!?」
智美「……ああ、わかった。すぐに行く」
智美「……うん、それじゃあ」
...ピッ
加治木「どうしたんだ、蒲原?」
モモ「あのおチビさん、なにかあったんすか?」
智美「……わからない。けど、行かないと……」
加治木「……私たちのことはいい。行ってこい」
智美「……ありがとう、ゆみちん」
ダッ
―――――――――――――――――――
智美「なに……? 衣が!?」
智美「……ああ、わかった。すぐに行く」
智美「……うん、それじゃあ」
...ピッ
加治木「どうしたんだ、蒲原?」
モモ「あのおチビさん、なにかあったんすか?」
智美「……わからない。けど、行かないと……」
加治木「……私たちのことはいい。行ってこい」
智美「……ありがとう、ゆみちん」
ダッ
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:40:30.10 :ege7cffK0
―――龍門渕邸
ガチャ
蒲原「はぁ、はぁ……」
透華「ああ、蒲原さん! お待ちしておりましたわ……!」
蒲原「こ、衣の様子は……?」
透華「……っ、まだ出てきてくれませんの」
蒲原「……そうか」
ハギヨシ「……お部屋にご案内いたします」
蒲原「は、はい……よろしくお願いします」
―――龍門渕邸
ガチャ
蒲原「はぁ、はぁ……」
透華「ああ、蒲原さん! お待ちしておりましたわ……!」
蒲原「こ、衣の様子は……?」
透華「……っ、まだ出てきてくれませんの」
蒲原「……そうか」
ハギヨシ「……お部屋にご案内いたします」
蒲原「は、はい……よろしくお願いします」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:43:19.57 :ege7cffK0
ハギヨシ「こちらです」
「……」
蒲原「……衣? 聞こえるか?」
「……っ、さ、智美……?」
蒲原「っ! そうだ! 私だ、衣!」
蒲原「ごめんな、来るのが遅れて……」
「……っ」
蒲原「一体何があったんだ……? 私に話してくれ」
「……それはできない」
蒲原「ど、どうして!?」
ハギヨシ「こちらです」
「……」
蒲原「……衣? 聞こえるか?」
「……っ、さ、智美……?」
蒲原「っ! そうだ! 私だ、衣!」
蒲原「ごめんな、来るのが遅れて……」
「……っ」
蒲原「一体何があったんだ……? 私に話してくれ」
「……それはできない」
蒲原「ど、どうして!?」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:46:55.53 :ege7cffK0
「……私はもう、私ではなくなってしまったんだ」
蒲原「……? 衣、それはどういう……?」
「……帰ってくれ、智美」
蒲原「っ!? な、なぜだ、衣!」
「……いいから帰ってくれっ!!」
蒲原「衣……」
透華「……ダメみたい、ですわね……」
透華「蒲原さんならもしかしたら……と思ったのですけれど」
ハギヨシ「では、透華お嬢様……」
透華「……っ」
透華「……ええ、心苦しいですけれど、それしかありませんわね」
蒲原「……? な、なにをするつもりなんだ?」
「……私はもう、私ではなくなってしまったんだ」
蒲原「……? 衣、それはどういう……?」
「……帰ってくれ、智美」
蒲原「っ!? な、なぜだ、衣!」
「……いいから帰ってくれっ!!」
蒲原「衣……」
透華「……ダメみたい、ですわね……」
透華「蒲原さんならもしかしたら……と思ったのですけれど」
ハギヨシ「では、透華お嬢様……」
透華「……っ」
透華「……ええ、心苦しいですけれど、それしかありませんわね」
蒲原「……? な、なにをするつもりなんだ?」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:51:20.41 :ege7cffK0
ハギヨシ「……このドアをけ破ります」
蒲原「なっ……!」
蒲原「で、でも衣は帰ってくれと……!」
透華「仕方ありませんの……衣は今朝から何も食べてないんですのよ?」
透華「……このままにはしておけませんわ」
蒲原「それはそうだが……」
ハギヨシ「お嬢様、蒲原様……少し離れていてください」
透華「蒲原さん、こちらへ」
蒲原「あ、ああ……」
ハギヨシ「……このドアをけ破ります」
蒲原「なっ……!」
蒲原「で、でも衣は帰ってくれと……!」
透華「仕方ありませんの……衣は今朝から何も食べてないんですのよ?」
透華「……このままにはしておけませんわ」
蒲原「それはそうだが……」
ハギヨシ「お嬢様、蒲原様……少し離れていてください」
透華「蒲原さん、こちらへ」
蒲原「あ、ああ……」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 21:55:20.07 :ege7cffK0
蒲原「……」
蒲原(衣……どうしちゃったんだ、衣……)
蒲原(昨日、衣がアドバンスを壊したあと、何かあったのだろうか……?)
