1:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 21:33:42 :TdaXQ0uk
~お城・謁見の間~
王様「よく来たな、村娘よ」
ゆう「は、はい……」
王様「お前を呼んだのは他でもない。勇者の適任者として、女神から神託があったのだ」
ゆう「わわ、私がですか?!」
王様「そうだ。勇者として、ある任務に就いてほしい」
ゆう「勇者だなんて、私にはムリです……」
王様「女神からの神託は絶対なのだ」
ゆう「はうぅっ……」
~お城・謁見の間~
王様「よく来たな、村娘よ」
ゆう「は、はい……」
王様「お前を呼んだのは他でもない。勇者の適任者として、女神から神託があったのだ」
ゆう「わわ、私がですか?!」
王様「そうだ。勇者として、ある任務に就いてほしい」
ゆう「勇者だなんて、私にはムリです……」
王様「女神からの神託は絶対なのだ」
ゆう「はうぅっ……」
2:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 21:58:20 :TdaXQ0uk
王様「さて、お前がいくら村娘とは言っても、かの国の噂くらいは知っておろう」
ゆう「……?」キョトン
王様「魔王だ、魔王!!」
ゆう「すみません。他国のことはよく分からなくて、魔王とは何ですか?」
王様「田舎者め……。ならば、心して聞くがよい」
ゆう「は、はいっ」
王様「魔王とは、かの国を統治する王のことだ。やつは人智を超えた全能の力を操り、世界中の国々を滅ぼさんとしている。魔王を倒さねば、この世界に安寧の時は訪れないであろう!」
ゆう「そ……そうなんですね」
王様「したがって、勇者よ。国王として、お前に魔王退治を命じる!」
王様「さて、お前がいくら村娘とは言っても、かの国の噂くらいは知っておろう」
ゆう「……?」キョトン
王様「魔王だ、魔王!!」
ゆう「すみません。他国のことはよく分からなくて、魔王とは何ですか?」
王様「田舎者め……。ならば、心して聞くがよい」
ゆう「は、はいっ」
王様「魔王とは、かの国を統治する王のことだ。やつは人智を超えた全能の力を操り、世界中の国々を滅ぼさんとしている。魔王を倒さねば、この世界に安寧の時は訪れないであろう!」
ゆう「そ……そうなんですね」
王様「したがって、勇者よ。国王として、お前に魔王退治を命じる!」
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 22:34:37 :TdaXQ0uk
ゆう「ええぇぇっ! どうして私なんですか?!」
王様「だから言ったであろう。女神から神託があったと」
ゆう「そんなあ……。魔王を倒すなんてムリです!」
王様「ワシもそう思う」
ゆう「ですよねえ!」アセアセ
王様「しかし、ただの村娘が刺客だとは思うまい。何としてでも、魔王を討たねばならんのだ!」
大臣「魔王退治に成功した場合は、もちろん褒美を出します。くれぐれも、他国には情報を漏らすことのないよう行動してください」
ゆう「……分かりました」
とてとて....
ゆう「ええぇぇっ! どうして私なんですか?!」
王様「だから言ったであろう。女神から神託があったと」
ゆう「そんなあ……。魔王を倒すなんてムリです!」
王様「ワシもそう思う」
ゆう「ですよねえ!」アセアセ
王様「しかし、ただの村娘が刺客だとは思うまい。何としてでも、魔王を討たねばならんのだ!」
大臣「魔王退治に成功した場合は、もちろん褒美を出します。くれぐれも、他国には情報を漏らすことのないよう行動してください」
ゆう「……分かりました」
とてとて....
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 22:41:56 :TdaXQ0uk
~城下町~
ゆう「はあっ、私はどうしたらいいんだろ」
――『決まってるじゃないですか。まずはパートナーを探しましょう』
ゆう「そそ、そんなことムリです!」
――『さっきから聞いていれば、あなたは事あるごとにムリムリと……。もう少し、自分に自信を持ってはいかがですか?』
ゆう「わわっ! 頭の中から声が聞こえてくるっ!」
女神『あらあら、申し遅れました。わたくしは女神と申します』
ゆう「め、女神さま?!」
女神『はい。わたくしは今、勇者さまの心に直接話しかけています』
~城下町~
ゆう「はあっ、私はどうしたらいいんだろ」
――『決まってるじゃないですか。まずはパートナーを探しましょう』
ゆう「そそ、そんなことムリです!」
――『さっきから聞いていれば、あなたは事あるごとにムリムリと……。もう少し、自分に自信を持ってはいかがですか?』
ゆう「わわっ! 頭の中から声が聞こえてくるっ!」
女神『あらあら、申し遅れました。わたくしは女神と申します』
ゆう「め、女神さま?!」
女神『はい。わたくしは今、勇者さまの心に直接話しかけています』
5:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 23:11:49 :TdaXQ0uk
ゆう「あ、あのっ! どうして私が勇者なんですか?!」
女神『あなたなら世界を破滅に導く者を討ち滅ぼし、希望にあふれた世界へと導いていくことが出来ると確信しているからです』
ゆう「私はただの村娘ですよ……」
女神『あなたは、女神であるわたくしが間違っていると言うつもりですか?』
ゆう「そんなつもりは――」
女神『でしたら、何も問題はないではありませんか』
ゆう「でも、私より相応しい人がいると思います」
女神『そんなことはありません』
ゆう「そうかなあ……」
女神『それでは、酒場に行きましょう。最高のパートナーとなる人が、勇者さまのことを待っていますよ』
ゆう「はあっ、行くしかないんですよね……」
とてとて....
ゆう「あ、あのっ! どうして私が勇者なんですか?!」
女神『あなたなら世界を破滅に導く者を討ち滅ぼし、希望にあふれた世界へと導いていくことが出来ると確信しているからです』
ゆう「私はただの村娘ですよ……」
女神『あなたは、女神であるわたくしが間違っていると言うつもりですか?』
ゆう「そんなつもりは――」
女神『でしたら、何も問題はないではありませんか』
ゆう「でも、私より相応しい人がいると思います」
女神『そんなことはありません』
ゆう「そうかなあ……」
女神『それでは、酒場に行きましょう。最高のパートナーとなる人が、勇者さまのことを待っていますよ』
ゆう「はあっ、行くしかないんですよね……」
とてとて....
9:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 21:00:56 :iThLgCAQ
~酒場~
マスター「いらっしゃい。何か飲むかい?」
ゆう「あ、あの……」
女神『ほらっ。勇者さま、頑張ってください!』
ゆう「わ、私は勇者です。それで、酒場にパートナーを探しに来ました」
マスター「ああ、求人だね。大臣から聞いてるよ」
ゆう「そそそ、そうなんですね」アセアセ
マスター「まさか勇者がこんなにも可愛い娘だったとは、思ってもみなかったよ」
ゆう「あわわ、可愛いだなんて照れてしまいます//」
~酒場~
マスター「いらっしゃい。何か飲むかい?」
ゆう「あ、あの……」
女神『ほらっ。勇者さま、頑張ってください!』
ゆう「わ、私は勇者です。それで、酒場にパートナーを探しに来ました」
マスター「ああ、求人だね。大臣から聞いてるよ」
ゆう「そそそ、そうなんですね」アセアセ
マスター「まさか勇者がこんなにも可愛い娘だったとは、思ってもみなかったよ」
ゆう「あわわ、可愛いだなんて照れてしまいます//」
10:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 21:52:03 :iThLgCAQ
マスター「それじゃあ、求人票を作成してくれないか」
ゆう「きゅっ、求人票ですか?!」
マスター「どんな目的で、どんな人材を求めているのか。そして勇者として、仲間にどんな報酬を支給することが出来るのか。それが分からないと、紹介や応募が出来ないだろ」
ゆう「何だか大変そうですね」
マスター「そうかい? でもそれが、人を雇うということなんだよ」
女神『勇者さま、求人票を書きましょう!』
ゆう「そうですよね。マスターさん、求人票をお願いします」
マスター「はいよ、求人票1枚」
マスター「それじゃあ、求人票を作成してくれないか」
ゆう「きゅっ、求人票ですか?!」
マスター「どんな目的で、どんな人材を求めているのか。そして勇者として、仲間にどんな報酬を支給することが出来るのか。それが分からないと、紹介や応募が出来ないだろ」
ゆう「何だか大変そうですね」
マスター「そうかい? でもそれが、人を雇うということなんだよ」
女神『勇者さま、求人票を書きましょう!』
ゆう「そうですよね。マスターさん、求人票をお願いします」
マスター「はいよ、求人票1枚」
11:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 22:02:17 :iThLgCAQ
ゆう「目的は魔王退治で、求める人材は――」
女神『いい感じですね。ところで、勇者としての報酬はどうするんですか?』
ゆう「報酬かあ……。能力に見合っていないと、パートナーになってくれないですよねえ」
マスター「ギルドに登録してクエストを達成すれば、一定の報酬を得ることが出来る。その報酬から、給与を支払うのが一般的だな」
ゆう「城下町には怖そうな男の人がたくさん居たから、そういう場所には近付きたくないです」
マスター「ギルドが怖いなら、トレジャーハンターなんてどうだい?」
女神『勇者さま、女であることを報酬にしましょうよ』
ゆう「ええっ、そんなの絶対ムリです!」
マスター「ギルドがムリなら、そうするしかないんじゃないか」
ゆう「あうぅ、やっぱり勇者なんてしたくないよぉ」グスン
ゆう「目的は魔王退治で、求める人材は――」
女神『いい感じですね。ところで、勇者としての報酬はどうするんですか?』
ゆう「報酬かあ……。能力に見合っていないと、パートナーになってくれないですよねえ」
マスター「ギルドに登録してクエストを達成すれば、一定の報酬を得ることが出来る。その報酬から、給与を支払うのが一般的だな」
ゆう「城下町には怖そうな男の人がたくさん居たから、そういう場所には近付きたくないです」
マスター「ギルドが怖いなら、トレジャーハンターなんてどうだい?」
女神『勇者さま、女であることを報酬にしましょうよ』
ゆう「ええっ、そんなの絶対ムリです!」
マスター「ギルドがムリなら、そうするしかないんじゃないか」
ゆう「あうぅ、やっぱり勇者なんてしたくないよぉ」グスン
12:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 22:09:07 :iThLgCAQ
ゆう「とりあえず、これで出来ました」
マスター「どれどれ、見せてもらうよ」
―― 求人票 ――
チートな殿方を募集中です♪
内容:魔王退治
人数:1人
年齢:25歳以下
報酬:肩たたき他
ゆう「これで良いですか?」
マスター「あ、あぁ……」
ゆう「とりあえず、これで出来ました」
マスター「どれどれ、見せてもらうよ」
―― 求人票 ――
チートな殿方を募集中です♪
内容:魔王退治
人数:1人
年齢:25歳以下
報酬:肩たたき他
ゆう「これで良いですか?」
マスター「あ、あぁ……」
13:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 22:26:11 :iThLgCAQ
女神『勇者さま、肩たたき他って何なんですか?』
ゆう「そんな報酬では、やっぱりだめですかねえ……」
マスター「特別な決まりはないけど、これだと断る人が多いだろうな」
ゆう「でも、そういうことしか出来なくて……。お仕事を頑張っている殿方を迎え入れて、家事をしたりたくさん癒してあげるのが私の夢なんです//」
女神『それって、ただのお嫁さんじゃないですか!』
マスター「ここは結婚相談所じゃないから! 縁結びは酒場じゃなくて、教会でやってるから!」
ゆう「はうっ、そんなつもりは……。でも魔王を倒せるような殿方なら、すぐにでもお嫁さんになりたいです//」テレッ
マスター「まあ、取り様によっては身体で払うようにも読めるか。こんなに可愛い女勇者を抱けるとなれば、男ならヤる気が出るというものだろう」
ゆう「そういうことは、ちゃんと結婚してからですよ//」オロオロ
女神『勇者さま、肩たたき他って何なんですか?』
ゆう「そんな報酬では、やっぱりだめですかねえ……」
マスター「特別な決まりはないけど、これだと断る人が多いだろうな」
ゆう「でも、そういうことしか出来なくて……。お仕事を頑張っている殿方を迎え入れて、家事をしたりたくさん癒してあげるのが私の夢なんです//」
女神『それって、ただのお嫁さんじゃないですか!』
マスター「ここは結婚相談所じゃないから! 縁結びは酒場じゃなくて、教会でやってるから!」
ゆう「はうっ、そんなつもりは……。でも魔王を倒せるような殿方なら、すぐにでもお嫁さんになりたいです//」テレッ
マスター「まあ、取り様によっては身体で払うようにも読めるか。こんなに可愛い女勇者を抱けるとなれば、男ならヤる気が出るというものだろう」
ゆう「そういうことは、ちゃんと結婚してからですよ//」オロオロ
14:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 22:43:32 :iThLgCAQ
マスター「ところで、チートな殿方とはどういうことなんだ?」
ゆう「王様は魔王のことを、人智を超えた全能の力を操る者だと評していました。ならば同じく全能な力を持つ人でなければ、魔王を倒すことは出来ないと思うんです」
マスター「なるほどな。それでチートな殿方なのか……」
ゆう「そのような人は、簡単に見付かる人材ではありません。いないと考えたほうが良いと思っています」
女神『だから、殿方を1人なんですね』
マスター「村娘の割には、意外と知性があるんだな。ぽんこつで教養がないのかと思ってた」
マスター「ところで、チートな殿方とはどういうことなんだ?」
ゆう「王様は魔王のことを、人智を超えた全能の力を操る者だと評していました。ならば同じく全能な力を持つ人でなければ、魔王を倒すことは出来ないと思うんです」
マスター「なるほどな。それでチートな殿方なのか……」
