1:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:29:20 :3iEdCr0k
<家>
父「おい、ボーナス出たから、なにか買ってやるぞ」
父「欲しいものはあるか?」
少年「ボク、ゲームが欲しい!」
父「ゲーム? どんな?」
少年「んーとね、RPGかな!」
父「分かった、明日にでも買ってくるよ」
少年「やったぁ!」
<家>
父「おい、ボーナス出たから、なにか買ってやるぞ」
父「欲しいものはあるか?」
少年「ボク、ゲームが欲しい!」
父「ゲーム? どんな?」
少年「んーとね、RPGかな!」
父「分かった、明日にでも買ってくるよ」
少年「やったぁ!」
2:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:32:01 :3iEdCr0k
翌日――
父「それじゃ、行ってきます」
母「あ、そうだ」
母「あなた、もし覚えてたらカラシを買ってきてくれない?」
母「もうすぐなくなりそうなのよ」
父「カラシ? 分かったよ、買ってくる」
父(ゲームを買うついでに、買ってくればいいか……)
翌日――
父「それじゃ、行ってきます」
母「あ、そうだ」
母「あなた、もし覚えてたらカラシを買ってきてくれない?」
母「もうすぐなくなりそうなのよ」
父「カラシ? 分かったよ、買ってくる」
父(ゲームを買うついでに、買ってくればいいか……)
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:34:10 :3iEdCr0k
<会社>
父「う~ん……」
同僚「どうした? なにか悩みごとか?」
父「実は……ボーナスも出たし、ウチの子供になにかゲームを買ってやりたいんだ」
父「それもRPGってやつをな」
父「お前、たしかゲームに詳しいよな。よかったらアドバイスをくれないか?」
同僚「いいとも!」
<会社>
父「う~ん……」
同僚「どうした? なにか悩みごとか?」
父「実は……ボーナスも出たし、ウチの子供になにかゲームを買ってやりたいんだ」
父「それもRPGってやつをな」
父「お前、たしかゲームに詳しいよな。よかったらアドバイスをくれないか?」
同僚「いいとも!」
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:36:55 :3iEdCr0k
同僚「今、一番流行ってるRPGといえば『ジャスティス・ソルジャー』だな」
同僚「日本だけで100万本以上売れてるヒット作だ」
父「『ジャスティス・ソルジャー』か。どんな内容なんだ?」
同僚「正義の戦士たちが、世界の巨悪に挑む物語だ」
同僚「スケールの大きいストーリーが魅力で、海外でもヒットしてるんだ」
父「正義が巨悪に挑む、か……たしかに人気が出そうだな」
同僚「今、一番流行ってるRPGといえば『ジャスティス・ソルジャー』だな」
同僚「日本だけで100万本以上売れてるヒット作だ」
父「『ジャスティス・ソルジャー』か。どんな内容なんだ?」
同僚「正義の戦士たちが、世界の巨悪に挑む物語だ」
同僚「スケールの大きいストーリーが魅力で、海外でもヒットしてるんだ」
父「正義が巨悪に挑む、か……たしかに人気が出そうだな」
5:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:39:13 :3iEdCr0k
同僚「他には……『ワクワクアドベンチャー』も売れ筋だ」
父「どんなゲームだ?」
同僚「個性豊かな仲間とともに、大冒険するっていう内容だ」
同僚「難易度もそれほど高くないし、お前のお子さんに買ってやるっていうんなら」
同僚「『ジャスティス・ソルジャー』よりこっちの方がいいかもな」
父「たしかに、そうかもしれないな」
同僚「他には……『ワクワクアドベンチャー』も売れ筋だ」
父「どんなゲームだ?」
同僚「個性豊かな仲間とともに、大冒険するっていう内容だ」
同僚「難易度もそれほど高くないし、お前のお子さんに買ってやるっていうんなら」
