北風「ではまず、私から……」

北風「ヒューッ！　ヒューッ！」



ビュオォォォォォ……！



旅人「……」

北風「あれ？　風でコートを吹き飛ばすはずが……おかしいですねぇ」

太陽「どうやら、お前には無理だったようだな」

太陽「次は俺の番だ！」

太陽「うおおおおおおっ！」



カッ！



旅人「……」

太陽「くそっ、ダメか！　暑さでコートを脱ぐと思ったのに……」

北風「残念でした。再び私の番ですね」

北風「今度こそあのコートを脱がせてみせますよ」

ところが――



北風「ヒューッ！　ヒューッ！」ﾋﾞｭｵｫｫｫｫｫ



太陽「うおおおおおおっ！」ｶｯ



北風「ヒューッ！　ヒューッ！」ﾋﾞｭｵｫｫｫｫｫ



太陽「うおおおおおおっ！」ｶｯ



旅人「……」

太陽「バ、バカな……！？」

太陽「なんなんだあの旅人、コートを脱ぐ気配がないぞ！？」

北風「おかしいですねえ……？」

北風「こうなったら、意地を張ってる場合じゃありません」

北風「共同戦線といきましょう！」

太陽「そうだな！　俺は正面から攻める！　お前は背後から攻めてくれ！」

北風「ヒューッ！　ヒューッ！」ﾋﾞｭｵｫｫｫｫｫ



太陽「うおおおおおおっ！」ｶｯ



旅人「……」

北風「む？　私の風で、旅人の服が剥げていく……？」





旅人「……」ﾍﾟﾘﾍﾟﾘ…

太陽「ん？　俺の熱で、旅人の服が溶けていく……？」





旅人「……」ﾄﾞﾛﾄﾞﾛ…

北風「ま、まさか……！　あの旅人のコートは……」

太陽「コートに見せかけた――」

北風＆太陽「ボディペイント！？」



旅人「ピンポーン」ｽｯﾎﾟﾝﾎﾟｰﾝ







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おわり