1: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:27:27.64 :pn31ys+i0
陸奥「第二次SN作戦および拡張作戦も、まずもって一段落、といったところね」
長門「うむ。今回も厳しい戦いであったが、皆よく頑張ってくれた」
提督「いやはやお疲れ様でした。陸奥、お茶をもらえますか」
陸奥「お疲れ様って言ってる側から働かせるのはどうなのかしら……」カチャカチャ
長門「今夜は飲めや食えやの大宴会だ、胸が熱いなっ。提督もたまには参加してはどうだ?」
提督「私は遠慮しておきます。まだ掘りが残っていますので」
長門「掘り?」キョトン
提督「」ハッ
陸奥「第二次SN作戦および拡張作戦も、まずもって一段落、といったところね」
長門「うむ。今回も厳しい戦いであったが、皆よく頑張ってくれた」
提督「いやはやお疲れ様でした。陸奥、お茶をもらえますか」
陸奥「お疲れ様って言ってる側から働かせるのはどうなのかしら……」カチャカチャ
長門「今夜は飲めや食えやの大宴会だ、胸が熱いなっ。提督もたまには参加してはどうだ?」
提督「私は遠慮しておきます。まだ掘りが残っていますので」
長門「掘り?」キョトン
提督「」ハッ
2: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:28:25.06 :pn31ys+i0
長門「なんだ……? 今の露骨な『口が滑った』感は」
提督「いえいえ、なんでもありませんよ」
長門「なにか私たちに隠し事でもあるのか」
提督「……これはそう、言わば我々人類の、最大にして最悪の……やはりやめておきましょう」メガネクイッ
長門「いやそこまで言ってやめるぐらいなら最初から言うな! 酒宴を前に気になってしょうがないだろう!!」
提督「どうしても……聞きたいですか?」
長門「無論だ」
長門「なんだ……? 今の露骨な『口が滑った』感は」
提督「いえいえ、なんでもありませんよ」
長門「なにか私たちに隠し事でもあるのか」
提督「……これはそう、言わば我々人類の、最大にして最悪の……やはりやめておきましょう」メガネクイッ
長門「いやそこまで言ってやめるぐらいなら最初から言うな! 酒宴を前に気になってしょうがないだろう!!」
提督「どうしても……聞きたいですか?」
長門「無論だ」
3: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:29:49.27 :pn31ys+i0
提督「後悔しませんか?」
長門「と、当然だ」
提督「聞けばもう、後戻りはできませんよ?」
長門「う、うむ……」
提督「聞かなきゃよかった――世の中、そんなのばっかりです」
長門「え、あ。じゃ、じゃあやはりやめ」
提督「では今こそお聞かせしましょう!! 真実をッ!!」
長門「おい!!!」
提督「後悔しませんか?」
長門「と、当然だ」
提督「聞けばもう、後戻りはできませんよ?」
長門「う、うむ……」
提督「聞かなきゃよかった――世の中、そんなのばっかりです」
長門「え、あ。じゃ、じゃあやはりやめ」
提督「では今こそお聞かせしましょう!! 真実をッ!!」
長門「おい!!!」
4: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:31:02.07 :pn31ys+i0
長門「そん、な……ウソだ……私をからかっているんだろう……?」ワナワナ
提督「……」
長門「だってそんな、信じられるものか! 私たちが深海棲艦として戦っている相手は実はどこにも異常のない私たちとなんら変わることのないただのやさしい艦娘であり艤装を纏う段階でそうと認識できないようプログラムされているなどと……」
長門「祖国を守る戦争だと信じていた戦いが単なるマッチポンプで艦娘同士の殺し合いによって生み出される膨大な思念エネルギーを蓄積し新たな艦娘を『建造』するための儀式であったなどと……!」
長門「作戦終了後の海域に再び出撃するのは『建造』され海のいずこかに産み落とされた新規艦娘を捜索するための通称『掘り』と呼ばれる行為であるなどと!」
長門「そしてこれら理論を編み出したのが彼の大国の科学者『ネンメゴ=ヨダソーウ』であるなどと!!!」
長門「私たちの戦いのすべてが! ヨダソーウの理論に目を付けた好事家たちによる! 第二次大戦に散った艦船の魂を『コレクション』するためだけの! 単なるゲームであるなどとッッ!!!!!」
長門「――『艦隊これくしょん』でしかなかった、など、と」ガクッ
長門「こんな、こんな馬鹿げた話があってたまるか……ウソだ、ウソだと言ってくれ、提督……ッ!」
提督「あ、はい。ウソですよ?」
長門「」ズコオオオオオオオオッッッ
長門「そん、な……ウソだ……私をからかっているんだろう……?」ワナワナ
提督「……」
長門「だってそんな、信じられるものか! 私たちが深海棲艦として戦っている相手は実はどこにも異常のない私たちとなんら変わることのないただのやさしい艦娘であり艤装を纏う段階でそうと認識できないようプログラムされているなどと……」
長門「祖国を守る戦争だと信じていた戦いが単なるマッチポンプで艦娘同士の殺し合いによって生み出される膨大な思念エネルギーを蓄積し新たな艦娘を『建造』するための儀式であったなどと……!」
長門「作戦終了後の海域に再び出撃するのは『建造』され海のいずこかに産み落とされた新規艦娘を捜索するための通称『掘り』と呼ばれる行為であるなどと!」
長門「そしてこれら理論を編み出したのが彼の大国の科学者『ネンメゴ=ヨダソーウ』であるなどと!!!」
長門「私たちの戦いのすべてが! ヨダソーウの理論に目を付けた好事家たちによる! 第二次大戦に散った艦船の魂を『コレクション』するためだけの! 単なるゲームであるなどとッッ!!!!!」
長門「――『艦隊これくしょん』でしかなかった、など、と」ガクッ
長門「こんな、こんな馬鹿げた話があってたまるか……ウソだ、ウソだと言ってくれ、提督……ッ!」
提督「あ、はい。ウソですよ?」
長門「」ズコオオオオオオオオッッッ
5: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:33:21.78 :pn31ys+i0
陸奥「はい、お茶が入ったわよ」
