放課後

汚物「グフ、グフフ」

汚物「えみちゃんのリコーダー」

汚物「グフッ」

汚物「しゃぶるね」

ピュッピュッ

汚物「うぅん……産まれちゃったね」

汚物「ぼくとえみちゃんの子ども」

ベチャア

汚物「グフッ」

翌朝

えみ「な、なにこれ……」

女子「うわ、これって……」

えみ「嘘っ！えぇ……ウッ。オエエェェ」

女子「ちょ、大丈夫！？」

女子「保健室いこ？ね」

えみ「うう……」

汚物「グフ、グフフ」

光一「おい汚物！何笑ってんだよ！」

女子「もしかしてあんた……」

汚物「グフッ。ぼ、ぼく知らないよ」

先生「おはよー……なに？なんの騒ぎ？」

男子「えみの机に……」

先生「うっ、これは」

先生「誰か事情を知ってる子はいないの？」

光一「こいつが！」

汚物「グフッ」

先生「◯◯くん、何か知ってるの？」

汚物「ぼく、なにも知らないよ」

光一「てめえ！嘘つけ！」

先生「やめなさい！」

光一「だってこいつさっきから笑ってんだぜ！」

先生「決めつけるのは良くありません！」

光一「ぐっ……」

先生「えみさんの机は私が片付けるから、みんなは静かに座ってるように」

汚物「グフッ」

先生「まったく、ベトベトね……」

ゴシゴシ

汚物（先生がぼくの子どもナデナデしてる）

汚物「グフ、グフフ」

汚物の家

汚物「グフ、グフフ」

汚物「えみたんのリコーダー持ってきたんだ」

汚物「グフッ」

汚物「お尻に入れたらきっといいよね」

グググッ

汚物「オグウ、グフウ」

ピュッピュ

汚物「もっと奥う、奥うグフッ」

ブチブチ

汚物「あー、あー」

汚物「グフッグフフ」

汚物「あ、血」

汚物「グフフフフ」

汚物「えみちゃんの口とぼくのお尻で」

汚物「もっとおいしくなったかな」

汚物「ペロペロしゃぶしゃぶ」

汚物「オウウ」

汚物「えみちゃんに教えてあげなきゃ」

汚物「グフフフ」

学校

女子「ねえ、えみちゃん今日も休み？」

女子「そうだね……」

男子「無くなったリコーダーが家に送られてきたらしいぜ」

男子「それ、俺も聞いた。なんでも色んなモノが付いてたとか」

女子「気持ち悪い、やめてよ」

汚物「グフフフフ」

汚物（今頃えみちゃんも入れてるかな）

汚物「グフッ」

光一「おい、汚物」

汚物「グフフ」

バキッ

光一「てめえ笑ってんじゃねえぞ！」

汚物「いたい」

光一「例え犯人じゃないとしてもその態度が許せねえ！」

汚物「グフフ……」

ガッ

光一「笑うなっつってんだろうが！」

翌日

男子「あれ、光一は？」

男子「さあ？休みじゃないの」

先生「おはよー」

先生「今日はちょっと悲しいお知らせがあります」

先生「光一くんがご両親の都合で転校することになり……」

男子「おいおいマジかよ」

女子「地元の私立決まってるんじゃなかったの？」

女子「急すぎ……かっこよかったのになあ」

先生「卒業式には出られないけど、光一くんはずっとみんなの友達です」

汚物「グフフフ」

汚物、中学1年生の春

汚物「グフ、グフフフ」

男子（おい、△小のあいつヤバくねえか）

男子（キモすぎるだろ）

女子（また同じクラス……最悪）

女子（あいつのこと知ってるの？）

女子（△小では汚物って呼ばれてた超有名人）

男子（俺、隣町だけど聞いたことがあるぞ）

男子（親が相当な金持ちで家もでっけーとか……）

女子（そんなんでも、ああキモくちゃちょっとね……）

汚物「グフフフ」

体育教師「今日はマラソンだ」

男子「えー！」

体育教師「先週から言ってただろう。ま、頑張れよ」

女子「春からマラソンって、ツカミ最悪じゃんー」

男子「ったくめんどくせーなー」

汚物「グフフフ」

剛士「お前、走れるのか？」

汚物「グフッ。はし、一応はしる」

女子「ちょっとやめなよー」

剛士「クラスの平均下げんじゃねーぞ」

汚物「グフッグフッオエッ」

汚物（はし、はしれない）

ズッズッ

汚物（ちんちんがこすれてるよ）

汚物「グフッオエッ」

汚物「ハァ、ハァウオ」

