ベジータ「久しぶりだな・・・フリーザ・・・」

フリーザ「あ、あなたが・・・何故この世界に・・・」

ベジータ「・・・ふっ。この俺様もこの東京に転送されたんだよ」

フリーザ「なんですって！？」

ベジータ「しかし驚きだな。俺様がぶっ殺してやろうと思ったお前がこんなところにいたとはな」

フリーザ「ふ、ふふ。それはこちらの台詞ですよベジータさん」

ベジータ「何をぉ！？」

フリーザ「ここで私が楽にしてあげてもよろしいのですよ」

ベジータ「貴様ぁ・・・俺様を甘く見るなよ!カカロナルドなんぞでバイトしてる今の貴様に負ける気はしない！」

フリーザ「言ってくれますね。私の戦闘力は５３万ですよ」

ベジータ「はははっ！年収の間違いじゃないのか？」

フリーザ「言ってくれますねこのおバカさんは。いいでしょう。ここで殺してさしあげましょう」

ベジータ「それは俺の台詞だ！やあああ！」ﾌﾞﾝｯ

フリーザ「おわっ！な、ナイフは危ないですよベジータさん！」

ベジータ「黙れ！この世界では気を放つことが出来ないのだ。貴様も同じだろう」

フリーザ「うう・・・この世界で戦うには戦闘力は無用なのですか」

ベジータ「その通りだ！このナイフで貴様を殺すぞフリーザ！てりゃあああああ！！！」

交番

警官「いやまあね。友達通しのケンカってのもわかるけどねえ」

警官「ナイフはダメでしょ。ナイフは」

ベジータ「す、すまん。俺様も少々やりすぎた・・・」

フリーザ「わ、私の方こそ・・・」

警官「まあ、二人とも反省しているようですし、注意だけでいいですよ。今回は」

フリーザ「恐れ入ります・・・」

ベジータ「もう、警察の厄介にはならんよう気をつける」

警官「はい。お願いしますね」

フリーザ「では、行きましょうか」

ベジータ「おお」

アパート

フリーザ「で、何故お前がついて来ているのですか。ベジータ」

ベジータ「ふん。貴様らの本拠地の確認だ。しけたアパートだな。貴様らにはお似合いだ」

フリーザ「・・・」ｽﾀｽﾀ

ベジータ「ああ！待てフリーザ！」ｽﾀﾀﾀ

２０１号室

ザーボン「ええ！？ベジータの奴と！？」

フリーザ「はい。ドアの前にいます」

ベジータ『おいフリーザ開けろ！サイヤ人の王子であるベジータ様が偵察に来てやったのだぞ！』

ザーボン「しかし何故奴が・・・」

フリーザ「敵対している我々を追ったのでしょうか・・・」

ベジータ『おい！聞こえているだろ！フリーザ！ザーボンもいるんだろ！？』

ザーボン「ベジータ一人だけなのですかね？」

フリーザ「おそらくは。ベジータも気を放つことができないのは同じのようです」

ベジータ『おい！何を無視している！さっさとドアを開けろ！』

ザーボン「よかった。では、この世界では戦闘となることは無いのですね」

フリーザ「ええ。多分」

ベジータ『おい！俺様の声が聞こえているか！？聞こえてるか聞こえてないかだけでも教えてくれ！！』

フリーザ「・・・ザーボンさん。開けてあげなさい」

ザーボン「はい・・・」

ベジータ「ほお。部屋の中もしけてるな」

フリーザ「余計なお世話ですよ」

ザーボン「しかし何故貴様だけで単独行動をしている・・・！妙な仲間はいないのか？」

ベジータ「あいつらは仲間などではない！・・・だが、カカロットの奴と一緒に来たはずだった」

フリーザ「カカロット・・・孫悟空ですか！？」

ベジータ「ああ。だが、どういうわけか転送装置の不具合が起きたのか・・・気づいたときには俺様一人だけこの世界に来ていた」

フリーザ「孫悟空は来ていないのですか・・・」ﾎｯ

ザーボン「だがお前の目的は我々を倒すことなのだろう」

ベジータ「ああ勿論。貴様らをぶっ殺せば俺様の株も上がるってもんだ。改めて俺様がサイヤ人のエリートであることを思い知らせてやる！」

フリーザ「いくらでも言っていなさい。私はこの日本を征服しますから」

ベジータ「何ぃ！？」

フリーザ「ふふふ・・・聞いて驚きなさいベジータ」

ベジータ「・・・！」

フリーザ「私はあと１回昇格を残しているのです」

ベジータ「しょ、昇格だとぉ！？」

フリーザ「バイト先のカカロナルドには・・・正社員登用制度が備わっているのですよ！」

ベジータ「！！」

フリーザ「そして私はカカロナルドの正社員となり、いずれは社長に上り詰め・・・」

