カレン「あー、でもせっかくだから気分だけでもと」

カレン「旅行先で泊まったホテルでパパとポーカーしたことはあるデス！」

カレン「飴玉４つぐらい儲けたのを覚えてマース！」

陽子「賭けるもんしょべぇ！」

綾「いや派手なもの賭けてたらそれはそれでマズいわよ！」

忍「そうです！　私たちもラスベガス気分を味わうためにポーカーしましょう！」

アリス「何で！？」

忍「もちろんお金は賭けません！　ただし負けた人が罰ゲームを受けるという形で！」

陽子「あ、それはそれで面白そう」

綾「まあ……平和的……なのかしら？」

忍「罰ゲームの内容はどうしましょう？」

カレン「一発芸とかどうデース？」

アリス「それカレンがやりたいだけだよね……？」

陽子「一番役の強かった人が一番役の弱い人に何か一つ命令できるってのどう？」

綾「王様ゲームじゃないんだから……」

カレン「でもスリルがあって面白そうデース！」

忍「じゃあ罰ゲームはとりあえずその方向で行きましょう。カード配りますね」

アリス「え？　もう全員参加で始めることは決定なの！？」

忍「カードを配りながらポーカーのルールを一応説明しておきます」

忍「今回扱うのは日本で最も一般的なクローズド・ポーカーという形式で」

忍「裏向きで全員に配られた5枚の手札を自分だけが見えるようにして確認」

忍「その後一回だけ手札を任意の枚数チェンジできます」

忍「本当ならここで賭け金を上げたりなどの心理戦が入るのですが」

忍「負けたら罰ゲームというルールなのでとりあえずその部分はカットしますね」

忍「ドロップもしたところで特に意味が無いので無しにします」

陽子「まあ罰ゲームかかってるのに自ら勝負を降りるのもおかしいよな」

忍「さあ配り終えました。確認してチェンジを行いましょう！」

綾「……3枚チェンジ」

アリス「私も3枚……」

カレン「フフフ……私は2枚チェンジデース」

陽子「あー……私全部変えよう」

忍「じゃあ私はノーチェンジで」

陽子「！？」

結果

　綾　10のスリーカード

　アリス　4のワンペア

　カレン　2のスリーカード

　陽子　Kのワンペア

　忍　ストレート

陽子「うわぁマジで役揃ってやがった！」

忍「私も驚きました。まさか変える前から綺麗に揃っているなんて……」

カレン「いやまったく驚いた顔してなかったデース……」

綾「で……えーと……役的にはアリスが一番弱いのかしら？」

アリス「……だね」

忍「ということはアリスに何でも一つ命令できてしまうんですか！？」ｶﾞﾀｯ

陽子「立ち上がんな」

アリス「へ、変なこと命令するのはやめてよ！？」

忍「ど、どうしましょう……金髪を1本……いやそのくらいなら枕からいつでも採取……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

