1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:50:58.94 :SCSVe7nm0
八幡「どうした。ハゲたのか?」
結衣「ハゲないし!」
八幡「どうした。ハゲたのか?」
結衣「ハゲないし!」
2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:52:07.89 :SCSVe7nm0
結衣「何言ってんのヒッキー! 女子に向かっていきなり『ハゲたのか?』ってありえないし!」
雪乃「…………」
結衣「デリカシーなさすぎ! ヒッキー最低!」
八幡(えぇ……ここまで非難浴びるほど俺酷いこと言ったか?)
八幡「いや、髪のことっていうからよ……」
結衣「女子が髪のこと気にしてるっていったらもっと他にあるでしょ! ほら、髪型とか寝癖とか、くせ毛とか」
八幡「いや、それならそうとはっきり言ってくれれば分かる。妙にぼかすからだろ」
結衣「それにしたっていきなり『ハゲ』とか普通聞かないもん! ゆきのんもそう思うでしょ?」
雪乃「ええ、そうね。普通なら女性に対していきなり『ハゲ』発言などしないはずよ」
結衣「何言ってんのヒッキー! 女子に向かっていきなり『ハゲたのか?』ってありえないし!」
雪乃「…………」
結衣「デリカシーなさすぎ! ヒッキー最低!」
八幡(えぇ……ここまで非難浴びるほど俺酷いこと言ったか?)
八幡「いや、髪のことっていうからよ……」
結衣「女子が髪のこと気にしてるっていったらもっと他にあるでしょ! ほら、髪型とか寝癖とか、くせ毛とか」
八幡「いや、それならそうとはっきり言ってくれれば分かる。妙にぼかすからだろ」
結衣「それにしたっていきなり『ハゲ』とか普通聞かないもん! ゆきのんもそう思うでしょ?」
雪乃「ええ、そうね。普通なら女性に対していきなり『ハゲ』発言などしないはずよ」
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:53:19.30 :SCSVe7nm0
結衣「だよねっ。ほんとヒッキー意味わかんない」
雪乃「髪という言葉に対してまっさきに『ハゲ』という言葉が口から出てきてしまった」
雪乃「これは比企谷くん、あなた自身の心の問題を反映しているのではないかしら」
結衣「え?」
八幡「は? どういうことだよ」
雪乃「……あなた、自分で気づいていないの?」
八幡「いや、気付くも何も。何の話をしているのかいまいち要領を得ないんだが」
結衣「あっ……(察し)」
八幡(え、何を察してるんですか由比ヶ浜さん……?)
結衣「だよねっ。ほんとヒッキー意味わかんない」
雪乃「髪という言葉に対してまっさきに『ハゲ』という言葉が口から出てきてしまった」
雪乃「これは比企谷くん、あなた自身の心の問題を反映しているのではないかしら」
結衣「え?」
八幡「は? どういうことだよ」
雪乃「……あなた、自分で気づいていないの?」
八幡「いや、気付くも何も。何の話をしているのかいまいち要領を得ないんだが」
結衣「あっ……(察し)」
八幡(え、何を察してるんですか由比ヶ浜さん……?)
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:53:59.75 :SCSVe7nm0
雪乃「そう……」
八幡(ちょっと、何でそんな悲しそうな目をするんだよ……。何なの? 俺を憐れんでるの? わけがわからないよ?)
雪乃「分からないのなら、教えてあげるわ。比企谷くん、あなた最近、頭皮の……いえ、生え際の後退が著しいわよ」
八幡「え……?」
雪乃「それだけではないわ。あなたの……その、後ろ頭」
八幡「後ろ頭がどうした……」
結衣「ヒッキー、後ろ頭の真ん中あたり、ちゃんと確認したほうがいいよ。毛がないとこがあるから。十円玉くらいの大きさの」
八幡「へ……?」
雪乃「おそらく、円形脱毛症でしょうね……」
八幡「う、嘘だろ……?」
雪乃「そう……」
八幡(ちょっと、何でそんな悲しそうな目をするんだよ……。何なの? 俺を憐れんでるの? わけがわからないよ?)