ゆう「そのような人は、簡単に見付かる人材ではありません。いないと考えたほうが良いと思っています」
女神『だから、殿方を1人なんですね』
マスター「村娘の割には、意外と知性があるんだな。ぽんこつで教養がないのかと思ってた」
15:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 22:48:17 :iThLgCAQ
ゆう「んなっ、失礼ですねえ」プンスカ
マスター「すまんすまん。認識を改めないといけないな」
ゆう「そうしてください。それで、チートな人はいるんですか?」
マスター「確か、そんな新人が登録されているはずだ。条件に合うし、会ってみてはどうだろう」
ゆう「ええっ?! チートな人が本当にいるんですかっ!」
マスター「ああ、まさしく勇者には打って付けの人材だと思う」
ゆう「ぜひお願いします!」
ゆう「んなっ、失礼ですねえ」プンスカ
マスター「すまんすまん。認識を改めないといけないな」
ゆう「そうしてください。それで、チートな人はいるんですか?」
マスター「確か、そんな新人が登録されているはずだ。条件に合うし、会ってみてはどうだろう」
ゆう「ええっ?! チートな人が本当にいるんですかっ!」
マスター「ああ、まさしく勇者には打って付けの人材だと思う」
ゆう「ぜひお願いします!」
19:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/12(水) 20:09:26 :zUKqeoBA
賢者「はじめまして、賢者です」
ゆう「は、はじめまして。私が勇者です」
賢者「あなたが勇者なんですか。すごく可愛いらしい女性で驚きました」
ゆう「……//」
女神『勇者さま、彼が本当にチートなのか確認しましょう』
ゆう「はっ、はい……。賢者さんは、本当にチートなんですか?」
賢者「あらゆる武術を極め、あらゆる魔法を修得しました。そして宇宙の全容を解き明かし、新たな学問を志しています」
ゆう「賢者さん、すごいです!」
賢者「ふふっ。この世界の原理原則、そのすべてを掌握してみせましょう」
ゆう「かっこいい//」キュンキュン
賢者「はじめまして、賢者です」
ゆう「は、はじめまして。私が勇者です」
賢者「あなたが勇者なんですか。すごく可愛いらしい女性で驚きました」
ゆう「……//」
女神『勇者さま、彼が本当にチートなのか確認しましょう』
ゆう「はっ、はい……。賢者さんは、本当にチートなんですか?」
賢者「あらゆる武術を極め、あらゆる魔法を修得しました。そして宇宙の全容を解き明かし、新たな学問を志しています」
ゆう「賢者さん、すごいです!」
賢者「ふふっ。この世界の原理原則、そのすべてを掌握してみせましょう」
ゆう「かっこいい//」キュンキュン
20:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/12(水) 20:59:53 :zUKqeoBA
賢者「ところで報酬の件ですが、肩たたき他とは何でしょうか」
ゆう「それはその……」チラッ
賢者「まさか、本当に肩をたたくだけなんて事はないですよねえ」
女神『うふふ、勇者さまは面食いなんですね』
ゆう「そ、そんなことはないです//」
女神『でも、照れてるじゃないですかぁ。まんざらでもないんじゃないですか?』ニヤニヤ
ゆう「だって、賢者さんがかっこいいんだもん//」ドキドキ
賢者「ふむ……。どうやらチートすぎる容姿のせいで、乙女心を惑わしてしまったようだ」
マスター「ははは。村娘なだけあって、純情な生娘なんだな」
女神『ほらほら。勇者なんですから、しゃきっとしてください』
ゆう「はうぅ……」
賢者「ところで報酬の件ですが、肩たたき他とは何でしょうか」
ゆう「それはその……」チラッ
賢者「まさか、本当に肩をたたくだけなんて事はないですよねえ」
女神『うふふ、勇者さまは面食いなんですね』
ゆう「そ、そんなことはないです//」
女神『でも、照れてるじゃないですかぁ。まんざらでもないんじゃないですか?』ニヤニヤ
ゆう「だって、賢者さんがかっこいいんだもん//」ドキドキ
賢者「ふむ……。どうやらチートすぎる容姿のせいで、乙女心を惑わしてしまったようだ」
マスター「ははは。村娘なだけあって、純情な生娘なんだな」
女神『ほらほら。勇者なんですから、しゃきっとしてください』
ゆう「はうぅ……」
22:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/12(水) 22:00:24 :zUKqeoBA
賢者「それでは、質問を変えましょう。勇者さまの成功報酬は何ですか?」
ゆう「魔王退治に成功したら、王様が褒美をくれることになっています」
賢者「つまり、仲間になれば王様に謁見できるのですね」
ゆう「そうです。きっと賢者さんにも褒美が出ると思いますよ!」
賢者「なるほど。そうなると、報酬は肩たたきと王様の褒美ということになりますが……」
マスター「賢者さま。肩たたき他とは、仕事を頑張っている殿方を迎え入れ、家事をしたりたくさん癒してあげることらしいですよ」
ゆう「えっとその……、お嫁さんになることが私の夢なんです//」
賢者「な、何だって?! 人々の象徴である勇者を娶れるというのは、魅力的な報酬だな。よし、やろう!」
賢者「それでは、質問を変えましょう。勇者さまの成功報酬は何ですか?」
ゆう「魔王退治に成功したら、王様が褒美をくれることになっています」
賢者「つまり、仲間になれば王様に謁見できるのですね」
ゆう「そうです。きっと賢者さんにも褒美が出ると思いますよ!」
賢者「なるほど。そうなると、報酬は肩たたきと王様の褒美ということになりますが……」
マスター「賢者さま。肩たたき他とは、仕事を頑張っている殿方を迎え入れ、家事をしたりたくさん癒してあげることらしいですよ」
ゆう「えっとその……、お嫁さんになることが私の夢なんです//」
賢者「な、何だって?! 人々の象徴である勇者を娶れるというのは、魅力的な報酬だな。よし、やろう!」
23:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/12(水) 22:26:17 :zUKqeoBA
マスター「どうでしょう、彼を仲間になさいますか?」
ゆう「ぜひ、賢者さんを紹介してほしいです!」
マスター「賢者さまはいかがなさいますか」
賢者「そうだな。契約して仲間となろう」
マスター「それでは、契約成立です。旅に向かってください」
女神『やりましたね、勇者さまっ!』
ゆう「はいっ、ありがとうございます!」
賢者「よろしくな」
マスター「どうでしょう、彼を仲間になさいますか?」
ゆう「ぜひ、賢者さんを紹介してほしいです!」
マスター「賢者さまはいかがなさいますか」
賢者「そうだな。契約して仲間となろう」
マスター「それでは、契約成立です。旅に向かってください」
女神『やりましたね、勇者さまっ!』
ゆう「はいっ、ありがとうございます!」
賢者「よろしくな」
24:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/12(水) 23:16:53 :zUKqeoBA
ゆう「まさかこんなに簡単に、チートな殿方がパートナーになってくれるだなんて思っていませんでした」ルンルン
女神『勇者さま。パートナー探しは、タイミングなんですよ』
ゆう「本当に、タイミングが良かったです」
女神『しかも、勇者さま好みの殿方だし、ご縁もありそうですしね』
ゆう「ぁぅ……//」
賢者「勇者さま、これからどうするんですか? 個人的には、勇者さまの仲間になったことを王様に報告しておきたいと思うのですが」
女神『そうですね。わたくしも、そうしたほうが良いと思います』
ゆう「言われてみれば、そうですよね。私も王様に謁見したいですし……」
賢者「では、お城まで案内していただけますか?」
ゆう「はいっ。とりあえず、王様に会いに行きましょう」
とてとて....
