桐生「それにしても客がこないな・・・どうしたもんかリニューアルしたというのに」

真島「この店には圧倒的に足りないものがあるで！」

桐生「それは何ですか？」

真島「恐怖感が足りんのや！」

桐生「え・・・？」

真島「焼肉ってのは弱肉強食や　客と客で肉を奪いあう斬新なシステムがあればええんや」

大吾「この神室町でそんなシステムは危険です！カタギが何人死ぬかわかりませんよ！」

真島「だから面白いんやろ！ええやろ！桐生ちゃん？！」

桐生「まぁ目新しさがないと客はわざわざこないからなぁ 一度その案を使ってみよう」

次の日 開店一時間前

遥「凄いよ！おじさん！SNSで一気に拡散されて１００人近い人が外で待ってるよ！」

桐生「肉が用意出来るかわからないな・・・」

冴島「安心せぇ！足りなくなったら俺が狩りに行ってくるで！」

真島「まぁワシの言うとおりにしておけば間違いないんや！」

そして遂に店が開店する

桐生「いらっしゃいませ！」

ちなみに店のシステムを紹介すると・・・

入場料1500円で自動的に相席になって肉２キロを奪い合うというシステムである

厳つい客「おい兄ちゃん！何人の肉とってんねん！」バシン

オタク客「ひぃー！す、すいません！」

桐生「おいカタギの客を殴るとは随分迷惑な客だな出ていけ！」

厳つい客「あ？客を追い出そうってのか！舐めとるんか！」

一方他のテーブルでは

真島「お前は礼儀ってもんを知らんのか！ボケ！」

真島が客のテーブルに乱入して恐怖で相席を制圧して肉を食べまくっていた

客「も、もう帰ります！」

遥「いらっしゃいませ！どうぞごゆっくり！」

オタク客「か、かわいい！」

伊達「おいおい 面倒事はよしてくれよ！」

桐生「伊達さん！どうして？！」

伊達「桐生じゃねぇか！どうしてじゃねぇよ！」

実は神室署にリニューアルオープンした焼肉屋に様々な通報が入っていた

「客同士の喧嘩が多発」
「店員が客を脅しかける」
「女性従業員にセクハラした客が意識不明の重体」
など・・・

冴島「おぅ！桐生繁盛しとるな！近江の鉄砲玉の肉もあるで！採れたやで！」

近江構成員「か、勘弁してください！」

伊達「全く！この店はどうなってんだ！」

大吾「もう！皆さんいい加減にしてください！伊達さんが担当だから良かったものの！次はありませんよ！」

桐生「すまん！」

冴島「大吾ちゃん！堪忍や！」

冴島「真島の策は結局は失敗やな！ここで俺にええ案があるんや！」

桐生「なんだその案は？」

冴島「それは人生相談焼肉所や！」

大吾「そ、それは一体！」

冴島の考えたシステム

客が入店する
　↓
従業員に１対１で人生相談をする
　↓
メニューは自由に注文出来る+従業員が頼んだものの料金も支払う

次の日・・・

桐生「いらっしゃいませ！」

客「あのすいません・・・ぼく人生相談をしたいのですが・・・」

冴島「よし初めての客やな　俺にまかしとけや」

冴島「で？お前の悩みはなんや」

客「その・・す、好きな人に好きになってもらえないんです！」

冴島「しょーもな 人生相談所をなんやと思ってるんや」

客「え、」

冴島「お前は何か努力したんか？告白して断られたらそれで嫌いって決めつけて終わりか？」

客「そ、それは！」

冴島「図星やな 努力せん奴ほど、思い込みが激しいんや それは何でかわかるか？」

客「な、何でですか？！」

冴島「簡単や 行動せんで暇だから あれこれ考えるんや」

客「なるほど！」

冴島「行動に移せばええんや あと１０回告白しても同じ事を思うんならまた来いや」

客「わかりました！ありがとうございました！」

桐生「流石冴島だ！」

大吾「冴島さんらしいですね！これはいい案ですね！」

真島「ほぉーんそれで？ホルモン２人前追加や！」

客「あ、あの！さっきから食べてばかりで私の話聞いてますか？！」

真島「聞いとる 聞いとる 生追加や！」

客「もういい加減にしてください！」

真島「聞いとるって言っとるやろうが！会社が倒産して妻子に逃げられたんやろ！」

客「そうですよ！じゃあ何か言ってくださいよ！」

真島「あームカつく！それが人に話を聞いてもらう態度か！」

客「そっちこそそれが接客の態度ですか！」

真島「あー面倒や！ワシがその妻子拉致ってここに連れて来たるわ！」

それから３時間後・・・

伊達「どういう事なんだよ！」

桐生「どうした？今忙しいんだが！」

伊達「焼肉屋の店員がいきなりヘリコプターから侵入してきて娘と私を拉致しましたって！通報があったんだよ！」

真島「それが何の問題なんや？ここでグダグダ話聞いとるより確実やろ 結局は当人たちの問題やろ」

大吾「確かに正論だ・・・」

伊達「とにかく！人生相談焼肉所は営業停止だ！」

桐生「ちょっと待ってくれよ！」

その日の夜

大吾「もういい加減にしてくださいよ！」

真島「大吾ちゃんは文句ばかり言っとるがいい加減に自分の案を出したらどうなんや？あぁ？」

桐生「そうだ傍観者の癖に文句ばかり言うのは不条理だ」

冴島「大吾ちゃん頼むで！」

次の日

遥「え？私が焼肉屋さんでライブを！」

大吾「これなら一気に集客率を望めると思うんですよ　桐生さん！」

桐生「まぁ元アイドルだし間違いないな！これに賭けてみるか！」

それから１週間後 焼肉「東城」はアイドルと会える焼肉屋として一躍人気になり
今や神室町で一番の売上を誇り挙げ句の果て秋葉原にも二号店を進出する事になった

遥「みんな！今日は来てくれてありがとうね！」

END