フリーザ「そしてその後は日本を・・・いや、世界を支配する！！」

ザーボン「さすがはフリーザ様。壮大なお考えです」

ベジータ「そうはさせんぞフリーザ！！」

フリーザ「阻止できるものなら阻止して見せなさい」

ベジータ「やってやろうじゃないか！だが今日は帰る！終電に間に合わない！」

フリーザ「そうですか」

翌日

株式会社 どこん波

ベジータ「もしもし！こちら株式会社どこん波！何ぃ！？うちで買った携帯が壊れただと！？」

ベジータ「そんな物自力で直せ！！」ｶﾞﾁｬ

ベジータ「・・・はいもしもし！こちら株式会社どこん波！何ぃ！？汚ぇ花火大会を開催したいだと！？」

ベジータ「そんな事自力でやれ！！」ｶﾞﾁｬ

ベジータ「・・・はいもしもし！こちら株式会社どこん波！何ぃ！？セルゲームで英雄になったのを自慢したいだと！？」

ベジータ「そんな自慢聞く気にならん！！」ｶﾞﾁｬ

ベジータ「・・・はいもしもし！こちら株式会社どこん波！何ぃ！？サイボーグ化して強くなったのに出て来てすぐやられただと！？」

ベジータ「そんな事俺様が知ったことか！！」ｶﾞﾁｬ

ベジータ「・・・はいもしもし！こちら株式会社どこん波！何ぃ！？彼女がМ字ハゲに寝取られただとぉ・・・」

ベジータ「ふう・・・今日も疲れた」

同僚「お疲れ。米田」

ベジータ「おお奈葉」

同僚「しかし苦情聞くのもしんどい仕事だぜ全く」

ベジータ「ああ。雑魚共の相手は毎日疲れる」

同僚「そういえば、先週入った新入社員の羅出津が耐えられなくなって辞めたらしいぜ」

ベジータ「雑魚が。どこん波の面汚しめ。奈葉は辞めたりするなよ」

同僚「俺はまだまだ。ここ給料良いしな」

ベジータ「ふん」

帰り道

ベジータはこの世界では米田三郎という名前を使っている

ベジータ（さて、コンビニで弁当と酒のつまみでも買っていくか）

ベジータ（お。そういえば今日はジャンプの発売日だった。買っていこう）

ベジータが住むマンション

ベジータ「ふう。疲れたー。テレビでも見るか」ﾋﾟｯ

『ﾎﾝﾏﾃﾞｯｶ!ﾃﾞﾃﾞｯﾃﾚ ﾃﾞﾃﾞｯﾃﾞﾚ ﾃﾞﾃﾞｰﾃﾞ』

ベジータ「ふはははは」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ベジータ「今週もジャンプ面白い・・・」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

ベジータ「・・・」

ベジータ「俺様もフリーザ達と変わらぬ生活ではないかああああああああああ！！！」

翌日

同僚「お疲れ米田。この後カラオケにでも行かねえか？」

ベジータ「悪い。今日は用事がある」

同僚「おおっ。もしかして女かあ？」

ベジータ「ち、違う！いらん考えをするな！」

フリーザが住むアパート

ベジータ「よし・・・ここに隠れれば見つからん」

ベジータ「フリーザとザーボンが普段どんな活動を行っているかの偵察だぜ」

フリーザ「行きますよ座簿さん」

ザーボン「はい。夫利座様」

ベジータ「おっ。出てきやがったな」

スーパー

フリーザ「たまごが98円は安い！買いましょう」

ザーボン「はい。牛乳も安いですよ夫利座様」

フリーザ「いいですね。買いましょう。お一人様一点ですので一つずつ買いましょう」

ザーボン「はい。あ、あちらの豚肉も安いですよ」

フリーザ「いいですね」

ベジータ「お、おい・・・普通に買い物をしているだけではないかぁ・・・。しかも特売品ばかり狙っているだと・・・！」

翌日

ベジータ「奴らいよいよ今日は戦闘をするらしい！」

ベジータ「どいつと戦うってんだ・・・」

ｶﾎﾟｰﾝ

フリーザ「いいお湯ですねえ」

ザーボン「そうですねえ・・・。24時間営業になればいいのに」

ベジータ「せ、銭湯・・・だとぉ・・・！」

その翌日

フリーザ「ウニに醤油をかけるとプリンの味がするのです！」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

ザーボン「ああせっかく買った高級品のウニをそのような食べ方をするなんて・・・」

フリーザ「あなたもやってみなさい」

ザーボン「いいえ、私は普通にウニそのものの味を楽しみます」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

