毛利探偵事務所
蘭｢へえ…じゃあ、今度の日曜日は皆で映画を見に行くんだ｣

コナン｢そうなんだ！アートミステリーっていうから期待してるんだよ！｣

蘭｢まあ安全に気をつけていってらっしゃい、喧嘩しないで仲良くやるのよ｣

コナン｢はーい｣



コナン｢くそー、楽しみすぎて眠れねえぜ…どんなミステリーなんだろうな…｣

日曜日
コナン｢ふわぁ…（結局、ほとんど寝れなかったぜ…）｣

光彦｢コナン君、遅いですよ｣

元太｢全くだぜ｣

あゆみ｢もう｣

コナン｢わりぃわりぃ｣

灰原｢そんなに寝ていると脳細胞も劣化するわよ｣

コナン｢るせえ…｣

スタッフ｢はい、4番スクリーンになります…｣

コナン｢くそっー、たのしみすぎるぜ！｣

元太｢コナン、映画見てるときもそんなに五月蝿いのはダメだって母ちゃんが言ってたぞ｣

コナン｢バーロー、そんくらいわきまえてるよ｣

映画泥棒｢…ｼﾞｰﾝ｣

コナン｢（ここはいつも通りだな…）｣


映画泥棒｢ﾌﾌｯ…そうだ、探偵君、俺は怪盗キッドだ｣



コナン｢キッド！！！｣

元太｢うるせえぞコナン！｣

光彦｢演出に決まってるじゃないですか｣

コナン｢わりい…｣

本編始まる

コナン（開始はアクションか…でも人体を重りにするアクションって倫理的にどうなんだ？おっ、タイトルだ…）

コナン（あれ？これミステリー映画だよな？アクションばっかだぞ…それに原作のキャラとはえらく違うな…原作者の絵があるみたいだし、それに期待するか…）

上映終了
光彦｢…｣

元太｢いやあ、面白かったな…！｣

あゆみ｢うん、とっても面白かったよ！｣

灰原｢でも、どこかの誰かさんは気にくわないみたいよ…｣

あゆみ｢え？｣

コナン｢…ﾅﾝﾃﾞｱｿｺﾃﾞｱｱｲｳﾃﾝｶｲﾅﾝﾀﾞﾖｿﾚﾆｾｲｺﾞｳｾｲｶﾞ…｣ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ


元太｢なんだ、あいつ気持ち悪いな…｣

灰原｢そんなに文句を言うほどの出来だったかしら？確かに犯人の動機と終盤の作画は微妙だったけど…｣

コナン｢…お前、それは本気で言ってるのか…？｣

灰原｢そこまで言うなら、しっかりとあなたの意見をいってもらいましょうか…｣

コナン｢いいぜ…俺はこの映画の原作推理小説を読んだことがあるんだが…｣

コナン｢その原作自体は非常に完成度も高く、俺も好きな推理小説なんだ…｣

灰原｢へえ、それは初耳ね｣

コナン｢それで、この映画について調べてみたら、半年くらい前に原作者が考案した殺人事件がアニメオリジナル要素として加えられている、という関係者のインタビューを見つけたんだ…｣

灰原｢殺人事件なんてあったかしら？兄を殺してしまった～ならあったけど…｣

コナン｢それなんだ…映画が終わって気になって調べたら尺の都合でカットした、という監督のコメントを見つけたよ…｣

灰原｢原作者考案のシーンを削るなんて正気なの！？｣

コナン｢それもなかなかだが…｣

灰原｢まさかまだあるの？｣

コナン｢犯人の動機はお前も問題視してただろ？｣

灰原｢ええ、まあ…｣

コナン｢それが小説ではしっかり書かれているんだ。それを読めば理解はできなくもないんだが、映画版では重要なところはカットされていてただのキチガイ女としか思えない…｣

