ことり「お前、弓道の大会に出たんだってな」

海未「はい」

ことり「優勝したんだってな」

海未「皆さんのご指導ご鞭撻、応援のおかげです」

ことり「イキってんなぁ」

海未「これイキってますか」

ことり「まずな、弓道。これイキりポイント」

海未「弓道はかなりイキってない部類だと思いますよ」

ことり「弓道やってれば遠距離の喧嘩は負けねえって思ってるだろ？」

海未「遠距離の喧嘩ってなんですか」

ことり「そういうとこだぞ園田、そういうとこがイキってんだ」

海未「どこですか、流石に全くわからなかったです」

ことり「遠距離なんて喧嘩になる前に1撃で仕留めてきたんだろ？」

海未「私めっちゃ強い人みたいですね」

ことり「『喧嘩なんて知らねえ…蹂躙しかやったことがねえ』ってそうイキってんのが態度に出てんだよ」

海未「絶対態度に出してない自信はありますが謝ります。すみません」

ことり「これからは改めろや、ぶっ飛ばされんうちにな」

ことり「あとアレだ、アレもイキってる」

海未「どれですか」

ことり「お前の得意料理」

海未「炒飯ですか？」

ことり「それだよ、なんで鶏肉使うんだよ。普通あんまり使わんだろ」

海未「ヘルシーでいいかなと思いまして」

ことり「明らかに私なんかいつでも料理できるっていう宣戦布告だろ」

海未「その発想はありませんでしたね」

ことり「そういう『お前になんかいつでも勝てる』って態度に出てんだよ」

海未「絶対態度に出てないと思いますが謝ります。すみません」

ことり「ったく…こんなにイキりポイントがあるからイキってるって言ってんだよ」

海未（しょうもなさすぎて笑いを堪えるのがしんどくなってきました）

ことり「おい何目線逸らしてんだよ園田…話しかけてやってるんだからこっち見ろや」

海未「すいません、ちょっと立ち眩みが」

ことり「は？立ち眩みだ？」

海未「はい、もう大丈夫ですので」

ことり「んなわけねえだろ、ちゃんと保健室行けよ」

海未（やめてください隠し切れないいい子オーラ出すの。笑わない…笑わない…）

ことり「おら、肩貸してやるからよ。さっさと歩け」

海未「はい…助かります…んふ」

ことり「おい、なんか今変な声出さなかったか」

海未「すいません、またちょっと立ち眩みが」

ことり「重症じゃねえか…！」

保健室

ｺﾝｺﾝ

ことり「邪魔するぜセンコー」

海未（ノックして一礼しながら言うセリフですか）

ことり「ちっ、居ねえじゃねえか。使えねえな」

海未「居なければ仕方ありませんね。私はベッドで寝ていますのでことりは教室に戻ってください」

ことり「まぁそうするしかねえな」

海未「昼休みが終わるまでには私も戻りますので」

ことり「おう、精々ベッドでイキってろや」

海未（意味不明すぎます）

海未「……ことりは行きましたか」

海未「何度か吹き出しそうになりましたが、なんとか今日も乗り切りました」

海未「とりあえず全くの健康体ですし適当に…っと誰か来てますね。先生でしょうか」

海未「う～ん…ここは少し具合悪そうに寝てたほうが、保健室の先生にも説明が通りやすいでしょう」

海未「それでは…うーんむにゃむにゃ（しっかりとした発声）」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ことり「……失礼します」

海未（ことり…？何か忘れ物でもしたのでしょうか）

海未（なおのこと寝ておいて正解でしたね。我ながら良い判断です）

ことり「ﾝﾐﾁｬﾝ…よかった、寝てる」

海未（なんか素に戻ってません？）

ことり「そうだ、ちゃんと看病しないと」

海未（濡れタオルをおでこに乗せられました）

ことり「後は、起きた後に食べやすいものを…」

海未（購買でプリンを買ってきたのですか。これは嬉しいですが申し訳ないですね）

ことり「お布団もちゃんと直して…」

海未（母親ですか貴女は！そういうヤンキーにありがちな母性はいったいどこから出た風潮なんですか！）

ことり「よし、起きちゃう前に教室戻らないと…」

海未（なんと迅速な対応…私が起きてさえいなければ完璧でしたね）

ことり「失礼しました」

海未（律儀か）

教室

海未「戻りましたよことり」

ことり「おう、くたばったかと思ったぜ」

海未「誰かが寝てる間に良くしてくれたみたいで…すっかり元気になりました」

ことり「とんだ世話焼きも居るもんだな」

海未「ことり、ありがとうございました」

ことり「あ！？誰が園田の看病なんかするんだよ！イキってんじゃねえぞ！」

海未「いえ、保健室に連れて行ってくれたことについてです」

ことり「え、あ、あぁ～」

海未「ふふふ、ことりはせっかちですね」

ことり「う、海未ちゃんのバカ～！！！！」

海未「あっ、ことり！」

先生「5限始めるぞ～って南、どこいくんだ」

ことり「ごめんなさ～～～～～～～い！！」

海未「すいません先生、2分で連れ戻してきます」

先生「いやだが…」

海未「では」

海未「ことり～～～～～～！」

ことり「なんで追いかけてくるの～～～！」

海未「それは…」




海未「私、イキってますので！！」

おまけ

真姫「で？ことりってなんでいきなりグレたわけ？」

穂乃果「海未ちゃんより強くなるって言って形から入ったらしいよ」

真姫「それでヤンキーって発想になるのさすがにｲﾐﾜｶﾝﾅくない？」

穂乃果「まともに稽古とかしたって海未ちゃんより強くなるのは無理でしょ～」

おわり