男「え……？」

空き巣「か、帰りたくは……ないです……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男「あ、もしかして家出してきたの？」

空き巣「……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男(よほどいかれた親御さんなんだろうか……まあこんな娘がいたら心配だけど)

空き巣「……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男「家、どこなの？　ここから遠いの？」

空き巣「あ、あぁあ……でで電車で30分くらい……」

男「電車で30分か……もう終電でちまったし、女の子を夜の街に放り出すのも心配だしなぁ……」

空き巣「……///」ﾃﾚ

男「しゃあねえ、ホテル探すぞ！」

空き巣「ほほほほホテル！！！！？？」

男「ここ都会だしなあ、この時間でも入れる(ビジネス)ホテルがあるはずだ」

空き巣「むしろこのじかんだからその……(ラブ)ほ、ホテルに入るべきなのでは……」

男「だよなあ、金あるか？」

空き巣「無一文です……」

男「えー？　大事なことなんだからしっかりしてくれよ」

空き巣「……そ、そうですよね///」

男「しゃあねえ、ホテル代出してやるから大事なものは持ってきなよ」

空き巣「大事なもの……///そそそれは通常ほほほほホテルにはじじっ、常備されており……」

男(何言ってんだ……あんまりかかわらないようにしよう……)ｹﾞｯｿﾘ

受付

男「あー……ビジネスホテル閉まってんなあ」

空き巣「び、ビジネス……？」

男「この辺だとラブホテルしかないけどいいよな？　金は払うから」

空き巣「は、はい……///」


男「あ、すいません。1名なんですけど」

受付「お一人様……ですか？」

空き巣「∑(ﾟДﾟ)」

男「あぁはい、この女の子です」

受付「申し訳ございませんが、2人用ねのベッドしかございません」

男「あ、それでも大丈夫です。いいよなー―」ﾊﾞｷｯ

受付「お、お客様？」

空き巣「あ、ああああぁ……2名でよろしくお願いします……ふふ、ふへへへ……」

受付「か、かしこまりました」

男「あ、あがが……」

空き巣「今のご時世……空き巣も撃退グッズを持っているものなのよ……」

男「」

空き巣「すっかり伸びちゃって……かわいい」

空き巣「ふ、服を脱がすのって大変ね」ｱｾｱｾ

空き巣「こ、これが男くんの裸……///」ｿﾞｸｿﾞｸ

空き巣「私も脱いで裸になれば……」

空き巣「……」

空き巣「……何やってんだろ、あたし……」

空き巣「何か盗も……」ｶﾞｻｺﾞｿ

空き巣「！……こ、これって……」

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

男「あ？　ここはどこだ？」

男「……なんで俺裸なんだ……ま、まさか俺あの子と！？」ｶﾞﾊﾞｯ

男「あの子がいない……なにがどうなってんだ」

ﾋﾟﾛﾘﾝ♪

男「あ、はいもしもし」

女「男~？　今どこ？　もうついたんだけど」

男「……え？」

女「まさか、デートの約束忘れたんじゃないでしょうね」

男「そ、そうだった！　すぐいくよ」

男「あ、あれ……手帳がない……」

男「あの女……！　許さねえ！」


空き巣「VIPランドでデート……VIPランドでデート……VIPランドでデート……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

「ﾅﾆｱﾚｰ　ｷﾓｯ」

「ﾔﾙｵﾀﾞｲｶﾞｸﾉｱｷｽｼﾞｬﾈ」

「ｱｰｱﾉﾓﾝﾀﾞｲｵｺｼﾀ？　ｱﾚｶﾞﾈ……」

女「な、何あの人……ものすごい勢いでこっちに向かってくる……」

空き巣「VIPランドでデートVIPランドでデート」ｽﾀｽﾀ

空き巣「」ｷｯ

女「は、はい…？」

空き巣「ふ、ふふ、ふふふ……ああああの、男くんのことなんですけど」

女「ああ、あなた男の友達？」

空き巣「……ふふ、いえ、かかかか、彼女です」

女「は？」

女「あの、ごめんなさい、聞き間違いがあったら悪いからもう一度聞くわ。なんて？」

空き巣「彼女といったんです」

女「男が浮気してたってこと？」

空き巣「いえあなたは彼女ではないので浮気にはなりません」

女「はぁ？　だいたいあんた誰なの？いきなり出てきて」

空き巣「わた……わたしは……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

女「あ、私あなたのこと知ってるわ？　最近新聞に載った空き巣さんだよね？　あなたの開発したドアが空き巣に狙われたっていう」

女「ああ、そういうこと。今度は男を使ってチヤホヤされたいわけね」

空き巣「ち、違う……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

女「じゃあ何よ？」

空き巣「わ、私はただ……」

――
おばあさん「あらー、うちのドア立て付けが悪いのかしら……」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

