Ｐ「迷惑はかけませんから」ﾇｷﾞ

ちひろ「これ以上の迷惑なんてありませんよ」

Ｐ「いいじゃないですか、１月ですよ」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

ちひろ「ホントやめてください」

Ｐ「脱ぎました」ｽｯﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

ちひろ「ねえなんで！？」

ちひろ「すいませんホントこれまでのドリンク代全部お返ししますから」

Ｐ「はっはっは、脱いだだけじゃないですか」ﾌﾞｰﾗﾌﾞｰﾗ

ちひろ「腰を振るな！！」

Ｐ「よくご覧くださいよ」

ちひろ「絶対イヤですよ！」

Ｐ「誰にどの角度から見られても絶対に股間に障害物が来るようになってるんです」

ちひろ「そんな少年マンガのサービスシーンみたいな！！」

Ｐ「今朝茄子にキスされたので絶対的な幸運に守られているんです」

ちひろ「何言ってんの！？」

Ｐ「加護ですよ。カコだけに」

ちひろ「やかましいわ！」

ちひろ「スキャンダルやらかしてるじゃないですか！」

Ｐ「よくある話」

ちひろ「ねえよ！」

Ｐ「大体、急に脱ぐなんてこの事務所じゃよくあることじゃないですか。よくいるよくいる」

ちひろ「二名しかいねえよ！！」

ちひろ「早く服着てくださいよ！　人が来る前に！！」

Ｐ「そういえば今二人きりですね」

ちひろ「やめろ！！」


ｶﾞﾁｬ


日菜子「おはようございｍ――」

ちひろ「ああーっ！！」

日菜子「むふ？」

Ｐ「よう」

日菜子「」

日菜子「…………」ﾓﾝﾓﾝ


日菜子(あれ？　なんでＰさんが全裸で？)

日菜子(ひょっとして日菜子の妄想？)

日菜子(でも日菜子は今普通にドアを開けた筈だし今日はまだ妄想していないし……)

日菜子(ひょっとして事務所に行こうとしていたところから既に妄想……？)

日菜子(あれ、だとしたら今の日菜子は妄想であってここにはいなくて)

日菜子(じゃあ日菜子って何……？)


日菜子「ぷしゅう……」ｸﾗｯ

ちひろ「日菜子ちゃん！！？」

日菜子「うーん……」

ちひろ「ひどくうなされてる……」

Ｐ「何があったんだ？」

ちひろ「あんたのせいでしょうが！！」

Ｐ「何だって！？」

Ｐ「俺が何したって言うんですか！！」

ちひろ「服を脱いでるでしょうが！！」

日菜子「――はっ！　日菜子はどこ……？」

ちひろ「落ち着いて日菜子ちゃん！」

日菜子「ち、ちひろさん……。日菜子はとっても怖い妄想をしてしまったみたいで……」

ちひろ「妄想じゃないの……」

日菜子「……？」

Ｐ「やあ」

ちひろ「黙ってろ！！」

日菜子「……Ｐさんはどうしちゃったんですかぁ？」

ちひろ「急に脱ぎだして……」

日菜子「Ｐさんを休ませてあげてください……」

ちひろ「私だってそうしたいですよ……」

ちひろ「とにかく、日菜子ちゃんは仕事の準備して早く出て行った方が……」

日菜子「え、その……」

日菜子「…………」ﾁﾗ

Ｐ「気にしなくていいぞ」

日菜子「…………」ｼﾞｰ

日菜子「……むふ♪」

ちひろ「今何考えた！？」


ｶﾞﾁｬ

ほたる「…………」


Ｐ「…………」

ちひろ「…………」

ほたる「…………」




ほたる「……ごめんなさい」ｼﾞﾜ

ちひろ「待って！　落ち着いて！」

ほたる「ごめんなさい……きっと私がまた」

ちひろ「何が！？」

ほたる「ごめんなさい……Ｐさんの服がなくなってるように見えるのも私のせい……」

ちひろ「落ち着いて！　服ならここにあるから！」

Ｐ「俺が勝手に脱いだ」

ほたる「え……？」

Ｐ「脱ぎたくなったんだ」

ほたる「…………」



ほたる「ごめんなさい……私のせいでＰさんの頭が……」

ちひろ「違うの！　違うの！！」

ちひろ「頭は確かにおかしくなってるけど！！」

Ｐ「心外な」

ちひろ「いいから早く着ろ！！」

Ｐ「ほたる、俺のことなら心配しなくていいぞ。俺はただ脱いだだけじゃないか」

ちひろ「ただって何！？」

ほたる「そ、そうですね……」ﾎｯ

ちひろ「流されるないで！！」

ちひろ「さあ！　ほたるちゃんも早いところ準備済ましてここから移動して！」

ほたる「Ｐさんは一体どうしたんですか……？」

ちひろ「後でぶん殴っとくから！」

ほたる「あ、あの……あまり痛くしないで」

Ｐ「殴られるのはいいのか」


ｶﾞﾁｬｯ


雪美「ちひろ……？　大声……どうしたの……？」

ちひろ「アウトォ――ッ！！」ﾎﾞｺﾞｽ

Ｐ「ﾍｺﾞﾁﾝ!!」

雪美「アウト……？」

ちひろ「ああいえいえ！　なんでもない！　なんでもないの！！」

Ｐ「」ｸﾞﾀｧ

雪美「今……Ｐの足が……」

ちひろ「足だけで分かるの！？」

雪美「繋がってるから……」

ちひろ「ああ来ないで！　こっち来ないで！」

雪美「Ｐ……？」

ちひろ「ダメ――っ！！」

Ｐ「ｳｰﾑ……」

雪美「…………」

ちひろ「」

Ｐ「…………」

雪美「…………」

雪美「…………ぽっ」

ちひろ「何で！？」

Ｐ「あれ……俺は……」

ちひろ「げ、起きた」

雪美「Ｐ……？」

Ｐ「お、おお……雪美……」

ちひろ「近付くな！！」

Ｐ「どうしたんですかちひろ……さ……ん……？」

Ｐ「あれ！？　なんで俺全裸！！？」

ちひろ「しょ、正気に戻った！？」

Ｐ「ち、ちひろさん！」

ちひろ「服ならここに！」

Ｐ「…………え」

ちひろ「え？」

Ｐ「いやああああああケダモノおおおおおおお！！！」

ちひろ「なんで！！？」


ｶﾞﾁｬ


まゆ「何事ですか……！？」

ちひろ「げ」

ちひろ「違うのまゆちゃん！　これは違うのまゆちゃん！！」

まゆ「…………」ﾕﾗｧ

ちひろ「ほ、本当に違うの！！」

Ｐ「ま、まゆ！　俺はどうしたらいい！？」

まゆ「…………」


ｶﾞｼｯ


まゆ「据え膳、お持ち帰りしますね♪」

Ｐ「え」

ちひろ「え」

まゆ「…………ね？」

ちひろ「ｱｯﾊｲ､ﾄﾞｳｿﾞ」

まゆ「♪」


ｽﾞﾙｽﾞﾙ･･･

ｳﾜｱｱｱｱｱｱｱ･･･

ちひろ「…………」




結局彼が何故全裸になったのかは今でも判明していない
ひどく疲れていたのだろう。そう考える他に無かった
そして、この日を境に私は彼に厳しく接するのをやめた
今日もこの事務所はアイドル達の楽しそうな声で溢れている
この美しい日々を守らなければならない。二度とこんな悲劇が起こらぬよう――


完

おしまい

ひどくストレスが溜まっていたのです