ゆう「まさかこんなに簡単に、チートな殿方がパートナーになってくれるだなんて思っていませんでした」ルンルン
女神『勇者さま。パートナー探しは、タイミングなんですよ』
ゆう「本当に、タイミングが良かったです」
女神『しかも、勇者さま好みの殿方だし、ご縁もありそうですしね』
ゆう「ぁぅ……//」
賢者「勇者さま、これからどうするんですか? 個人的には、勇者さまの仲間になったことを王様に報告しておきたいと思うのですが」
女神『そうですね。わたくしも、そうしたほうが良いと思います』
ゆう「言われてみれば、そうですよね。私も王様に謁見したいですし……」
賢者「では、お城まで案内していただけますか?」
ゆう「はいっ。とりあえず、王様に会いに行きましょう」
とてとて....
28:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/13(木) 21:08:41 :EwGacBak
~お城・謁見の間~
ゆう「王様、素敵な方をお連れしました」
王様「この者か」
ゆう「はい。この方は賢者さんと言います」
王様「ほう……。わざわざ挨拶に来るとは、殊勝な心掛けだな」
ゆう「それでですね、私の代わりに勇者になってもらいたいと思っているんです」
王様「そんなことを言っても、女神の神託は覆らんぞ」
女神『そうですよ。勇者を変更してしまうと、わたくしが間違った神託を下したことになるじゃないですか』
ゆう「そんなあ……、賢者さんのほうが相応しいじゃないですか」ションボリ
女神『それはどうでしょうね。チートな人が都合よく現れるなんて、おかしいと思いませんでしたか?』
ゆう「それって、まさか――」
~お城・謁見の間~
ゆう「王様、素敵な方をお連れしました」
王様「この者か」
ゆう「はい。この方は賢者さんと言います」
王様「ほう……。わざわざ挨拶に来るとは、殊勝な心掛けだな」
ゆう「それでですね、私の代わりに勇者になってもらいたいと思っているんです」
王様「そんなことを言っても、女神の神託は覆らんぞ」
女神『そうですよ。勇者を変更してしまうと、わたくしが間違った神託を下したことになるじゃないですか』
ゆう「そんなあ……、賢者さんのほうが相応しいじゃないですか」ションボリ
女神『それはどうでしょうね。チートな人が都合よく現れるなんて、おかしいと思いませんでしたか?』
ゆう「それって、まさか――」
29:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/13(木) 21:38:11 :EwGacBak
王様「それにしても、そんなに腕の立つ男が酒場にいたとはな。どれ、面を上げよ」
賢者「先ほど紹介にあずかりました、賢者と申します。いや、魔王と名乗るべきだな。愚鈍なる国王よっ!」
王様「何だと?! こやつ、かの国の魔王だっ!」
ゆう「ええぇぇっ、やっぱり賢者さんが魔王なんですかあ!」
魔王「まさか、こんなにも容易く事が進むとは思わなかったぞ!」
ゆう「あわわ、大変なことをしてしまいました」アセアセ
魔王「次元操作っ! イマージナル・プレイスッッ!!」
女神『空間操作系の最上級魔法か。全能を自負するだけはありますねえ』
王様「ぬあぁぁっ……」
ゆう「王様が落ちちゃった!?」
王様「それにしても、そんなに腕の立つ男が酒場にいたとはな。どれ、面を上げよ」
賢者「先ほど紹介にあずかりました、賢者と申します。いや、魔王と名乗るべきだな。愚鈍なる国王よっ!」
王様「何だと?! こやつ、かの国の魔王だっ!」
ゆう「ええぇぇっ、やっぱり賢者さんが魔王なんですかあ!」
魔王「まさか、こんなにも容易く事が進むとは思わなかったぞ!」
ゆう「あわわ、大変なことをしてしまいました」アセアセ
魔王「次元操作っ! イマージナル・プレイスッッ!!」
女神『空間操作系の最上級魔法か。全能を自負するだけはありますねえ』
王様「ぬあぁぁっ……」
ゆう「王様が落ちちゃった!?」
30:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/13(木) 22:02:51 :EwGacBak
大臣「おっ、王様あぁぁっ!」
ゆう「どうなってるの?! どうして、落ちちゃったんですか!」
魔王「ふはははは! この宇宙は11次元で出来ているのだあっ!!」
ゆう「11次元?!」
魔王「そうだ。実数座標と虚数座標からなる、複素数空間と複素数時間。これで8次元を使用する」
ゆう「ふ、複素数?」
魔王「そして、多世界解釈による3次元の階層。この宇宙は、これら11個の座標で説明できるのだ!!」
大臣「おっ、王様あぁぁっ!」
