1: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:12:00.55 :asUk6so0O
しとしと
しとしと……
―――加蓮's room
「…………」
「…………う……」モゾ…
加蓮「……暑い」モゾモゾ
加蓮「ん……」コロリ
加蓮「……あたま、いたい……」
加蓮「……助けてぇ……」ズキズキ…
しとしと
しとしと……
―――加蓮's room
「…………」
「…………う……」モゾ…
加蓮「……暑い」モゾモゾ
加蓮「ん……」コロリ
加蓮「……あたま、いたい……」
加蓮「……助けてぇ……」ズキズキ…
2: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:13:39.93 :asUk6so0O
加蓮「暑い……」
加蓮「痛い……」
加蓮「雨、うざっ……」
加蓮「勘弁してよ……せっかくのお休みなのに……」
加蓮「ていうか今何時――」
加蓮「……3時て。……お昼ご飯~……」グゥー…
加蓮「暑い……」
加蓮「痛い……」
加蓮「雨、うざっ……」
加蓮「勘弁してよ……せっかくのお休みなのに……」
加蓮「ていうか今何時――」
加蓮「……3時て。……お昼ご飯~……」グゥー…
3: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:15:14.09 :asUk6so0O
加蓮「……はぁ」
加蓮(……今頃なにしてるのかな。李衣菜、泰葉……)
加蓮(お仕事、上手く行ってるといいな)
加蓮(雨のせいで風邪ひかなきゃいいけど)
加蓮(傘持ってってるかな。あ、雨足強いからPさんが送ってくれてるか)
加蓮(ううん、そうでなくても最近は暑くなったり寒くなったり、体調崩しやすいし――って)
加蓮「……ふふっ。説得力なさすぎでしょ私……いたた」
加蓮「……はぁ」
加蓮(……今頃なにしてるのかな。李衣菜、泰葉……)
加蓮(お仕事、上手く行ってるといいな)
加蓮(雨のせいで風邪ひかなきゃいいけど)
加蓮(傘持ってってるかな。あ、雨足強いからPさんが送ってくれてるか)
加蓮(ううん、そうでなくても最近は暑くなったり寒くなったり、体調崩しやすいし――って)
加蓮「……ふふっ。説得力なさすぎでしょ私……いたた」
4: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:17:31.41 :asUk6so0O
加蓮「はぁ、早く治さないとなぁ――」
こんこんっ
加蓮「あ……、お母さん?」
「――あら、起きたの? 入っても大丈夫?」
加蓮「うん、さっき。いいよ」
かちゃり
母「具合はどう?」
加蓮「さいてーさいあく」
母「ふふ、そう。お粥作ってあるけど……食べれそう?」
加蓮「はぁ、早く治さないとなぁ――」
こんこんっ
加蓮「あ……、お母さん?」
「――あら、起きたの? 入っても大丈夫?」
加蓮「うん、さっき。いいよ」
かちゃり
母「具合はどう?」
加蓮「さいてーさいあく」
母「ふふ、そう。お粥作ってあるけど……食べれそう?」
5: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:19:43.57 :asUk6so0O
加蓮「うん、食べる。お昼抜きはさすがにつらかったとこ」
母「なら良かった。起きれる?」
加蓮「ん、それくらいは余裕――あやっぱダメ、死にそ」クテン
母「ふざけないの」ペシ
加蓮「いっ……!? ま、まだ頭痛いのマジだからぁ……っ!」ズギンズギン…!
母「あらら、それはごめんなさいね。ちゃっちゃと起きなさい」
加蓮「うぅ、冗談なのにぃ……!」
加蓮「うん、食べる。お昼抜きはさすがにつらかったとこ」
母「なら良かった。起きれる?」
加蓮「ん、それくらいは余裕――あやっぱダメ、死にそ」クテン
母「ふざけないの」ペシ
加蓮「いっ……!? ま、まだ頭痛いのマジだからぁ……っ!」ズギンズギン…!
