ネコ娘「変なタイトル。これのどこが面白いんだか」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

鬼太郎「ダメだ！　中身を読んじゃいけない！」ｱｾｱｾ

ネコ娘「……にゃ！」///

鬼太郎「」

ネコ娘「鬼太郎、正座」

鬼太郎「……はい」ｼｭﾝ

ネコ娘「中身が表紙と全然違うんだけど」

鬼太郎「作者の画力が上がって……」

ネコ娘「なんで絵がうまくなったら、アフロで鼻毛生やしてるおっさんから素っ裸でしっぽ生やしてる美少女になんのよ！」

鬼太郎「ボーボボダークネスっていう新章に入ったんだ……」

ネコ娘「これは没収ね」

鬼太郎「そんな！」ｶﾞｰﾝ

ネコ娘「こんなの、子どもが読んでいいものじゃないでしょ」

鬼太郎「年齢的には僕、結構なジジイなんだけど」

ネコ娘「鬼太郎に触手プレイは早すぎるわ」

鬼太郎「そ、それは悪い妖怪と戦うときの参考にと思って……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ネコ娘「言い訳しない！　あと没収くらいで泣くんじゃないわよ！　情けない！」

鬼太郎「父さん、口うるさい化け猫野郎が僕を虐めます」ｼｸｼｸ

目玉「泣くんじゃない、鬼太郎。またワシが買ってきてやる」

ネコ娘「買ったの、アンタかい！」

鬼太郎「だいたいネコ娘は僕の私生活に干渉し過ぎだよ。アポなしで家に来るし」

ネコ娘「そ、そりゃこの間オナニー中に家に入っちゃったのは悪かったわよ……。一応ノックはしたけどね」///

鬼太郎「フィニッシュ間近で止められるわけないだろ！　盛大に醜態を晒しちゃったじゃないか！」ﾌﾟﾝｽｶ

ネコ娘「ま、まぁ目の保養になったし、いいじゃない」///

鬼太郎「そのアフターケアが大問題だよ！　ネズミ男にバラしたの、君だろ！」

目玉「ワシじゃよ」

鬼太郎「父さんかい！」

ネコ娘「ところで鬼太郎、妖怪ポストに手紙がぎっちり詰まってたわよ」

鬼太郎「最近チェックしてなかったからなあ」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

ネコ娘「緊急事態だったらどうすんのよ。日に一回はチェックしなさいよ」

鬼太郎「わかったよ、今やるよ……」ﾊｧｰ　ｽｯｸ　ｽﾀｽﾀ

ネコ娘「まったく、どうしてこうもモノグサなのかしら」

目玉「自慰直後はだれだって気だるいものじゃよ」

ネコ娘「……一日に何回やってんのよ」ｸｯｻ

目玉「男のさがというやつじゃ。わかってやってくれ」

ネコ娘「そりゃ少しは理解してるつもりだけど……。どうせならアタシに興味もってくれたらいいのに」ﾌｩ

目玉「一応ネコ娘もおかずになっとるようじゃぞ。これが証拠のビデオじゃ」

ネコ娘「ほんと、息子の秘密を暴露するのが好きねぇ」

目玉「再生」ﾎﾟﾁｯ

―――
――

▶

鬼太郎「ああ……ネコ娘……かわいいよ……」ｺｽｺｽｺｽｺｽ

――
―――


ネコ娘「にゃ！」///

目玉「どうじゃ、よく撮れとるじゃろ」

ネコ娘「う、うん」/// 鼻血ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

目玉「お主のバイト料でも十分買える値段じゃぞ」

ネコ娘「タダで譲りなさいよ、タダで」///

鬼太郎「父さん、結構助けを求める手紙が来てました……って何を見てるんですか！」///

目玉「ホ、ホームビデオじゃ！　鬼太郎の小さい頃の！」

鬼太郎「んなわけないでしょう！　先月ですよ、それ！」///

