弟「しかもお前、三次元もいけるとか希少種かよ」

姉「ちょっと、人を化物みたいに」

弟「当たり前だろ！！ 腐女子は化物以外のなんでもねーよ！！」

弟「しかもよぉお前よぉ……」

姉「なになに？」

弟「この間普通にアニメ見てる時によぉ……隣であっちが攻めでこっちが受けとかわけの分からないこと言うしよー……」

弟「そういうアニメじゃねーよ！！ バトルアニメだからアレ！！ BLの要素皆無！！」

姉「えっ違うの」

弟「ちげーよ！！」

姉「でも男が二人以上いるとそう思っちゃうもん。 腐女子の性ってやつかな」

弟「それがこえーんだよ。 男二人以上いるだけでそういう妄想ができるっていう時点でヤバイレベルにまで達してんだよ」

弟「もうお前、男がいない世界に隔離させてやろうか」

姉「口が悪いよー」

弟「誰が原因だと思ってんだよ」

姉「……あっ！！ 見てあれ！！」

弟「ん？」

姉「鉛筆と消しゴムだよ〜/// 多分鉛筆はイケメンの攻めでー……消しゴムはー……」

弟「お前ホントこええよ……」

弟「男同士で付き合うとかホント気持ち悪い……」

姉「あ、ひどい」

弟「そもそも何がきっかけでそうなった」

姉「物心ついたときにはこうなってたかなー」

弟「もういいや……とにかくお前は今後、俺にBLの話はするな」

姉「えー！？ じゃあ私、弟と何の話すれば……」

弟「お前本当にBLしかねえのかよ！？ 世間話とかいっぱいあるだろ！！」

姉「あーそっかー……」

姉「あ！ そういえばこの間ね……」

弟「ん？」

姉「弟の部屋からこんなものが……」

弟「！！ その絵は……」

姉「女同士でキスしてる絵があったんだけど」

姉「これ弟の絵だよね？ 相変わらず上手いよねー」

弟「は、はい……」

姉「でもさ、このアニメの絵ってさ……百合要素皆無だよね？」

弟「！！！」

姉「私にはBLじゃないのにBL妄想するのはやめろって言う癖に自分はGL妄想しちゃってもいいんだー」

弟「あ、あの……」

姉「ていうか弟って百合豚だったんだー」

弟「は、はい……私は……百合豚です」

姉「じゃあ私と同類だねー」

弟「は？」

弟「おいちょっと待て、なんで同類扱いなんだ」

姉「同性愛好き」

弟「あのね、GLはBLと違って何倍も美しいの。 GLは綺麗だけどBLは汚いったらありゃしない」

姉「えっなにその百合を正当化した言い方」

弟「もう俺正直に言うわ。 女しかいない世界に住みたい」

姉「変わってるねー」

弟「おめえに言われたくねぇよ！！ いいか、こっちは言いたくてもお前に押されて言えなかったんだよ！！」

『人気の女性お笑いコンビが……』

弟「正直三次元でもいけるよ！！ この二人なんか萌えるよ！ 百合でもGLでも俺はどっちでもいけるよ！！」

姉「わーい希少種ー」

弟「うるせえ！！」

弟「腐女子は害悪！！ 百合豚は害悪じゃない！！」

姉「そうやってまた百合を正当化しちゃってー、百合豚も異常だよ？」

弟「そんなことはない！！ 百合は素晴らしい！！ 百合はいたって普通の恋愛！！」

姉「そんなこと言ったら腐ってるのも正常じゃ……」

弟「そんなわけねぇよ！！」

父「どっちもおかしい」

弟・姉「！！！」

父「お前ら人間じゃない」

姉「ひどい……」

弟「それが実の子どもに言うことか……」

父「人間は普通男と女が愛し合う」

父「同性を愛するとかまともじゃねーぞ」

父「お前ら異常だな……」

弟「そうかそうか……」

姉「そういうことか……」

父「ん？」

弟「あんたはなにも分かってない……」

姉「普通じゃないから素晴らしいということを……」

父「は？」

弟「禁断の愛だからこそ……」

姉「萌えるものなのに……」

父「萌えるわけねーだろ」

弟「うるせえ！！ 姉貴、アレやるぞ！！」

姉「うん！」

弟・姉「はあああああああ！！！」











父「ここは……どこだ！？」

弟「二人で作った幻覚の世界だ」

父「なっ……父さんの周りに無数のホモとレズ……それにBL本とGL本！！」

姉「飲み込まれろ！！」

父「ぐおおおおおおおおお！！！」

父「父さんにはもう……時間がない」

弟「遺言は？」

父「実は私は……カプ厨だった」バタッ

姉「やったね！」

弟「ああ……なぁ姉貴」

姉「？」

弟「俺間違ってたよ。 百合は万人受けするもの……綺麗なもの……それを当たり前と思っちゃダメだったんだな」

姉「私の方こそごめんね……嫌いなのに無理矢理腐った話ばっかり聞かせて……あと、こういう話は鍵垢でするよ」

弟「姉貴……」

姉「弟……」

二人はキスをした。

〜終わり〜