男「僕が直してあげるよ！」

おじいさん「はっはっは、坊やには無理だよ、わしに任せなさい」


女「ねぇ、聞いてるの？」

空き巣「わ、わたしは……」

――
おばあさん「あなた、ドアノブも直したのはいいけど固くしめすぎですよ」

おじいさん「すまんのう、婆さんの力では開けられんかもしれん」

男「一回全部外そうよ！」

――
空き巣「わ、わたしは……」

――失敗――

――期待――

――「これからの福祉を担う重要な――」――

――被害が増えた？――なんてことを！

空き巣「わたしは…わたしは……」ｶﾞｸｶﾞｸ

――
幼女「あたし、調節しようか」

おじいさん「おや、おじょうさんがかい？」

幼女「あたし、こういうの得意だから……少ない力で開けられるようにするね」ｶﾁｬｶﾁｬ

男「……」

幼女「できた……」

おばあさん「……」ｷﾞｲ

おばあさん「あらまあ、ありがとうおじょうちゃん！　こんなにすぐに修理してもらえるなんて！　おかげで助かったわ」

幼女「いえ……」

男「きみ、すごいね！なんて名前？」

幼女「あ、……」

男「俺は男！　よろしくな！」ﾆｶｯ

男「君の力があれば、おばあさんやおじいさんをたくさん助けられる！」

幼女「そ、そうかな///」

男「僕、応援してるよ！」

幼女「……///」

応援してるよ！
応援してるよ！
応援してるよ！
応援してるよ……――


男「見つけたぞこのクソ女！」ｾﾞｴｾﾞｴ

女「ちょっと男？　この女がアンタの彼女だって言ってんだけど」

男「はあ？　んなわけ無いだろ、勝手に押しかけてきて何言ってんだ」

女「押しかけてきた？」

男「あ、ああいや違うその……」

女「あんたもなんとか言ったらどうなのよ！」

空き巣「……」

女「もうしんじらんない！　男！　悪いけどもう付き合いきれない。別れよ」

男「え、おいちょっと待てよ何が一体どうなって」

女「フン！」

空き巣「ぁ……」

ドン！

爺さん「あぁすいません……」ﾖﾛ

女「邪魔なんだよクソジジイ！」ｹﾞｼｯ

空き巣「！」

男「！」

男「……とにかく」

男「お前のせいで彼女に振られたんだけど」

男「どうしてくれんの？」

空き巣「……」ｸﾞｽｯ

男「お、おい？」

空き巣「ご、ごめんなさい……わ、私こんなつもりじゃ……う、うぐ、ﾋｯｸ……」

男「あれ、お前どっかであった？」

空き巣「！」

男「……どっかで見覚えあんだよなあこの泣き顔」

男「！」

――
男「転校？」

幼女「うん……」

男「そっかあ、寂しくなるなあ」

幼女「うん……ﾋｯｸ……ｸﾞｽｯ」

男「なくなよ……あ、あのさぁ、」

幼女「う、うえ……」

男「僕、君のことが……」

幼女「う、うわあああああん！」

男「！」

空き巣「うわあああああん！」ｽﾞﾋﾞｰ

男「ああわかった分かった！　お前、あの時の幼女か！　性格変わってないのに全然きづかなかった」

空き巣「う、うう……」

男「そっか、だからオレの家知ってたのか」

空き巣「ごめんなさい……あたしただ、男くんに昔みたいに褒めて欲しくて……私のせいで空き巣が増えたの、新しいバリアフリー計画の一貫だったはずなのに」

男「そうなのか？　俺新聞読まねーから知らなかった」

空き巣「問題発生以降あたしは孤立した――悔しくて空き巣のことを調べていたら私が空き巣になっていたの。ミイラ取りがミイラになったのね」

男「……」

空き巣「ここまでするつもりじゃなかった、だけど私、また男くんに褒めて欲しくて……」

男「……お前のやったことをすぐに許す気にはなれない。けど」

男「俺もお前のことクソ女って言っちゃったし……」

男「それは、ごめん」

空き巣「いいの、あたし、消えます」ｸﾙｯ

男「待って！」

男「その……さ……」

空き巣「……」

男「今度はチャイム鳴らしてきてくれよ……出迎えるから」

空き巣「……」ﾊﾟｱｧ

幼馴染「うん！」

男「お前、そんな顔するんだな」

幼馴染「えへへ、男くん、大好き」ﾁｭｯ


　　　　　　　　　　　　　　　　完

空き巣のメンヘラ具合を考えるとシリアスになりそして幼馴染ものになってしまった

後悔はしていない　期待に添えなくてごめんね

学校行く時間に間にあってよかったです 見てくれた方ありがとうございました