ネコ娘「へぇ、先月ねぇ」///　ﾆﾔﾆﾔ

鬼太郎「あ、見るな！」///　ｶｱｰｯ

＊＊＊

鬼太郎「えー、コホンッ！　とにかくこの小学生の公平くんの事件から片付けましょう！　約1か月前の手紙なんで、公平くんは既に死んでると思いますが！」///

ネコ娘「そうね」/// ﾆﾔﾆﾔ

鬼太郎「そこっ！　ニヤニヤしないっ！」///

目玉「ふぅむ……文面から察するに、おそらく怪人赤マントの仕業じゃな。ちぎれた指で、藁をもすがる思いでお前に手紙を書いたのじゃろ」

ネコ娘「かわいそう……」

目玉「誰かが自慰行為に夢中になってたばっかりにのう……」

鬼太郎「悪かったですってば！」

目玉「さて、この赤マントはちと厄介じゃぞ。活動範囲が広いから、まず探すのに骨が折れそうじゃわい」

ネコ娘「それに怪人って妖怪じゃないんでしょ？　妖怪アンテナも役に立たないわね」

鬼太郎「とりあえず公平くんが殺された地区から探しましょう。囮作戦です」

目玉「こいつは精神がイカレとるから法では裁けん。見つけ次第地獄に送るんじゃ」

ネコ娘「アタシは子泣き爺たちを呼んでくるわ」ｼｭﾀｯ

＊＊＊

ネコ娘「子泣き爺、居る？」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

砂かけ「こ、これ！　ノックぐらいせんか！」/// ﾊｧﾊｧ

子泣き「ひゃあ！　ネコ娘に見られちまった！」/// ｵｷﾞｬｱｵｷﾞｬｱ

ネコ娘「」ﾋﾟｼｬｯ

＊＊＊

一反木綿「わしの上で吐瀉物を撒き散らすのはやめて欲しかばーい」ﾌﾜﾌﾜ

ネコ娘「おろろろろろ」ﾋﾞﾁﾋﾞﾁﾋﾞﾁ

鬼太郎「乗り物酔いかい？」ｻｽｻｽ

砂かけ「」///

子泣き「」///

目玉「皆、そろそろ着くぞ！　準備はよいな！」

塗り壁「俺、赤マント、ぶち殺す……」

＊＊＊

三日後

砂かけ「全っ然来んな……」

子泣き「普通に警察に連絡した方が早いんじゃないかのう……」

目玉「そもそも殺人を犯したところでうろちょろしとるとは思えん」

鬼太郎「いえ、きっと犯人は現場に戻ってきます。犯罪心理学者がテレビで言ってました」

ネズミ「つーかなんで俺様が付き合わなくちゃなんねーんだよ」ﾌﾜｰｱ

砂かけ「まぁそう言うな。囮役のネコ娘が一番大変なんじゃ」

子泣き「『殺してくだちい』って書いた紙を貼って立ってる女の子……。どう考えても罠にしか見えんじゃろ」

目玉「一度妖怪ポストを覗いた方が良いかもしれんな。有益な情報が入っとるかもしれんぞ」

鬼太郎「ネズミ男、出番だ」

ネズミ「パシんなよ、ったくよぉ」ｽﾀｺﾗ

目玉「やけに聞き分けがよいのう」

＊＊＊

ネズミ「おーい、赤マントに関する手紙が五枚も入ってたぞ～」ﾋﾗﾋﾗ

目玉「やはりそうか！」

鬼太郎「撤収～！」

ネコ娘「やっと解放された……」ﾖﾛﾖﾛ

砂かけ「五枚とも同じ地区じゃ。そこを拠点に連続通り魔をしてるようじゃぞ」

子泣き「また囮作戦かのう」

ネコ娘「あ、アタシはもう嫌だからね！」

目玉「ここは公平にじゃんけんで決めよう」

＊＊＊

ネコ娘「も、もうだめ……。足がパンパン……」ﾌﾗﾌﾗ



ネズミ「あいつ、じゃんけん弱いな」ﾋｿﾋｿ

鬼太郎「あんだけ弱った女の子なら、ターゲットになりやすいだろ」ﾋｿﾋｿ

目玉「と言っても、この地区は割と広いからの。そう簡単には見つからんかもしれん」ﾋｿﾋｿ

砂かけ「気長に待つしかなさそうじゃの」ﾋｿﾋｿ

子泣き「いや、警察に連絡した方が……」ﾋｿﾋｿ

鬼太郎「頑張れ、ネコ娘！　応援してるぞ！」ﾋｿﾋｿ

＊＊＊