ベジータ「くっ・・・これではただの人ではないかぁ」

翌日

カカロナルド

フリーザ「いらっしゃいませ」ﾆｺﾆｺ

ベジータ「おいフリーザ！貴様に話したい事がある！」

フリーザ「ご注文はお決まりでしょうか？」ﾆｺﾆｺ

ベジータ「もう夜も遅いが貴様と時間を合わせてやる！貴様がバイトが終わった時間だ！ありがたく思え」

フリーザ「ビックカカロセットでよろしいですね」ﾆｺﾆｺ

ベジータ「いいか。俺様はこないだ貴様が傘を渡した場所で待っててやる」

フリーザ「お持ち帰りですね。かしこまりました」ﾆｺﾆｺ

ベジータ「いいか！バイトが終わったらすぐ来いよ！」

フリーザ「それでは横にずれてお待ちくださいませ」ﾆｺﾆｺ


ベジータ「ふん・・・」ｽﾀｽﾀ

フリーザ「ありがとうございましたー」

バイト後輩「なんだぁ・・・今の男。客とは言えぇなかなか偉そうだったぬぁ」

フリーザ「まあ、彼はそういう人ですから」

バイト後輩「んん～？もしかしてぇ～不利座先輩のぉ・・・知り合いかぁ？」

フリーザ「知り合いなどでは無いですよ。競留野さん」

バイト後輩「んむぅ・・・」

フリーザ「さて仕事仕事」

バイト後輩「私もポテトこぼさないよう頑張らなくては・・・ぶるああああああああああ！」ﾄﾞﾃｯ

フリーザ「また転んだのですか！？」

スタッフルーム

バイト後輩「そういえばぁ。昨日地震があったようだがぁ～。先輩は大丈夫だったのかぁ？」

フリーザ「ああそういえば。アパートに帰ったら何やら慌てていましたね」

バイト後輩「何ぃ～？先輩まさかぁ・・・彼女と同居でもぉ～～～」

フリーザ「いえ違いますよ。男友達です」

バイト後輩「そうかそれならよかったぁ。では私は失礼するぅ」

フリーザ「もう床にすべらないよう頼みますよ」

バイト後輩「すべらなぁ～い」ｽﾀｽﾀ

フリーザ「ふう。・・・あら」

ｸﾞﾗｸﾞﾗ

フリーザ「また地震ですかね？まあ気にすることないでしょう」

フリーザ「お待たせしました」

ベジータ「やっと来やがったか」

フリーザ「で、話というのは？」

ベジータ「お前とザーボンの生活を数日観察したが」

フリーザ「そんな事していたのですか！？」

ベジータ「お前はこの世界でずっと暮らすべきだ。ナメック星は辞めてこの世界でだ」

フリーザ「なんですって！？私は日本を支配したらナメック星に戻り、ナメック星の支配の続きをするんですよ！」

ベジータ「今のお前がナメック星に帰ってそれを出来るとは思えんがなあ。とにかくここでずっと暮らしやがれ」

フリーザ「嫌です」

ベジータ「俺様のアドバイスを聞けないのか！？」

ﾊﾞｷｭｰﾝ

フリーザ「ん？」

ベジータ「なんだ！？何の音だ・・・うわっ！」ﾊﾞｷｭﾝ

フリーザ「そ、狙撃されている！！」

ベジータ「くっ！仕方ない！逃げるぞフリーザ！」

フリーザ「はあ・・・はあ・・・。ここまで逃げれば大丈夫でしょうかね」

ベジータ「しかしなんだってんだ・・・銃で狙われたって感じでも無かったし」

フリーザ「私とベジータの二人が一緒に狙われた事は確かですよ」

ベジータ「ちっ。厄介なことになりやがったぜ」

フリーザ「では私は疲れたから帰ります」

ベジータ「お、おい待ちやがれ！」

フリーザ「嫌です。明日もバイトがあるのですから」

ベジータ「ちい」

アパート

フリーザ「なんでまた着いてきたのですか」

ベジータ「あ、あの・・・貴様にこんな事を頼むのも・・・あれだが・・・」

フリーザ「？」

ベジータ「と、泊めてくれんか・・・」

フリーザ「なっ！？」

ベジータ「さっき逃げてる時に財布を落としたんだ！エリートだってたまにはミスだってある！」

フリーザ「くう・・・仕方ないですね」

ザボーン「なっ・・・ベジータが・・・」

フリーザ「そういう訳ですから一晩だけ泊めて差し上げます」

ザボーン「くっ。ありがたいと思えベジータ！フリーザ様に感謝するんだな」

ベジータ「だ、黙れっ！」

フリーザ「とりあえず530円貸してあげます。始発になったら去ることですね」

ザーボン「フリーザ様がなけなしの財布から530円貸して下さったのだぞ！ありがたく受け取るがいい！」

ベジータ「黙れえ！」ｶﾞｼｯ

フリーザ「では・・・おやすみなさい・・・」

ザーボン「電気消しますね」

ベジータ（く、くそったれが・・・この俺様がこんな屈辱受けるなんて・・・）


つづくな

とりあえず今週はここまでしか書けないのでさらば