蒲原(それとも、昨日の件がよほどショックで……)
蒲原(い、いや……さっきの衣の様子、あれはそんな生易しいものじゃなかった)
蒲原(もっとせっぱつまったような……)
ハギヨシ「……いきます」
バーンッ!
「……っ!?」ビクッ
透華「……っ、衣!!」ダダッ
ハギヨシ「衣様!」
「く、来るなぁああああああああああああああっ!!!」
蒲原「……」
蒲原(衣……どうしちゃったんだ、衣……)
蒲原(昨日、衣がアドバンスを壊したあと、何かあったのだろうか……?)
蒲原(それとも、昨日の件がよほどショックで……)
蒲原(い、いや……さっきの衣の様子、あれはそんな生易しいものじゃなかった)
蒲原(もっとせっぱつまったような……)
ハギヨシ「……いきます」
バーンッ!
「……っ!?」ビクッ
透華「……っ、衣!!」ダダッ
ハギヨシ「衣様!」
「く、来るなぁああああああああああああああっ!!!」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:00:29.63 :ege7cffK0
「もう……もう大丈夫ですわよ、ころm」
「……っぅ、ひっく……」
「いっ……」
「いやぁあああああああああああああああ!!!」
蒲原「っ!?」ビクッ
「こ、これは……」
蒲原(……なんだ? 様子がおかしい……)
ダダッ
蒲原「ど、どうしたんだみんな!?」
透華「……っ、そ、そんな……ウソ……」
ハギヨシ「……」
??「……っ……ひっく……」
「もう……もう大丈夫ですわよ、ころm」
「……っぅ、ひっく……」
「いっ……」
「いやぁあああああああああああああああ!!!」
蒲原「っ!?」ビクッ
「こ、これは……」
蒲原(……なんだ? 様子がおかしい……)
ダダッ
蒲原「ど、どうしたんだみんな!?」
透華「……っ、そ、そんな……ウソ……」
ハギヨシ「……」
??「……っ……ひっく……」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:03:07.12 :ege7cffK0
蒲原「……な、なんだこれは……」
そこにいたのは……
??「……っ、さ、智美……」
まぎれもなく……
透華「うぅ……どうして……どうして……っ」
ハギヨシ「……っ」
蒲原「……どうして、ラグラージがここに……」
ころも「……っ、うぅ……」ボロボロ
蒲原「……な、なんだこれは……」
そこにいたのは……
??「……っ、さ、智美……」
まぎれもなく……
透華「うぅ……どうして……どうして……っ」
ハギヨシ「……っ」
蒲原「……どうして、ラグラージがここに……」
ころも「……っ、うぅ……」ボロボロ
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:08:58.41 :ege7cffK0
そこにいたのは衣ではなく
つい昨日見たあのポケモン……“ラグラージ”だった
ころも「……っ、ぅ……」グスッ
蒲原「……衣……なのか?」
ころも「……っ」コクッ
蒲原「そんな……どうして……」
ハギヨシ「私は……医者を呼んできます」
透華「……っ、医者……? 医者を呼んでどうするっていうんですの……?」
ハギヨシ「そ、それは……」
透華「衣……? 衣はどこなんですの……?」
蒲原「と、透華……」
そこにいたのは衣ではなく
つい昨日見たあのポケモン……“ラグラージ”だった
ころも「……っ、ぅ……」グスッ
蒲原「……衣……なのか?」
ころも「……っ」コクッ
蒲原「そんな……どうして……」
ハギヨシ「私は……医者を呼んできます」
透華「……っ、医者……? 医者を呼んでどうするっていうんですの……?」
ハギヨシ「そ、それは……」
透華「衣……? 衣はどこなんですの……?」
蒲原「と、透華……」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:14:00.87 :ege7cffK0
ころも「と、透華……こ、衣は……」
透華「……ッ」キッ
...ガシッ! グググッ!
