俺「歯を磨かないとな」

奴隷「あれ、ご主人様。普通朝食の後に磨くのでは？」

俺「うーん、先に朝食を食べたら口ん中気持ち悪いじゃん」

奴隷「……はっ！確かにそう言われてみると……」

師匠「朝食を食べる前に歯を磨いてしまったら、また歯を磨かないといけない」

師匠「一見二度手間の様に見えるが……しかし朝食を快適に食べられる恩恵は大きい」

師匠「長い目で見れば、得をする……ここまで計算しているとは……」

俺「トイレに行くか」

父「入ってます」

俺「仕方ない、待つか」

奴隷「待ってください、駅にもトイレはありますよ？」

俺「家のトイレの方が落ち着くからね」

奴隷「でも時間が……はっ！！！！」

師匠「そうだ……あいつは早起きした。それ故に時間に余裕がある」

師匠「電車通学である以上、早く着こうが遅く着こうが時間は変わらない」

師匠「ここでできた余裕を使った、ってわけだな」

俺「電車の中は揺られてキツいなぁ」

奴隷「もう！　ご主人様を何だと思ってるのかしら！」

奴隷「ご主人様、やっぱり大学に行くのなんてやめましょう！ご主人様ともあろう人が偏差値40の大学に行くなんておかしいです！」

俺「いや、奴隷。これも作戦だ」

奴隷「作戦……？」

師匠（我が弟子よ。いったいどんな高貴な作戦を考えているというんだ――！？）

俺「ふー、大学に着いたな」

奴隷「ふむ、人が少ないですね」

俺「まだ一時限目だからな」

師匠「一時限目の授業はその朝の早さ故に取る人が少ない……そんなものを敢えて取る意味……はっ！？」

俺「師匠、わかってくれましたか。去年僕はこの授業を落としたのです」

奴隷・師匠「「「な、何ーーーーー！？」」」

奴隷「し、しかし……ご主人様ともあろう人が落としたって信じられません」

俺「ま、計算、かな」

奴隷「計算？」

俺「それはつまり」

師匠「弟子よ、わかったぞ。俺に説明させてくれないか」

俺「いいよ」

師匠「弟子は去年忙しかった……単位を取る為に色々取ってたからな」

師匠「その状態でこの授業を取るのは精神的にキツいものがある。だから敢えて"捨てた"」

師匠「そうすることで、今年にこの授業を回した……そういうことだな？」

俺「ふふ、パーフェクトですよ……師匠」

師匠「ありがとう」

師匠（……は！今、完全に立場が逆転していたような……弟子の掌の上で踊らされてる！？）

俺「まぁ良い、授業を受けましょう」

俺「くー」

奴隷「ご主人様寝てるけど大丈夫なのでしょうか」

師匠「内容なんて聞く必要はない……きっとそういうことなのだろう」

奴隷「なぜ？」

師匠「これは推測だが……他の手段を用意しているんじゃないか？」

奴隷「他の手段とは？」

師匠「例えば、他の人に聞いた部分を教えて貰う、とか」

奴隷「！！！！！！！！！！！」

ごめん飽きた