アリス「何か怖いこと言ってない！？」

忍「……キ、キープってアリですか？」ﾊｧﾊｧ

綾「まあ……罰ゲーム受ける本人と命令する本人がいいんなら……いいんじゃないかしら」

カレン「えー、アリスの一発芸見たいデース」

アリス「いや別に一発芸強要されるわけじゃないよ！？　たぶん！」

　2回戦

忍「フルハウス」

　3回戦

忍「フラッシュです」

　4回戦

忍「ストレートフラッシュです」

　5回戦

忍「フォーカード揃いました」

　6回戦

忍「見てくださいロイヤルストレートフラッシュですよ！」

　7回戦

忍「ジョーカーを含めてファイブカード完成しました！」



アリス「ワンペアしか来ない……・」

忍「これで15連勝です！」

アリス「これで15連敗……」

陽子「アリスの罰ゲームキープ量がどんどん増えていくぞ……」

カレン「もう何命令されても文句言えない状況デース」

アリス「な、何命令されても……！？///」

綾「何命令されても……！？///」

陽子「何で綾が動揺してんだー？　おーい？」

忍「ど、どうしましょう……15回もアリスに何でも命令できる……あんなこともこんなことも……///」ﾊｧﾊｧ

アリス「ッ！」ﾋﾞｸｯ

カレン「……アリス、こうなったらもうアレをやるしかないデス……」

アリス「ア、アレ……？」



カレン「マーチンゲール法デース……！」

カレン「まずアリスとシノでポーカー一騎打ちを行うデース！」

カレン「そしてアリスは」

カレン「罰ゲーム30回分の賭けをふっかけるのデース！」

アリス「！？」

陽子「ど、どういうことだ！？　そんなことして負けたらアリスは45回分の罰ゲームを受けることになるぞ！」

忍「アリスに45回も命令を！？///」

カレン「ただし、勝てば15回分の罰ゲームをチャラにして貰い」

カレン「逆に15回分の罰ゲームをシノに与えるのデース！」

アリス「じゅ、15回シノに命令できる……！？///」

カレン「さあシノ！　この勝負どうするデース！？」

カレン「勝てば一気にアリスに命令できる量が増える！」

カレン「そのメリットは15回分の罰ゲームを受けるかもしれないというリスクに十分釣り合うはずデース！」

忍「や……やりましょう！　私は受けますよその勝負！」

アリス「わ、私だって受けるよ！」

陽子「……あれ、何かいつのまにか私ら蚊帳の外じゃね？」

綾「……確かに」

カレン「せっかくなのでディーラーは私がやりマース！」

カレン「さあカードをシャッフルして配りマース！」

アリス「1枚残して4枚チェンジ！」

忍「ノーチェンジッ！」



　アリス　3カード

　忍　ストレートフラッシュ

陽子「結局負けてんじゃねーか！」

アリス「」

忍「よ、45回……！　アリスに45回命令……！///」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

カレン「……アリス……気を落としてはダメデース……」

カレン「マーチンゲール法の恐ろしさはここからデース……」

アリス「え……？」



カレン「今度は罰ゲーム90回分を賭けて勝負デース！」

アリス「！？」

陽子「！？」

綾「！？」

忍「！？」

カレン「いいデスかアリス！　マーチンゲール法とは賭け金を延々と倍賭けすることで」

カレン「いずれそのうち勝った時に敗けた分すべてを取戻し、逆に一定量儲けられるという戦略なのデース！」

アリス「で、でも……さっきみたいに負けたらさらに罰ゲームが増え……」

カレン「運だけを競うこのポーカーで確率上何連敗もするというのはおかしいデース！」

カレン「事実、アリスは今までずっとワンペアだったのに」

カレン「さっきはスリーカードが手に入ったデース！！」

アリス「！！」

カレン「おそらくシノの勝ち運もここまで！」

カレン「逆にアリスに勝ちの流れが来ているんデース！」

アリス「……シ、シノ！」

アリス「もう一回勝負だよ！」

忍「う、受けて立ちましょう！」

陽子「……えーと……」

陽子「あれからしばらくやった結果……どうなった？」

アリス「……罰ゲームが200万回分を超えた辺りで何かもうどうでもよくなってきたよ……」

忍「ﾊｧﾊｧ……なんだか途中からずっとロイヤルストレートかファイブカードしか引いてない気がします……」

綾「どういう運してるのよ！」

カレン「……この戦法の弱点はどうしても勝てなかった場合にホントどうしようもないことデース」

アリス「カレン！！！！」

カレン「おーっと、もうこんな時間デース！」

カレン「そろそろおいとまさせていただきマース！」

陽子「……逃げたな」

陽子「まあ何だ……その……」

陽子「……頑張れ……！」

アリス「何の気休めにもならないよ！」