提督「いやぁありがとうございます。お姉さんも飲んでいけばよかったのに」ズズズ
陸奥「貴方が怒らせるから出てっちゃったんでしょ?」
提督「つい興が乗ってしまいまして」
陸奥「あれで純粋なんだから、あんまりからかわないであげてちょうだい」メッ
提督「おやおや。まるで貴女が純粋でないかのごとき物言いですねぇ」
陸奥「あらあら。貴方の目には私が純粋な女に映っているのかしら?」
提督「……」
陸奥「……」
二人(ニッコリ)
陸奥「はい、お茶が入ったわよ」
提督「いやぁありがとうございます。お姉さんも飲んでいけばよかったのに」ズズズ
陸奥「貴方が怒らせるから出てっちゃったんでしょ?」
提督「つい興が乗ってしまいまして」
陸奥「あれで純粋なんだから、あんまりからかわないであげてちょうだい」メッ
提督「おやおや。まるで貴女が純粋でないかのごとき物言いですねぇ」
陸奥「あらあら。貴方の目には私が純粋な女に映っているのかしら?」
提督「……」
陸奥「……」
二人(ニッコリ)
6: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:34:24.47 :pn31ys+i0
提督「まあ自称純粋でない貴女を騙すぐらい、私にとっては造作もないことですがね」ズズズ
陸奥「あら悲しい。そんなチープな女じゃないつもりなのだけれど」ヨヨヨ
提督「やってみせましょうか?」
陸奥「やってみせてちょうだい?」
提督「では失礼して。陸奥、少し向こうを向いていてもらえますか」
陸奥「怖いわ。どんなずるい手を使ってくるのかしら」クス
提督「……」
提督「まあ自称純粋でない貴女を騙すぐらい、私にとっては造作もないことですがね」ズズズ
陸奥「あら悲しい。そんなチープな女じゃないつもりなのだけれど」ヨヨヨ
提督「やってみせましょうか?」
陸奥「やってみせてちょうだい?」
提督「では失礼して。陸奥、少し向こうを向いていてもらえますか」
陸奥「怖いわ。どんなずるい手を使ってくるのかしら」クス
提督「……」
7: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:35:11.86 :pn31ys+i0
「貴女を、愛しています」
「貴女を、愛しています」
8: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:36:09.85 :pn31ys+i0
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「これは要するに、嘘ってことなのかしら」
提督「あ、はい。嘘ですよ?」
陸奥「嘘だとわかってる嘘に騙されなきゃいけないの、私?」
提督「しかし世の中には本当のことを嘘だと言って相手を煙に巻く、ずるい大人もいますからねぇ」ヤレヤレ
陸奥「……確かにいるわね、ずるい大人が」ハァ
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「これは要するに、嘘ってことなのかしら」
提督「あ、はい。嘘ですよ?」
陸奥「嘘だとわかってる嘘に騙されなきゃいけないの、私?」
提督「しかし世の中には本当のことを嘘だと言って相手を煙に巻く、ずるい大人もいますからねぇ」ヤレヤレ
陸奥「……確かにいるわね、ずるい大人が」ハァ
9: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:37:19.23 :pn31ys+i0
提督「さ、どうします?」ニコニコ
陸奥「その前に、耳元でボソボソ言うのやめてくださる? くすぐったいわ」
提督「それは困りますね。『ここ』は私の知る限り、貴女のただ一つの弱点ですので」フー
陸奥「……んっ///」ペシッ
提督「いやはや失礼いたしました」
陸奥「」ペシペシ
提督「いや本当にすいません反省してますですから戦艦の全力でペシペシするのはあっちょっま、いた、痛い痛い痛い」
陸奥「///」ペシペシペシペシ
提督「さ、どうします?」ニコニコ
陸奥「その前に、耳元でボソボソ言うのやめてくださる? くすぐったいわ」
提督「それは困りますね。『ここ』は私の知る限り、貴女のただ一つの弱点ですので」フー
陸奥「……んっ///」ペシッ
提督「いやはや失礼いたしました」
陸奥「」ペシペシ
提督「いや本当にすいません反省してますですから戦艦の全力でペシペシするのはあっちょっま、いた、痛い痛い痛い」
陸奥「///」ペシペシペシペシ
10: ◆F.lQmLP.5M:2015/08/30(日) 18:38:52.89 :pn31ys+i0
提督「で、どうします?」ヒリヒリニコニコ
陸奥「……」
提督「愛していますよ、陸奥。この世でただ一人、貴女だけを」ギュッ
陸奥「……」
提督「騙されますか? 騙されませんか?」
陸奥「……ずるい人」ギュッ
提督「本当に欲しいものを手に入れるためなら、男はどこまでもずるくなれるものです」ニッコリ
陸奥「もう。またそうやって、騙しにくるんだから///」ギュギュー
提督「……♪」ギュギュー
提督「で、どうします?」ヒリヒリニコニコ
陸奥「……」
提督「愛していますよ、陸奥。この世でただ一人、貴女だけを」ギュッ
陸奥「……」
提督「騙されますか? 騙されませんか?」
陸奥「……ずるい人」ギュッ
提督「本当に欲しいものを手に入れるためなら、男はどこまでもずるくなれるものです」ニッコリ
陸奥「もう。またそうやって、騙しにくるんだから///」ギュギュー
提督「……♪」ギュギュー
78: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:30:51.74 :gUx4x1Js0
チュンチュンチュン
提督「陸奥。大事な話があります」
陸奥「ふーん」
提督「生返事とは感心しませんね。私は真剣ですよ」
陸奥「嘘つきの言うことなんて信用できないもの。真剣に聞くかどうか、中身を見てから判断させていただくわ」
提督「言葉というのはクーリングオフがきかない代物なんですがねぇ」
陸奥「一番悪質な商品じゃない」
提督「なるほど。詐欺師の口が上手いのも道理です」
陸奥「まったくだわ」ヤレヤレ
チュンチュンチュン
提督「陸奥。大事な話があります」
陸奥「ふーん」
提督「生返事とは感心しませんね。私は真剣ですよ」
陸奥「嘘つきの言うことなんて信用できないもの。真剣に聞くかどうか、中身を見てから判断させていただくわ」