母「あらら、それはごめんなさいね。ちゃっちゃと起きなさい」
加蓮「うぅ、冗談なのにぃ……!」
6: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:21:51.45 :asUk6so0O
母「言って良いことと悪いことがあります」
加蓮「ぁい……ごめんなさい……」ムク…
母「……ここ? 首辺り?」サスサス
加蓮「あ……うん、ていうか全体……? 久しぶりだから分かんない」
母「そうね……。寝込むほど体調崩すなんて、もう風邪をひいたときくらいかしら?」ナデナデ
加蓮「ん……アイドルになってからはそうかも。あはは、健康優良児とはいかないね、やっぱり」
母「言って良いことと悪いことがあります」
加蓮「ぁい……ごめんなさい……」ムク…
母「……ここ? 首辺り?」サスサス
加蓮「あ……うん、ていうか全体……? 久しぶりだから分かんない」
母「そうね……。寝込むほど体調崩すなんて、もう風邪をひいたときくらいかしら?」ナデナデ
加蓮「ん……アイドルになってからはそうかも。あはは、健康優良児とはいかないね、やっぱり」
7: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:24:58.67 :asUk6so0O
母「ふふふ。ここまで頑丈になっただけ大したものよ」
加蓮「かな? まぁだいぶ鍛えられてるしねー」
母「…………。よく頑張ったわね、加蓮。……ううん、今もすごく頑張ってる」
加蓮「……そっかな」
母「ええ。アンタは私の自慢の娘」ナデナデ
加蓮「~~っ……! い、いいからお粥っ」ペシー
母「ふふっ、はいはい♪ すぐ持ってくるから」
加蓮「もう……!」
母「ふふふ。ここまで頑丈になっただけ大したものよ」
加蓮「かな? まぁだいぶ鍛えられてるしねー」
母「…………。よく頑張ったわね、加蓮。……ううん、今もすごく頑張ってる」
加蓮「……そっかな」
母「ええ。アンタは私の自慢の娘」ナデナデ
加蓮「~~っ……! い、いいからお粥っ」ペシー
母「ふふっ、はいはい♪ すぐ持ってくるから」
加蓮「もう……!」
8: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:27:35.13 :asUk6so0O
―――
加蓮「はぐはぐはぐ」
母「いい食べっぷり……そんなにお腹空いてたの?」
加蓮「ん」モグモグ
母「お味はどうかしら」
加蓮「んっ」bグッ
母「そう」クスッ
―――
加蓮「はぐはぐはぐ」
母「いい食べっぷり……そんなにお腹空いてたの?」
加蓮「ん」モグモグ
母「お味はどうかしら」
加蓮「んっ」bグッ
母「そう」クスッ
9: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:29:23.43 :asUk6so0O
加蓮「……んぐ。でもやっぱりちょっと薄い……懐かしいけど」
母「お母さんも久しぶりに作ったからね……立派になってくれたおかげで」
加蓮「それはいいってば……。ごちそうさまでした」
母「はい、お粗末さまでした。うーん、全部食べたわねぇ」
加蓮「うん。……変?」
母「だって、前は半分は残してたでしょう? 残りを食べちゃうのが私の密かな楽しみだったんだけど……」
加蓮「……んぐ。でもやっぱりちょっと薄い……懐かしいけど」
母「お母さんも久しぶりに作ったからね……立派になってくれたおかげで」
加蓮「それはいいってば……。ごちそうさまでした」
母「はい、お粗末さまでした。うーん、全部食べたわねぇ」
加蓮「うん。……変?」
母「だって、前は半分は残してたでしょう? 残りを食べちゃうのが私の密かな楽しみだったんだけど……」
10: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:31:10.17 :asUk6so0O
加蓮「密かな楽しみって。私そんな残してたっけ?」
母「ええ、大抵は。まだいけそうじゃない、その様子だと」
加蓮「ポテトいけます」
母「調子に乗らないの」ポフッ
加蓮「あぅふ……っ!」ズキンズキン…!
母「でも、そうねぇ。今までは一度寝込むと2、3日はダウンしてたのに」
加蓮「い、今にもダウンしそうなんですけど……」ピクピク…
加蓮「密かな楽しみって。私そんな残してたっけ?」
母「ええ、大抵は。まだいけそうじゃない、その様子だと」
加蓮「ポテトいけます」
母「調子に乗らないの」ポフッ
加蓮「あぅふ……っ!」ズキンズキン…!