女子（ちょ、キモ）

ゆみ（やだ、後ろ走ってる）

汚物（グフ。ふともも、ふとももタプタプして）

汚物（踏み出すごとにタプタプして）

汚物「グフ、グフフフ」

ゆみ（ひええ）

体育教師「はい、終了。ラスト◯◯くん、おつかれい」

汚物「グエッ、ブグィ」

剛士「おい、どんだけおせーんだよ」

汚物「グフ、グフ」

女子「やめなよ、一生懸命走ってたじゃない」

女子「でも、ずっとゆみの脚を見てたらしいよ……」

ゆみ「あはは、でも気のせいかもしんないし……」

汚物「グフフフ」

剛士「チッ」

男子「おい、あいつには関わらない方がいいぜ」

剛士「はあ？俺はああいうやつが一番ムカつくんだよ」

剛士「何言ってもグフグフ鳴いてるだけで日本語通じてんのか？」

男子「そりゃあそうだけどよ」

男子「△小であいつに突っかかったやつ、転校させられたらしいんだよ」

剛士「んなもん噂だろうが」

男子「確かに噂だけど、あいつの親父が相当な権力者ってのは本当らしい」

剛士「ビビってんじゃねーよ」

男子「まあ、大概にしとけよな」

汚物の家

汚物「ごめんねえみちゃん」

汚物「他の女の子の脚、見ちゃった」

汚物「ゆるせない、ゆるせないよね」

汚物「ほら、これでぼくのわるい眼をさして」

汚物「パパの万年筆、卒業祝いでもらったんだ」

汚物「グフッ」

汚物「さして、ねえさして」

学校

教師「職場体験は班別行動だ。行き先は班で話し合って決めるよーに」

男子「えー！」

教師「お前らとりあえず、えー！って言うよな。これも勉強だ」

班長「それじゃあ一人ずつ行きたいとこ言ってこうか」

班長「俺はどこでもいいけど、まあ美容院とかどうかな」

ゆみ「私は病院がいいなあ」

班長「お、看護婦になりたいのか？」

ゆみ「今は看護師さんっていうんだよ」

剛士「俺はプロ野球チームかな」

ゆみ「えー！先生、野球チームって職場体験できるんですか？」

教師「う～ん。掛けあってみないとわからんなあ」

剛士「野球チームに興味ないなら病院でもいいぜ」

班長「俺も病院でいいかな。美容院に似てるし」

剛士「サブッ」

班長「うるせ」

ゆみ「あはは」

剛士「おい。お前はどうなんだよ」

汚物「グフッ」

汚物「ぼくは、どこでも」

汚物「グフフフ、どこでもいいよ」

班長「じゃあ病院で決まりだな」

剛士「待てよ」

剛士「お前、何でもいいから意見出せよ」

汚物「グフフ」

剛士「グフフじゃねえよ。言葉わかんだろ」

汚物「だか、だからどこでもいい」

剛士「それは意見じゃねーつってんの」

汚物「グフッ」

ゆみ「ねえ、行きたい所ないの？」

汚物「な、ない」

剛士「……！」

班長「まーまー」

班長「いいじゃん。本当にないのかもしんないし。な？」

汚物「グフフ」

班長「この班は病院な、決定」

ゆみ「やったー」

剛士「……チッ！」

剛士「おい」

汚物「グフフ」

剛士「あとでちょっとツラかせよ」

放課後

汚物「グフフフ」

剛士「よく逃げずに来たじゃねえか」

汚物「な、なに用って」

剛士「ああ、別にてめーを殴ろうとかそういうことじゃねえよ」

剛士「ただな、お前の腐った根性をどうにかしろっつう話」

汚物「グフフフ」

剛士「だからグフフじゃねえよ！人から馬鹿にされて悔しくないのかよ！」

汚物「べっべつに」

剛士「別に！？本当にそうか！？お前汚物って言われてんだぞ！」

汚物「グフフ」

汚物「おぶっおぶつじゃないし」

汚物「ぼく、きれいだよ」

ガッ

剛士「ウッ……」

バタッ

汚物「グフフフフ」

汚物、高校3年生の春

汚物「グフ、グフフフ」

男子（なんかあいつキモくね）

男子（おい、やめろ）

女子（汚物だけはガチでヤバいから）

男子（な、なんだよ……確かに図体はデカいけど）

男子（そういう問題じゃないから）

女子（あいつをイジメた奴は消えるんだよ）

男子（噂じゃなくて事実だからな）

汚物「グフフフ」

陽平「あいついっつも一人で飯食ってんな」

男子「ああ。あいつはいいんだよ」