十日後　夕刻

砂かけ「また移動したんじゃないか？　くる気配が微塵もないぞ」

ネズミ「はぁ～退屈だなぁ……」

子泣き「もうこの件からは手を引こう！　時間の無駄じゃ！」ｵｷﾞｬｱｵｷﾞｬｱ



ネコ娘「ふくらはぎが死滅してる気がする……」

赤マント「赤が好き？　青が好き？」

ネコ娘「どっちだっていいわよ……」



鬼太郎「子泣き爺、泣き止んでおくれよ。何か楽しいゲームでもして気を紛らわそう」

目玉「1０文字以上しりとりなんてどうじゃ？」

砂かけ「おお、それは楽しそうじゃ！　わしから行くぞ！　り、り、リーマンショックブラザーズ！」

ネズミ「図解ですべてわかる世界の装飾デザイン見本帳」

子泣き「宇都宮市社会福祉協議会」


ネコ娘「きゃあああああ！！　助けてえええ！　鬼太郎ー！！」


鬼太郎「インディー＝ジョーンズ　失われたアーク」

目玉「空気力学少女と少年の詩」

砂かけ「た、た、た……」

ネズミ「しりとりが弱いな」

砂かけ「お前らが強すぎるんじゃ！」

砂かけ「た、た、た、タイ国際航空成田空港貨物課！」

ネズミ「か、か、怪人赤マント」

子泣き「それ、九文字じゃないか？」

ネズミ「あ、ほんとだ」

砂かけ「やーい、お前の負けじゃ！」

鬼太郎「それにしても来ませんね、赤マント」ﾁﾗｯ

目玉「そういえばネコ娘もおらんのう」

ネズミ「どうせしょんべんかなんかだろ」

＊＊＊

赤マント「これね、指切りばさみっていうんだ……。この穴のところに指を入れてね」ｼｬｷﾝｼｬｷﾝ

ネコ娘「にゃあああ！！　やめてえええええええ！！！！！」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

赤マント「それともこっちの方がいいかな……。特大採血器。だんだん体が冷たくなるのを感じるんだって」ｶﾁｬｶﾁｬ

ネコ娘「いやあああああああああああああ！！！！！」ｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝ

赤マント「どっちでもいいって答えだったからね。血まみれにしてから血を抜いてあげるよ」

ネコ娘「きたろー！！　お願い、助けて！　きたろー！！」ｳﾜｱｱｱｱｱﾝ

赤マント「ゲゲゲの鬼太郎かい？　奴なら来ないよ。10文字以上しりとりをしてたからね」

ネコ娘「なんソレ！？　鬼太郎！！　おい！」

赤マント「これはね……僕の性癖なんだ。人間を極限まで追い詰めてなぶり殺すのが。人は皆僕を化け物だと言う。僕もそう思うよ」ｼｬｷﾝｼｬｷﾝ

ネコ娘「」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

赤マント「でもね？　僕からすれば、僕自身を除くすべての人間は、僕というこの世の中の主人公を引き立てるためのモブでしかないんだ。この世の中の決定権は僕にある」

ネコ娘「」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

赤マント「だからすまない。僕の快楽のために、ここで君の出番はお終いだ。かわいいのに……。本当に気の毒だと思うよ……」

ネコ娘「きたろー！！！！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

赤マント「残念だけどここ、密室なんだ。四方を壁に囲まれててさ、君の可愛い声が外まで届かないんだ……。かわいそうに……」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

