・事務所


P「あのさ飛鳥」

飛鳥「なんだい」

P「唐突すぎるよね」

飛鳥「何が？」

P「全てが」

飛鳥「フフ…随分とおかしな事を言うんだねキミは」

P「何もおかしくないって。急に事務所から呼び出しがきたと思ったらそこにいた担当アイドルに『じゃあボクがキミに音楽を紹介していくとするよ』とか言われちゃってさ。『じゃあ』ってなんだよ『じゃあ』って」

飛鳥「…そんなに嫌かい…？」

P「……嫌では、ないけどさ」

飛鳥「じゃあ流すよ(ダブルミーニング)」

P「………」

飛鳥「まず始めはこれ、かな」ﾎﾟﾁｯ


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P「おぉ…」

飛鳥「どうだい？」

P「……クラブでかかってそうだな」

飛鳥「David GuettaとShowtekは世界的に有名なDJだからね。クラブではもちろん、他の場面で聴くことも多いんじゃないかな」

P「へぇ……」

飛鳥「……何だいその目は」

P「英語の発音いいなお前」

飛鳥「……うるさい」

飛鳥「次はこれだね」ﾎﾟﾁｯ


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P「……急に雰囲気変わったなー……」

飛鳥「これはDaniel Johnston。あのNirvanaのKurt Cobainが影響を受けた人物とも知られているね」

飛鳥「そういえば、映画『Frank』のモチーフにもなっていたかな」

P「なんかCMで見たことあるぞその映画。つい最近じゃなかったっけ」

飛鳥「…今年……去年…かな」

P「おぼろげだな……」

飛鳥「……ごめんなさい」

飛鳥「じゃあ次は…」ﾎﾟﾁｯ


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P「また雰囲気が…」

飛鳥「DubmoodのToffelskater、2007年のRemixバージョン…らしい」

P「何かあれだな、より一層アクティブなマリオって感じがするな」

飛鳥「これはChiptuneというんだ。8bitのピコピコ音が特徴的だね」

P「ところどころに点在する英単語がジワジワくるんだけど」

飛鳥「うるさいな…！」

飛鳥「えっと次は…」ﾎﾟﾁｯ


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P「おぉ、楽しそう」

飛鳥「……単純だねキミは」

P「いいじゃん単純で。直感的に感じとれるのは良いことなんだぞ」

飛鳥「まあそうだね。ちなみにこれはアイリッシュ音楽の一つ。演奏陣は…すまない、よくわからないんだ」

P「一般人かな？」

飛鳥「そうかもしれないね。気になる人は調べてみてほしい」

飛鳥「次は…これかな」ﾎﾟﾁｯ


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P「なんだこれ」

飛鳥「Edgar VareseのPoeme Electroniqueさ。いわゆる電子音楽、現代音楽というやつだね」

P「いや1mmも分かんない」

飛鳥「こういう音楽は、それでいいと思うよ。ボクは好きだけどね」

P「……はい」

飛鳥「……これ、かな」ﾎﾟﾁｯ


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P「初の日本人か」

飛鳥「そうだね。これはだててんりゅう。ベースの楢崎裕史は、頭脳警察や裸のラリーズにも在籍していたことで有名だね」

P「うおぉ…全然わからん…！」

飛鳥「キミの世代だろう？」

P「それすらわからん…！！」

飛鳥 (ツッコんでよ…)