ころも「……う゛っ!! ど、どうか……ぐるじ……っ」
透華「衣を……衣をどこにやったんですのッ!!?」ググッ
蒲原「や、やめろ透華!!」
ハギヨシ「お嬢様、どうか落ち着いてください!」ガシッ
透華「は、離して……!! 離しなさいッ!!」
透華「こいつが……」
透華「この化け物が……ッ! 衣をどこかへ隠したに違いありませんわッ!!」
ころも「……っ!!?」ハッ
ばけもの……バケモノ……
ころも「と、透華……こ、衣は……」
透華「……ッ」キッ
...ガシッ! グググッ!
ころも「……う゛っ!! ど、どうか……ぐるじ……っ」
透華「衣を……衣をどこにやったんですのッ!!?」ググッ
蒲原「や、やめろ透華!!」
ハギヨシ「お嬢様、どうか落ち着いてください!」ガシッ
透華「は、離して……!! 離しなさいッ!!」
透華「こいつが……」
透華「この化け物が……ッ! 衣をどこかへ隠したに違いありませんわッ!!」
ころも「……っ!!?」ハッ
ばけもの……バケモノ……
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:23:17.32 :ege7cffK0
蒲原「な、なんてこというんだ透華! 衣は……衣は……っ!」
透華「っ、いやっ! 聞きたくありませんわッ!!」
透華「衣! 衣を返してッ!! 衣ーーーッ!!」ジタバタッ
ハギヨシ「お、お嬢様……!」
ころも「……」
蒲原「と、透華……」
透華「こ、衣……? 私はここですわよ? 早く出ていらっしゃい……?」
透華「今日は衣の好きなエビフライを作らせますわ……デザートにはメリーゴーランドも……今日はごちそうですわよ?」
透華「今日は一緒にお風呂に入りましょう……? 背中を流して差し上げますわ……」
透華「9時になったらしっかりベッドで眠るんですわよ……? 私が今日も絵本を読んでさしあげますからね……」
透華「だから衣……お願い、出てきて……返事をして、衣……」
ころも「……」
蒲原「な、なんてこというんだ透華! 衣は……衣は……っ!」
透華「っ、いやっ! 聞きたくありませんわッ!!」
透華「衣! 衣を返してッ!! 衣ーーーッ!!」ジタバタッ
ハギヨシ「お、お嬢様……!」
ころも「……」
蒲原「と、透華……」
透華「こ、衣……? 私はここですわよ? 早く出ていらっしゃい……?」
透華「今日は衣の好きなエビフライを作らせますわ……デザートにはメリーゴーランドも……今日はごちそうですわよ?」
透華「今日は一緒にお風呂に入りましょう……? 背中を流して差し上げますわ……」
透華「9時になったらしっかりベッドで眠るんですわよ……? 私が今日も絵本を読んでさしあげますからね……」
透華「だから衣……お願い、出てきて……返事をして、衣……」
ころも「……」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:25:25.76 :UCL+23mMO
どうしてこうなった
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:28:10.24 :ege7cffK0
透華「衣ッ! 衣ッ!!」ジタバタ
ハギヨシ「か、蒲原様……少しの間、その……衣様のことをよろしくお願いします」
蒲原「あ、あぁ……」
...バタンッ
蒲原「……」
ころも「……」
蒲原「……こ、こr」
ころも「……いつか」
蒲原「えっ?」
ころも「いつか誰かが言ってるのを聞いたんだ……『天江衣』はバケモノだって」
蒲原「こ、衣……」
ころも「……っ」グスッ
ころも「ころもは文字通り……ほ、本物のバケモノになってしまったな……」ボロボロ
透華「衣ッ! 衣ッ!!」ジタバタ
ハギヨシ「か、蒲原様……少しの間、その……衣様のことをよろしくお願いします」
蒲原「あ、あぁ……」
...バタンッ
蒲原「……」
ころも「……」
蒲原「……こ、こr」
ころも「……いつか」
蒲原「えっ?」
ころも「いつか誰かが言ってるのを聞いたんだ……『天江衣』はバケモノだって」
蒲原「こ、衣……」
ころも「……っ」グスッ
ころも「ころもは文字通り……ほ、本物のバケモノになってしまったな……」ボロボロ
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:35:52.56 :ege7cffK0
