1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:31:57.248 :x7zWBjhL0.net
男「いたたたたた……!」ズキズキ…
男(一流商社マンともあろう者が、虫歯になってしまうとは、不覚!)
男(しかも、この虫歯……)
虫歯「ムッシー!」
男(鳴きやがる! ホントに虫みたいだ! 無視できない!)
男(放っておいて仕事に支障が出ても困るし、歯医者に行くしかあるまい)
男「いたたたたた……!」ズキズキ…
男(一流商社マンともあろう者が、虫歯になってしまうとは、不覚!)
男(しかも、この虫歯……)
虫歯「ムッシー!」
男(鳴きやがる! ホントに虫みたいだ! 無視できない!)
男(放っておいて仕事に支障が出ても困るし、歯医者に行くしかあるまい)
2:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:33:01.315 :reZNB6ZQ0.net
かわいい
3:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:35:08.272 :x7zWBjhL0.net
≪歯科医院≫
受付嬢「いらっしゃいませ」
男「虫歯の治療に来たんですが……」
虫歯「ムッシー!」
受付嬢「保険証をお出し下さい」
男「どうぞ」スッ
受付嬢「あら……この保険証、ほとんど使った形跡がありませんね」
男(当然だ! 病院行く暇があるなら仕事する、が私のスタイルだからな)
≪歯科医院≫
受付嬢「いらっしゃいませ」
男「虫歯の治療に来たんですが……」
虫歯「ムッシー!」
受付嬢「保険証をお出し下さい」
男「どうぞ」スッ
受付嬢「あら……この保険証、ほとんど使った形跡がありませんね」
男(当然だ! 病院行く暇があるなら仕事する、が私のスタイルだからな)
4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:38:11.379 :x7zWBjhL0.net
「どうぞ~」
男「お、早いな。早いというのはいいことだ!」
男「遅いスピードでいい仕事をする、というのは誰でも出来る」
男「しかし、それでは社会では通用しない」
男「社会で通用するのは――“速いスピードでいい仕事ができる人間”だけだからだ!」
「どうぞ~」
男「お、早いな。早いというのはいいことだ!」
男「遅いスピードでいい仕事をする、というのは誰でも出来る」
男「しかし、それでは社会では通用しない」
男「社会で通用するのは――“速いスピードでいい仕事ができる人間”だけだからだ!」
6:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:40:15.442 :x7zWBjhL0.net
ガチャッ…
男「失礼しま――」
女歯科医「ヒヒヒ……いらっしゃい」
男「お、女ァ!?」
女歯科医「あら、なにか文句あるのぉ?」
男「大アリだ!」
ガチャッ…
男「失礼しま――」
女歯科医「ヒヒヒ……いらっしゃい」
男「お、女ァ!?」
女歯科医「あら、なにか文句あるのぉ?」
男「大アリだ!」
8:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:44:11.425 :x7zWBjhL0.net
男「いいか、よく聞け! 私がこの世で最も嫌いなのは女なんだ!」
男「奴らときたら、すぐ産休を取り、寿退社だのしやがって!」
男「挙げ句、なんの罪もないサラリーマンに痴漢冤罪をふっかけようとしやがる!」
男「女如きに私の歯の治療など……させてたまるものかァッ!」
女歯科医「なかなかイキのいい患者ねえ」
女歯科医「だけど、あたしの腕前も見ずに決めつけるのはどうかと思うわよぉ?」
男「む……たしかに」
男「いいだろう……見せてもらおう、貴様の腕前を!」
虫歯「ムッシー!」
男「いいか、よく聞け! 私がこの世で最も嫌いなのは女なんだ!」
男「奴らときたら、すぐ産休を取り、寿退社だのしやがって!」
男「挙げ句、なんの罪もないサラリーマンに痴漢冤罪をふっかけようとしやがる!」
男「女如きに私の歯の治療など……させてたまるものかァッ!」
女歯科医「なかなかイキのいい患者ねえ」
女歯科医「だけど、あたしの腕前も見ずに決めつけるのはどうかと思うわよぉ?」
男「む……たしかに」
男「いいだろう……見せてもらおう、貴様の腕前を!」
虫歯「ムッシー!」
10:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:49:01.780 :x7zWBjhL0.net
青年「こんにちは」
女歯科医「いらっしゃい。ご用件は?」
青年「実は親知らずが、横に生えてしまって……」
女歯科医「ヒッヒッヒ、どれどれ……ワオ! マッヨーコ!」
女歯科医「これは抜くしかないわねえ。今すぐ抜いちゃいましょか」
青年「お願いします……」
男(完全に真横に生えている……どうするつもりだ!?)
