永沢「そうはそうと、今何時だと思ってるんだい？」

藤木「っと申しますと？」

永沢「呆れたねこの荷物が時間帯指定であることすらわかってないのか君は？」

藤木（しまった…忙しさに追われて時間指定であることを見落としていた）

永沢「時間に遅れておいて詫びの一つもないとは一体どんな教育を受けてるんだ」

藤木「も、申し訳ございません。交通渋滞により遅延しておりまして…」

永沢「いや、嘘だね。君は最初から見落としてたんだろう？」

藤木「いえ、その…」

永沢「全く客に嘘を付くなんて君は相変わらず卑怯者だな。
　　　こっちはオプション付けてまで時間帯指定で頼んだっていうのに
　　　君のせいで今日の予定が全て狂ってしまったよ」

藤木「…」

永沢「このことは本社にきっちり報告させてもらうよ
　　　まったく、君みたいな卑怯者を雇うと会社のイメージまで悪くなるな」

永沢「人手不足で藤木君みたいな卑怯者でも雇わざる得ないんだろうけど
　　　だからといって客が迷惑を被るのは間違ってると思わないかい？」

藤木（なんだよさっきから人のことを卑怯卑怯ってこんなところで
　　　足止めされてる暇はないっていうのに）

永沢「なんとか言ってみたらどうなんだい？」

藤木（相手は元同級生とはいえお客様だここは冷静にならなければ）
　　「貴重なご意見として今後の参考にさせていただきたいと思います」

永沢「事務的な対応に徹するわけか君も少しは大人になったようだね
　　　僕も君と長話してる暇はないんでね。さっさと帰ってくれ」

藤木（話を長引かせてるのはそっちじゃないか）

藤木「ようやく解放されたけど、30分も時間を無駄にしてしまった
　　　あと50件以上回らないといけないっていうのに」

ピンポーン

藤木「クソッ！また不在か…」

藤木「この団地エレベータもないのかよ！」

藤木「再配達依頼しておいて不在とかなんだよ！」

藤木「同じ家に一日何回配送すりゃいいんだよ！」

藤木「やってらんねえーよこんな仕事！」

荷物を蹴飛ばす藤木。

この様子はツィッターに拡散され瞬く間に広がった

藤木「なんでよりによってあの場面が撮影されてるんだよ
　　　もうだめだおしまいだ」

こうして藤木はクビになった。