それからのことは、あまりよく覚えていない……
透華が精神病院に入れられたことは、ハギヨシさんに聞かされた
あの場に居合わせたのは4人だけ……『ころも』のことが世間に知られることはなく、天江衣は単なる「失踪」という形で落ち着いた
私と……そして『ころも』は、ハギヨシさんが用意してくれたアパートで一緒に生活し始めた
私は学校をやめ、アルバイトをして生活費を稼ぐこととなった
ハギヨシさんが金銭的な支援をしてくれると言ってくれたが、私は丁重にお断りした
あんなことがあった後で、衣と龍門渕家に少しでも接点を持たせておくことはあまりよくないと思ったからだ
それからのことは、あまりよく覚えていない……
透華が精神病院に入れられたことは、ハギヨシさんに聞かされた
あの場に居合わせたのは4人だけ……『ころも』のことが世間に知られることはなく、天江衣は単なる「失踪」という形で落ち着いた
私と……そして『ころも』は、ハギヨシさんが用意してくれたアパートで一緒に生活し始めた
私は学校をやめ、アルバイトをして生活費を稼ぐこととなった
ハギヨシさんが金銭的な支援をしてくれると言ってくれたが、私は丁重にお断りした
あんなことがあった後で、衣と龍門渕家に少しでも接点を持たせておくことはあまりよくないと思ったからだ
83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:41:37.14 :ege7cffK0
『ころも』は、日に日に弱っていった
もちろんご飯は食べさせた、無理にでも
けど、人間は衣食住が充実していれば生きられるわけではない……それを私は身を持って痛感した
もっとも、『ころも』はすでに人間ではなくなってしまったのであるが……
外に出ることはもちろんできない……唯一の話し相手は私だけ
その私も、日が増すごとにアルバイトの疲れと『ころも』の飼育に嫌気がさし
お互いに会話を交わすこともなくなり、しだいに心を閉ざしていった……
そして―――
『ころも』は、日に日に弱っていった
もちろんご飯は食べさせた、無理にでも
けど、人間は衣食住が充実していれば生きられるわけではない……それを私は身を持って痛感した
もっとも、『ころも』はすでに人間ではなくなってしまったのであるが……
外に出ることはもちろんできない……唯一の話し相手は私だけ
その私も、日が増すごとにアルバイトの疲れと『ころも』の飼育に嫌気がさし
お互いに会話を交わすこともなくなり、しだいに心を閉ざしていった……
そして―――
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:47:12.56 :ege7cffK0
蒲原「……なぁ、ころも」
ころも「……なんだ、智美」
蒲原「こんな……こんな私で……」
蒲原「本当に、ごめんな……」
ころも「……智美、自分を責めないでくれ……私は智美にすごく助けられた」
ころも「今こうして生きていられるのも、全部智美のおかげだ……感謝している」
ころも「今まで、本当にありがとう……」
蒲原「……」
―――嘘だ
ありがとうなんて、嘘だ
ころもはあの日からずっと、こんな自分なんて生きている価値はない……死にたいとこぼしていた
ころもはずっと死にたいと思っていたんだ
それを、私が詭弁を並べ立てて、無理に生かし続けた……きっところもは私を恨んでいる
蒲原「……なぁ、ころも」
ころも「……なんだ、智美」
蒲原「こんな……こんな私で……」
蒲原「本当に、ごめんな……」
ころも「……智美、自分を責めないでくれ……私は智美にすごく助けられた」
ころも「今こうして生きていられるのも、全部智美のおかげだ……感謝している」
ころも「今まで、本当にありがとう……」
蒲原「……」
―――嘘だ
ありがとうなんて、嘘だ
ころもはあの日からずっと、こんな自分なんて生きている価値はない……死にたいとこぼしていた
ころもはずっと死にたいと思っていたんだ
それを、私が詭弁を並べ立てて、無理に生かし続けた……きっところもは私を恨んでいる
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:50:07.59 :ege7cffK0
だから―――
蒲原「ごめん……ごめんよ、ころも……」ボロボロ