男(昔、私が違う歯医者で親知らずを抜いた時は、バキバキに砕かれたものだが……)
青年「こんにちは」
女歯科医「いらっしゃい。ご用件は?」
青年「実は親知らずが、横に生えてしまって……」
女歯科医「ヒッヒッヒ、どれどれ……ワオ! マッヨーコ!」
女歯科医「これは抜くしかないわねえ。今すぐ抜いちゃいましょか」
青年「お願いします……」
男(完全に真横に生えている……どうするつもりだ!?)
男(昔、私が違う歯医者で親知らずを抜いた時は、バキバキに砕かれたものだが……)
12:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:53:00.380 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「親知らずちゃん」
親知らず「…………!」
男(親知らずに話しかけた!?)
女歯科医「あなたは親を知らない……だからグレて横に生えちゃったんでしょ?」
親知らず「……ウン」
男(この女! 親知らずとコミュニケーションを!?)
男(……出来るッ!)
女歯科医「親知らずちゃん」
親知らず「…………!」
男(親知らずに話しかけた!?)
女歯科医「あなたは親を知らない……だからグレて横に生えちゃったんでしょ?」
親知らず「……ウン」
男(この女! 親知らずとコミュニケーションを!?)
男(……出来るッ!)
14:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 00:56:09.653 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「だったら……あたしが母親になったげる!」
親知らず「ホント!?」
女歯科医「ホントよう」
親知らず「ヤッター!」ピョーンッ
男「親知らずがひとりでに抜けた……!」
女歯科医「だったら……あたしが母親になったげる!」
親知らず「ホント!?」
女歯科医「ホントよう」
親知らず「ヤッター!」ピョーンッ
男「親知らずがひとりでに抜けた……!」
16:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:00:03.477 :x7zWBjhL0.net
青年「ありがとうございました!」
女歯科医「お大事に~」
女歯科医「ヒッヒッヒ、どぉう?」
男「やるな……」
男「いいだろう、治療してもらお――」
マッチョ「ちょっと待ったァ!!!」ミシッ
青年「ありがとうございました!」
女歯科医「お大事に~」
女歯科医「ヒッヒッヒ、どぉう?」
男「やるな……」
男「いいだろう、治療してもらお――」
マッチョ「ちょっと待ったァ!!!」ミシッ
18:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:03:37.675 :x7zWBjhL0.net
マッチョ「ぐへへへ……俺が先に治療してもらうぜ」
女歯科医「いいわよぉ」
女歯科医「ただし、あたしは痛いわよ?」ニタァ…
マッチョ「へっ、あいにく俺は痛みってもんに人一倍強くてね」
マッチョ「他人に痛みを味わわせたことは多々あれど、痛みを味わったことなんてねぇのさ!」ミシッ
男(なんてヤツだ……! これは凄まじい治療になりそうだ!)
マッチョ「ぐへへへ……俺が先に治療してもらうぜ」
女歯科医「いいわよぉ」
女歯科医「ただし、あたしは痛いわよ?」ニタァ…
マッチョ「へっ、あいにく俺は痛みってもんに人一倍強くてね」
マッチョ「他人に痛みを味わわせたことは多々あれど、痛みを味わったことなんてねぇのさ!」ミシッ
男(なんてヤツだ……! これは凄まじい治療になりそうだ!)
19:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:06:33.379 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「痛かったら、右手上げてね~」
マッチョ「誰が上げるかよ!」ミシッ
キュイィィィィィィィィン
マッチョ「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ババババババッ
男(マッチョが秒間10回ぐらい手を上げてる)
キュイィィィィィィィィィィィィン
マッチョ「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」バババババババババッ
キュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
マッチョ「おぐぉがぎえぇあぁぁぁあぁぁぁあぁぁっ!!!」バババババババババババババババッ
女歯科医「…………」
男(無視してる! なんて冷酷なんだ……!)