母「でも、そうねぇ。今までは一度寝込むと2、3日はダウンしてたのに」
加蓮「い、今にもダウンしそうなんですけど……」ピクピク…
11: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:33:09.38 :asUk6so0O
母「それが今や半日で軽口叩けるまでになるなんて……お母さん感激」
加蓮「オフで良かったような、タイミング悪かったような……」
母「ふふ、本当は遊びに行きたかったんじゃない?」
加蓮「んーん、どっちにしろ雨だし……自主レッスン行きたかったな」
母「あら。あのめんどくさがりが自主レッスン?」
加蓮「そ、あのめんどくさがりがね。……ふたりに置いてかれたくないもん」
母「それが今や半日で軽口叩けるまでになるなんて……お母さん感激」
加蓮「オフで良かったような、タイミング悪かったような……」
母「ふふ、本当は遊びに行きたかったんじゃない?」
加蓮「んーん、どっちにしろ雨だし……自主レッスン行きたかったな」
母「あら。あのめんどくさがりが自主レッスン?」
加蓮「そ、あのめんどくさがりがね。……ふたりに置いてかれたくないもん」
12: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:36:06.57 :asUk6so0O
母「なるほど。李衣菜ちゃんと、泰葉ちゃんか」
加蓮「うん。せめて隣にいられるようにってね。頑張らないと」
母「……ふふ」
加蓮「ん、なに?」
母「そんなふうに思えるお友だち、できたのね」
加蓮「えへへ……。李衣菜の人懐っこさと、泰葉の優しさのせいでね……いつの間にかこうなっちゃった」
母「なるほど。李衣菜ちゃんと、泰葉ちゃんか」
加蓮「うん。せめて隣にいられるようにってね。頑張らないと」
母「……ふふ」
加蓮「ん、なに?」
母「そんなふうに思えるお友だち、できたのね」
加蓮「えへへ……。李衣菜の人懐っこさと、泰葉の優しさのせいでね……いつの間にかこうなっちゃった」
13: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:38:57.91 :asUk6so0O
母「んふふ、なかなか良いようにイジられてるみたいねぇ?」ニヤニヤ
加蓮「あぁ、それね……。まさに今みたいなお母さんが増えた感じ」ムス
母「ふふ♪ 加蓮が人前であんなに慌てたり焦ったりなんて、今までだったらありえないわね♪」
加蓮「う、うるさいっ! あー頭に響く……!」ズキズキ
母「はいはい、加蓮ちゃんいいこいいこ♪」ナーデナーデ
加蓮「うぅ……なんでこうなったんだろほんと……」
母「ふふふ――」
母(それだけ李衣菜ちゃんと泰葉ちゃんに心を許してるってことよね……)
母(本当に……良かった。ありがとうね、お友だちになってくれて……!)
母「んふふ、なかなか良いようにイジられてるみたいねぇ?」ニヤニヤ
加蓮「あぁ、それね……。まさに今みたいなお母さんが増えた感じ」ムス
母「ふふ♪ 加蓮が人前であんなに慌てたり焦ったりなんて、今までだったらありえないわね♪」
加蓮「う、うるさいっ! あー頭に響く……!」ズキズキ
母「はいはい、加蓮ちゃんいいこいいこ♪」ナーデナーデ
加蓮「うぅ……なんでこうなったんだろほんと……」
母「ふふふ――」
母(それだけ李衣菜ちゃんと泰葉ちゃんに心を許してるってことよね……)
母(本当に……良かった。ありがとうね、お友だちになってくれて……!)