ころも「……」
ころも「……智美、泣かないでくれ」
蒲原「……っ、うん……ごめん」
ころも「……」
ころも「……なぁ、智美」
蒲原「……っ、……なんだ、衣?」
ころも「……」
ころも「ころも……っ、なにか、悪いことしたかなぁ……?」ボロボロ
だから―――
蒲原「ごめん……ごめんよ、ころも……」ボロボロ
ころも「……」
ころも「……智美、泣かないでくれ」
蒲原「……っ、うん……ごめん」
ころも「……」
ころも「……なぁ、智美」
蒲原「……っ、……なんだ、衣?」
ころも「……」
ころも「ころも……っ、なにか、悪いことしたかなぁ……?」ボロボロ
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:51:39.08 :ege7cffK0
蒲原「……っ!」
ころも……本当にごめん……衣……
何もしてやれなくて……本当にごめん……
今まで苦しかったよな……辛かったよな……
だからせめて、ここで終わりにしよう……
蒲原「……っ!」
ころも……本当にごめん……衣……
何もしてやれなくて……本当にごめん……
今まで苦しかったよな……辛かったよな……
だからせめて、ここで終わりにしよう……
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:55:16.08 :ege7cffK0
グググッ...!
ころも「……ぐぅ……さ゛……さ゛どみ……」
智美「わ、ワハハ……なんだ、ころも……」ボロボロ
ころも「……ご、ごんどは……ごと゛も……」
ころも「じんげんに……うばれでごれるがなぁ……?」ボロボロ
蒲原「……っ、衣……ッ!!」ポロッ
...ググッ!
ころも「」
グググッ...!
ころも「……ぐぅ……さ゛……さ゛どみ……」
智美「わ、ワハハ……なんだ、ころも……」ボロボロ
ころも「……ご、ごんどは……ごと゛も……」
ころも「じんげんに……うばれでごれるがなぁ……?」ボロボロ
蒲原「……っ、衣……ッ!!」ポロッ
...ググッ!
ころも「」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 22:58:34.53 :ege7cffK0
蒲原「……はぁ、はぁ……」
蒲原「……衣……よかった……っ」ボロボロ
蒲原「よ、よかったんだよな……? これで……」ボロボロ
蒲原「……っ」
...ガラッ
ヒュゥ...!
蒲原「わ、ワハハ……」ガクガク
蒲原「い、今行くからな……衣……」
スッ...
グシャ
カン
蒲原「……はぁ、はぁ……」
蒲原「……衣……よかった……っ」ボロボロ
蒲原「よ、よかったんだよな……? これで……」ボロボロ
蒲原「……っ」
...ガラッ
ヒュゥ...!
蒲原「わ、ワハハ……」ガクガク
蒲原「い、今行くからな……衣……」
スッ...
グシャ
カン
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 23:02:24.89 :ege7cffK0
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じていま す。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にあり がとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお 願いします! ではこれにて。
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じていま す。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にあり がとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお 願いします! ではこれにて。
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/08(火) 23:41:03.17 :oupJFZEI0
おつかれちゃん
コメント
やめて
後、ラグラージかっこいいじゃん 鳴き声も好きだし
ポケモンネタ的にこいつはキモキャラ扱いなの?
絶対ヌマの方がキモイ