同僚「『ジャスティス・ソルジャー』よりこっちの方がいいかもな」
父「たしかに、そうかもしれないな」
6:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:41:38 :3iEdCr0k
同僚「それと、『ファミリークエスト』も人気だな」
父「ファミリー?」
同僚「家族愛がテーマになってるRPGだ」
同僚「派手に悪と戦ったり、冒険したりって内容じゃないが」
同僚「家族愛を深める、心温まるハートフルストーリーになってる」
父「ふむふむ、なるほど……」
同僚「それと、『ファミリークエスト』も人気だな」
父「ファミリー?」
同僚「家族愛がテーマになってるRPGだ」
同僚「派手に悪と戦ったり、冒険したりって内容じゃないが」
同僚「家族愛を深める、心温まるハートフルストーリーになってる」
父「ふむふむ、なるほど……」
7:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:44:02 :3iEdCr0k
同僚「他にも……」
父「いや、この辺でいいかな。どうもありがとう」
同僚「そうか? ま、今の三本ならどれをプレゼントしてやっても喜ぶと思うぜ」
父「うん、会社帰りに買っていくことにするよ」
同僚「他にも……」
父「いや、この辺でいいかな。どうもありがとう」
同僚「そうか? ま、今の三本ならどれをプレゼントしてやっても喜ぶと思うぜ」
父「うん、会社帰りに買っていくことにするよ」
8:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:46:17 :3iEdCr0k
父(うぅ~ん、どうしようかな……)
父(世界の巨悪を倒す、仲間とともに大冒険、家族愛を深める……)
父(どれも興味深いテーマだし、どれも面白そうだ)
父(この三つのテーマを全て満たすRPGはないものかな……)
父(うぅ~ん、どうしようかな……)
父(世界の巨悪を倒す、仲間とともに大冒険、家族愛を深める……)
父(どれも興味深いテーマだし、どれも面白そうだ)
父(この三つのテーマを全て満たすRPGはないものかな……)
10:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:50:08 :3iEdCr0k
<家>
父「――ってわけで、RPGを買ってきたぞ」ジャキッ
少年「わぁっ、なにこれ!?」
父「正確には『RPG-7』といってな。最もポピュラーな対戦車兵器だ」
少年「たいせんしゃ……?」
父「これを肩に担いでロケット弾を撃ち出し、敵をやっつけるんだ」
少年「う~ん、ボクが欲しかったのとちがうなぁ……」
<家>
父「――ってわけで、RPGを買ってきたぞ」ジャキッ
少年「わぁっ、なにこれ!?」
父「正確には『RPG-7』といってな。最もポピュラーな対戦車兵器だ」
少年「たいせんしゃ……?」
父「これを肩に担いでロケット弾を撃ち出し、敵をやっつけるんだ」
少年「う~ん、ボクが欲しかったのとちがうなぁ……」
11:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:52:45 :3iEdCr0k
父「まあ、いいじゃないか」
父「とにかく、撃ってみろって」
少年「うん……分かった!」
父「いいか? ここをこう担いで……」
少年「こう?」ジャキッ
父「そうそう、それでいい」
父「まあ、いいじゃないか」
父「とにかく、撃ってみろって」
少年「うん……分かった!」
父「いいか? ここをこう担いで……」
少年「こう?」ジャキッ
父「そうそう、それでいい」
12:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:55:13 :3iEdCr0k
少年「えいっ!」シュゴッ
ドゴォォォォォンッ!!!
少年「す、すごい……」
少年「お父さん、これすごいよ! こんなすごいRPG、ボク初めてだよ!」
父「な?」
少年「えいっ!」シュゴッ
ドゴォォォォォンッ!!!