女歯科医「痛かったら、右手上げてね~」
マッチョ「誰が上げるかよ!」ミシッ
キュイィィィィィィィィン
マッチョ「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ババババババッ
男(マッチョが秒間10回ぐらい手を上げてる)
キュイィィィィィィィィィィィィン
マッチョ「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」バババババババババッ
キュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
マッチョ「おぐぉがぎえぇあぁぁぁあぁぁぁあぁぁっ!!!」バババババババババババババババッ
女歯科医「…………」
男(無視してる! なんて冷酷なんだ……!)
20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:10:24.418 :x7zWBjhL0.net
マッチョ「い、痛かったよぉ……」
女歯科医「ついでに顎関節症も治してあげたわぁ」
女歯科医「これでもう、顎がミシミシいわないはずよ」
マッチョ「ありがとうございます!」
女歯科医「あんたも少しは人の痛みが分かる男になりなさいよ」
マッチョ「それはもう!」
男(そうか……このためにわざと激痛を味わわせたのか!)
男(この女、やはり出来るッ!)
マッチョ「い、痛かったよぉ……」
女歯科医「ついでに顎関節症も治してあげたわぁ」
女歯科医「これでもう、顎がミシミシいわないはずよ」
マッチョ「ありがとうございます!」
女歯科医「あんたも少しは人の痛みが分かる男になりなさいよ」
マッチョ「それはもう!」
男(そうか……このためにわざと激痛を味わわせたのか!)
男(この女、やはり出来るッ!)
22:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:13:30.535 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「じゃ、あんたの治療いきましょか」
男「お願いします」
女歯科医「そのシートに座って」
男「はい」
女歯科医「髪型は?」
男「全体を短くカットして下さい」
男「……って、床屋じゃないんだから」
どっ!!!
女歯科医「じゃ、あんたの治療いきましょか」
男「お願いします」
女歯科医「そのシートに座って」
男「はい」
女歯科医「髪型は?」
男「全体を短くカットして下さい」
男「……って、床屋じゃないんだから」
どっ!!!
23:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:17:12.427 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「どうもありがとう。みんな帰っていいわよぉ~」
ワイワイ… ガヤガヤ…
オツカレッシター! アザース! シツレイシマース! サヨウナラー!
男(このためだけにオーディエンスを雇ってたのか……! なんて女だ!)
女歯科医「じゃ、まずは全体を見させてもらうわねえ」
男「あーん」
女歯科医「ふむふむ……」
女歯科医「右奥歯S-105、右犬歯PP-531、上の前歯A-60、左奥歯SSS-35、下の前歯Z-105……」
男「あの……なんの数字ですかそれ?」
女歯科医「気にしないでぇ。テキトーにいってるだけ」
男「そうすか」
女歯科医「どうもありがとう。みんな帰っていいわよぉ~」
ワイワイ… ガヤガヤ…
オツカレッシター! アザース! シツレイシマース! サヨウナラー!
男(このためだけにオーディエンスを雇ってたのか……! なんて女だ!)
