足柄「カツカレー！　カレーカツレツ！」

足柄「ゥーン！」

足柄「カツカレーカレーカツレツ！！」



提督「……」

赤城「……」

羽黒「あ、あの……どうでしょうか」

提督「何が」

羽黒「お花見の時に披露する予定の、足柄姉さんの出し物です」

赤城「やめた方がいいですね」

羽黒「えっ」

提督「勢いはいいけどな。ネタがもう古いし、アレンジもつまらない」

赤城「下手なモノマネを見せたほうがまだマシかと」

羽黒「あう、辛辣……じゃあちょっと待っててください！　違うのをお見せします！」

提督「違うのがあるのか？」

羽黒「あと２つ用意してるらしいので」

ｽﾀﾀﾀｯ

提督「……羽黒もスタッフしてて大変だな」

赤城「苦労してますね……」

――――

羽黒「準備できました！」ｽﾀﾀﾀｯ

提督「お疲れ様」

羽黒「はぁ、はぁ……ではどうぞ！」

足柄「……すぅぅぅぅ……」



足柄「どぉぉぉもぉぉぉぉぉぉ！！　空前絶後のぉ！　超絶怒涛の重巡洋艦！！」

足柄「勝利を欲し、勝利に愛された女ぁぁぁ！！」

足柄「戦闘の飢え！　勝利の飢え！　愛情の飢え！　すぅぅぅべての飢えの生みの親ぁ！！　人呼んで飢えた狼ぃ！！」

足柄「そう、この私こそはぁぁぁ！！　……例えこの身が朽ち果てようと、勝利を求めて命を燃やし」

足柄「燃えた炎は星となり、見るもの全てを虜にするぅ！！」

足柄「みんなご存知！　そう、この私こそはぁぁぁ！！　……さぁぁぁいきょう無敵の艦娘ぅ！！」

足柄「あまりの色気に、提督！　憲兵！　整備員！　艦娘からも！　貞操を狙われている女ぁぁぁ！！」

赤城「ぷっ」

提督「ふふ……」


足柄「そぉう、この私こそはぁぁぁ！！　……てぇぇぇんか無双の重巡！」

足柄「あの日本一の足柄を決める大会、足柄‐１グランプリ、セミファイナリストぉ！！」

足柄「そぉう、この私はぁぁぁ！！　……身長、１６４センチぃ！　体重、５４キロぉ！」

足柄「長所、勝利に貪欲ぅ！！　短所、ガツガツ行き過ぎるところぉ！！　鎮守府に舞い降りたキングオブ戦闘狂ぅ！！」

足柄「そぉう、この私はぁぁぁ！！　……誕生日は４月２２日ぃ！　出身地は神戸川崎造船所ぉ！」

足柄「家族構成、姉……ガイア妙高ぅ！　次女……ポセイドン那智ぃ！　四女……羽黒ぉ！」

足柄「そぉう、そしてみんなお待ちかね、三女のこの私はぁぁぁ！！　サンシャイィィィン、あぁぁぁしぃぃぃ……」

足柄「……のラインにぃ！！　自信がありまぁす！！」

足柄「貯金残高１１万７００円！　キャッシュカードの暗証番号・１１０７！　財布は羽黒に預けてあります！！」

足柄「秋月型のみんな、今がチャンスでぇす！！　もう一度言います、１１０７ぁ！」

足柄「イイオンナって覚えてくださぁい！！」

足柄「アイフォンのパスコードロック１１０７！　イイオンナって覚えてくださぁい！！」

足柄「そぉう、全てをさらけ出したこの私はぁぁぁ！！　サンシャイィィィィィィン……足柄ぁぁぁ！！」

足柄「いえぇぇぇぇぇぇぇぇぇい！！！！　ジャァァスティィィス！！！！」ﾋﾞｼｯ



羽黒「どうでしたか？」

提督「うん、面白い」

赤城「笑っちゃいました」

羽黒「本当ですか！？　足柄姉さんも喜びます！」

提督「というか基本パクリなんだな」

赤城「いいじゃないですか！　お花見の席ですし」

羽黒「あの……一応、もう一つも見てもらえますか」

提督「今のでいいんじゃないか？」

羽黒「せっかく練習したので、お願いします！」

ｽﾀﾀﾀｯ

赤城「サンシャイン○崎のネタ、艦娘たちに当てはめたら面白そうですね」

提督「失う物があるけどな」


――――


ｽﾀｽﾀ

足柄「……」

憲兵１「……」

憲兵２「……」

提督「何で憲兵さんも出てくるんだよ？」

羽黒「協力してもらってるんです。ではどうぞ！」

憲兵１「……」ｽｯ

足柄「憲兵１さん、ありがとう」

憲兵２「……」ｽｯ

足柄「憲兵２さん、ありがとう」

足柄「２人とも拾ってくれてありがとう」

足柄「あー！　女に生まれて、よかった！」


ﾃﾞﾝﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾝﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪


足柄「どうも！　効率的な戦いぶり、充実した鎮守府生活」

足柄「飢えた狼です！」

足柄「独り身で寂しい艦娘のみんな」

足柄「自分から狩りに出ないと、提督はものにできないって思ってない？」

足柄「あはっ……じゃあ質問です♪」

足柄「狼は、自分から獲物を探しに行きますか？」


Each night I do it for you♪


足柄「その通り。襲うの」


Dirty work♪

ﾊﾞｻｯ　ﾊﾞｻｯ（ケッコン書類をまく音）


憲兵１「……」ﾋｮｲ

憲兵２「……」ﾋｮｲ

足柄「まいてごらん？　自然と提督は寄ってくるから！」


You know it ain't no nine to five

We're going sundown to sunrise♪


足柄「飢えた」


ﾃﾞﾝﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪


足柄「狼」


ﾃﾞﾝﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

足柄「赤城さん、演習演習！」

足柄「え？　鳳翔さんのカレーが忘れられなくて？」

足柄「演習に集中できない？　あはっ、ダメ空母♪」

足柄「いい？　カレーのことが忘れられない？」

足柄「じゃあ質問です♪　赤城さんは、何にも乗ってない普通のカレーを」

足柄「いつもでもいつまでも、食べ続けますか！？」


Each night I do it for you♪


足柄「カツカレー、食べたくない？」


Dirty work♪

足柄「提督もカレーも一緒」

足柄「味に飽きたら、一味違ったカレーを食べればいい」

足柄「だって、この鎮守府に提督は何人いると思ってるの！」


You know it ain't no nine to five

We're going sundown to sunrise♪


足柄「３５億」


ﾃﾞﾝﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪


足柄「ウソ１人」


ﾃﾞﾝﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

ﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ　ﾃﾞﾝ♪

提督「……」

赤城「……」

羽黒「あ、あの……どうでしょうか？」

提督「そうだな。良かったけどちょっとムカついた」

羽黒「ええっ！？」

赤城「私もダメ空母とか言われてイラっと来ました。鳳翔さんのカレーなら１日３食永遠に食べられますし」

羽黒「ネ、ネタですよ！　本気で言ってるんじゃないですから！」

提督「まあ個人的には２番目のやつが良かったし、あれでいいんじゃないか？」

赤城「そうですね。もう１回見てみたいです」

羽黒「なるほど……だそうです、足柄姉さん」

ｽﾀｽﾀ

足柄「でもあれ、疲れるのよね……」ﾊｧ

提督「じゃあ何で俺たちに見せたんだ」

足柄「個人的には最初のやつがいいんだけど、どうかしら。他のより疲れないし」

赤城「たぶん滑りますよ？」

足柄「それは嫌ね……んー、分かった！　サンシャイン足柄でいくわ」

足柄「わざわざ付き合ってくれてありがとう。羽黒も、サポートありがとうね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

羽黒「えへへ」

提督「そういえば妙高と那智は？」

足柄「私と羽黒、妙高姉さんと那智姉でペアを組んだから、別の場所で練習してるんじゃない？」

――――

妙高「……ねえ那智、やっぱりこれやめない？」

那智「何故だ？」

妙高「だ、だって……」


妙高「お湯が入った水槽の上で『押すなよ押すなよ』って、お花見でやること！？」


那智「しかし、お笑いのことをほとんど知らない私たちには、体を張る以外の方法が…」

妙高「別にお笑いじゃなくてもいいでしょ！　マジックとか他にもあるじゃない！」

那智「……」

妙高「もう服に着替えていいかしら？　水着だと寒いし恥ずかしいし」

那智「分かった」



那智「私が水槽に落ちるから、妙高姉さんが押してくれ」

妙高「話聞いてた！？」



おわり

ブルゾン足柄がやりたかっただけです