提督「言葉というのはクーリングオフがきかない代物なんですがねぇ」
陸奥「一番悪質な商品じゃない」
提督「なるほど。詐欺師の口が上手いのも道理です」
陸奥「まったくだわ」ヤレヤレ
80: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:32:12.57 :gUx4x1Js0
提督「陸奥。貴女は美しい」
陸奥「あらあら、ありがとう♪」
提督「切れ長の瞳、かかる細い睫毛、艶めかしい唇」
陸奥「嬉しいけどちょっと褒めすぎよ、うふふ」
提督「その道のプロも、貴女の均整のとれたプロポーションには裸足で逃げ出すこと請け合い」
陸奥「あのね、だからちょっと……」
提督「存外可愛らしい性分をしていることも評価点ですね」
陸奥「も、もういいから……///」
提督「これで服装が正気を疑うような代物でさえなければ……」
陸奥「」ペシッ
提督「」スカッ
提督「陸奥。貴女は美しい」
陸奥「あらあら、ありがとう♪」
提督「切れ長の瞳、かかる細い睫毛、艶めかしい唇」
陸奥「嬉しいけどちょっと褒めすぎよ、うふふ」
提督「その道のプロも、貴女の均整のとれたプロポーションには裸足で逃げ出すこと請け合い」
陸奥「あのね、だからちょっと……」
提督「存外可愛らしい性分をしていることも評価点ですね」
陸奥「も、もういいから……///」
提督「これで服装が正気を疑うような代物でさえなければ……」
陸奥「」ペシッ
提督「」スカッ
81: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:33:06.94 :gUx4x1Js0
シーン
陸奥「あらあら」
提督「おやおや」
陸奥「よく避けられたわね」ニッコリ
提督「電探も水偵も積んでない戦艦の砲撃を食らうほど、おじさんではないつもりですよ」ニッコリ
陸奥「ちょっと改装してくるわ」
提督「すいません41cm砲ちゃんはさすがに死んでしまいます」
陸奥(なんだかんだ死なない気もするけどね……)
シーン
陸奥「あらあら」
提督「おやおや」
陸奥「よく避けられたわね」ニッコリ
提督「電探も水偵も積んでない戦艦の砲撃を食らうほど、おじさんではないつもりですよ」ニッコリ
陸奥「ちょっと改装してくるわ」
提督「すいません41cm砲ちゃんはさすがに死んでしまいます」
陸奥(なんだかんだ死なない気もするけどね……)
82: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:34:42.97 :gUx4x1Js0
陸奥「女のペシペシを受け止めるのはいい男の条件じゃなくて?」
提督「いやぁすいません。生憎と、いい男ではなくずるい男なもので」
陸奥「ああ言えばこう言う……で?」
提督「で? とは?」
陸奥「ええっと、実はよく聞こえなかったのだけれど……私の服装が、ナニを疑うような、なんだったかしら?」
提督「面白い格好の危ない女、ですか?」
陸奥「待ってそれ今初めて聞いた」
提督「あーっと申し訳ないこれは長門さんへの謂れなき風評被害でした可及的速やかに忘れてください」
陸奥「待って。待って。待って?」
陸奥「女のペシペシを受け止めるのはいい男の条件じゃなくて?」
提督「いやぁすいません。生憎と、いい男ではなくずるい男なもので」
陸奥「ああ言えばこう言う……で?」
提督「で? とは?」
陸奥「ええっと、実はよく聞こえなかったのだけれど……私の服装が、ナニを疑うような、なんだったかしら?」
提督「面白い格好の危ない女、ですか?」
陸奥「待ってそれ今初めて聞いた」
提督「あーっと申し訳ないこれは長門さんへの謂れなき風評被害でした可及的速やかに忘れてください」
陸奥「待って。待って。待って?」
83: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:36:33.89 :gUx4x1Js0
提督「いやだっておかしいでしょう。金剛型扶桑型伊勢型と曲がりなりにもなんちゃって和風テイストを取り入れてきたというのに。その流れでどうして長門型が爆現するんですか」
陸奥「私じゃなくてデザイン担当者に言ってほしいのだけど……」
提督「初めて軍装を見た時どう思いました?」
陸奥「ドラ○エ3の女戦士ってなんであんなに露出度高いのかしら……」
提督「ヒットアンドアウェイ戦法を多用するスピードタイプの戦士だったんでしょう」
陸奥「私低速戦艦なんだけど……」
提督「そこなんですよねぇ……」
提督「いやだっておかしいでしょう。金剛型扶桑型伊勢型と曲がりなりにもなんちゃって和風テイストを取り入れてきたというのに。その流れでどうして長門型が爆現するんですか」
陸奥「私じゃなくてデザイン担当者に言ってほしいのだけど……」
提督「初めて軍装を見た時どう思いました?」
陸奥「ドラ○エ3の女戦士ってなんであんなに露出度高いのかしら……」
提督「ヒットアンドアウェイ戦法を多用するスピードタイプの戦士だったんでしょう」
陸奥「私低速戦艦なんだけど……」
提督「そこなんですよねぇ……」
84: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:38:11.36 :gUx4x1Js0
提督「着替える気とかおありで?」
陸奥「だってこれ、一応軍服だもの」
提督「そうですか一応軍服でしたか、すっかり忘れてました」
陸奥「貴方だって上から着ろって言われたら、例えそれがバニースーツだろうと着なきゃいけない。それが軍人って生き物でしょ?」
提督「そんな事になれば国体護持に関する受け入れがたい見解の相違から進退を考えざるを得ませんねぇ」
陸奥「天龍たちに水着を着せたのも上層部なのよねぇ」
提督「さすがは大本営、私は最初から信じてましたよ」
陸奥「」ペシッ
提督「」スカッ
提督「着替える気とかおありで?」
陸奥「だってこれ、一応軍服だもの」
提督「そうですか一応軍服でしたか、すっかり忘れてました」
陸奥「貴方だって上から着ろって言われたら、例えそれがバニースーツだろうと着なきゃいけない。それが軍人って生き物でしょ?」
提督「そんな事になれば国体護持に関する受け入れがたい見解の相違から進退を考えざるを得ませんねぇ」
陸奥「天龍たちに水着を着せたのも上層部なのよねぇ」