綾「だ、大丈夫よ、その……しのも優しくしてくれると思うから……///」

アリス「何を！？　アヤは何を想像してるの！？///」

綾「な、なんでもないわよ！　私もこんな時間だし帰るわね！///」

陽子「あ、おーい！　綾ー！　待てよー！」

陽子「そんじゃ私も帰るねー、また明日ー！」

アリス「ちょっ……待っ……」

忍「……アリス……」

アリス「！！」ﾋﾞｸｯ

忍「200万回以上……アリスに200万回以上は命令できるんですよね……」ﾊｧﾊｧ

アリス「え、ぁ、や……」

忍「フフフ……逃がしませんよアリス……」

アリス「ま、待ってシノ……ま、まだ心の準備が……」

忍「とりあえず……まずは……」

アリス「ぁ……」ﾋﾞｸﾋﾞｸ




忍「この衣装を着て貰います！」

アリス「ぉぅふ」

忍「はぁ……ずっと着せたかったけど可愛すぎて中々言い出せなかった衣装……」

忍「ついにアリスに来てもらえました……ｷｬｰ!///」

アリス「……」

忍「写真撮ってもいいですか！？　あ、いや、命令できるんですよね！？」

忍「じゃあ命令権2つ目を使って写真を撮らせて貰います！」

アリス「……ウン、イイヨー」

忍「ﾊｧﾊｧ……私のアリス写真コレクションがまた増えて行きます……」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

アリス「……ヨカッタネ、シノ」

忍「それじゃあ次は……そうですね……」

忍「いっそ今までのイメージを全部ひっくり返してチャイナ服とか……」

アリス「……エート、ソノ……シノー？」

忍「？　どうかしましたか？」

アリス「……別に、そういう衣装着るぐらいなら……命令とか無くても……着ていいよ？」

忍「えっ！？　い、いいんですか！？」

アリス「しゃ、写真も……変な写真じゃなければ……」

忍「じゃ、じゃあ私は何をアリスに命令すればいいんですか！？」

アリス「……だから……その……」

忍「？　何ですか？」

アリス「もっと……普段絶対言えないような命令とか……///」

忍「普段言えない……？」

アリス「例えば、服着せるんじゃなくて……むしろ……あぅ……///」

忍「？」

アリス「ぇと、だから、あの……///」

忍「うう……もっとはっきり言ってください！」

アリス「だ、だってぇ……///」

忍「そうです！　何を命令して欲しいのかちゃんと言ってください！　これが三つ目の命令です！」

アリス「！？」

忍「さあアリス！　何を言ってほしいんですか？　何を求めてるんですか？」

アリス「よ、余計言いにくいよその聞き方！///」

忍「しかしアリスが口ごもるので……」

アリス「だ、だから……」

　ｽﾙ――

忍「！？　ア、アリス、何で脱いで……」

アリス「も、もっと……」

　ｽﾙｽﾙ

アリス「……普段絶対言えないような……」

　ｽﾙﾘ

アリス「……っちな……命令とか……」

アリス「していいんだよ！？」

忍「！？」

忍「え、え……ええっ！？///」

アリス「ッ……///」

忍「……///」

アリス「……///」

忍「……い」

忍「いいん……ですか……？」ｺﾞｸ

アリス「！！」

　翌日

陽子「おはよー」

綾「おはよう、陽子」

カレン「オハヨウゴジャイマース！」

陽子「しのとアリスはまだか……」

カレン「ひょっとしたら200万回以上の罰ゲームが中々終わらなくて困ってるのかもしれないデース」

陽子「あー、そういやあったなそんなの」

綾（200万回以上……まさか朝までずっと……！？///）

カレン「……アヤヤー、朝から変な想像しないで欲しいデース」

綾「なっ、違、私は何も！///」

陽子「？」

「おはようございまーす」

陽子「お、噂をすれば……」



アリス「おはようみんな！」ﾂﾔﾂﾔ

忍「ぅぅ……」げっそり




陽子「何で罰ゲーム受けた側が活き活きして命令してた側がぐったりしてんだ！？」

忍「いえ……ちょっと昨日……というか今朝まで色々ありまして……」

アリス「シノったら罰ゲームであんなに……きゃっ///」

陽子「え？　何？　どういうこと？」

カレン「……奇しくもアヤヤのイメージ通りの事態になってたデース……！」

綾「いやだから私は何も！///」

アリス「ねえシノどうしよっか……まだ罰ゲームの残り回数200万切ってないけど……」

アリス「学校でも……する？///」

忍「……か、回復したら……///」

アリス「もー！　シノったらー！///」ﾊﾞｼﾊﾞｼ

忍「あぐっ、ア、アリス、やめ……今打撃はやめてくださ……ぐっ」

陽子「……よくわかんないけど」



陽子「最終的に勝負はこれアリスが勝ったんじゃないか」

カレン「確かに」



　おわり