女歯科医「じゃ、まずは全体を見させてもらうわねえ」
男「あーん」
女歯科医「ふむふむ……」
女歯科医「右奥歯S-105、右犬歯PP-531、上の前歯A-60、左奥歯SSS-35、下の前歯Z-105……」
男「あの……なんの数字ですかそれ?」
女歯科医「気にしないでぇ。テキトーにいってるだけ」
男「そうすか」
24:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:20:08.315 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「じゃ、うがいしてちょーだい」
男「分かりました」
チョロチョロ…
男「…………」ゴクッ
男「う、うまい……!」
男「この水……なんて濃厚な! それでいて透き通った滑らかな舌触り!」
男「水が舌や歯に触れるたび、極上の快感が私を迎えてくれる!」
男「まさに透明で液状な宝石箱! この世にこんなうまい水が存在したとはぁぁ……ッ!」
女歯科医「でも、うがいしなきゃダメよ」
男「はい」クチュクチュペッ
女歯科医「じゃ、うがいしてちょーだい」
男「分かりました」
チョロチョロ…
男「…………」ゴクッ
男「う、うまい……!」
男「この水……なんて濃厚な! それでいて透き通った滑らかな舌触り!」
男「水が舌や歯に触れるたび、極上の快感が私を迎えてくれる!」
男「まさに透明で液状な宝石箱! この世にこんなうまい水が存在したとはぁぁ……ッ!」
女歯科医「でも、うがいしなきゃダメよ」
男「はい」クチュクチュペッ
26:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:23:30.160 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「ヒッヒッヒ、では虫歯を拝見……」
虫歯「ムッシー!」
女歯科医「おおっ、こりゃすごいわねえ。鳴いてるじゃない」
男「でしょう?」ドヤッ
女歯科医「こりゃ並みのドリルじゃ歯が立たないわねえ……ってわけで――」
女歯科医「ヒッヒッヒ、では虫歯を拝見……」
虫歯「ムッシー!」
女歯科医「おおっ、こりゃすごいわねえ。鳴いてるじゃない」
男「でしょう?」ドヤッ
女歯科医「こりゃ並みのドリルじゃ歯が立たないわねえ……ってわけで――」
29:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:26:31.664 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「このドリルを使いましょ」ズリュリュッ
男(デカイ! まるで道路工事用のドリルじゃないか!)
男「それに今、口からドリルを出さなかったか!?」
女歯科医「ヒッヒッヒ、あたしの歯周ポケットは四次元に通じてるのよ」
男「へぇ~」
男「で、そのドリルで何をするつもりだ?」
女歯科医「あんたの虫歯を削るのよ」
男「なに!?」
虫歯「ムシ!?」
女歯科医「このドリルを使いましょ」ズリュリュッ
男(デカイ! まるで道路工事用のドリルじゃないか!)
男「それに今、口からドリルを出さなかったか!?」
女歯科医「ヒッヒッヒ、あたしの歯周ポケットは四次元に通じてるのよ」
男「へぇ~」
男「で、そのドリルで何をするつもりだ?」
女歯科医「あんたの虫歯を削るのよ」
男「なに!?」
虫歯「ムシ!?」
30:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:29:31.626 :x7zWBjhL0.net
男「ちょ、ちょっと待ってくれ! 削るのか!?」
女歯科医「そうよぉ~」
男「なぜだ!? 親知らずみたいに、話し合えば分かり合えるかもしれないのにッ!」
女歯科医「無理よぉ~、あたしの経験上虫歯は……削るしかない」
男「…………!」
虫歯「ムシ…」ガタガタ
男(怯えてる……! 当然だ、あんなドリルを見せられたら……!)
男「ちょ、ちょっと待ってくれ! 削るのか!?」
女歯科医「そうよぉ~」
男「なぜだ!? 親知らずみたいに、話し合えば分かり合えるかもしれないのにッ!」
女歯科医「無理よぉ~、あたしの経験上虫歯は……削るしかない」
男「…………!」
虫歯「ムシ…」ガタガタ
男(怯えてる……! 当然だ、あんなドリルを見せられたら……!)
31:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:32:32.087 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「じゃ、始めましょか」ギュルルルルルルッ
男(いいのか……?)
男(本当にいいのか……?)
男(怯えてる虫歯を、この女に売るようなマネをしていいのか!?)
男(――ダメだ!)
男(虫歯といえど、こいつは私の一部! 守らなければならないッ!)
女歯科医「さ、口開けて」
男「断る」
女歯科医「!」
男「私は虫歯を守るために……戦う!」
女歯科医「交渉決裂ね」
女歯科医「じゃ、始めましょか」ギュルルルルルルッ
男(いいのか……?)
男(本当にいいのか……?)
男(怯えてる虫歯を、この女に売るようなマネをしていいのか!?)
男(――ダメだ!)
男(虫歯といえど、こいつは私の一部! 守らなければならないッ!)
