神戸尊「また警部殿の勝ちですか…」

杉下右京「カードゲームの勝敗というものは、時に運に左右されます
次はわかりませんよ」

神戸尊「そう言いながら46連勝してるじゃないですか」

杉下右京「おや？もうそんなに勝ってましたか」

角田「相変わらず暇そうだね～」

神戸尊「どうです？やりませんか？」

角田「へっ、俺はそんな小さい文字見えねぇから遠慮しとくよ」

杉下右京「では、もう一戦だけ」

神戸尊「これが終わったら仕事戻りますよ」

杉下右京「先程からそう言いつつもずっと対戦してるじゃありませんか」

神戸尊「その言葉、警部殿にそっくりそのままお返しします」

杉下右京「ところで神戸くん、君、デッキは何枚で組み上げましたか？」

神戸尊「んー…詳しく覚えてませんが、ざっと60枚ぐらいですかね」

杉下右京「いけませんねぇ」

神戸尊「と、言うと？」

杉下右京「このカードゲームにおけるデッキの最低枚数は40枚
その40枚の中に自分が入れたいカードを収めるのが一般的なデッキ構築なんですよ」

神戸尊「お言葉ですが警部殿、40枚に収めるなんて不可能なのでは？」

杉下右京「実際に僕の40枚のデッキは君の60枚超のデッキに46連勝しています
これが動かぬ証拠だと思いますがねぇ」

神戸尊「……なるほど」

杉下右京「そしてこれで、47連勝ということになりますねぇ
滅びのバーストストリーム、と」

神戸尊「滅びの？…どういう意味でしょう？」

杉下右京「無粋ですよ、神戸くん」

米沢「お、遊戯王ですか～懐かしいですなぁ」

杉下右京「ええ、興味本意で始めてみたのですが、ついのめり込んでしまいましてねぇ」

神戸尊「興味本意で経験者の僕を46連敗させるんだから、嫌になっちゃうな」

米沢「ははは、警部殿にはかないませんな
あ、こちら頼まれてた資料です」

杉下右京「いつもすみませんねぇ」

米沢「いえいえ
では、私はこれで」

神戸尊「ひとまず休憩ですか」

杉下右京「カードゲームの休憩に仕事というのは、あまり感心しない言い方ですねぇ」

神戸尊「失礼しました
で、今回の事件はどんな？」

杉下右京「なかなか興味深い事件ですよ
何でも、世界に一枚しか無いカードが盗まれたとか
世界に一枚だけとは、一体どのような効果なのでしょうか？そもそも実際の試合で使えるものなのか？ああ、僕としたことが、つい興奮してしまいました」

神戸尊「お言葉ですが、警部殿………」


おわり