提督「さすがは大本営、私は最初から信じてましたよ」
陸奥「」ペシッ
提督「」スカッ
85: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:39:44.30 :gUx4x1Js0
陸奥「結局貴方、私に着替えてほしくてこんな話を始めたの?」
提督「だってほら、私だって一応男ですから……ねぇ?」
陸奥「あら、あらあら♪ この期に及んでやり場に困るような、純粋な目の持ち主だとは知らなかっ」
提督「かっちり着込んでる方がいざ脱がす時に興奮するタチなんですよね、私」
陸奥「……」
提督「まあ、脱がせば全部一緒ですが」
陸奥「……」
提督「なにしろ中身が貴女ですから」ニッコリ
陸奥「……」
陸奥「結局貴方、私に着替えてほしくてこんな話を始めたの?」
提督「だってほら、私だって一応男ですから……ねぇ?」
陸奥「あら、あらあら♪ この期に及んでやり場に困るような、純粋な目の持ち主だとは知らなかっ」
提督「かっちり着込んでる方がいざ脱がす時に興奮するタチなんですよね、私」
陸奥「……」
提督「まあ、脱がせば全部一緒ですが」
陸奥「……」
提督「なにしろ中身が貴女ですから」ニッコリ
陸奥「……」
86: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:40:45.82 :gUx4x1Js0
ペシッ
提督「おや、装甲を抜き損ねてますよ。カスダメというヤツですね」
陸奥「貴方こそ、避けられるくせに避けないのね」
提督「いい男の条件なのでしょう?」
陸奥「……」
提督「想う人の前でぐらい、いい格好をしたいじゃないですか」ニコ
陸奥「……」
ペシッ
提督「おや、装甲を抜き損ねてますよ。カスダメというヤツですね」
陸奥「貴方こそ、避けられるくせに避けないのね」
提督「いい男の条件なのでしょう?」
陸奥「……」
提督「想う人の前でぐらい、いい格好をしたいじゃないですか」ニコ
陸奥「……」
87: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:41:52.64 :gUx4x1Js0
ペシ
提督「おやおや」ギュッ
陸奥「なんだか悔しい。口にはそれなりに自信があったのに。貴方にはしてやられてばっかりだわ」プクー
提督「ま、おあいこじゃないですか」
陸奥「おあいこって、なにが」
提督「私も貴女の口には、それなりにしてやられているクチですので」
陸奥「……ふぅん」
ペシ
提督「おやおや」ギュッ
陸奥「なんだか悔しい。口にはそれなりに自信があったのに。貴方にはしてやられてばっかりだわ」プクー
提督「ま、おあいこじゃないですか」
陸奥「おあいこって、なにが」
提督「私も貴女の口には、それなりにしてやられているクチですので」
陸奥「……ふぅん」
88: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:43:16.75 :gUx4x1Js0
チュッ
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「例えば、こんな?」ニコ
提督「例えば、こんな、ですかね」
陸奥「全然顔に表れてないけど、今悔しかったりする?」
提督「そうですねぇ。あんまり悔しすぎるので……貴女のそのアブナイ軍服、脱がしたくなってきました」ガシッ
陸奥「あ、あら、あらあら……あらあらあらぁ?」アセ
チュッ
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「例えば、こんな?」ニコ
提督「例えば、こんな、ですかね」
陸奥「全然顔に表れてないけど、今悔しかったりする?」
提督「そうですねぇ。あんまり悔しすぎるので……貴女のそのアブナイ軍服、脱がしたくなってきました」ガシッ
陸奥「あ、あら、あらあら……あらあらあらぁ?」アセ
89: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/03(木) 18:44:45.42 :gUx4x1Js0
提督「どうせ昨夜はどんちゃん騒ぎ、昼まで誰も起きてきやしませんよ」
陸奥「それを起こすのが貴方と私の仕事だと思うのだけれど?」
提督「好きだ、陸奥」
陸奥「!」
提督「今すぐにでも、貴女を抱きたい」
提督「駄目ですか」
陸奥「……」
提督「駄目、ですか?」
陸奥「……やっぱり貴方って、ずるい人だわ」
提督「どうせ昨夜はどんちゃん騒ぎ、昼まで誰も起きてきやしませんよ」
陸奥「それを起こすのが貴方と私の仕事だと思うのだけれど?」
提督「好きだ、陸奥」
陸奥「!」
提督「今すぐにでも、貴女を抱きたい」
提督「駄目ですか」
陸奥「……」
提督「駄目、ですか?」
陸奥「……やっぱり貴方って、ずるい人だわ」
118: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:49:44.28 :CFK+jhoQ0
提督「……」
ガチャ
陸奥「先の大規模作戦について資料がまとまりました。目を通しておいてちょうだい」
提督「ああ……ありがとうございます」
陸奥「……」
提督「ふうむ」マジマジ
提督「……」
ガチャ
陸奥「先の大規模作戦について資料がまとまりました。目を通しておいてちょうだい」
提督「ああ……ありがとうございます」
陸奥「……」
提督「ふうむ」マジマジ
119: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:50:42.23 :CFK+jhoQ0
陸奥「ね」
提督「なんでしょう」ペラッ
陸奥「なにかあった?」
提督「なにかあったかと聞かれれば、なにもなかったとしか」ペラ
陸奥「聞き方を変えるわ。なにか、聞きたいことか聞いてほしいこと、ある?」
提督「……」
陸奥「」ニコッ
陸奥「ね」
提督「なんでしょう」ペラッ
陸奥「なにかあった?」
提督「なにかあったかと聞かれれば、なにもなかったとしか」ペラ
陸奥「聞き方を変えるわ。なにか、聞きたいことか聞いてほしいこと、ある?」
提督「……」
陸奥「」ニコッ
120: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:51:47.44 :CFK+jhoQ0
提督「ではまず一つ、後学のために伺いましょうか」