ゆう「どうなってるの?! どうして、落ちちゃったんですか!」
魔王「ふはははは! この宇宙は11次元で出来ているのだあっ!!」
ゆう「11次元?!」
魔王「そうだ。実数座標と虚数座標からなる、複素数空間と複素数時間。これで8次元を使用する」
ゆう「ふ、複素数?」
魔王「そして、多世界解釈による3次元の階層。この宇宙は、これら11個の座標で説明できるのだ!!」
31:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/13(木) 22:16:27 :EwGacBak
ゆう「……?」キョトン
魔王「か、簡単に言うとだな」
ゆう「は、はい……」
魔王「実数空間にのみ生活圏を有する一般的な人間は、虚数を含む空間では座標がずれてしまい、実数空間の地面に立つことが出来なくなって落ちてしまうのだ!」
女神『勇者さま。魔王が使ったのは、壁ぬけの最上級魔法なんです』
ゆう「なるほど。それで王様は、床ぬけして落ちてしまったんですね」
魔王「そういうことだ」
ゆう「……?」キョトン
魔王「か、簡単に言うとだな」
ゆう「は、はい……」
魔王「実数空間にのみ生活圏を有する一般的な人間は、虚数を含む空間では座標がずれてしまい、実数空間の地面に立つことが出来なくなって落ちてしまうのだ!」
女神『勇者さま。魔王が使ったのは、壁ぬけの最上級魔法なんです』
ゆう「なるほど。それで王様は、床ぬけして落ちてしまったんですね」
魔王「そういうことだ」
32:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/13(木) 22:34:18 :EwGacBak
ゆう「そんなことより、賢者さん! 本当に魔王なんですかっ?!」
魔王「そうだ。お前のおかげで、労せずに国王を討ち滅ぼすことが出来た。ここまで案内してくれて、感謝しているぞ!」
ゆう「そんな……。どうして、こんな事をしたんですか!」
魔王「この国は、我が国への侵略を目論む敵国だ。やらねば、やられるではないか」
ゆう「じゃあ、王様の魔王退治は侵略行為だったんだ……」
大臣「村娘っ! 勇者としての任務を怠り、魔王を連れてくるとはどういうつもりだ!」
女神『ああ、何ということでしょう。勇者さまと賢者さんが、敵同士になってしまうだなんて――』
ゆう「私は、賢者さんと敵同士だとは思いたくないです」
大臣「敵同士だとは思いたくない、だと!? まさか、村娘が魔王と通じていたとはなあ!」
ゆう「ふえっ?」
大臣「女神までも欺き、勇者として王様に近付いたのは反逆するためだったのか!」
ゆう「ええぇぇっ?!」
ゆう「そんなことより、賢者さん! 本当に魔王なんですかっ?!」
魔王「そうだ。お前のおかげで、労せずに国王を討ち滅ぼすことが出来た。ここまで案内してくれて、感謝しているぞ!」
ゆう「そんな……。どうして、こんな事をしたんですか!」
魔王「この国は、我が国への侵略を目論む敵国だ。やらねば、やられるではないか」
ゆう「じゃあ、王様の魔王退治は侵略行為だったんだ……」
大臣「村娘っ! 勇者としての任務を怠り、魔王を連れてくるとはどういうつもりだ!」
女神『ああ、何ということでしょう。勇者さまと賢者さんが、敵同士になってしまうだなんて――』
ゆう「私は、賢者さんと敵同士だとは思いたくないです」
大臣「敵同士だとは思いたくない、だと!? まさか、村娘が魔王と通じていたとはなあ!」
ゆう「ふえっ?」
大臣「女神までも欺き、勇者として王様に近付いたのは反逆するためだったのか!」
ゆう「ええぇぇっ?!」
33:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/13(木) 22:46:20 :EwGacBak
魔王「王亡き今、お前たちはどうするっ!」
大臣「兵士たちよ! 村娘と魔王を生きて帰すな!!」
ゆう「私は関係ないからあぁぁっ!」オロオロ
兵士「ぬおぉぉっ!!」ドタドタ
魔王「お前たちは実力の差が分からんようだな! 広域洗脳魔法!」
カッ!
ゆう「わわっ?!」
兵士「はて、我々は一体何を……」
魔王「うむ。使える人材は残しておかんと、国勢に関わってくるからな」
大臣「兵士たちよ、謁見の間で何をしておる。持ち場に戻らんか!」
兵士「も、申し訳ありません」
魔王「ふははは、これでこの世界は俺のものだ!」
魔王「王亡き今、お前たちはどうするっ!」
大臣「兵士たちよ! 村娘と魔王を生きて帰すな!!」
ゆう「私は関係ないからあぁぁっ!」オロオロ
兵士「ぬおぉぉっ!!」ドタドタ
魔王「お前たちは実力の差が分からんようだな! 広域洗脳魔法!」
カッ!
