サターニャ「失敬な！」

サターニャ「私にわかるように説明しなかったグラサンが悪い！」

ガヴリール「馬鹿にもほどがあるぞ」

ヴィーネ「もう、じゃあ説明するからちゃんと聞いててね？」

ガヴリール「いや、私が説明するよ」ﾆﾔ

ガヴリール「まず紙袋にクラスと名前を書く」

サターニャ「ふむふむ」

ガヴリール「シートは二日分に分かれている」

ガヴリール「朝起きたらまず一日目の方のシートのセロハンをめくって」

ガヴリール「自分の尻にシートを押し付ける」

サターニャ「お尻！？」

サターニャ「なんでそんなことしなきゃいけないのよ！」

サターニャ「また騙してるんじゃないでしょうね」

ガヴリール「いやいやマジマジ」

サターニャ「ヴィネット？」ﾁﾗｯ

ヴィーネ「うん」ｺｸﾘ

サターニャ「ヴィネットが言うのなら間違いないわね……」

ガヴリール「信頼がないなあ」

ガヴリール「んで、二日目も二日目の方のシートで同じようにやる」

ガヴリール「最後にセロハンを取ってシートを折りたたむ」

ガヴリール「それでおしまいだ」

サターニャ「ヴィネット？」ﾁﾗｯ

ヴィーネ「うん」ｺｸﾘ

ガヴリール「それで注意しなきゃいけないこととしては」

ガヴリール「絶対トイレする前にやること！」

ガヴリール「自分でやること！」

ガヴリール「便を採取するわけではないこと！」

ガヴリール「ってとこかな」

サターニャ「なるほど、感謝するわ！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ヴィーネ「ガヴが正直に説明してあげるなんて珍しい」

ガヴリール「ああ、普段散々騙してるからな」

ガヴリール「たまにはこういうのもいいだろ」

ガヴリール（なんてね）

ガヴリール（あいつのことだからきっと……）

◆

サターニャ「……でもおかしいわよね」

サターニャ「ガヴリールが本当の事を言うとは考えにくい……」

サターニャ「前の尿検査の時だって！」

─

──

───

サターニャ「ねえこれってどうやるの？」

ガヴリール「ああ、それは」ｺﾞｿｺﾞｿ

ガヴリール「このスポイトを使ってお茶を入れるんだ」

ガヴリール「なるほど！　感謝するわ」

───

──

─

サターニャ「あの時は警察沙汰で大変だったんだから！」

サターニャ「でもヴィネットも頷いてたし……」

サターニャ「はっ！　頷くところまでは正解ということね！」

サターニャ「つまり、自分でやるという所とトイレの前にするという所と便を採取するんじゃないっていう所が嘘……」

サターニャ「ふふふ、敗れたわねガヴリール！」

サターニャ「この大悪魔サタニキア様に嘘は通じないのよ！」

サターニャ「じゃあトイレをした後にうんちを誰かにとってもらえばいいのね」

サターニャ「ってそんなこと出来るわけないでしょ！」

サターニャ「そんなことやってくれそうな相手って……」

サターニャ「一人しかいないわよね……」

◆サターニャの家

ラフィエル「サターニャさんにお招き頂けるなんて光栄ですー」

サターニャ「ま、まあ師匠としてたまには弟子に優しくしないとね」

ラフィエル「まだその設定生きてたんですね」

サターニャ「それで、今日は師匠としてあんたに仕事があるのよ！」

ラフィエル「仕事？」

サターニャ「ぎょう虫検査を手伝いなさい！」

ラフィエル「はい？」

サターニャ「偉大なる私のぎょう虫検査を手伝えるんだから」

サターニャ「光栄に思いなさい！」

ラフィエル「……なるほど」

ラフィエル「光栄です！」

サターニャ「朝するんだっけ、今日は泊まっていきなさい」

ラフィエル「はーい」

◆翌日

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

ラフィエル「サターニャさん、起きてください！」

ラフィエル「ぎょう虫検査ですよ！」

サターニャ「むにゃ……はっ！」

サターニャ「忘れてたわ！」

サターニャ「急いでトイレにいかなきゃ」

ラフィエル「あ、ぎょう虫検査はトイレの前に……」

サターニャ「トイレしてから便を挟むのよね？」

ラフィエル「あ、はい！　そうです！」

ラフィエル「早速お願いします！」

サターニャ「でもどうやって便を採取すればいいの？」

ラフィエル「おトイレを済ませたあと吹かずにそのまま出てきて」

ラフィエル「シートを押し付けるというのはいかがでしょう」

サターニャ「名案ね」

サターニャ「じゃあ早速行ってくるわ！」

ｶﾞﾁｬ

ラフィエル（私そういう趣味はないのですが……）

ラフィエル（何事も挑戦ですよね）

ｼﾞｬｰ

ﾊﾞﾀﾝ

サターニャ「はい！　早くお願い！」

ラフィエル「ではそこに四つん這いになってください」

サターニャ「う、恥ずかしいわねこれ」

ラフィエル（サターニャさんのお尻……）

ラフィエル（仄かに香る便の香り）

ラフィエル（悪くありませんね）

ラフィエル「じゃあやりますよー」

ﾍﾟﾀｯ

サターニャ「ひぅっ」ﾋﾟｸｯ

ラフィエル「押し付けますね」

ｸﾞｯｸﾞｯ

サターニャ「ん……んっ……」

ｸﾞﾘｸﾞﾘ

サターニャ「ちょっ、そんなにやる必要あるの……？」

ラフィエル「しっかり押し付けねば正しい検査結果が出ませんので」

サターニャ「うう……」

ラフィエル「もう少し押し付けますね」

ｸﾞｲｸﾞｲ

サターニャ「あっ、あんっ……」

ラフィエル（何度も押し付けているとなんだか少しずつほぐれていってる気がしますね）

ラフィエル（もっと強く押し付けたら入ってしまいそう……）

ラフィエル（……）ｺﾞｸﾘ

ｸﾞｸﾞｯ

サターニャ「っ」

ｸﾞｯ……ﾂﾌﾟｯ

サターニャ「……んはぅっ！？」

ラフィエル「ひゃあ！」

サターニャ「ちょ、ちょっと！　今の、なに？」

ラフィエル「すいません、ちょっと強く押し付けすぎたみたいです」

サターニャ「まったく……」

サターニャ「言われた仕事も出来ないなんて不出来な弟子ね！」

ラフィエル「……」ｸﾞｯﾎﾟｸﾞｯﾎﾟ

サターニャ「んひゃぁぅ！？」

サターニャ「お尻をいじるなぁ……」

ラフィエル「名残惜しいですがこのへんで終わりですね」

サターニャ「はふぅ……」

サターニャ「じゃあ次はラフィエルね」

ラフィエル「……はい？」

サターニャ「あなたもぎょう虫検査あるでしょ？」

サターニャ「特別にこの私が手伝ってあげるわ」

ラフィエル「うっ」

ラフィエル「その」

ラフィエル「えっと」

ラフィエル「はい、お願いします」

　その後、サターニャとラフィエルは再検査になった。

完