ネコ娘「」ﾋｯｸﾋｯｸ

赤マント「じゃあ、小指からもらうね……」ｽｯ

ネコ娘「やめてえええええええええええええ！！！！！！！」ｶﾞｼｬｶﾞｼｬ

ドゴンッ！



ネコ娘「！？」

赤マント「おげえっ！」ｽﾞｻｱｱｱｱｱｱ

ネコ娘（な、何があったの！？）

赤マント（な、何だ！？　見えないところから強烈なパンチが……！）ﾊｧﾊｧ

？？？「油断したな……。赤マント……」

赤マント「だ、誰だ！？」ﾌﾙﾌﾙ

塗り壁「お前をなぶって……。ぶち殺す」ﾇｯ

ネコ娘「塗り壁！」

一反木綿「わしもおるばーい」ﾋﾗﾘ

ネコ娘「一反木綿！」

赤マント「ぞ、増援か……」ｶﾞｸｶﾞｸ

？？？「こっちも忘れてもらっちゃ困るよ……」

赤マント「ま、まさか！　ゲゲゲの鬼太郎！？」

ネコ娘（や、やっぱり来てくれた……）ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

塗り壁女房「あんたはもう、完全に囲まれてんのさ！」ﾊﾞｱﾝｯ!

赤マント（だ、誰コレ……？）

ネコ娘（来てくれなかった……）ﾊｧｰ

塗り壁「とりあえず、足をつぶしとく」ﾍﾞﾀｰﾝｯ!