ゆう「わわっ?!」
兵士「はて、我々は一体何を……」
魔王「うむ。使える人材は残しておかんと、国勢に関わってくるからな」
大臣「兵士たちよ、謁見の間で何をしておる。持ち場に戻らんか!」
兵士「も、申し訳ありません」
魔王「ふははは、これでこの世界は俺のものだ!」
36:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 19:27:07 :H.GgUYmY
ゆう「あのぉ……、私はもう帰っても良いんですよねえ」
女神『帰るって、どういう事ですか?』
ゆう「だって、魔王退治を命じた王様は、もうこの世にいないんだし……」
魔王「そうだな。実害などないし、帰りたければ好きにしろ」
女神『だからって、帰って良いわけがないじゃないですか!』
ゆう「えっ、そんなあ……」ションボリ
魔王「えぇっ?! なぜ落ち込むんだ!」
ゆう「あのぉ……、私はもう帰っても良いんですよねえ」
女神『帰るって、どういう事ですか?』
ゆう「だって、魔王退治を命じた王様は、もうこの世にいないんだし……」
魔王「そうだな。実害などないし、帰りたければ好きにしろ」
女神『だからって、帰って良いわけがないじゃないですか!』
ゆう「えっ、そんなあ……」ションボリ
魔王「えぇっ?! なぜ落ち込むんだ!」
37:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 19:53:22 :H.GgUYmY
女神『勇者さま、考えてください。魔王は賢者さんなので、書類上は勇者さまのパートナーなんですよ。違いますか?』
ゆう「それはその……、魔王は私のパートナーです」
女神『そうなると、このまま魔王が世界征服をしてしまえば、勇者さまが首謀者になってしまいますよね』
ゆう「そんなの困ります!」
魔王「そうか。俺がパートナーだから、本当は帰りたくなかったのか……」
女神『仲間である賢者さんが道を踏み外したとき、それを正すのはリーダーである勇者さまの役目ではありませんか!』
ゆう「そ、そうです……」
女神『勇者さま、考えてください。魔王は賢者さんなので、書類上は勇者さまのパートナーなんですよ。違いますか?』
ゆう「それはその……、魔王は私のパートナーです」
女神『そうなると、このまま魔王が世界征服をしてしまえば、勇者さまが首謀者になってしまいますよね』
ゆう「そんなの困ります!」
魔王「そうか。俺がパートナーだから、本当は帰りたくなかったのか……」
女神『仲間である賢者さんが道を踏み外したとき、それを正すのはリーダーである勇者さまの役目ではありませんか!』
ゆう「そ、そうです……」
38:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 20:00:24 :H.GgUYmY
魔王「つまり、本当に俺の伴侶になりたいと言うのか!」
女神『さあ、勇者さま。魔王の心に訴えかけて、賢者さんを改心させましょう!』
ゆう「で……でも、そんなのムリだと思います」
魔王「それもそうだな……。勇者と魔王は相容れぬ存在だ。世界征服を目指す以上、その宿命には逆らうことが出来ないのだ――」
女神『勇者さま、ムリムリと言わずに自信を持ってください。賢者さんのお嫁さんになったつもりで、魔王を諭せばいいのです。未来は自分で掴み取るものですよ』
ゆう「そう……ですね!」
魔王「つまり、本当に俺の伴侶になりたいと言うのか!」
女神『さあ、勇者さま。魔王の心に訴えかけて、賢者さんを改心させましょう!』
ゆう「で……でも、そんなのムリだと思います」
魔王「それもそうだな……。勇者と魔王は相容れぬ存在だ。世界征服を目指す以上、その宿命には逆らうことが出来ないのだ――」
女神『勇者さま、ムリムリと言わずに自信を持ってください。賢者さんのお嫁さんになったつもりで、魔王を諭せばいいのです。未来は自分で掴み取るものですよ』
ゆう「そう……ですね!」
42:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 20:41:34 :H.GgUYmY
ゆう「ま、魔王! いえ、賢者さん。あなたは私のパートナーだということを忘れていませんか!」ビシッ
魔王「そんなこと、分かっておるわっ! 行くぞ、勇者よ!」
ゆう「いいえ。世界征服をやめてくれなければ、私は一緒には行けません!」
魔王「ならば、俺を倒してみせろ!」
ゆう「賢者さん、魔王退治の報酬は肩たたきですよ!」
魔王「はあっ?!」
ゆう「賢者さん、一緒に魔王の心に打ち勝ちましょう!」
ゆう「ま、魔王! いえ、賢者さん。あなたは私のパートナーだということを忘れていませんか!」ビシッ
魔王「そんなこと、分かっておるわっ! 行くぞ、勇者よ!」
ゆう「いいえ。世界征服をやめてくれなければ、私は一緒には行けません!」
魔王「ならば、俺を倒してみせろ!」
ゆう「賢者さん、魔王退治の報酬は肩たたきですよ!」
魔王「はあっ?!」
ゆう「賢者さん、一緒に魔王の心に打ち勝ちましょう!」
43:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 20:55:55 :H.GgUYmY
魔王「ちょっと待て、求人票をよく見ろよ。報酬は肩たたき他だろうが!」
ゆう「えっと、そうでしたね」ニコッ
魔王「肩たたき以外に、何をしてくれるんだ?」ペラペラ
ゆう「な、何って……。魔王を倒した賢者さんのお嫁さんになって、私が家事をしたりたくさん癒してあげますです//」テレッ
魔王「くっ……。改めて聞くと、やはり魅力的な報酬だな」
女神『勇者さま、その調子です。魔王の心が揺れてますよ!』
魔王「ちょっと待て、求人票をよく見ろよ。報酬は肩たたき他だろうが!」
ゆう「えっと、そうでしたね」ニコッ
魔王「肩たたき以外に、何をしてくれるんだ?」ペラペラ
ゆう「な、何って……。魔王を倒した賢者さんのお嫁さんになって、私が家事をしたりたくさん癒してあげますです//」テレッ
魔王「くっ……。改めて聞くと、やはり魅力的な報酬だな」
女神『勇者さま、その調子です。魔王の心が揺れてますよ!』
44:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 22:10:17 :H.GgUYmY
ゆう「賢者さんが『この世界の原理原則、そのすべてを掌握してみせましょう』と言っていたとき、私はすごくかっこいいと思いました」
魔王「……」
ゆう「それって、世界征服のことだったんですか?」
魔王「……そうだ。敵国を落とした今、俺はこの世界のすべてを掌握してみせる!」
ゆう「だけど、それは出来ません」
魔王「どういうことだ」
ゆう「賢者さんはチートだから、魔王を倒すことが出来ます。邪悪な心に負けるはずがありません!」
魔王「残念だが、魔王は全能な力を持っているのだ。したがって、賢者では魔王を倒すことは出来んっ!」
ゆう「賢者さんが『この世界の原理原則、そのすべてを掌握してみせましょう』と言っていたとき、私はすごくかっこいいと思いました」
魔王「……」
ゆう「それって、世界征服のことだったんですか?」
魔王「……そうだ。敵国を落とした今、俺はこの世界のすべてを掌握してみせる!」
ゆう「だけど、それは出来ません」
魔王「どういうことだ」
