ヴィーネ「さ、飾りつけも終わって、お菓子とジュースの用意が出来たし、始めましょうか」

ラフィ「はいっ！」

タプリス「では、歌いましょうか」

ガヴ「ん」

ヴィーネ「ハッピバースデーテューユー。ハッピバースデーテューユーハッピバースデーディア」

ラフィ「ハッピバースデーテューユー。ハッピバースデーテューユーハッピバースデーディア」

ガヴ「ハッピバースデーテューユー。ハッピバースデーテューユーハッピバースデーディア」

タプリス「ハッピバースデーテューユー。ハッピバースデーテューユーハッピバースデーディア」

ヴィーネ「サターニャっ！」

ラフィ「サターニャさん！」

ガヴ「サターニャ」

タプリス「胡桃沢先輩！」

サターニャ「ふぅぅぅぅ」

ヴィーネ「ハッピバースデーテューユーっ！　おめでとう！！」

ラフィ「ハッピバースデーテューユー！　おめでとうございます！！」

ガヴ「ハッピバースデーテューユー　おめでとう」

タプリス「ハッピバースデーテューユー！　おめでとうございます！！」

サターニャ「私の誕生を祝して！　乾杯！！」ﾁﾝ

ヴィーネ「乾杯っ！」ﾁﾝ

ラフィ「乾杯！！」ﾁﾝ

ガヴ「乾杯」ﾁﾝ

まち子「乾杯！！」ﾁﾝ

ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ

ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ

ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ

ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ

ｺﾞｸｺﾞｸｺﾞｸ

ガヴ「ん？」

ラフィ「なんですかこれ？」

タプリス「ヤクルトかと思って飲んだんですけど……？」

ガヴ「おい、サターニャ！　私達に何飲ませたんだよ！！」

サターニャ「何って……ガラナとカツゲンよ」

ラフィ「ガラナ？」

タプリス「カツゲン？」

サターニャ「そして私が飲んでるのはリボンナポリンっ！　私の誕生日のために実家から取り寄せたのよ！！」

ガヴ「それってまさか……」ｽｯｽｯｽｯｽｯｽｯｽｯ

タプリス「ガラナは聞いたことがありますが、カツゲンとリボンナポリンは初めて聞きますね」

ラフィ「ええ」

ガヴ「やっぱり……」

ヴィーネ「どうしたの？」

ガヴ「やっぱり魔界って北海道だろ」

サターニャ「だから違うって言ってるでしょ！！！　何回言ったら分かるのよ！！！！」

ガヴ「ガラナは他の地方でもあるみたいだけど、カツゲンとリボンナポリンは北海道の飲み物だったぞ」

ヴィーネ「え？　これ全部私達が魔界で買ったんだけど……」

ラフィ「魔界と北海道に一体どんな関係があるのでしょうか」

タプリス「気になりますね」

ガヴ「なんで北海道のローカルドリンクが魔界に売ってるんだよ！！」

サターニャ「知らないわよそんなの！！　北海道が魔界のマネをしたんじゃないの！！」

ガヴ「魔界天界の事は下界には厳禁なのに、そんな事あるわけないだろ！！」

ヴィーネ「まったくもう、喧嘩するほど仲が良いんだか悪いんだか」

ガヴ「……」

サターニャ「あ！」

ヴィーネ「サターニャどうしたの？」

サターニャ「チョコレートプレートに私の名前書くのわすれてた……」

ヴィーネ「ほら、チョコペン」

サターニャ「……。ヴィネット、このチョコペン書かさらないわよ！！」

タプリス「書かさらない？」

ガヴ「またサターニャが訛り始めたな。ヴィーネ、解説して」

ヴィーネ「書かさらないっていうのは、まぁ、書くことが出来ないって意味よ」

サターニャ「解説しなくていいのよ！！」

タプリス「胡桃沢先輩って結構訛ってるんですね」

ヴィーネ「ええ、同じ魔界に住んでる私でも、訛ってるなーって思うことよくあるの。分からない方言があったら教えてあげるからね」

タプリス「はい、ありがとうございます！！」

サターニャ「訛ってないって言ってるのに……。あ、チョコペンがちょこっと出てきたわ」

ガヴ「今の駄洒落ワザと？」

サターニャ「違う！！！！！！」

ガヴ「このリボンナポリンは美味しいな」

サターニャ「そうよ！　魔界のソウルドリンクだからね！！！」

ガヴ「魔界じゃなくて北海道だけどな」

サターニャ「だから北海道じゃないって言ってるでしょ！！！！！」

ラフィ「このセーコーマートで売ってるメロンソフトも美味しいですね」

ヴィーネ「そういえば、サターニャを北海道まで追いかけた時に似たような名前のコンビニあったわよね」

ガヴ「あの、深夜に閉まってたコンビニだろ。なんで北海道のコンビニが魔界にもあるんだよ」

サターニャ「あのコンビニ入ったけど、魔界にある外観もセーコーマートにそっくりだったわ」

ヴィーネ「……」

タプリス「このもポテトチップチョコレートもわかさいも美味しいですね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ラフィ「特にポテトチップチョコレートは甘さとしょっぱさが合わさって美味しいですね」