雪乃「分からないのなら、教えてあげるわ。比企谷くん、あなた最近、頭皮の……いえ、生え際の後退が著しいわよ」
八幡「え……?」
雪乃「それだけではないわ。あなたの……その、後ろ頭」
八幡「後ろ頭がどうした……」
結衣「ヒッキー、後ろ頭の真ん中あたり、ちゃんと確認したほうがいいよ。毛がないとこがあるから。十円玉くらいの大きさの」
八幡「へ……?」
雪乃「おそらく、円形脱毛症でしょうね……」
八幡「う、嘘だろ……?」
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:55:32.56 :SCSVe7nm0
雪乃「比企谷くん、私は……嘘はつかないのよ」
結衣「ヒッキー、気付いてなかったんだ……」
雪乃「気づいてても……誰も言ってくれなかったのかもしれないわね」
結衣「……可哀想」
八幡「いや、嘘だと言ってくれ……。俺、まだ高二だぞ? 高二なのに」
雪乃「比企谷くん、たとえ辛い現実だとしても……受け入れなければならないことはあるのよ」
八幡「受け入れる……? 受け入れろというのか、この現実を……」
雪乃「ええ、そうよ。あなたが『ハゲ』てしまったという現実を」
八幡「や、やめろ! 言うな……そのワードを口にするんじゃねぇ……」
結衣「だ、大丈夫! あたしはヒッキーが『ハゲ』てても全然大丈夫だから!」
八幡「俺の頭皮は大丈夫じゃねえだろうが!」
雪乃「比企谷くん、私は……嘘はつかないのよ」
結衣「ヒッキー、気付いてなかったんだ……」
雪乃「気づいてても……誰も言ってくれなかったのかもしれないわね」
結衣「……可哀想」
八幡「いや、嘘だと言ってくれ……。俺、まだ高二だぞ? 高二なのに」
雪乃「比企谷くん、たとえ辛い現実だとしても……受け入れなければならないことはあるのよ」
八幡「受け入れる……? 受け入れろというのか、この現実を……」
雪乃「ええ、そうよ。あなたが『ハゲ』てしまったという現実を」
八幡「や、やめろ! 言うな……そのワードを口にするんじゃねぇ……」
結衣「だ、大丈夫! あたしはヒッキーが『ハゲ』てても全然大丈夫だから!」
八幡「俺の頭皮は大丈夫じゃねえだろうが!」
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:56:54.54 :SCSVe7nm0
雪乃「現実を受け入れない限り、あなたが前に進むことはできなくなるわ。比企谷ハゲ幡くん」
八幡「やめてくれよ……(絶望)」
八幡(確かに親父も、二十代後半くらいから徐々に髪が薄くなったらしくて、今や幕張の安打製造機みたいな髪型になっている)
八幡(だが、それにしても……いくらなんでも早すぎるだろ。こ、この年で……)
結衣「大丈夫だよヒッキー、ほら、最近のカツラって本物の髪そっくりらしいし。ちゃんと誤魔化せるって」
八幡「誤魔化すだと? ふざけるな!」
結衣「ヒッキー……」
雪乃「比企谷くん……」
八幡「カツラなんて……かぶらねぇ。俺はそんな、見かけだけの薄っぺらい欺瞞じみた方法は嫌いだ」
八幡「偽物なんていらねぇ(カツラ)」
雪乃「現実を受け入れない限り、あなたが前に進むことはできなくなるわ。比企谷ハゲ幡くん」
八幡「やめてくれよ……(絶望)」
八幡(確かに親父も、二十代後半くらいから徐々に髪が薄くなったらしくて、今や幕張の安打製造機みたいな髪型になっている)
八幡(だが、それにしても……いくらなんでも早すぎるだろ。こ、この年で……)
結衣「大丈夫だよヒッキー、ほら、最近のカツラって本物の髪そっくりらしいし。ちゃんと誤魔化せるって」
八幡「誤魔化すだと? ふざけるな!」
結衣「ヒッキー……」
雪乃「比企谷くん……」
八幡「カツラなんて……かぶらねぇ。俺はそんな、見かけだけの薄っぺらい欺瞞じみた方法は嫌いだ」
八幡「偽物なんていらねぇ(カツラ)」