陸奥「なぁに?」
提督「なにかわかりやすいサインでも出ていましたか? 自分ではよくわからないのですが」
陸奥「女の勘♪」
提督「……それはそれは、得難い超能力です」
陸奥「ご存じなかった? 女はみんな、惚れた男の前ではエスパーになるものよ」ニコ
提督「迂闊に浮気もできやしない。男にでも走りますかね」
陸奥「あっ、ふーん」
提督「ではまず一つ、後学のために伺いましょうか」
陸奥「なぁに?」
提督「なにかわかりやすいサインでも出ていましたか? 自分ではよくわからないのですが」
陸奥「女の勘♪」
提督「……それはそれは、得難い超能力です」
陸奥「ご存じなかった? 女はみんな、惚れた男の前ではエスパーになるものよ」ニコ
提督「迂闊に浮気もできやしない。男にでも走りますかね」
陸奥「あっ、ふーん」
121: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:52:53.52 :CFK+jhoQ0
提督「ま、冗談はさておき」
陸奥「さておかれました」
提督「貴女はこんなことが、いつまで続くと思いますか?」
陸奥「こんなこと?」
提督「先の大規模作戦に於ける我が鎮守府の戦死者、0名」
陸奥「……」
提督「私たちは果たして、いつまで続けられますかね。こんな………………」
提督「こんなことを」
提督「ま、冗談はさておき」
陸奥「さておかれました」
提督「貴女はこんなことが、いつまで続くと思いますか?」
陸奥「こんなこと?」
提督「先の大規模作戦に於ける我が鎮守府の戦死者、0名」
陸奥「……」
提督「私たちは果たして、いつまで続けられますかね。こんな………………」
提督「こんなことを」
122: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:54:22.76 :CFK+jhoQ0
陸奥「あら、あら、あら……貴方にも、怖いものがあったのね」
提督「ありますよぉ怖いもの。主に女の癇癪とか」
陸奥「長門や天龍の癇癪玉でジャグリングしてる人がなにか言ってるわ」
提督「ああ一字間違えました。怖いのは『貴』女の癇癪でした」
陸奥「」ペシッ
提督「これが弾着観測射撃に変わる瞬間なんか、想像しただけで怖気が駆け抜けますねぇ」スカッ
陸奥「もうっ」
陸奥「あら、あら、あら……貴方にも、怖いものがあったのね」
提督「ありますよぉ怖いもの。主に女の癇癪とか」
陸奥「長門や天龍の癇癪玉でジャグリングしてる人がなにか言ってるわ」
提督「ああ一字間違えました。怖いのは『貴』女の癇癪でした」
陸奥「」ペシッ
提督「これが弾着観測射撃に変わる瞬間なんか、想像しただけで怖気が駆け抜けますねぇ」スカッ
陸奥「もうっ」
123: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:55:17.51 :CFK+jhoQ0
提督「……犠牲者など、出ないに越したことはありません」
陸奥「……」
提督「貴重な資源の浪費です。艦娘というのは兎角、育成に莫大な時間とコストがかかる。死ねばそれらがすべてパァ。失わないに越したことはないんですよ」
陸奥「ええ」
提督「犠牲者0の戦争、結構じゃないですか。いくらでも奇麗事を、夢を追求しようではありませんか。その方が効率的にことを運べるのですから」
陸奥「ええ、そうね」
提督「ええ、そうでしょう」
提督「……犠牲者など、出ないに越したことはありません」
陸奥「……」
提督「貴重な資源の浪費です。艦娘というのは兎角、育成に莫大な時間とコストがかかる。死ねばそれらがすべてパァ。失わないに越したことはないんですよ」
陸奥「ええ」
提督「犠牲者0の戦争、結構じゃないですか。いくらでも奇麗事を、夢を追求しようではありませんか。その方が効率的にことを運べるのですから」
陸奥「ええ、そうね」
提督「ええ、そうでしょう」
124: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:56:12.55 :CFK+jhoQ0
「しかしこれは――戦争なんですよ?」
「しかしこれは――戦争なんですよ?」
125: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:57:26.47 :CFK+jhoQ0
提督「いつか、この理想が、私の能力が。現実に追いつかなくなる日が来るかもしれない」
提督「現に海坊主どもとの軍拡競争は加速の一途を辿っている」
提督「我が軍が新たな戦力を迎える度、新型の鬼が、姫が、名もなき怪物たちが、雨後の筍よろしくぽこぽこと生えてくる」
提督「一つ勝ち鬨を挙げる度に、向かい風が強くなる」
提督「そうしていつか、いつの日か。勝利を得るために、貴女たちを賭け金にする日が来るかもしれない」
提督「私が怖いのは……『その日』が来たとして、きっと迷わないであろう、私自身なんですよ」
陸奥「ふーん、そう」
提督「……」
シーーーーーン
提督「いつか、この理想が、私の能力が。現実に追いつかなくなる日が来るかもしれない」
提督「現に海坊主どもとの軍拡競争は加速の一途を辿っている」
提督「我が軍が新たな戦力を迎える度、新型の鬼が、姫が、名もなき怪物たちが、雨後の筍よろしくぽこぽこと生えてくる」
提督「一つ勝ち鬨を挙げる度に、向かい風が強くなる」
提督「そうしていつか、いつの日か。勝利を得るために、貴女たちを賭け金にする日が来るかもしれない」
提督「私が怖いのは……『その日』が来たとして、きっと迷わないであろう、私自身なんですよ」
陸奥「ふーん、そう」
提督「……」
シーーーーーン
126: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 16:59:14.80 :CFK+jhoQ0
提督「もう少し気の利いた講評を求めても罰は当たらないと思うんですがねぇ」
陸奥「気の利いた、ねぇ。そうねぇ。例えばこれは、長門あたりに言わせると違うんだろうけれど……」
提督「はい」
陸奥「少なくとも私は、貴方のためになんか、死んであげないわ」
提督「おやおや冷たいお返事ですね。泣いてしまいそうだ」
陸奥「貴方のために、死なないでいてあげるから。それで我慢してちょうだい?」ニコ
提督「……おやおや」
陸奥「泣いてしまいそう?」
提督「ははは。少し、ね」