14: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:41:16.88 :asUk6so0O
加蓮「――う……ごめ、ほんとに頭痛ぶり返してきた……」
母「あらま。お母さんもごめんね、こんなに話しちゃって。横になんなさい」
加蓮「うん……ちょっと寝る~……」
母「夕飯は……そうね、適当に作っとくから、夜中に目が覚めたらそれ食べて」
加蓮「ん……ありがと」
母「明日は元気な姿見せなさいね?」
加蓮「任せて、今までとは違うんだから。ふふふっ」
母「ふふ。おやすみなさい」ナデ
加蓮「ん。おやすみ、お母さん……」
加蓮「――う……ごめ、ほんとに頭痛ぶり返してきた……」
母「あらま。お母さんもごめんね、こんなに話しちゃって。横になんなさい」
加蓮「うん……ちょっと寝る~……」
母「夕飯は……そうね、適当に作っとくから、夜中に目が覚めたらそれ食べて」
加蓮「ん……ありがと」
母「明日は元気な姿見せなさいね?」
加蓮「任せて、今までとは違うんだから。ふふふっ」
母「ふふ。おやすみなさい」ナデ
加蓮「ん。おやすみ、お母さん……」
15: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:42:48.61 :asUk6so0O
かちゃり
ぱたん……
加蓮「…………んん」モゾ
加蓮「……うん」
加蓮「気合だ、北条加蓮」
加蓮「さくっと治して、また明日から頑張れ私っ。根性見せろっ」
かちゃり
ぱたん……
加蓮「…………んん」モゾ
加蓮「……うん」
加蓮「気合だ、北条加蓮」
加蓮「さくっと治して、また明日から頑張れ私っ。根性見せろっ」
16: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:45:04.64 :asUk6so0O
加蓮「……ふふ」
加蓮(気合だ根性だなんて、昔の私が聞いたらなんて言うかな。ねぇ――)
加蓮「…………」
加蓮「李衣菜……泰葉……」
加蓮「……Pさん、ちひろさん」
加蓮「…………」
加蓮「………………好きぃ」ポソリ
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮「……うぁ~……!」カァァ…
加蓮「……ふふ」
加蓮(気合だ根性だなんて、昔の私が聞いたらなんて言うかな。ねぇ――)
加蓮「…………」
加蓮「李衣菜……泰葉……」
加蓮「……Pさん、ちひろさん」
加蓮「…………」
加蓮「………………好きぃ」ポソリ
加蓮「…………」
加蓮「…………」
加蓮「……うぁ~……!」カァァ…
17: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:47:27.87 :asUk6so0O
加蓮「さ、さっさと寝よう。寝るに限る」モゾモゾ
加蓮(うわー……顔、あつっ……)
加蓮(体が弱ってると……うん、つい口走っちゃうこともあるって。うん)
加蓮(……寂しがり、だなぁ……私)
加蓮(まぁ、それでも……いっか……)ウト
加蓮(あした、は……えがお……で……)ウトウト
加蓮「…………すぅ……すぅ……」
ピンポーン
加蓮「さ、さっさと寝よう。寝るに限る」モゾモゾ
加蓮(うわー……顔、あつっ……)
加蓮(体が弱ってると……うん、つい口走っちゃうこともあるって。うん)
加蓮(……寂しがり、だなぁ……私)
加蓮(まぁ、それでも……いっか……)ウト
加蓮(あした、は……えがお……で……)ウトウト
加蓮「…………すぅ……すぅ……」
ピンポーン
18: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:49:10.86 :asUk6so0O
―――
――
―
加蓮「……んー」モゾ…
加蓮「…………トイレ……」ムクリ
加蓮「……お。頭軽い……治った、かな?」
加蓮(ふふ、これなら明日はよゆーかなー♪)
加蓮(今は……なんだ、まだ10時か……。夕飯作っとくって言ってたし、少しだけ食べよっと)
加蓮「~♪」トテトテ
―――
――
―
加蓮「……んー」モゾ…
加蓮「…………トイレ……」ムクリ
加蓮「……お。頭軽い……治った、かな?」
加蓮(ふふ、これなら明日はよゆーかなー♪)
加蓮(今は……なんだ、まだ10時か……。夕飯作っとくって言ってたし、少しだけ食べよっと)
加蓮「~♪」トテトテ
19: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:52:02.22 :asUk6so0O
加蓮「――あれ……?」
加蓮(リビング騒がしい……?)
がちゃり
父「――いやぁありがとね泰葉ちゃん。アイドルにお酌してもらうなんて幸せだなーえへへ」
泰葉「ふふ、全然構いませんよ。私の両親は九州ですし……こういうの、憧れてました」
加蓮「……へっ?」
加蓮「――あれ……?」
加蓮(リビング騒がしい……?)