女歯科医「さ、口開けて」
男「断る」
女歯科医「!」
男「私は虫歯を守るために……戦う!」
女歯科医「交渉決裂ね」
32:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:36:20.420 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「ヒィ~ッヒッヒ、い、く、わ、よぉ~!」ギュルルルルルルッ
男「うわっ――」
ズガァンッ!
巨大ドリルはコンクリートの壁を易々とえぐり取っていた。
男(なんて威力だ……!)
男(もし喰らえば、一瞬にして私の虫歯は削り取られてしまうだろう!)
虫歯「ムッシ…」
男「心配するな……。私にも武器はある!」
女歯科医「ヒィ~ッヒッヒ、い、く、わ、よぉ~!」ギュルルルルルルッ
男「うわっ――」
ズガァンッ!
巨大ドリルはコンクリートの壁を易々とえぐり取っていた。
男(なんて威力だ……!)
男(もし喰らえば、一瞬にして私の虫歯は削り取られてしまうだろう!)
虫歯「ムッシ…」
男「心配するな……。私にも武器はある!」
34:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:40:10.029 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「もらったァ!」ギュルルルルルルッ
男「なんの! 商社マンカバン!」ババッ
女歯科医「ヒ!?」
男のビジネスバッグが、巨大ドリルを食い止めていた。
女歯科医「つ、貫けない……!?」ギュルルル…
男「私のカバンには重要書類、担当メーカーの商材の資料、ノートパソコン」
男「急な出張に対応できるよう愛用のヒゲ剃りと、さまざまな道具が詰まってる!」
男「たとえ、銃弾でも防いでみせるさ……」
男「商社マンのカバンを舐めるなよ……!」
女歯科医「やるぅ……!」
女歯科医「もらったァ!」ギュルルルルルルッ
男「なんの! 商社マンカバン!」ババッ
女歯科医「ヒ!?」
男のビジネスバッグが、巨大ドリルを食い止めていた。
女歯科医「つ、貫けない……!?」ギュルルル…
男「私のカバンには重要書類、担当メーカーの商材の資料、ノートパソコン」
男「急な出張に対応できるよう愛用のヒゲ剃りと、さまざまな道具が詰まってる!」
男「たとえ、銃弾でも防いでみせるさ……」
男「商社マンのカバンを舐めるなよ……!」
女歯科医「やるぅ……!」
36:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:44:10.593 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「だったら、歯周ポケットから新しい道具を出すまでよん」ズリュリュッ
男(何を出すつもりだ!?)
女歯科医「歯クソに反応する赤い液体!」バッ
ベチャッ
男「しまっ……! 目をやられた!」ゴシゴシ…
女歯科医(このスキに後ろに回り込んで……)ササッ
女歯科医(もらったぁぁぁぁぁっ!!!)
女歯科医「だったら、歯周ポケットから新しい道具を出すまでよん」ズリュリュッ
男(何を出すつもりだ!?)
女歯科医「歯クソに反応する赤い液体!」バッ
ベチャッ
男「しまっ……! 目をやられた!」ゴシゴシ…
女歯科医(このスキに後ろに回り込んで……)ササッ
女歯科医(もらったぁぁぁぁぁっ!!!)
38:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:48:12.286 :x7zWBjhL0.net
虫歯「ムシロ!」
男「後ろか!」
女歯科医(虫歯のおかげで気づいたわねぇ、でももう遅い!)
男「“名刺ミサイル”!!!」シュバァッ
女歯科医「“歯石キャノン”!!!」ズドンッ
互いの最終兵器――
一流の職人によって作られた極限まで鋭く研磨された名刺と、
女歯科医が患者から削り取った歯石を集めて生み出した砲弾が、激突する!!!
虫歯「ムシロ!」
男「後ろか!」
女歯科医(虫歯のおかげで気づいたわねぇ、でももう遅い!)
男「“名刺ミサイル”!!!」シュバァッ
女歯科医「“歯石キャノン”!!!」ズドンッ
互いの最終兵器――
一流の職人によって作られた極限まで鋭く研磨された名刺と、
女歯科医が患者から削り取った歯石を集めて生み出した砲弾が、激突する!!!
39:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:51:21.866 :x7zWBjhL0.net
勝負の結末は――
ピシピシ…
女歯科医(歯石にヒビが……!?)
ピシピシピシ…
パキィィィィィンッ!!!
女歯科医「あ……ああああああああああっ!!!」
――歯石が、砕け散った。
勝負の結末は――
ピシピシ…
女歯科医(歯石にヒビが……!?)
ピシピシピシ…
パキィィィィィンッ!!!
女歯科医「あ……ああああああああああっ!!!」
――歯石が、砕け散った。
40:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:54:51.835 :x7zWBjhL0.net
女歯科医「ヒヒヒ……あたしの負けね」
女歯科医「だけど、なぜこうも完敗しちゃったのかしら……」
男「私は“商社マン”で君は“歯医者”……勝者と敗者」
男「最初からこの勝負の結末は決まっていたのだよ」
女歯科医「なるほど、ね……」
完全決着。
女歯科医「ヒヒヒ……あたしの負けね」
女歯科医「だけど、なぜこうも完敗しちゃったのかしら……」
男「私は“商社マン”で君は“歯医者”……勝者と敗者」
男「最初からこの勝負の結末は決まっていたのだよ」
女歯科医「なるほど、ね……」
完全決着。
43:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:56:23.105 :Q7mMjWuqr.net
な、なんだってー!?
44:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:59:10.441 :QPr3ZEoop.net
それ言いたかっただけだろwwww
46:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 01:59:44.682 :x7zWBjhL0.net
男「ひとつだけ聞かせてくれ」
男「君の虫歯に対する憎しみは尋常ではなかった……なぜ、そうまで虫歯を憎む?」
女歯科医「ヒヒッ、妹のためよ……」
男「妹?」
女歯科医「あたしが10歳、妹が7歳の頃……」
妹『お姉ちゃん、歯が痛い! 歯が痛いよぉ!』
姉『あらぁ~、きっと虫歯ねえ』
妹『わたし、こんなに痛い虫歯を許せない! お姉ちゃん……根絶して!』
姉『ヒヒヒ、分かった。お姉ちゃんがこの世の虫歯を根絶するからね!』
妹『うん、約束だからね!』
男「妹さんとの約束だったのか……」
女歯科医「あたしは虫歯と闘い続けなきゃならないのよぅ! 妹のために!」
男「ひとつだけ聞かせてくれ」
男「君の虫歯に対する憎しみは尋常ではなかった……なぜ、そうまで虫歯を憎む?」
女歯科医「ヒヒッ、妹のためよ……」
男「妹?」
女歯科医「あたしが10歳、妹が7歳の頃……」
妹『お姉ちゃん、歯が痛い! 歯が痛いよぉ!』
姉『あらぁ~、きっと虫歯ねえ』
妹『わたし、こんなに痛い虫歯を許せない! お姉ちゃん……根絶して!』
姉『ヒヒヒ、分かった。お姉ちゃんがこの世の虫歯を根絶するからね!』
妹『うん、約束だからね!』
男「妹さんとの約束だったのか……」
女歯科医「あたしは虫歯と闘い続けなきゃならないのよぅ! 妹のために!」
49:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 02:02:51.622 :x7zWBjhL0.net
受付嬢「お姉ちゃん、もうやめて!」ババッ
女歯科医「!」
受付嬢「もういいの! お姉ちゃん!」
受付嬢「わたしのために生きないで……もっと自分のために生きて……」
女歯科医「……そうねえ。そうしよっかな」
女歯科医「なら、そろそろ結婚相手でもさがそっかな?」
男「…………!」
男「だ、だったら――」
受付嬢「お姉ちゃん、もうやめて!」ババッ
女歯科医「!」
受付嬢「もういいの! お姉ちゃん!」
受付嬢「わたしのために生きないで……もっと自分のために生きて……」
女歯科医「……そうねえ。そうしよっかな」
女歯科医「なら、そろそろ結婚相手でもさがそっかな?」
男「…………!」
男「だ、だったら――」
51:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 02:05:52.189 :x7zWBjhL0.net
男「結婚を前提に……お付き合いしてくれないか?」
女歯科医「えっ……」
男「私は……これまで女が嫌いだった。大嫌いだった」
男「なぜなら、女は男に守られてるくせに権利だけは主張する連中……そう思ってたからだ」
男「だが、あなたを見ていたら、そんな自分の考えは間違いだったと気づかされた」
男「あなたの歯医者としての腕前は、男にも負けてないし、自立している女性だ」
女歯科医「ヒヒヒ、照れるわねえ」
男「それに、あなたの生き急ぐような生き方が、どこか他人と思えなくてね……」
男「私も今まで、少し働きすぎていたのかもしれない」
男「これからは二人で支え合って、もう少しゆったりと生きてみないか?」
女歯科医「……はい」
男「結婚を前提に……お付き合いしてくれないか?」
女歯科医「えっ……」
男「私は……これまで女が嫌いだった。大嫌いだった」
男「なぜなら、女は男に守られてるくせに権利だけは主張する連中……そう思ってたからだ」
男「だが、あなたを見ていたら、そんな自分の考えは間違いだったと気づかされた」
男「あなたの歯医者としての腕前は、男にも負けてないし、自立している女性だ」
女歯科医「ヒヒヒ、照れるわねえ」
男「それに、あなたの生き急ぐような生き方が、どこか他人と思えなくてね……」
男「私も今まで、少し働きすぎていたのかもしれない」
男「これからは二人で支え合って、もう少しゆったりと生きてみないか?」
女歯科医「……はい」
52:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 02:09:24.399 :x7zWBjhL0.net
受付嬢「お姉ちゃん、おめでとう!」
親知らず「オヤッオヤッ」
女歯科医「あら、祝福してくれるの? ヒヒヒ、ありがとぉ~」
虫歯「ムッシー!」シュゥゥ…
男(虫歯が……健康な歯に戻っていく!? なぜ!?)
男(そうか……虫歯は働きすぎる私を心配して、痛みという形で危険信号を出してくれてたんだ!)
男(ありがとう……虫歯ッ!)
受付嬢「お姉ちゃん、おめでとう!」
親知らず「オヤッオヤッ」
女歯科医「あら、祝福してくれるの? ヒヒヒ、ありがとぉ~」
虫歯「ムッシー!」シュゥゥ…
男(虫歯が……健康な歯に戻っていく!? なぜ!?)
男(そうか……虫歯は働きすぎる私を心配して、痛みという形で危険信号を出してくれてたんだ!)
男(ありがとう……虫歯ッ!)
53:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 02:12:58.804 :x7zWBjhL0.net
半年後――
パチパチパチパチパチ…
受付嬢「お姉ちゃん、ウエディングドレス似合ってるよー!」
マッチョ「二人ともイカしてるぜ!」
青年「おめでとうございます!」
親知らず「オッヤーッ!」
男「……キレイだよ」
女歯科医「ヒヒヒ……ありがと」
女歯科医「あなたこそ……とてもかっこいいわ」
男「ありがとう。私は君を必ず幸せにするよ」
半年後――
パチパチパチパチパチ…
受付嬢「お姉ちゃん、ウエディングドレス似合ってるよー!」
マッチョ「二人ともイカしてるぜ!」
青年「おめでとうございます!」
親知らず「オッヤーッ!」
男「……キレイだよ」
女歯科医「ヒヒヒ……ありがと」
女歯科医「あなたこそ……とてもかっこいいわ」
男「ありがとう。私は君を必ず幸せにするよ」
55:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2017/08/22(火) 02:16:54.464 :x7zWBjhL0.net
司会「それでは、新郎新婦によるケーキ入刀です!」
女歯科医「じゃ、このドリルで派手にやりましょか」ズリュリュッ
男「ああ、盛大に穴を開けよう!」
ギュルルルルルルルルルッ!!!
― 完 ―
司会「それでは、新郎新婦によるケーキ入刀です!」
女歯科医「じゃ、このドリルで派手にやりましょか」ズリュリュッ
男「ああ、盛大に穴を開けよう!」
ギュルルルルルルルルルッ!!!
― 完 ―
コメント
ムシロが良い