ゆう「賢者さんはチートだから、魔王を倒すことが出来ます。邪悪な心に負けるはずがありません!」
魔王「残念だが、魔王は全能な力を持っているのだ。したがって、賢者では魔王を倒すことは出来んっ!」
45:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 22:18:08 :H.GgUYmY
ゆう「だけどそれでは、全能な力を持っているはずなのに私の報酬を受け取れませんよ」
魔王「な、何だとっ!?」
ゆう「賢者さんはかっこいいし、私の報酬、私の気持ちを受け取ってほしいです//」
魔王「ぐぬぬ……。俺が魔王であり全能であるがゆえに、女勇者を伴侶に出来んとは――。真の全能なる力は、一体何なのだ!」
ゆう「今、真の全能と言いましたね!」
魔王「それがどうした」
ゆう「私はたった今、魔王を倒しましたっ!」
魔王「俺を倒しただと?!」
ゆう「だけどそれでは、全能な力を持っているはずなのに私の報酬を受け取れませんよ」
魔王「な、何だとっ!?」
ゆう「賢者さんはかっこいいし、私の報酬、私の気持ちを受け取ってほしいです//」
魔王「ぐぬぬ……。俺が魔王であり全能であるがゆえに、女勇者を伴侶に出来んとは――。真の全能なる力は、一体何なのだ!」
ゆう「今、真の全能と言いましたね!」
魔王「それがどうした」
ゆう「私はたった今、魔王を倒しましたっ!」
魔王「俺を倒しただと?!」
46:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/14(金) 22:31:36 :H.GgUYmY
ゆう「はいっ。真の全能を求めた時点で、魔王は魔王ではなくなっているのです」
魔王「どういうことだ」
ゆう「だって、そうじゃないですか。魔王は全能な力を持っているんですよねえ。それなのに不完全だと認めてしまったら、もう魔王だとは言えないと思います」
魔王「そんな戯言で、俺に打ち勝ったつもりなのか?!」
ゆう「魔王でなければ、賢者さんです。そして魔王を倒したので、私の報酬を受け取ることが出来ます」
魔王「ぐっ……」
ゆう「世界征服をやめて、世界平和を目指しませんか//」ニッコリ
魔王「そうか、真の全能なる力は勇者の笑顔だったのか。完全に俺の負けだ……」
女神『勇者さま、お見事です! 自信を持って行動すれば、ちゃんと結果が付いて来るんですよ』
ゆう「えへへ//」
大臣「まさか、魔王様が村娘に弁論で敗れるとは……。さすが、女神の加護を持つ勇者ですな」
ゆう「はいっ。真の全能を求めた時点で、魔王は魔王ではなくなっているのです」
魔王「どういうことだ」
ゆう「だって、そうじゃないですか。魔王は全能な力を持っているんですよねえ。それなのに不完全だと認めてしまったら、もう魔王だとは言えないと思います」
魔王「そんな戯言で、俺に打ち勝ったつもりなのか?!」
ゆう「魔王でなければ、賢者さんです。そして魔王を倒したので、私の報酬を受け取ることが出来ます」
魔王「ぐっ……」
ゆう「世界征服をやめて、世界平和を目指しませんか//」ニッコリ
魔王「そうか、真の全能なる力は勇者の笑顔だったのか。完全に俺の負けだ……」
女神『勇者さま、お見事です! 自信を持って行動すれば、ちゃんと結果が付いて来るんですよ』
ゆう「えへへ//」
大臣「まさか、魔王様が村娘に弁論で敗れるとは……。さすが、女神の加護を持つ勇者ですな」
48:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 01:47:12 :q98/AMcU
賢者「それでは勇者よ。俺の伴侶になってくれないか?」
ゆう「そ、そうですね//」
大臣「な、何ということだ! 大至急、婚礼の儀の準備をしなくては!!」アセアセ
女神『勇者さま! さあ、早く誓いのキスを!!』
ゆう「で、でもまだ心の準備が――」
大臣「村娘さま、善は急げと言うではありませんか」
ゆう「はうぅ//」
警備兵「魔王様っ。酒場のマスターが謁見を求めていますが、いかがいたしましょうか」
賢者「間の悪いやつだな。通してやるが良い」
警備兵「かしこまりました!」
賢者「それでは勇者よ。俺の伴侶になってくれないか?」
ゆう「そ、そうですね//」
大臣「な、何ということだ! 大至急、婚礼の儀の準備をしなくては!!」アセアセ
女神『勇者さま! さあ、早く誓いのキスを!!』
ゆう「で、でもまだ心の準備が――」
大臣「村娘さま、善は急げと言うではありませんか」
ゆう「はうぅ//」
警備兵「魔王様っ。酒場のマスターが謁見を求めていますが、いかがいたしましょうか」
賢者「間の悪いやつだな。通してやるが良い」
警備兵「かしこまりました!」
49:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 01:49:27 :q98/AMcU
マスター「ま、魔王さまっ! もう終わったようですね!」
賢者「ああ、計画通り討ち滅ぼすことが出来た」
マスター「おおっ、やりましたな!」
ゆう「あの……。賢者さんとマスターさんは、どういう関係なんですか?」
賢者「酒場のマスターは仮の姿で、実は我が国の側近なのだ」
ゆう「ええぇぇっ、そうだったんですか?!」
賢者「俺たちはこの国に潜入し、酒場で機会を窺っていたのだ。そんな中、女神の神託があったことを知り、勇者を利用して国王を暗殺する計画を立てたのだ」
ゆう「ということは、マスターさんが賢者さんを紹介してくれたのは偶然じゃなかったんですか?!」
賢者「そうなるな」
女神『わたくしが言ったではありませんか。最高のパートナーとなる人が、勇者さまのことを待っていると――』
ゆう「うわあぁん。何だか知らないけど、みんなに騙されたぁっ……」グスン
マスター「ま、魔王さまっ! もう終わったようですね!」
賢者「ああ、計画通り討ち滅ぼすことが出来た」
マスター「おおっ、やりましたな!」
ゆう「あの……。賢者さんとマスターさんは、どういう関係なんですか?」
賢者「酒場のマスターは仮の姿で、実は我が国の側近なのだ」
ゆう「ええぇぇっ、そうだったんですか?!」
賢者「俺たちはこの国に潜入し、酒場で機会を窺っていたのだ。そんな中、女神の神託があったことを知り、勇者を利用して国王を暗殺する計画を立てたのだ」
ゆう「ということは、マスターさんが賢者さんを紹介してくれたのは偶然じゃなかったんですか?!」
賢者「そうなるな」
女神『わたくしが言ったではありませんか。最高のパートナーとなる人が、勇者さまのことを待っていると――』
ゆう「うわあぁん。何だか知らないけど、みんなに騙されたぁっ……」グスン
50:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 01:50:39 :q98/AMcU
賢者「だ、騙したのではない! 俺たちが逢うのは運命だったのだ!」
女神『そ、そうですよ! 運命の出逢いだなんて、素敵な響きではないですか♪』
ゆう「運命の出逢い?」
賢者「そういうことだ! だから、一緒に平和な世界を築いていこう」
マスター「魔王さま! それはどういう意味ですか?!」
賢者「俺は勇者の仲間になる契約して、その目的を達成させてしまった。ゆえに、世界征服は止めとする!」
マスター「それでは我々が潜入した意味がないではないですか!」
賢者「だ、騙したのではない! 俺たちが逢うのは運命だったのだ!」