がちゃり
父「――いやぁありがとね泰葉ちゃん。アイドルにお酌してもらうなんて幸せだなーえへへ」
泰葉「ふふ、全然構いませんよ。私の両親は九州ですし……こういうの、憧れてました」
加蓮「……へっ?」
20: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:54:08.65 :asUk6so0O
加蓮「な、え、……はっ?」
父「ん? あぁ加蓮、起きたんだね。母さんから聞いたけど具合はどうかな?」
泰葉「加蓮! 頭痛治ったの? もう、心配かけて……」
加蓮「う、うん。もう大丈夫――」
加蓮「じゃなくて! なにやってんの泰葉!? どうしてうちにいるの!? ていうかなにお父さんにお酒注いでんの!?」
泰葉「ふふ、こんばんは加蓮」ペコリ
加蓮「あ、こんばんは」ペコ
加蓮「って挨拶はどーでもいいんだってばッ!」
加蓮「な、え、……はっ?」
父「ん? あぁ加蓮、起きたんだね。母さんから聞いたけど具合はどうかな?」
泰葉「加蓮! 頭痛治ったの? もう、心配かけて……」
加蓮「う、うん。もう大丈夫――」
加蓮「じゃなくて! なにやってんの泰葉!? どうしてうちにいるの!? ていうかなにお父さんにお酒注いでんの!?」
泰葉「ふふ、こんばんは加蓮」ペコリ
加蓮「あ、こんばんは」ペコ
加蓮「って挨拶はどーでもいいんだってばッ!」
21: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:55:50.79 :asUk6so0O
父「どうどう。落ち着きなさい」
泰葉「どうどう。あと質問はひとつだけね」
加蓮「はぁ……はぁ……! じゃ、じゃあ……なんでうちにっ?」
泰葉「朝LINEくれたでしょう? いつもなら何度もメッセージ送ってくるのに……」
李衣菜「――朝のそれっきりだったからね。おかしいと思ってお仕事終わりに寄ったら案の定、ってわけ」トコトコ
加蓮「うわぁやっぱり李衣菜もいた……」
李衣菜「うわぁってひどくない? ……良かった、元気になったみたいだね。へへへ」
父「どうどう。落ち着きなさい」
泰葉「どうどう。あと質問はひとつだけね」
加蓮「はぁ……はぁ……! じゃ、じゃあ……なんでうちにっ?」
泰葉「朝LINEくれたでしょう? いつもなら何度もメッセージ送ってくるのに……」
李衣菜「――朝のそれっきりだったからね。おかしいと思ってお仕事終わりに寄ったら案の定、ってわけ」トコトコ
加蓮「うわぁやっぱり李衣菜もいた……」
李衣菜「うわぁってひどくない? ……良かった、元気になったみたいだね。へへへ」
22: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/22(水) 23:57:57.12 :asUk6so0O
父「加蓮、お礼言いなさい。心配してお見舞いに来てくれたんだから。改めて僕からもありがとう、娘のために」
李衣菜「そんなそんな。お礼なんていいですよっ」
泰葉「勝手に押しかけて、夕飯までごちそうになっちゃいましたし……」
加蓮「お見舞いに来て人んちでご飯食べるってどうなの……」
母「――ふふ、起きたのね加蓮。治ったみたいね」スタスタ
母「それと、夕飯作るのも手伝ってもらったのよ。というかほとんど作ってくれて助かっちゃったわ♪」
泰葉「加蓮が元気になるように、と思ったので。ふふふ」
李衣菜「いつもより気合入れて作ったんだ、加蓮ママや加蓮パパにも喜んでもらえるようにっ」
加蓮「えぇ~……」
父「加蓮、お礼言いなさい。心配してお見舞いに来てくれたんだから。改めて僕からもありがとう、娘のために」
李衣菜「そんなそんな。お礼なんていいですよっ」
泰葉「勝手に押しかけて、夕飯までごちそうになっちゃいましたし……」
加蓮「お見舞いに来て人んちでご飯食べるってどうなの……」
母「――ふふ、起きたのね加蓮。治ったみたいね」スタスタ
母「それと、夕飯作るのも手伝ってもらったのよ。というかほとんど作ってくれて助かっちゃったわ♪」
泰葉「加蓮が元気になるように、と思ったので。ふふふ」
李衣菜「いつもより気合入れて作ったんだ、加蓮ママや加蓮パパにも喜んでもらえるようにっ」
加蓮「えぇ~……」
23: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:00:03.86 :hijsN4bQO