灰原｢でも尺の都合ならしょうがないんじゃない？｣

コナン｢俺もそう思いたかったさ！この書き込みを見るまでは！｣

灰原｢ちょっとなにこれ…酷すぎるわ！｣

24
2015/04/20 02:16:14.424

脚本の尺が足りなくて、絵コンテ段階で監督がアクション付け足したら、コンテが三時間弱になって、殺人事件削ったんだってさ
ソースは前売り特典のインタビュー

コナン｢それにそのアクションは整合性もなく、倫理的にも問題を考えさせるものばかりだったろ？｣

灰原｢言われてみれば…｣

コナン｢しかも、そのアクションパートのキャラ言動が原作から離れすぎてるんだ！｣

灰原｢キャラ言動といえば、探偵の少年が空港内とは飛行機がぶつかるかもしれない所に近付いていったのが気になったわね…止まれーーーー！！！とか叫びながら｣

コナン｢あいつは、そんな迷惑行為をするキャラじゃねえ！｣

コナン｢というわけで今から監督に文句言ってくる…お前はあいつらを連れて先に帰ってくれ…｣

灰原｢監督に文句…？そんなことできるの？｣

コナン｢…任せておけ、って！｣

都内某所
コナン｢ここだな、問題の監督がいるアニメスタジオは…｣

警備員｢君は誰だい？ここから先は関係者以外…｣

コナン｢…ﾆﾔｯ｣ｼｭﾊﾟｰﾝ

ｷﾞｭﾙﾙﾙﾊﾞｰﾝ

警備員｢ｸﾞﾜｧ…｣ﾊﾞﾀﾘ


コナン｢僕のサッカーボール踏んでのびちゃったみたい…｣ｱﾊﾊ

警備員B｢この坊主…｣

コナン｢…！｣ｷﾘｯ

ｷﾞｭﾙﾊﾞｰﾝ

警備員B｢ｸﾞﾊｧ…｣ﾊﾞﾀﾘ

コナン｢このおじさんも…ｱﾊﾊ｣

コナン｢あれが監督か…ﾆﾔﾘ｣

コナン｢ねえねえ、おじさん、僕迷子になっちゃったんだけど？｣

監督｢ん？迷子か…？｣

コナン｢（チャンス！）｣ﾊﾟｶｯﾌﾟｼｭｯ

監督｢フニャ…｣ﾊﾞﾀﾘ

博士の家に作った隠し部屋

監督｢ん？ここは…｣

コナン｢やあ、監督さん…業火の向日葵みましたよ…｣

監督｢あ…ああ、ありがとう…どうだった？｣

コナン｢あそこまで期待を裏切られたアニメはありませんよ…なんなんですか、あの最低品は！｣

コナン｢ｸﾞﾁｸﾞﾁｸﾞｲｸﾞﾁ…つまり、あなたは原作愛もなく、原作を尊重する気もない…最低のクリエーターですよ…｣ｼﾘｱｽ

監督｢…｣

コナン｢そんなあなたに、ミステリー映画を作る資格はない！｣

コナン｢原作者の作画がたくさんあったり、終盤での巻き返しに期待したりもしましたが、原作者作画は１カット…終盤はただキャラが叫ぶだけの寒い演出…あなたには失望しましたよ！｣

監督｢…でも、興行収入たくさん稼ぎましたしー次回作も私がやるでしょーしーPも下ろせないでしょーし、アクション好きな人たくさんいるでしょーし…｣ﾋﾗｷﾅｵﾘｰ

コナン｢こいつ…｣ｷﾞﾗｯ

コナン｢博士に作ってもらったこのキック力増強シューズ強化シューズで…｣ｷﾞｭﾙﾙﾘﾘﾘﾘｼﾞﾊﾞｰﾋﾞﾘﾘ

コナン｢いっけえええ！！！！｣ﾊﾞｰﾝ

監督｢ｸﾞﾊﾞｱ…｣

コナン｢…｣ﾊｱﾊｱ

監督｢何を…するんだ…｣ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ

コナン｢これが原作ファンの気持ちですよ…｣

監督｢！？｣

コナン｢原作ファンがどれほど、ミステリーの見せ方に期待したか、原作者考案のトリックにどれほど期待したか、あなたにはわかってるんですか！？｣

監督｢…｣ｷﾞﾘｯ

コナン｢その原作ファン総ての気持ちを踏みにじったんだぞ！あんたは！｣

監督｢…｣

コナン｢それなのに、興行収入が良いから正しい子とした？アクション求める層のためにミステリーを犠牲にした？生意気言ってんじゃねえ！｣

監督｢…｣ｸﾞｯ

コナン｢原作ファンも新規層も両方取り込める…それが真の理想のクリエーターじゃねえのかよ！新規層が金を落としてくれるからって原作ファンを蔑ろにしていいのかよ！違うだろ…！｣

監督｢…｣

コナン｢あんたはまだ若いし、アクションをみる限り、実力もある…次からは原作ファンの意見も尊重するこった…｣

監督｢…ああ、君のおかげで目が覚めたよ…私はクリエーター失格だったよ…次こそは君達原作ファンも納得のいく作品を作るよ…｣

コナン｢そうしてくれ…｣

こうして、監督は厚生した…

コナン｢純黒の悪夢？｣

光彦｢ええ…業火の向日葵の次回作なんですけど…うちのお姉ちゃんが福引きであてて…｣



コナン｢きっと、監督は今度こそ良い作品を作ってくれるって俺は信じてる…｣


灰原｢〆のあれ、やらなくていいの？｣

コナン｢ああ、そうだったな｣



コナン｢小さくなっても頭脳は同じその名は名探偵コナン！｣

完