ガヴリール「じゃあ昆虫採集にでも行くかタプリス」

タプリス「今度は虫ですか！別に6月4日にちなまなくていいです！採集にも行きたくありません！」

ガヴリール「お前虫とか嫌いだっけ？」

タプリス「好き嫌い以前に今は興味ないです」

ガヴリール「そっか……じゃあゲームやろっか。はいこれ」 ｶﾞｻｺﾞｿ　ｶﾞﾀﾝ!　ｽﾞﾎﾞｯ

タプリス「スーパーマリオ64ですか……イヤでもちなむんですね」

ガヴリール「チックタックロックってウザくね？私ここ嫌い」

タプリス「せっかく登っても落っこちちゃいますよね。ああ、また落ちた」

ガヴリール「なんでこいつこんな所登ってんだろ。意味わかんない」

タプリス「ピーチ姫を助けるためですよ」

ガヴリール「そっか」

タプリス「先輩」

ガヴリール「なに？」

タプリス「私ふと思ったんですけど」

ガヴリール「うん」

タプリス「もしかして私の誕生日忘れてました？」

ガヴリール「……………………なんで？」

タプリス「いやなんか、無視とか虫とか意味わからないこと言うし、クローゼットの奥からわざわざ64引っ張り出してくるし」

ガヴリール「いやいやほらケーキだって用意してあるじゃん」

タプリス「これさっきコンビニで買ったやつですよ！？2個入りの安いやつ！！用意とは言わないです！」

タプリス「っていうか天真先輩、私と会った時に明らかに『あっ』って顔してましたよね！」

タプリス「たまたま、本当にたまったま偶然道で会わなかったら完全に忘れたままでしたよね！？」

ガヴリール「そそそそそそんなことないよ」

タプリス「やめてくださいよ！その動揺は完全にYESじゃないですか！！」

ガヴリール「いや、ちゃんとプレゼント用意してあるって。ほらこれ」

タプリス「食べかけのカップラーメン！！」

タプリス「ふざけてるんですかもう！！貰いますけどね！ズルズルズルッ！」

ガヴリール「私はお前がここまで成長した姿を見れて嬉しいよ。大きくなったな、タプリス」

タプリス「いい話風に持って行こうとしても騙されませんよ。忘れられてたこと数日は根に持ちますからね」

ガヴリール「全く、タプリスは駄々っ子だな」

タプリス「デコピンしていいですか？」

ガヴリール「しかたない。お前に特別なプレゼントをやる」

タプリス「特別なプレゼント？」

ガヴリール「うむ、一つだけ、私がどんな願いでも聞いてあげよう」

タプリス「どんな、願い…………なんでも？」

ガヴリール「なんでもいいぞ」

タプリス「ほ、ほんとですかっ！」

ガヴリール「おう」

タプリス「じゃ、じゃあ、私その……やってもらいたいことがあるんですけど」

ガヴリール「うん」

タプリス「サラサラヘアーの綺麗な天真先輩に、膝枕をしてもらいながらナデナデされたいんです！」

ガヴリール「…………」

ガヴリール「…………」

ガヴリール「……うわきっも……タプリスごめんそれ無理だわ」

タプリス「なんでもは！？なんでもはどこ行ったんですか！！」

タプリス「天真先輩が何一つお願いを聞いてくれない……」ﾒｿﾒｿ

ガヴリール「だってお前、天使学校の制服を着た私に翼で包んで欲しいとか、敬語の私にネチネチなじられたいとか、微妙にキモいお願いばっかりじゃん……」

ガヴリール「私だってもう、これ以上タプリスの要望を聞くのが怖いよ」

タプリス「……わかりました。もう駄天バージョンの先輩でもいいです」

ガヴリール「おい駄天バージョンとか言うな」

タプリス「先輩は特に何もしなくていいです。ただ、私に抱っこさせてください」

ガヴリール「抱っこ？私を？」

タプリス「はい」

ガヴリール「…………まあ、さっきのよりかは抱っこされる方がマシかな」

ガヴリール「いいよ」

タプリス「やった！最初にギリギリを提示していって良かった！」

ガヴリール「そういう事かよ！全然ギリギリじゃないわ！めっちゃキモいわ！」

タプリス「というわけで、天真先輩！」

ガヴリール「うん」

タプリス「来て、ください……」///

ガヴリール「妙な色気を出しながら言うな」

ガヴリール「ん」ｽｯ

タプリス「えへへ」ｷﾞｭｯ

タプリス「天真先輩小さくて可愛いですっ」

ガヴリール「そんな変わらないだろ」

タプリス「ああ～抱き心地いい。天真先輩いい匂いしますね？ガヴフェロモンですか！」

ガヴリール「なにガヴフェロモンって……」

タプリス「えへへへ。お腹つまんじゃお」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

ガヴリール「あっ、こらやめろ！」

タプリス「先輩全身柔らかいですね」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

ガヴリール「お前も柔らかいけどな」

ガヴリール「主に胸が」ｲﾗｯ

タプリス「喜んで頂ければ幸いですっ」

ガヴリール「喜んでねーよ」

タプリス「天真せんぱ～い。でへへへへ」ｷﾞｭｰ

ガヴリール「いつまで抱きついてんだよタプリス……」

タプリス「今日一日中ずっとこうしています！」

ガヴリール「さすがにそれはウザいな……」



ガヴリールの携帯「」ｳﾞｳﾞｳﾞｳﾞ


ガヴリール「……っと」

ガヴリール「ん、準備できたか」

ガヴリール「タプリス」

タプリス「はい？」



ガヴリール「誕生日の本番だ。いくぞ」

タプリス「え？えっ？どこにですか？」

ガヴリール「ヴィーネの家。本当は私の家でやろうとしてたんだけど、見ての通り結局片付かなくてな」

タプリス「え？すみません話が……」

ガヴリール「これ。読んで」ｽｯ

タプリス「えっと……千咲=タプリス=シュガーベル様。お誕生日会の……」

タプリス「ご招待を致します！！？」

ガヴリール「いやー、やばかった。ほんとタプリスに会わなかったら私ヴィーネに槍で刺されてたわ」

ガヴリール「おっと、いやいやタプリス忘れてたわけじゃないぞ。決してそんな忘れるだなんて」

タプリス「…………ぐす」

タプリス「…………うっく、ひっく……せんぱぁい」ｸﾞｽｸﾞｽ

ガヴリール「ん」

タプリス「わたし、わたし……！皆さんにお祝いして頂けるなんて、幸ぜでずぅ～～！」

ガヴリール「はは、タプリス」

ガヴリール「そのセリフはヴィーネ達に会ってから言ってやってくれ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

タプリス「はい……！」

ガヴリール「さて、急がないと料理も冷める。今すぐ行くぞタプリス」

タプリス「はい！」

ガヴリール「私にしっかり掴まっていろよ」

タプリス「はい！」

ガヴリール「神足通！」ﾊﾟｧｧｧｧ

【ヴィネット宅】

ヴィーネ「…………」

サターニャ「…………」

ラフィエル「…………」





ヴィーネ「え、なに、下着が2枚降ってきたんだけど……」

ラフィエル「あ、ショーツのラベルに千咲って書いてありますね」

サターニャ「どういうことよ……」

タプリス「天真先輩」

ガヴリール「うん」

タプリス「歩いて行きましょうか」

ガヴリール「そうだな」




完