少年「す、すごい……」
少年「お父さん、これすごいよ! こんなすごいRPG、ボク初めてだよ!」
父「な?」
13:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:57:24 :3iEdCr0k
母「ちょっとちょっと、家の中で変なもの撃たないでよ」
少年「ごめんなさい、お母さん」シュン…
父「ああ、そういえば君にもカラシを買ってきたぞ」
父「ただし、カラシといっても、自動小銃の『カラシニコフ』だけどな」ジャキッ
母「あらまぁ……AK47じゃない。すごいもの買ってきたわね」
母「ちょっとちょっと、家の中で変なもの撃たないでよ」
少年「ごめんなさい、お母さん」シュン…
父「ああ、そういえば君にもカラシを買ってきたぞ」
父「ただし、カラシといっても、自動小銃の『カラシニコフ』だけどな」ジャキッ
母「あらまぁ……AK47じゃない。すごいもの買ってきたわね」
14:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 00:59:09 :3iEdCr0k
父「もちろん、俺も自分用に色々な銃器を買ってきたし」ジャキッ
父「家族三人で冒険の旅に出発だ!」
少年「おーっ!」
母「しょうがないわねぇ……」
母「男って、いつまでたっても冒険が大好きなんだから……」
父「もちろん、俺も自分用に色々な銃器を買ってきたし」ジャキッ
父「家族三人で冒険の旅に出発だ!」
少年「おーっ!」
母「しょうがないわねぇ……」
母「男って、いつまでたっても冒険が大好きなんだから……」
15:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 01:03:19 :3iEdCr0k
半年後――
兵士「お待ちしておりました!」ババッ
父「今日の仕事は?」
兵士「あの基地にたてこもっている、テロリスト集団のせん滅であります!」
兵士「武装した100名ほどが、今も抗戦をつづけております!」
兵士「かなり手強く、我が軍にも多数の負傷者が出ており……」
父「なるほど、状況は分かった」
母「30分もあれば終わるでしょ。ささっと片付けて、晩ご飯にしましょ」
少年「ボク、今日はハンバーグがいい!」
半年後――
兵士「お待ちしておりました!」ババッ
父「今日の仕事は?」
兵士「あの基地にたてこもっている、テロリスト集団のせん滅であります!」
兵士「武装した100名ほどが、今も抗戦をつづけております!」
兵士「かなり手強く、我が軍にも多数の負傷者が出ており……」
父「なるほど、状況は分かった」
母「30分もあれば終わるでしょ。ささっと片付けて、晩ご飯にしましょ」
少年「ボク、今日はハンバーグがいい!」
17:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 01:06:28 :3iEdCr0k
父「お前はRPGであの手薄な箇所に砲弾を撃ち込んでくれ」
少年「うん、分かった!」
父「君はその爆風に乗じて、基地に侵入してくれ。後ろから俺がフォローする」
母「了解したわ」
父「それじゃ……冒険スタートだ!」
ドゴォォォンッ! ズガァァァンッ! ガガガガガ……!
ギャァァァ…… ヒィィィ…… ウギャァァァ……
父「お前はRPGであの手薄な箇所に砲弾を撃ち込んでくれ」
少年「うん、分かった!」
父「君はその爆風に乗じて、基地に侵入してくれ。後ろから俺がフォローする」
母「了解したわ」
父「それじゃ……冒険スタートだ!」
ドゴォォォンッ! ズガァァァンッ! ガガガガガ……!
ギャァァァ…… ヒィィィ…… ウギャァァァ……
18:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 01:08:55 :3iEdCr0k
母「どうやら全滅したみたいね」
父「どうだった? 今日の冒険は?」
少年「うん、とっても楽しかった! レベルアップもできたしね!」
少年「これも全部、お父さんからもらったRPGのおかげだよ!」ジャキッ
父「そうかそうか。喜んでくれて嬉しいよ」
父(巨悪と戦いながら、世界中を冒険することができ、家族愛も深められた……)
父(我ながら、最高のプレゼントだったな!)
おわり
母「どうやら全滅したみたいね」
父「どうだった? 今日の冒険は?」
少年「うん、とっても楽しかった! レベルアップもできたしね!」
少年「これも全部、お父さんからもらったRPGのおかげだよ!」ジャキッ
父「そうかそうか。喜んでくれて嬉しいよ」
父(巨悪と戦いながら、世界中を冒険することができ、家族愛も深められた……)
父(我ながら、最高のプレゼントだったな!)
おわり
19:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 01:09:30 :3iEdCr0k
ありがとうございました
ありがとうございました
22:以下、名無しが深夜にお送りします:2015/07/30(木) 09:24:09 :O/wzbMbg
おつ
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