提督「もう少し気の利いた講評を求めても罰は当たらないと思うんですがねぇ」
陸奥「気の利いた、ねぇ。そうねぇ。例えばこれは、長門あたりに言わせると違うんだろうけれど……」
提督「はい」
陸奥「少なくとも私は、貴方のためになんか、死んであげないわ」
提督「おやおや冷たいお返事ですね。泣いてしまいそうだ」
陸奥「貴方のために、死なないでいてあげるから。それで我慢してちょうだい?」ニコ
提督「……おやおや」
陸奥「泣いてしまいそう?」
提督「ははは。少し、ね」
127: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 17:01:07.71 :CFK+jhoQ0
陸奥「ね」
提督「なんでしょう」
陸奥「弱音を聞かせてくれたの、嬉しかったわ」
提督「喜んでいただけてなにより」
陸奥「でもね」
提督「はい」
陸奥「弱音を吐いてるヒマがあったら、他にやることあるわよね?」ニッコリ
提督「引っ叩いていいですか?」
陸奥「悪い男になりたいならどうぞ」
提督「……遠慮しておきます」
陸奥「ね」
提督「なんでしょう」
陸奥「弱音を聞かせてくれたの、嬉しかったわ」
提督「喜んでいただけてなにより」
陸奥「でもね」
提督「はい」
陸奥「弱音を吐いてるヒマがあったら、他にやることあるわよね?」ニッコリ
提督「引っ叩いていいですか?」
陸奥「悪い男になりたいならどうぞ」
提督「……遠慮しておきます」
128: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 17:03:14.26 :CFK+jhoQ0
陸奥「自慢じゃないけど、私をチップにして張るギャンブルは見込みないわよ?」
提督「なにせチップそのものが爆発しかねない危険物ですからねぇ」
陸奥「」ペシッ
提督「痛い」
陸奥「……だったら、全部」
提督「?」
陸奥「貴方の力で、全部。全部全部全部。『絶対負けないギャンブル』に書き換えちゃえばいいのよ」
提督「それはもはやイカサマ師への転職なのでは……」
陸奥「提督よりよっぽど天職よね……賭けてもいいけど」
提督「おやおや」
陸奥「自慢じゃないけど、私をチップにして張るギャンブルは見込みないわよ?」
提督「なにせチップそのものが爆発しかねない危険物ですからねぇ」
陸奥「」ペシッ
提督「痛い」
陸奥「……だったら、全部」
提督「?」
陸奥「貴方の力で、全部。全部全部全部。『絶対負けないギャンブル』に書き換えちゃえばいいのよ」
提督「それはもはやイカサマ師への転職なのでは……」
陸奥「提督よりよっぽど天職よね……賭けてもいいけど」
提督「おやおや」
129: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 17:04:34.41 :CFK+jhoQ0
陸奥「信じてる」
提督「……」
陸奥「貴方の理想は、力は、現実になんか負けないって。私、信じてるから」
提督「……」
陸奥「貴方の見る夢なら、この世のなによりも信じられるから。だから、走り続けて?」
提督「……」
陸奥「眼鏡に似合わずロマンチストな、そんな貴方が好きよ」ニコッ
提督「……」
陸奥「信じてる」
提督「……」
陸奥「貴方の理想は、力は、現実になんか負けないって。私、信じてるから」
提督「……」
陸奥「貴方の見る夢なら、この世のなによりも信じられるから。だから、走り続けて?」
提督「……」
陸奥「眼鏡に似合わずロマンチストな、そんな貴方が好きよ」ニコッ
提督「……」
130: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 17:06:08.65 :CFK+jhoQ0
陸奥「ちょっと、なんとか言ってちょうだい? さすがに恥ずかしくなってきたわ///」
提督「なんとか」
陸奥「あらあら。いつものキレがないのね」クスクス
提督「ええ、ええ。柄にもないことを喋りすぎたせいで、喉が渇いてしまいました。ここらで一杯お茶が怖い」
陸奥「あら、あらあら。貴方の怖がる姿を拝む大チャンス到来かしら」
提督「そんなーやめてくださいーおちゃこわいよー」
陸奥「うふふ。それじゃあちょっと待っててね?」スタスタ
提督「……」
陸奥「ちょっと、なんとか言ってちょうだい? さすがに恥ずかしくなってきたわ///」
提督「なんとか」
陸奥「あらあら。いつものキレがないのね」クスクス
提督「ええ、ええ。柄にもないことを喋りすぎたせいで、喉が渇いてしまいました。ここらで一杯お茶が怖い」
陸奥「あら、あらあら。貴方の怖がる姿を拝む大チャンス到来かしら」
提督「そんなーやめてくださいーおちゃこわいよー」
陸奥「うふふ。それじゃあちょっと待っててね?」スタスタ
提督「……」
131: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/06(日) 17:08:53.94 :CFK+jhoQ0
提督「私が、この世のなによりも恐れているのは」
陸奥「……」カチャカチャ
提督「貴女の信頼に背くことです。貴女の期待を裏切ることです。貴女を失望させることです」
陸奥「……」
提督「走ってみせますよ。現実よりも速く。貴女がそう望むのならば」
陸奥「はい、お茶入りました」コトン
提督「はい、ありがとうございます」
陸奥「ところで今、なにか言った?」ニッコリ
提督「いいえ、なにも」ニッコリ
提督「私が、この世のなによりも恐れているのは」
陸奥「……」カチャカチャ
提督「貴女の信頼に背くことです。貴女の期待を裏切ることです。貴女を失望させることです」
陸奥「……」
提督「走ってみせますよ。現実よりも速く。貴女がそう望むのならば」
陸奥「はい、お茶入りました」コトン
提督「はい、ありがとうございます」
陸奥「ところで今、なにか言った?」ニッコリ
提督「いいえ、なにも」ニッコリ
146: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:45:37.90 :DQv2mIY00
提督「見合い話が来ているんですよ」
陸奥「……」
提督「見合い話が来ているんですよ」
陸奥「あ、うん。うん、そう。そう。聞こえてたわ?」
提督「上官の、割と近しい親戚の娘さんだとかで。写真も見せていただきましたが、どうしてなかなか。器量好しでした」