父「うーむ、加蓮も僕に手料理作ってくれないかな……」
李衣菜「教えようとはしてるんですけどねー。本人が乗り気じゃなくて」
父「そっか……。いや、李衣菜ちゃんお願いだ。なんとか粘り強く――」
李衣菜「分かりました! 私が絶対に――!」
母「私の立つ瀬がないわねー。李衣菜ちゃんほんと料理上手なんだもの」
泰葉「いえ、立つ瀬がないなんてそんなこと。加蓮の好きな味を知っているのは加蓮ママじゃないですか」
母「はっ、そうね、そうだったわ! 李衣菜ちゃんの料理スキルと私が長年培った加蓮への愛……それを合わせれば!」
泰葉「ええ、そうしたらきっと最高の料理が――♪」
母「ありがとう泰葉ちゃん――!」
わいわいがやがや
加蓮「……馴染みすぎでしょふたりとも……」
父「うーむ、加蓮も僕に手料理作ってくれないかな……」
李衣菜「教えようとはしてるんですけどねー。本人が乗り気じゃなくて」
父「そっか……。いや、李衣菜ちゃんお願いだ。なんとか粘り強く――」
李衣菜「分かりました! 私が絶対に――!」
母「私の立つ瀬がないわねー。李衣菜ちゃんほんと料理上手なんだもの」
泰葉「いえ、立つ瀬がないなんてそんなこと。加蓮の好きな味を知っているのは加蓮ママじゃないですか」
母「はっ、そうね、そうだったわ! 李衣菜ちゃんの料理スキルと私が長年培った加蓮への愛……それを合わせれば!」
泰葉「ええ、そうしたらきっと最高の料理が――♪」
母「ありがとう泰葉ちゃん――!」
わいわいがやがや
加蓮「……馴染みすぎでしょふたりとも……」
24: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:02:42.87 :hijsN4bQO
李衣菜「――あっ! そうだ忘れてたっ。加蓮、お腹空いてるでしょ?」
加蓮「う、うん。食べたいけど」
李衣菜「じゃあすぐあっためてあげるよ、待ってて!」タタッ
加蓮「はいはいありがと。ふふ、そんな急がなくてもいいのに……」
加蓮「って、私トイレに起きたんだった。ちょっと行って――」
泰葉「あ、ひとりで平気? ついてく?」
加蓮「バカにしてる? ねぇバカにしてる?」
李衣菜「――あっ! そうだ忘れてたっ。加蓮、お腹空いてるでしょ?」
加蓮「う、うん。食べたいけど」
李衣菜「じゃあすぐあっためてあげるよ、待ってて!」タタッ
加蓮「はいはいありがと。ふふ、そんな急がなくてもいいのに……」
加蓮「って、私トイレに起きたんだった。ちょっと行って――」
泰葉「あ、ひとりで平気? ついてく?」
加蓮「バカにしてる? ねぇバカにしてる?」
25: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:04:03.87 :hijsN4bQO
泰葉「ふふっ、冗談なのに」
加蓮「子どもか私……んもー」
キッチン<トイレはリビング出て右だよー
加蓮「知ってる! 自分ちで迷子ってなんなの!」プンスカ
母「ふふふ♪」
父「なんだか君にからかわれてるみたいだね、加蓮」
母「そうね。でもいいじゃない、私たち以外にもあんな顔を見せるようになってくれて」
父「……ああ。そうだね」ニコ
泰葉「ふふっ、冗談なのに」
加蓮「子どもか私……んもー」
キッチン<トイレはリビング出て右だよー
加蓮「知ってる! 自分ちで迷子ってなんなの!」プンスカ
母「ふふふ♪」
父「なんだか君にからかわれてるみたいだね、加蓮」
母「そうね。でもいいじゃない、私たち以外にもあんな顔を見せるようになってくれて」
父「……ああ。そうだね」ニコ
26: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:06:22.48 :hijsN4bQO
加蓮「――で。こんな時間までいるってことは、泊まるつもりなんでしょ?」モグモグ
李衣菜「まぁね。着替えまだ置いてあったっけ?」
加蓮「うん、あるよふたりの分。なんか久しぶりだよね、うちに泊まるの」
泰葉「ふふ、いつもは私の家だものね。今日はお世話になります」
加蓮「ふっふっふ……覚悟してよね、今夜は寝かせないんだから♪」
李衣菜「…………」
泰葉「…………」
泰葉「すみません、夕飯どころかお泊りまで……」
母「いいのいいの♪ あ、お風呂入っちゃいなさいな。お仕事で疲れてるでしょう?」