ガヴ「これも北海道の名産品らしいな」

ヴィーネ「魔界で売ってるのにね……」

タプリス「ポテトチップチョコレート美味しいです」ﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

ラフィ「あらあらタプちゃん」

ガヴ「チョコ食べて鼻血とかベタだな」

サターニャ「あーあ。ほら、今つっぺしてあげるから。ヴィネット！」

ヴィーネ「上向いたら駄目よ。ほら、下向いて」

タプリス「ありがとうございます、胡桃沢先輩、月乃瀬先輩（鼻声）」

ラフィ「あのーサターニャさん、つっぺって何ですか？」

ヴィーネ「つっぺ？　つっぺはこのティシュを丸めては何詰める物の事よ」

ガヴ「また北海道の方言だな」

ヴィーネ「そうなの？」

ガヴ「ああ。今スマホで調べた」

サターニャ「チョコレートもそうだけど、暑いから鼻血出るのよ。エアコン焚きましょう」

ガヴ「エアコンを……焚く？」

ラフィ「それも北海道弁なんですか？」

サターニャ「違うわよ！！」

ヴィーネ「この前、北海道の方言について調べたんだけど、エアコンを焚くって方言があったわ…………」

サターニャ「え！？」

タプリス「月乃瀬先輩の作った焼き芋美味しいですね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

サターニャ「美味しそうね。私のとうきびとばくりっこしましょう！！」

タプリス「とうきび？　ばくりっこ？」

ヴィーネ「とうきびはトウモロコシ、ばくりっこは交換って意味よ」

タプリス「へぇ、そうなんですか」

サターニャ「だから、解説しなくていいのよ！！　それよりほら、早く焼き芋渡しなさいよ！！」

ガヴ「解説しなくていいって、解説しなくちゃサターニャが何言ってるか分からないだろ」

ラフィ「これからはサターニャさんと話す時はヴィーネさんの翻訳が必要ですね」

ガヴ「っていうか何で今日そんなに訛ってるんだよ。この前は実家帰った後だったからだけど、今回は何でだ？」

ヴィーネ「ほら、金土日って休みあったでしょ。その時にサターニャの家族と私で早めの誕生日会開いたのよ。そこで偶然サターニャのおばあちゃんがいたからその時移ったのね」

サターニャ「ヴィネット！　余計な事言わないで！！」

ガヴ「あー美味しかった」

サターニャ「とくにザンギが美味しかったわ」

ガヴ「ザンギってなんだよー」

サターニャ「あの唐揚げみたいなやつよ」

ガヴ「あれか？　あれ唐揚げじゃなかったのかよ。唐揚げとザンギってどう違うの？」

サターニャ「ザンギの方がサクサクしてるのよ」

ガヴ「そうかー」

ヴィーネ「ちょっと二人とも！！　お腹いっぱいであずましくしたいのは分かるけど、片付け手伝ってよ」

サターニャ「今日の主役に片付けさせる気なの？」

ガヴ「サターニャ、あずましくってどういう意味なんだ？」

ヴィーネ「あ……」

サターニャ「あずましく、あずましいっていうのは落ち着きたいとかそういう意味よ」

ガヴ「ヴィーネも結構訛ってるんですなぁ」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

ヴィーネ「///」

ガヴ「ちょっとガヴリール。ガンベちょさない方が良いわよ」

ガヴ「ガンベ？　ちょさない？」

ヴィーネ「ガンベっていうのはかさびた、ちょさない、ちょすっていうのは触るって意味よ」

ガヴ「かさびたじゃなくてかさぶただろ。ヴィーネも訛ってきたな」

ヴィーネ「魔界出身だってばれないように下界ではなるべく方言出さないようにしてたんだけど……。自然に出ちゃうのね」

ガヴ「安心しろ、魔界出身じゃなくて北海道出産って思われて終わりだ」

ｶﾞﾁｬﾝ　ｶﾞﾁｬﾝ

ヴィーネ「？　なんの音かしら？」

ラフィ『大丈夫ですか？　タプちゃん！？』

サターニャ「キッチンの方ね、行ってみましょう！！」

サターニャ「あー！」

ヴィーネ「お皿割っちゃったの？　大丈夫タプちゃん？」

サターニャ「あーあ、こんなに割って。わやね。わや」

タプリス「すいません、胡桃沢！！」

サターニャ「割ったものは仕方ないし、別にいいわよ。それよりどこか怪我してない？　割った皿を素手で触ったら駄目よ」

タプリス「胡桃沢先輩……。私ずっと胡桃沢先輩を勘違いしていました。胡桃沢先輩は悪魔ではありません。私達と同じ清い心を持った天使です」

サターニャ「違うわよ！　私は悪魔よ！！！！！！」

タプリス「すいません！！！！　胡桃沢先輩は達と同じ清い心を持った悪魔です」

サターニャ「それでいいのよ」

ガヴ「清い心持ってるんだぞ、それでいいのかよ。……あ、サターニャの顔が描かれた皿も落ちてるな」

ラフィ「サターニャさん、趣味悪いですね」

サターニャ「私がどんな皿使ったっていいでしょ！！」

タプリス「そうですよ、白羽先輩！！」

ラフィ「あはは、変な事言ってすいません。あ！　でも、このお皿、少しいみりが入ってるだけでまだ使えそうですよ」

サターニャ「え？」

ヴィーネ「え？」

ガヴ「サターニャ、ヴィーネ、どうしたんだよ？」

タプリス「どうしたんですか、胡桃沢先輩！？」

ラフィ「？」

注１）いみりは静岡弁でひび割れという意味。
注２）わやは北海道弁でめちゃめちゃという意味。

完