女神『そ、そうですよ! 運命の出逢いだなんて、素敵な響きではないですか♪』
ゆう「運命の出逢い?」
賢者「そういうことだ! だから、一緒に平和な世界を築いていこう」
マスター「魔王さま! それはどういう意味ですか?!」
賢者「俺は勇者の仲間になる契約して、その目的を達成させてしまった。ゆえに、世界征服は止めとする!」
マスター「それでは我々が潜入した意味がないではないですか!」
51:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 01:52:45 :q98/AMcU
賢者「では、こうするとどうであろう。側近、お前がこの国の新しい王となれ。そして、我々の国と和平を結ぶのだ」
マスター「な、なんと! 私がこの国の王にですか?!」
賢者「そうだ。我々の国とこの国は、世界征服の足がかりとなる重要な拠点だ。それを逆に捉え、世界平和を実現する重要な拠点としていこうではないか」
女神『勇者さま、マスターさんをその気にさせちゃいましょう!』
ゆう「わ、私も賢者さんの意見に賛成です。世界が平和になるなら、マスターさんがこの国の王様になるべきです。それで丸く収まります!」
賢者「俺の片腕ならば、国をまとめ民を導いていけるだろう。洗脳魔法の効力も継続しているし、お前を快く受け入れるはずだ。不満はあるまい」
国王「りょ、了解しました!」
大臣「この方が新しい王様ですね。それでは取り急ぎ、戴冠式の準備を行います!」
国王「お……おう。大臣、任せたぞ」
賢者「では、こうするとどうであろう。側近、お前がこの国の新しい王となれ。そして、我々の国と和平を結ぶのだ」
マスター「な、なんと! 私がこの国の王にですか?!」
賢者「そうだ。我々の国とこの国は、世界征服の足がかりとなる重要な拠点だ。それを逆に捉え、世界平和を実現する重要な拠点としていこうではないか」
女神『勇者さま、マスターさんをその気にさせちゃいましょう!』
ゆう「わ、私も賢者さんの意見に賛成です。世界が平和になるなら、マスターさんがこの国の王様になるべきです。それで丸く収まります!」
賢者「俺の片腕ならば、国をまとめ民を導いていけるだろう。洗脳魔法の効力も継続しているし、お前を快く受け入れるはずだ。不満はあるまい」
国王「りょ、了解しました!」
大臣「この方が新しい王様ですね。それでは取り急ぎ、戴冠式の準備を行います!」
国王「お……おう。大臣、任せたぞ」
52:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 01:57:21 :q98/AMcU
賢者「それじゃあ、勇者よ。二人で俺の国に向かおうか」
ゆう「ええっ、どうしてそうなるんですか?!」
賢者「どうしてって、俺の伴侶になったではないか」
ゆう「そ、そうでした! でも賢者さんって、若くして魔王というか王様なんですよねえ」
賢者「だからこそ、お前に伴侶になってほしいのだ。俺の国とこの国は、世界平和の重要な拠点となる。そのときには、人々の象徴である勇者の力が必要になるはずだ」
ゆう「私はただの村娘ですよ……」
賢者「そんなものは関係ない。世界を平和にして、絶対にお前を幸せにしてやるよ。だから、俺について来い!」
女神『勇者さま、あなたのおかげで世界は救われました。彼と幸せになってください!!』
ゆう「……分かりました。賢者さん、よろしくお願いします//」
国王「皆のもの、祝言じゃあ! 酒場の酒を全部持って来いっ!!」
兵士「うおぉぉっ!!」
賢者「それじゃあ、勇者よ。二人で俺の国に向かおうか」
ゆう「ええっ、どうしてそうなるんですか?!」
賢者「どうしてって、俺の伴侶になったではないか」
ゆう「そ、そうでした! でも賢者さんって、若くして魔王というか王様なんですよねえ」
賢者「だからこそ、お前に伴侶になってほしいのだ。俺の国とこの国は、世界平和の重要な拠点となる。そのときには、人々の象徴である勇者の力が必要になるはずだ」
ゆう「私はただの村娘ですよ……」
賢者「そんなものは関係ない。世界を平和にして、絶対にお前を幸せにしてやるよ。だから、俺について来い!」
女神『勇者さま、あなたのおかげで世界は救われました。彼と幸せになってください!!』
ゆう「……分かりました。賢者さん、よろしくお願いします//」
国王「皆のもの、祝言じゃあ! 酒場の酒を全部持って来いっ!!」
兵士「うおぉぉっ!!」
53:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 02:01:53 :q98/AMcU
~エピローグ~
ゆう「何だか、故郷を離れるのは緊張しますね」
魔王「旅は初めてなのか?」
ゆう「は、はい。ずっと村に住んでいたので……」
魔王「そうか。しかしこれからは、勇者であり后として各国を回ることになる。きっと、色んな発見があるはずだ」
ゆう「そうですよね。魔王と一緒だと思うと、すごく楽しみです//」
魔王「俺たちの未来は、女神さまが祝福してくれているんだ。一緒に平和な世界を築いていこうな」
ゆう「はいっ、もちろんです! でも何か、大切なことを忘れている気がするんですよね……」
魔王「誓いのキスのことか?」
ちゅっ
ゆう「えへへ、そうかも。魔王、大好きだよ//」
~エピローグ~
ゆう「何だか、故郷を離れるのは緊張しますね」
魔王「旅は初めてなのか?」
ゆう「は、はい。ずっと村に住んでいたので……」
魔王「そうか。しかしこれからは、勇者であり后として各国を回ることになる。きっと、色んな発見があるはずだ」
ゆう「そうですよね。魔王と一緒だと思うと、すごく楽しみです//」
魔王「俺たちの未来は、女神さまが祝福してくれているんだ。一緒に平和な世界を築いていこうな」
ゆう「はいっ、もちろんです! でも何か、大切なことを忘れている気がするんですよね……」
魔王「誓いのキスのことか?」
ちゅっ
ゆう「えへへ、そうかも。魔王、大好きだよ//」
54:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 02:02:36 :q98/AMcU
女勇者「私はただの村娘ですよ……」
―完―
女勇者「私はただの村娘ですよ……」
―完―
55:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 02:09:15 :q98/AMcU
これで完結です。
ありがとうございました。
ちなみに女神は、ゆうの心に直接話しかけています。
だから、他の人には聞こえていません。
これで完結です。
ありがとうございました。
ちなみに女神は、ゆうの心に直接話しかけています。
だから、他の人には聞こえていません。
56:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 02:16:04 :C4Crg37E
おつかれさまでした。
ゆうしゃかわいい!
ゆうしゃかわいい!
57:以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/15(土) 05:14:40 :nAYbsqf6
おつ
かわいいは正義
かわいいは正義
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