俺「いや俺もきもいと思うけど、どうせ呼ばれるならお兄ちゃんがいいわ」

妹「あっそ」

俺「…」

俺「一時期俺のことお兄ちゃんって呼んでたやんな」

妹「…」

俺「覚えてるか？」

妹「知らんって、今テレビ見てんねん」

俺「…」

俺「あ、こいつ不倫したのにテレビ出てるやん…出ていいんかな」

妹「…」

テレビ「ワーワーワー」

俺「…この芸人おもろいか？」

妹「…」

俺「勢いだけでおもんないよな」

妹「まあ」

俺「お前嵐出てるやつ見ーひんのか」

妹「…」

俺「この時間違うっけ」

妹「別に見ーひんよ」

俺「あそう」

妹「…」

俺「…」

俺「はよ次の芸人いってくれんかなー」

妹「私結構これ好きなんやけど、静かにして」

俺「…」

俺「さっき言えや」

テレビ「ワーワーワー」

妹「…」

俺「ほんまにこの芸人好きなん？」

妹「何が」

俺「いや全然笑わんやん」

妹「笑わなダメなん？」

俺「いや好きなんやったら笑うやろ」

妹「雰囲気が好きやねん、心では笑ってる」

俺「なんやねんそれ」

テレビ「それでは一旦CMです」

妹「…」

俺「そういえば夕方お前見たわ」

妹「うん」

俺「あそこいたやろ、踏切の近くにあるゲーセン」

妹「うん」

俺「友達可愛いな、あの一人だけ茶髪気味な子おったやろ」

妹「うん」

俺「あの子可愛いよな？」

妹「まあ」

俺「ウチ連れてきてーや」

妹「…」

俺「誰かの家で遊ぼとか話せんの？」

妹「せんよ」

俺「…」

俺「ウチ連れてきてーや」

妹「きもいって」

俺「…」

俺「風呂先入っていい？」

妹「…」

俺「先入っていいかって」

妹「うん」

俺「ほん」

妹「あ、私のシャンプー使わんとってね」

俺「それ親父やから」

妹「…」

俺「多分な、いやかーさんが気に入ってこっそり使っとんかもしれんし」

妹「はよ入りーや」

俺「…うん」

俺「ブハハハｗ」

妹「なあ、うちのスマホしらん」

俺「知らんよ」

妹「…」ｽﾀｽﾀ

俺「おいテレビの前通るなよ」

妹「…」ｶﾞｻｶﾞｻ

妹「母さーんウチの携帯しらへん？」

母「知らんよ？無くしたん？」

妹「みっちゃんと連絡取らなあかんねんけど」

母「最後どこで使ったんや？」

妹「絶対うちにある」

母「ふん…まあでも母さん知らんしなあちょっと洗濯物するしお兄ちゃんに探してもらい」

妹「…」

俺「…」

俺「なんやスマホ鳴らしてほしいんか」

妹「うん」

俺「えーどうしよっかなー」

妹「うっざ」

妹「…」ｽﾀｽﾀ

俺「は？」

俺「おい鳴らさんでええんか！」

妹「…」ｶﾞﾁｬｯﾊﾞﾀﾝｯ

俺「なんやねんあいつ」

俺「しゃーないラインでスタンプ連打したろ」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ

俺「…音聞こえんな」

俺「まあええわ関係ないし」

テレビ「ワーワーワー」

ラインピコン

俺「あれ妹ライン使えてるやん」

ライン妹「電話置いてある棚にあったわ ありがとう」

俺「…」

俺「あほやん」

俺「なあ」

妹「…」

俺「なあなあ」

妹「なに」

俺「飯食ってる時スマホ触るなよ」

妹「…」

妹「…」ﾄﾞﾝｯ（スマホ置く

俺「なあ海行くん？」

妹「は？」

俺「今年友達と海行くん？」

妹「行く」

俺「写真撮ったら送ってな」

妹「…なんで？」

俺「まああれやん」

俺「友達の水着見てみたい」

妹「…」

俺「送ってな」

妹「なあ、あれどうなったん」

俺「あれって？」

妹「バイクの免許とるんちゃうん」

俺「あーやっぱまだ無理やわ、母さんが自分の金で取れって」

妹「へえ」

俺「50万やで？どうする？」

妹「知らん」

俺「取るとしても来年の夏やなあ」

俺「にいちゃんがバイク乗れるようになったらどこ連れてってほしい？」

妹「どっか東北のあたり」

俺「アホか、もっと近いとこやろ」

俺「ふんでな、にいちゃんが少しでも早く免許取れるようにバイト代貢いでくれや」

妹「ごちそうさま」ｶﾞﾀ

俺「…皿持ってけよ」