陽平「いいって？」

男子「あの話、聞いてないのかよ」

陽平「あ～、あれねえ」

陽平「だけどよ～、そんなに悪い奴じゃないかもしんないじゃん」

男子「うーん。あ、おい」

陽平「よう！」

汚物「グフフフ」

陽平「お前、なんか凄いんだって？」

汚物「べっべつに」

陽平「は～ん……」

陽平「まあ、いいや！一年間よろしくな」

汚物「グフフフ」

一週間後

男子「あいつよく続くな……」

男子「な。好奇心なのかなんなのか……」


陽平「よう！」

汚物「グフフフ」

陽平「おい～、なんかもっと喋ろうぜ～」

陽平「好きな芸能人とかよ～」

陽平「あ、好きな女子いる？」

汚物「い、グフッいる」

陽平「お、いいねいいね～！」

陽平「誰？誰なの？もしかしてこのクラス？」

汚物「えみ、ちゃん」

陽平「お～……えみちゃん、はこのクラスにはいないな」

陽平「じゃあなにか、他の学校かなんかか」

汚物「グフフフ」

陽平「なんだよその意味深な笑いは～！」


男子「すげえ、会話してるぞ」

男子「会話なのか……あれは」

女子「ねえ、陽平くん」

陽平「ん～？」

女子「汚物と付き合うのやめなよ」

陽平「ああ～。別に俺の勝手だろー」

女子「そりゃぼっちだから放っとけないのも分かるけどさ」

陽平「そういうんじゃねえよ～。気が合いそうだと思っただけだから」

女子「うーん。危ないと思うけどな……」

陽平「大丈夫大丈夫」

汚物の家

汚物「光一くん、友達ができたよ」

汚物「きみよりなかよくなっちゃうかもね」

汚物「いつか、二人をあわせたいな」

汚物「グフフ」

汚物「ゆみちゃん、きょうはごめんね」

汚物「なんでって」

汚物「それは、内緒だよ」

汚物「グフ、グフフフ」

汚物「ぼく、ゆみちゃんも好きだけど」

汚物「愛してるのはえみちゃんだけだからね」

えみ「あう……あ……」

汚物「おこしちゃったね」

汚物「グフッ」

汚物「あそぼう、えみちゃん」

えみ「あ……」

汚物、19歳の春

汚物「グフッグフフフ」

汚物「やっと学校がおわったよ」

汚物「これからは、ぼくの時間、ぼくたちだけの時間」

汚物「グフフ」

汚物「ねえ、けっこんしよう、えみちゃん」

えみ「う……」

汚物「うん、うん」

汚物「いわなくても、しってるからね」

汚物「ぼくは、いわなくても知ってるんだ」

えみ「……」

汚物「ねえ、けっこんってどうするかしってる？」

汚物「ぼくは、しらなかったんだ」

えみ「……う」

汚物「でもね、先生と剛士くんがおしえてくれた」

汚物「グフッ」

汚物「えみちゃんもみてたよね」

えみ「……」

汚物「すごかったね」

汚物「命って、ほんとうにすごいよ」

汚物「ほら、けっこんするよ」

えみ「……」

汚物「こわいかな」

えみ「……あ」

汚物「ねえ、リコーダーおぼえてるかな」

えみ「あ……う……」

汚物「入れるとね、いいんだよ」

ズ……

えみ「う……」

汚物「入れるとね、血がでて、いいんだよ」

汚物「ずっとおいしくなるんだ」

汚物「グフッグフ」

汚物「タプタプして、かわいいゆみちゃん」

汚物「ちょっとだっこするね」

ブツツッ

えみ「……うあ……」

汚物「はなれちゃだめだよ」

汚物「えみちゃんとゆみちゃんは、なかよくしないとだめだよ」

汚物「グフッ」

汚物「光一くんと、陽平くんみたいにね」

えみ「……」

汚物「ねえ、うれしいかな」

ガスッ

えみ「……あうっう…」

汚物「うれしいよねえ、けっこんだもんねえ」

ガスッガスッ

汚物「グフッグフッグフフ」

汚物「えみちゃん、えみちゃん」

汚物「子どもができそうだよ、グフッ」

えみ「……」

ガスッガスッガスッガスッ

汚物「グウウ」

汚物「グフッグフフフ」

汚物「ねえ、ぼくのリコーダー」

汚物「おいしくなったよ」

えみ「……」

汚物「いっぱいたべてね」

汚物「えみちゃん」

汚物「子どもはなんにんつくろうか」

汚物「しあわせだよね」

汚物「えみちゃん」

おしまい