陸奥「……」
提督「まあもう断ったんですけどね」
陸奥「は?」
提督「見合い話が来ているんですよ」
陸奥「……」
提督「見合い話が来ているんですよ」
陸奥「あ、うん。うん、そう。そう。聞こえてたわ?」
提督「上官の、割と近しい親戚の娘さんだとかで。写真も見せていただきましたが、どうしてなかなか。器量好しでした」
陸奥「……」
提督「まあもう断ったんですけどね」
陸奥「は?」
147: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:46:57.98 :DQv2mIY00
提督「どうかしましたか?」
陸奥「……てっきり貴方のことだから」
提督「私の事だから?」
陸奥「すでに断っていることを伏せた上で私を焚きつけて見合い会場に乗り込ませた挙句にあれやこれやするべく手を打ってくるものだとばかり思っていたわ……」
提督「ええ、まあ。途中までは一字一句違わず、その通りの企てを弄んではいたのですが」
陸奥「おいこら」
提督「貴女には見通されるような気がしたので、すっぱり諦めました」ニッコリ
陸奥「はあ……はぁぁぁぁ……」グッタリ
提督「それで、ここからが本題なんですけどね?」
陸奥「はいはい、なぁに」シラー
提督「どうかしましたか?」
陸奥「……てっきり貴方のことだから」
提督「私の事だから?」
陸奥「すでに断っていることを伏せた上で私を焚きつけて見合い会場に乗り込ませた挙句にあれやこれやするべく手を打ってくるものだとばかり思っていたわ……」
提督「ええ、まあ。途中までは一字一句違わず、その通りの企てを弄んではいたのですが」
陸奥「おいこら」
提督「貴女には見通されるような気がしたので、すっぱり諦めました」ニッコリ
陸奥「はあ……はぁぁぁぁ……」グッタリ
提督「それで、ここからが本題なんですけどね?」
陸奥「はいはい、なぁに」シラー
148: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:47:40.44 :DQv2mIY00
「結婚しましょう」
「結婚しましょう」
149: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:48:38.49 :DQv2mIY00
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「……な」
提督「……ぷ」
陸奥「ぁ、あ、ぁ?」
提督「ぷっ、くっくっく」プルプル
陸奥「///」パクパク
提督「ふっ、はっはははは! す、すいませんっ、どうしてもその顔が見たかったもので……はははははっ!!」バンバン
陸奥「/////////」パクパクパクパク
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「……な」
提督「……ぷ」
陸奥「ぁ、あ、ぁ?」
提督「ぷっ、くっくっく」プルプル
陸奥「///」パクパク
提督「ふっ、はっはははは! す、すいませんっ、どうしてもその顔が見たかったもので……はははははっ!!」バンバン
陸奥「/////////」パクパクパクパク
150: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:49:52.42 :DQv2mIY00
陸奥「やられた! またやられたー! あぁんもう、またやられたわっ!///」ペシペシ
提督「」ニヤニヤ
陸奥「ほんっと、ほんっっっとうにずるいんだから! 変化球変化球と来ておいて、最後の最後にド直球とかぁ!!///」
提督「いやぁ名捕手ですいません。なにしろ空振り三振より見逃し三振を奪う方に快感を覚えるタチでして」
陸奥「貴方って最高に性格悪いわ!!!」
提督「はっはっは、最高の褒め言葉です」
陸奥「もー! もー! もーーー!!」
提督「どうどう」
陸奥「それ以上言うと本気で撃つわよ」ニッコリ
提督「ごめんなさい」
陸奥「やられた! またやられたー! あぁんもう、またやられたわっ!///」ペシペシ
提督「」ニヤニヤ
陸奥「ほんっと、ほんっっっとうにずるいんだから! 変化球変化球と来ておいて、最後の最後にド直球とかぁ!!///」
提督「いやぁ名捕手ですいません。なにしろ空振り三振より見逃し三振を奪う方に快感を覚えるタチでして」
陸奥「貴方って最高に性格悪いわ!!!」
提督「はっはっは、最高の褒め言葉です」
陸奥「もー! もー! もーーー!!」
提督「どうどう」
陸奥「それ以上言うと本気で撃つわよ」ニッコリ
提督「ごめんなさい」
151: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:51:24.88 :DQv2mIY00
陸奥「はぁぁあぁぁぁ、はぁ」グッタリ
提督「くっくっく、くくくくっ」プルプル
陸奥「いつまで笑ってるのよ、もうっ」
提督「ふ、ふふ……」プルプル
陸奥「?」
提督「……」プイ
陸奥「……?」
提督「……」
陸奥「ねえ、もしかして」
提督「……」
陸奥「照れてる?」
陸奥「はぁぁあぁぁぁ、はぁ」グッタリ
提督「くっくっく、くくくくっ」プルプル
陸奥「いつまで笑ってるのよ、もうっ」
提督「ふ、ふふ……」プルプル
陸奥「?」
提督「……」プイ
陸奥「……?」
提督「……」
陸奥「ねえ、もしかして」
提督「……」
陸奥「照れてる?」
152: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:54:00.46 :DQv2mIY00
提督「……そこで気づかないふりをするのが、貞淑さというものだと思うんですがね」ハァ
陸奥「しょうがないじゃない。貴方の耳たぶ、見逃すのが無粋なぐらい真っ赤っかなんだもの」ツンツン
提督「ヤケドでしょう。いい女に惚れてしまいましたから」
陸奥「その決め台詞は私が先に言いたかったわ……」
提督「なにせほら、爆発しそうな熱さですし。主に二番砲塔のあたりが」
陸奥「なんでいちいち一言余計なの?」
提督「すいません、性分で」
陸奥「かわいくない人」
提督「男がかわいいのは悪徳です」
陸奥「女から見れば美徳よ♪」
提督「……そこで気づかないふりをするのが、貞淑さというものだと思うんですがね」ハァ
陸奥「しょうがないじゃない。貴方の耳たぶ、見逃すのが無粋なぐらい真っ赤っかなんだもの」ツンツン