俺「なあ妹」

妹「…」

俺「ちょっとこっち見てえや一瞬」

妹「…」ﾁﾗｯ

俺「ほらこれ見て、彼女できた」

妹「…」

俺「おいマジやからちゃんと見ろって、可愛いやろ」

妹「誰これ」

俺「だから彼女やって、昨日から付き合い始めてん」

妹「まじ？」

俺「おう、どう？」

妹「むっちゃ可愛い…」

妹「え、なんで？どこの人なん？ウチ連れてきてーや」

俺「…」

俺「嘘ぴょーんｗこんな可愛い子と付き合えるわけないやろｗ」

妹「…」

妹「死ねや」

俺「どう思った？ｗお兄ちゃん取られて悔しかった？ｗ」

妹「もういいってキモいな」

妹「こんな奴に彼女できるわけなかったわ」

俺「…そんなこと言うなや」

俺「ただいま」

妹「…」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

俺「あ、なにこれ」

俺「妹の定期試験の結果か、そうかー順位形式なってるんやもんな」

俺「え、お前総合３位やんけ」

妹「…まあ」

俺「なにニヤニヤしてんねん」

俺「しかも英語と国語一位かよ、そんな頭良かったっけ？」

妹「…」

俺「いやニヤニヤすんなや腹立つな」

妹「してへんよ」

俺「いやしてるやん！浮かれやがって」

妹「いいから置いといてーや」

俺「あ、お前わざとこのテーブル置いとったんけ」

妹「は？」

俺「絶対そーやん！かーさんに自然に見せよーとしてるんやん！」

妹「違うわ たまたま置いてたんやって」

俺「いや成績表だけここ置いてたっておかしいやん、正直に言えやｗ」

妹「どうせ見せるんやしいいやんか」

俺「褒めてもらいたいんやね」

妹「さっきそのテーブルで見てたて置きっぱにしてたんや」

俺「…んじゃ片付けろよ、はい」

妹「…」

俺「ほらなんか不服そうやん！」

妹「もういいから置いとけってそこ！」

俺「ファーｗｗｗやっぱそうやんｗｗｗ」

妹「もうほんまウザイ」

俺「あ、え、ごめん…」

妹「なあ」

俺「なんや？」

妹「いやなんか、かあさんから聞いたんやけど、家出るん？」

俺「あーそうや、仕事が結構遠くに決まってな」

俺「また今度言おうと思ってたけど、まあいいか」

妹「ふーん」

俺「なに、それだけ？」

妹「あーまあ」

俺「あっそ」

妹「…」

妹「いつ？」

俺「来週の金曜」

妹「そんなすぐ？」

俺「あっち行って色々準備せなあかんしな」

妹「あそう」

俺「うん」

俺「…」

妹「あ、これ」

俺「何この写真？」

妹「前可愛い言うてた友達やん」

妹「海行ったし写真撮ってきてあげた」

俺「そんな話覚えてたんか」

俺「なんか顔変わってない？」

妹「変わってないよ」

俺「あそう」

俺「ちょっと送ってーや」

妹「きも、イヤやって」

俺「え、きもいか？」

妹「あとウチにも呼ばへんから」

俺「あーそうですか」

妹「…」

ｺﾝｺﾝ

俺「はーい」

妹「うっす」

俺「なんやお前が部屋入ってくるとか珍しいな」

妹「明日出発？」

俺「さっきみんなの前で言うたやん」

妹「うん」

妹「これなに？」

俺「これ飛行機とか乗るときな、これ首元に敷いて寝たらむっちゃ気持ちいいんや」

妹「ふーん、これは？」

俺「これは靴べらや、小さいけどよう見たら形おんなじやろ」

妹「うん」

妹「準備できてんの？」

俺「かーさんとおんなじこと言うやんか、もう明日の朝でるんやし」

妹「うん」

妹「やってけるん？一人で」

俺「なんや心配なんか」

妹「さっきな、久々にウチらのアルバム見てたわ」

俺「あーかーさんが持ってるヤツ？」

妹「なんか寂しくなってな、ちょっと部屋覗きたくなっただけや」ｽﾀｯ

俺「さっきまで泣いてたんか！？水臭いヤツやな！ｗ」

妹「ふんでお兄ちゃん」

俺「え、お兄ちゃん？」

妹「免許取ったらバイクでどっか連れてってな」

俺「お兄ちゃんって言った？お兄ちゃんって言ったやろ今！」

妹「おやすみ」ﾊﾞﾀﾝｯ

次の日

俺「お、なんやこれ」

ライン妹「送るん忘れてたわ」

俺「友達とのビキニ写真か」

俺「…」

俺「保存と」

おわり