李衣菜「えへへ、ありがとうございます! 一緒に入ろう泰葉~♪」
加蓮「……無視されるってつらいねお父さん」モグモグ…
父「そうやって人は大人になっていくんだよ加蓮」ポフポフ
加蓮「――で。こんな時間までいるってことは、泊まるつもりなんでしょ?」モグモグ
李衣菜「まぁね。着替えまだ置いてあったっけ?」
加蓮「うん、あるよふたりの分。なんか久しぶりだよね、うちに泊まるの」
泰葉「ふふ、いつもは私の家だものね。今日はお世話になります」
加蓮「ふっふっふ……覚悟してよね、今夜は寝かせないんだから♪」
李衣菜「…………」
泰葉「…………」
泰葉「すみません、夕飯どころかお泊りまで……」
母「いいのいいの♪ あ、お風呂入っちゃいなさいな。お仕事で疲れてるでしょう?」
李衣菜「えへへ、ありがとうございます! 一緒に入ろう泰葉~♪」
加蓮「……無視されるってつらいねお父さん」モグモグ…
父「そうやって人は大人になっていくんだよ加蓮」ポフポフ
27: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:08:31.76 :hijsN4bQO
加蓮「待ってよ、私も入る~!」
李衣菜「え、3人行ける?」
加蓮「イケるイケる、うちのお風呂広いし」
泰葉「……そうよね……。私の家なんて狭苦しくて息が詰まるよね……」ウル…
加蓮「えっ!? や、違っ、そういう意味じゃ……!」
李衣菜「あーあ。泰葉かわいそう」
加蓮「ちょ、ちょっと泰葉っ、ごめんってば――」
泰葉「というわけで加蓮はもう出禁です」シレッ
李衣菜「わー♪」
加蓮「」
加蓮「待ってよ、私も入る~!」
李衣菜「え、3人行ける?」
加蓮「イケるイケる、うちのお風呂広いし」
泰葉「……そうよね……。私の家なんて狭苦しくて息が詰まるよね……」ウル…
加蓮「えっ!? や、違っ、そういう意味じゃ……!」
李衣菜「あーあ。泰葉かわいそう」
加蓮「ちょ、ちょっと泰葉っ、ごめんってば――」
泰葉「というわけで加蓮はもう出禁です」シレッ
李衣菜「わー♪」
加蓮「」
28: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:10:38.73 :hijsN4bQO
加蓮「また人のことからかってぇぇええっ!!」
泰葉「ふふふっ、怒った……♪」
李衣菜「あははっ! 逃げろ泰葉~♪」
母「あんまり騒いじゃダメよ~、静かに入んなさーい」
「「「はーいっ」」」
母「……ふう。なんだか娘が増えたみたい」
父「いやぁ、賑やかで楽しいね。……楽しいついでに僕はもう一杯」
母「今日はもうダメです」ペシ
父「ちぇー」
母「……あら?」
母「いつの間にか雨止んだのね。ふふっ……」
母「明日は晴れますように。あの子たちには元気でいてもらわないと♪」
おわり
加蓮「また人のことからかってぇぇええっ!!」
泰葉「ふふふっ、怒った……♪」
李衣菜「あははっ! 逃げろ泰葉~♪」
母「あんまり騒いじゃダメよ~、静かに入んなさーい」
「「「はーいっ」」」
母「……ふう。なんだか娘が増えたみたい」
父「いやぁ、賑やかで楽しいね。……楽しいついでに僕はもう一杯」
母「今日はもうダメです」ペシ
父「ちぇー」
母「……あら?」
母「いつの間にか雨止んだのね。ふふっ……」
母「明日は晴れますように。あの子たちには元気でいてもらわないと♪」
おわり
29: ◆5F5enKB7wjS6:2016/06/23(木) 00:14:01.93 :hijsN4bQO
というお話だったのさ
このシリーズの加蓮がわりかしイジられやすいのは、ゼロ距離で接してくる彼女たちのせい……おかげなのかもしれない
というお話だったのさ
このシリーズの加蓮がわりかしイジられやすいのは、ゼロ距離で接してくる彼女たちのせい……おかげなのかもしれない
31:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/06/23(木) 02:19:49.84 :LsXjRfQdo
おつ
32:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/06/23(木) 07:49:26.10 :uDE1NWKeo
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