提督「ヤケドでしょう。いい女に惚れてしまいましたから」
陸奥「その決め台詞は私が先に言いたかったわ……」
提督「なにせほら、爆発しそうな熱さですし。主に二番砲塔のあたりが」
陸奥「なんでいちいち一言余計なの?」
提督「すいません、性分で」
陸奥「かわいくない人」
提督「男がかわいいのは悪徳です」
陸奥「女から見れば美徳よ♪」
153: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:55:06.92 :DQv2mIY00
提督「やれやれ。それで、えー。陸奥?」
陸奥「はい?」
提督「なにか私に、言うことはありませんかね?」
陸奥「あらあら、なにかあったかしら……この短い間に『なにか』ありすぎて、逆に思い当たらないわ」ニッコリ
提督「そんなー。意地悪しないでくださいよー」
陸奥「普段から貴方がしていることは『意地悪』に入らないのかしら……?」
提督「あれは、愛情表現です」ニコ
陸奥「ひねくれ者の愛情表現ほど始末に困るものもないわね」ハァ
提督「やれやれ。それで、えー。陸奥?」
陸奥「はい?」
提督「なにか私に、言うことはありませんかね?」
陸奥「あらあら、なにかあったかしら……この短い間に『なにか』ありすぎて、逆に思い当たらないわ」ニッコリ
提督「そんなー。意地悪しないでくださいよー」
陸奥「普段から貴方がしていることは『意地悪』に入らないのかしら……?」
提督「あれは、愛情表現です」ニコ
陸奥「ひねくれ者の愛情表現ほど始末に困るものもないわね」ハァ
154: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:55:56.91 :DQv2mIY00
提督「はっはっは……それで、陸奥」
陸奥「はい」
提督「返答の方、もらえますか」
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「……」チラッ
提督「……」
陸奥「……」
提督「なかなか焦らしてくれますね……」
陸奥「最近……」
提督「!」
提督「はっはっは……それで、陸奥」
陸奥「はい」
提督「返答の方、もらえますか」
陸奥「……」
提督「……」
陸奥「……」チラッ
提督「……」
陸奥「……」
提督「なかなか焦らしてくれますね……」
陸奥「最近……」
提督「!」
155: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 19:57:41.96 :DQv2mIY00
陸奥「最近ちょっと、肌寒くなってきたと思わない?」
提督「……夏よさらば、ですね。いつだってこの夏という季節は、長いようで短い」
陸奥「そうね。本当にね」
提督「ええ」
陸奥「冷えるのよ、身体」
提督「そりゃあそんな破廉恥ルックしてればそうでしょう」
陸奥「あたためて」
提督「……」
陸奥「あたためて?」ニコ
陸奥「最近ちょっと、肌寒くなってきたと思わない?」
提督「……夏よさらば、ですね。いつだってこの夏という季節は、長いようで短い」
陸奥「そうね。本当にね」
提督「ええ」
陸奥「冷えるのよ、身体」
提督「そりゃあそんな破廉恥ルックしてればそうでしょう」
陸奥「あたためて」
提督「……」
陸奥「あたためて?」ニコ
156: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 20:01:30.30 :DQv2mIY00
提督「私に爆弾を抱きしめろと?」
陸奥「扱いには慣れてらっしゃるでしょ?」
提督「おやおや。貴女の二番砲塔で火遊びに興じるほどの持ち合わせはありませんよ。勇気も経験も、ね」
陸奥「危ないのはお嫌い?」
提督「それはもちろん……」
陸奥「ああごめんなさい、一字間違えたわ」
提督「ふむ?」
陸奥「――アブない『女』は、お嫌い?」
提督「――」
提督「私に爆弾を抱きしめろと?」
陸奥「扱いには慣れてらっしゃるでしょ?」
提督「おやおや。貴女の二番砲塔で火遊びに興じるほどの持ち合わせはありませんよ。勇気も経験も、ね」
陸奥「危ないのはお嫌い?」
提督「それはもちろん……」
陸奥「ああごめんなさい、一字間違えたわ」
提督「ふむ?」
陸奥「――アブない『女』は、お嫌い?」
提督「――」
157: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 20:03:42.08 :DQv2mIY00
陸奥「……」ニコニコ
提督「……ふぅ。参りました。私の負けです」
陸奥「あら、あらあら。いつから勝負になってたのかしら」クスクス
提督「取り扱いにはせいぜい留意しましょう。危ないですからね」
陸奥「うふふふふっ♪」
提督「やれやれ……」
陸奥「ね」
提督「はい?」
陸奥「大事に取り扱って、ね?」ニコ
提督「……一生責任、持ちますよ」
艦!
陸奥「……」ニコニコ
提督「……ふぅ。参りました。私の負けです」
陸奥「あら、あらあら。いつから勝負になってたのかしら」クスクス
提督「取り扱いにはせいぜい留意しましょう。危ないですからね」
陸奥「うふふふふっ♪」
提督「やれやれ……」
陸奥「ね」
提督「はい?」
陸奥「大事に取り扱って、ね?」ニコ
提督「……一生責任、持ちますよ」
艦!
161:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/10(木) 20:48:20.29 :Oi2ZDzrho
乙
ところで、むっちゃんの熱くなる場所は第三砲塔じゃなかったっけ?
ところで、むっちゃんの熱くなる場所は第三砲塔じゃなかったっけ?
164:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2015/09/10(木) 21:24:11.95 :NvcepUvlO
乙です
165: ◆F.lQmLP.5M:2015/09/10(木) 21:26:07.72 :DQv2mIY00
やっべ、なんでかわかんないけど第二砲塔で覚えてました…
脳内補完をよろしくお願いいたします
やっべ、なんでかわかんないけど第二砲塔で覚えてました…
脳内補完をよろしくお願いいたします
コメント
>陸奥「……」
>提督「私たちは果たして、いつまで続けられますかね。こんな………………」
お金があればできる