赤マント「がああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！！」

ネコ娘「ひっ！」

一反木綿「のこぎりを渡しとくばい。足を切ったら逃げられるかもしれんばい」ｶﾗﾝｶﾗﾝ

赤マント「あああああああ！！！！　足が！　僕の足が！　痛い痛い！　痛いよおおおお！！！！」ｶﾞｱｱｱｱｱｱｱｱｱ

女房「早く逃げないと手の指が潰されちまうよ？」ｽﾞｼｰﾝ

赤マント「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！」

＊＊＊

赤マント「ひっぐ！　うええ！」ｺﾞﾘｯｺﾞﾘｯ

一反木綿「その調子ばーい！　もう少しで足が切れるばーい」

ネコ娘「も、もうやめようよ！　こんなの絶対おかしいよ！」

塗り壁「俺たち……妖怪……。容赦はしない」

ネコ娘「……」

＊＊＊

ゴリンッ

赤マント「切れたっ！　で、出口！　出口！」ｽﾞﾘｯｽﾞﾘｯ

一反木綿「おお！　頑張ったばい！」

塗り壁「これに懲りたら、もう同じ過ちを繰り返さないことだ……」

赤マント「もうしませんっ！　もうしませんっ！」ｽﾞﾘｯｽﾞﾘｯ

女房「なかなか根性があるじゃないか。これからは欲望に打ち勝つように頑張るんだよ」

赤マント「はいいい……！　ずびばぜんでじだあああ！！！」ｽﾞﾘｯｽﾞﾘｯ

塗り壁「……というわけで」

一反木綿「もう一頑張りばい」

塗り壁「」ｽﾞｼｰﾝ

赤マント「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！」

＊＊＊

一反木綿「あらら……舌を噛み切って死んどるばい」

塗り壁「とにかくネコ娘が無事でよかった……」

ネコ娘「あ……ありがとう……」

女房「この死体、見つかると面倒だからアンタの体に塗りこんどくよ」

塗り壁「そろそろ俺の体、人骨でいっぱい……。母ちゃんの体に塗りこんどいてくれ……」

一反木綿「先にネコ娘を連れてゲゲゲの森に帰っとくばい」

塗り壁「分かった……」

＊＊＊

十日後

鬼太郎「おそいな～、ネコ娘……。小便するのにどれだけかかってるんだ」

砂かけ「レディーは時間がかかるものなんじゃ」

ネズミ「下痢だろ、下痢。だから川魚を生で食うのはやめろって言ったんだ……」

目玉「生ごみを漁っといてよく言うわい」

子泣き「警察はまだかのう……」

鬼太郎「もしかしたら紙が無くて困ってるのかもしれない。ネズミ男、ちょっとゲゲゲの森まで行ってトイレットペーパーを持ってきてくれ」

ネズミ「ったくよぉ……。パシんなよな」ｽﾀｺﾗ

目玉「じゃから何でそんなに素直なんじゃ……」

＊＊＊

1時間後

ネズミ「鬼太郎先生、ネコ娘様が先生の家でお待ちです」ﾖﾛﾖﾛ

鬼太郎「え？　ネコ娘が？　うんこついたまま森に帰ってたって言うのかい？」

ネズミ「ええ……プンプン状態ですんで菓子折りか何かを持ってった方がよろしいかと……」

鬼太郎「プンプン状態って……そりゃウンコは臭うよ。それよりどうしたんだそのひっかき傷は……。いつもの笑ってごまかせるレベルじゃないぞ？」

ネズミ「ま、まあ気にしなさんな！　しばらくあたしは森から離れるんで、ではこれで！」ﾋﾟｭｰﾝ

鬼太郎「あ、待てよ！」

目玉「行っちまいおったわい」

＊＊＊

鬼太郎「いや～ゲゲゲの森も随分懐かしい気がしますね。ね、父さん」

目玉（あのネズミ男の様子がどうもきになるのう……。しばらくは家に帰らん方が良さそうじゃ）

鬼太郎「父さん？」

目玉「ん？　あ、ああ、そうじゃのう！　ところでわしは子泣きと銭湯に行ってから帰るから、鬼太郎は先に帰っとれ」

鬼太郎「そうですか。じゃ、お先に」ｽﾀｽﾀ

＊＊＊

鬼太郎「しばらく家を空けてた間に随分と手紙が来てたなあ。でも見たところ赤マントに関するものは無いようだな……。まだ解決していないってのに」ｶﾞｻｶﾞｻ

鬼太郎「ふう……ただい……！」ﾋﾟﾝｯ

ネコ娘「お帰り、鬼太郎」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

鬼太郎（な、何だ……この妖気、尋常じゃないぞ……！　僕の妖怪アンテナが上の奴も下の奴もビンビンになってる！）

ネコ娘「10文字以上しりとりは楽しかった？」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

鬼太郎「ああ、あれ？　あれはすぐ終わって、あとはずっとあっち向いてホイをしてたよ。それよりお腹は大丈夫？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ネコ娘「お腹？　ええ、はらわたが煮えくり返りそうだわ……」ｼｭｰｯｼｭｰｯ

鬼太郎「そりゃ大変だ」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ネコ娘「さーてここで問題です。突然いなくなったアタシはどこで何をしていたでしょうか？　１、赤マントに連れ去られて殺されそうになっていた。２、暗いコンテナのなかで泣きながら鬼太郎に助けを求めていた。３、塗り壁たちに助けられ、鬼太郎への復讐の準備をしていた」

鬼太郎「４、草むらでウンコ？」

ネコ娘「おら」ﾄﾞｺﾞﾝ

鬼太郎「ドベエ！」ﾌﾞｼｬｱｱｱｱｱｱ

ネコ娘「ほら、立ちなさいよ。お化けは死なないんでしょ？」

鬼太郎「お、お化けは死なないし病気も何にもないけど、みぞおちはダメ……」ﾓﾘﾓﾘｯ

ネコ娘「さぁ、答えて。ウンコ漏らしてる場合じゃないわよ？」

鬼太郎「じゃ、じゃあ４、公衆トイレで……」

ネコ娘「おら」ﾄﾞｺﾞﾝ

鬼太郎「おげえ！」ﾋﾞﾁﾋﾞﾁﾋﾞﾁ

ネコ娘「難しかったら「上半身と下半身（フィフティ：フィフティ）」使う？　ちょっと痛いけど」

鬼太郎「て、テレホンで……」ﾌﾗﾌﾗ

ネコ娘「誰にかけるの？」ﾊｲ

鬼太郎「せ、銭湯にいる父に……」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

ネコ娘「時間は15秒です」

鬼太郎「短っ！」

ネコ娘「スタート」

鬼太郎「助けて父さん痛いよ父さんネコ娘がヤバいんだもうアレ頭イッてるよ僕を殺す気だよ長屋の連中を総動員してよ父さん父さんなら出来るだろことあるごとにお腹を殴るんだＳＭとかそういう次元じゃないよ風穴開いちゃうよもしかしたらこれが遺言になるかもしれないので言わせてくださいあなたのむすこで良かった」

ネコ娘「終了」

＊＊＊

ガチャン




目玉「くぅぅ……鬼太郎～……」ｼｸｼｸ










おしまい