飛鳥「じゃあ次」ﾎﾟﾁｯ


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P「クラシックだ」

飛鳥「よく分かったね」

P「今俺を馬鹿にしたな？」

飛鳥「Georges BizetのL'Arlesienneから、Farandoleだね」

P「馬鹿にしたろ？」

飛鳥「有名なこのメロディ、実は古いフランス民謡に基づくものなんだよ」

P「馬鹿にしたんだな？」

飛鳥「…うん」ﾎﾟﾁｯ


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P「テンション上がってきた」ｶﾞﾀｯ

飛鳥「これはNicky Romero。SEKAI NO OWARIのDragon Nightをプロデュースしたのも、記憶に新しいと思うよ」

P「プロデューサーがDJだから、曲調もああいう感じだったのか。なんか納得」

飛鳥「確かにね」

飛鳥「こういうのはどうかな」ﾎﾟﾁｯ


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P「原材料、コーヒー。以上。」

飛鳥「……ああ、かかってたね」

P「俺こういうの好きかも」

飛鳥「Deep PurpleのIn Rockより、Black Night。ジャケットはまあ……ね？」

P「……俺はかっこいいと思う」

飛鳥「じゃあこれも」ﾎﾟﾁｯ


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P「ゆら帝じゃん」

飛鳥「知ってるんだね」

P「高校生ぐらいだったからな。まさに青春だったよ」

飛鳥「へえ」

P「興味ない？」

飛鳥「キミの制服姿を想像してたんだ」

P「らめぇ！！」

飛鳥「次はー…」ﾎﾟﾁｯ


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P「クールだなー」

飛鳥「The Whitest Boy Aliveの1517。確かにクールで、少しジャジーだね」

P「こういうの、お洒落な喫茶店でかけてほしいなあ」

飛鳥「コーヒーが美味しいだろうね」

P「今度2人でいこっか」

飛鳥「えっ…う、うん……///」

P「？」

飛鳥「じ、じゃあ、次は」ﾎﾟﾁｯ


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P「おお…これまたお洒落な…」

飛鳥「Sonny RollinsのWay Out Westより、Wagon Wheelsだよ。お察しの通り、ジャズさ」

P「心にしみるわぁ…」

飛鳥「……コーヒー、淹れてこようか？」

P「ああ、頼む」

飛鳥「……♪」

飛鳥「はい、淹れてきたよ」ｶﾁｬﾝ

P「サンキュー」

飛鳥「どういたしまして」

P「………」ｽﾞｽﾞｰ

飛鳥「……」ｽﾞｽﾞｰ



P「…美味いな……」

飛鳥「……♪♪」

飛鳥「コーヒーもいいけど、音楽もね」ﾎﾟﾁｯ


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P「イチローだ！」

飛鳥「ん…？」

P「あれ？知らないの？昔CMでやってたじゃん」

飛鳥「知らないな……」

P「これが世代の壁か…」

飛鳥「次は」ﾎﾟﾁｯ


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P「CMソング続きだな」

飛鳥「そのCMはボクも知ってるよ」

P「なんて曲なのこれ」

飛鳥「Michael LegrandのDi Gue Ding Dingだよ」

P「曲名だけもう一回言って」

飛鳥「Di Gue Ding Ding」

P「ﾌﾞﾌｫｯw」

飛鳥「……」ｲﾗｯ

飛鳥「……えいっ」ﾎﾟﾁｯ


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P「ぎゃぁぁぁああ！！！！」

飛鳥「Iannis XenakisのMycenae Alpha。Edgar Varese同様、現代音楽の巨匠だね」

P「やめへぇ！！！大音量で流さにゃいでぇぇええ！！！！」

飛鳥「個人的にはRebonds Bなんかも…」

P「やらぁぁあああ！！！耳がぁ！！耳がおかしくなっちゃうのぉぉ！！！！」

飛鳥「…フフ……」

飛鳥「次はこれだね」ﾎﾟﾁｯ


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P「ああ…耳が痛い……」

飛鳥「Gershon KingsleyのPopcorn。世界一カバーが多い曲と言われているね」

P「へっ…？ああそうなの……」

飛鳥「……大丈夫かい？」

飛鳥「……じゃあ休憩も兼ねて」ﾎﾟﾁｯ


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P「おぉ…我が耳が…回復しておる…！」

飛鳥「これはMichael ManringのSelene。ベース1本だけでこの表現力、感服だね」

P「本当だ、1人で演奏してる…すげえ…」

飛鳥「もう治っただろう？」

P「バッチリです」

飛鳥「これはどうかな」ﾎﾟﾁｯ


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P「これ何族？」

飛鳥「民族じゃないよ…これはGinger Baker's Air Force。あのCreamのドラマー、Ginger Bakerが率いるバンドさ」

P「『あの』とか言われても全然ピンとこない」

飛鳥「……」

P「ごめん」

飛鳥「…じゃあ聞いてもらおう」ﾎﾟﾁｯ


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P「ブルース？」

飛鳥「正解」

P「なるほど、Creamはブルースなのか」

飛鳥「ブルース以外もやってるんだけどね。やっぱりそのイメージが強いのは間違いないよ」

飛鳥「こういうのもあるよ」ﾎﾟﾁｯ


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P「こいつモンチッチじゃね？」

飛鳥「これはExumaが1970年にリリースしたExumaというアルバムさ。Exuma 2も好きだけどね」

P「スルーなんだね」

飛鳥「……モンチッチって何」

P「こいつに似た猿」

飛鳥「……へえ……」

飛鳥「次は…」ﾎﾟﾁｯ


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P「急に音が洗練されたな」

飛鳥「ErastのLevel 7 Auto Save: TV Show。エレクトロニカという電子音楽だから、当然音も変わってくるのさ」

P「テクノとは違うの？」

飛鳥「……テクノの方が…こう…」

P「？」

飛鳥「…激しいんじゃないかな……」

P「曖昧だなぁ…」

飛鳥「ラストはこれ…でいいね」ﾎﾟﾁｯ


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P「おお、クール。てか渋い」

飛鳥「Ry CooderのI Think It's Gong To Work Out Fine。この人自体がかなりマニアックで、渋いからね」

P「夕方のチャイムでこれ流せばいいのに。哀愁漂って良いと思うんだけど」

飛鳥「それは違うと思う」

P「はい」

飛鳥「どうだった？」

P「うん、良かった。まあリフレッシュにもなったしな」

飛鳥「そう言ってくれると、ボクも嬉しいよ」

P「結婚しよっか」

飛鳥「……うん…///」


〜結婚エンド〜

おしまい

飛鳥に攻められまくる小梅が見たい

一瞬でも見てくれたらありがとう