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:57:41.01 :SCSVe7nm0
八幡「俺は、本物が欲しい(地毛)」
雪乃「…………」
結衣「…………」
八幡「俺は、本物が欲しい(地毛)」
雪乃「…………」
結衣「…………」
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:58:38.65 :SCSVe7nm0
雪乃「そう。それがあなたの答えなのね」
八幡「ああ」
結衣「ヒッキー、頑張って。あたしも応援するから」
雪乃「頭皮に関して悩みがあったら、何でも言ってちょうだい。私も、できる限りの助言はするつもりよ」
八幡「いや、いい。これは俺自身の問題なんだ。自分の問題は自分で解決するさ」
結衣「で、でも……」
雪乃「また一人で問題を抱え込むというの? 『ハゲ』への風当たりは厳しいわ……あなた一人で生きていけるの?」
八幡「俺はいつも一人だ。これまでも、これからも、一人で生きていく」
八幡「たとえこのまま『ハゲ』が進行しようとも、泥臭く這いつくばって戦ってみせる。それが俺のやり方だ」
雪乃「そう……なら、仕方がないわね」
雪乃「そう。それがあなたの答えなのね」
八幡「ああ」
結衣「ヒッキー、頑張って。あたしも応援するから」
雪乃「頭皮に関して悩みがあったら、何でも言ってちょうだい。私も、できる限りの助言はするつもりよ」
八幡「いや、いい。これは俺自身の問題なんだ。自分の問題は自分で解決するさ」
結衣「で、でも……」
雪乃「また一人で問題を抱え込むというの? 『ハゲ』への風当たりは厳しいわ……あなた一人で生きていけるの?」
八幡「俺はいつも一人だ。これまでも、これからも、一人で生きていく」
八幡「たとえこのまま『ハゲ』が進行しようとも、泥臭く這いつくばって戦ってみせる。それが俺のやり方だ」
雪乃「そう……なら、仕方がないわね」
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 00:59:48.55 :SCSVe7nm0
結衣「そんなの! そんなのまちがってる!」
八幡「由比ヶ浜……」
結衣「だってヒッキーは『ハゲ』なんだよ! 『ハゲ』たヒッキーが一人で生きていくなんて……そんなの……そんなの」
結衣「あだし……見でいられないよ……うぅっ……」
雪乃「由比ヶ浜さん……。そんな、あなた……卑怯よ。どうしてあなたが泣くの?」
雪乃「どうして……本当に泣きたいのは……ぐっ……」
八幡「何だよ……何なんだよ……っ」
八幡「何で……お前らが泣くんだよ……」
八幡「泣きたいのは……お……れ……の、う……うぁあ”あ”あ”っ……」
結衣「そんなの! そんなのまちがってる!」
八幡「由比ヶ浜……」
結衣「だってヒッキーは『ハゲ』なんだよ! 『ハゲ』たヒッキーが一人で生きていくなんて……そんなの……そんなの」
結衣「あだし……見でいられないよ……うぅっ……」
雪乃「由比ヶ浜さん……。そんな、あなた……卑怯よ。どうしてあなたが泣くの?」
雪乃「どうして……本当に泣きたいのは……ぐっ……」
八幡「何だよ……何なんだよ……っ」
八幡「何で……お前らが泣くんだよ……」
八幡「泣きたいのは……お……れ……の、う……うぁあ”あ”あ”っ……」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 01:00:37.83 :SCSVe7nm0
堪えきれずに涙があふれ、みっともなく泣き声を上げた俺の両手が優しく握られた
八幡「お……お前ら……」
結衣「大丈夫だよ。ヒッキーには、あたしたちがついてるから」
八幡「由比ヶ浜……」
雪乃「私たち三人で解決策を探っていきましょう、比企谷くん」
雪乃「今度こそ……まちがえたりしないようにね」
八幡「雪ノ下……」
堪えきれずに涙があふれ、みっともなく泣き声を上げた俺の両手が優しく握られた
八幡「お……お前ら……」
結衣「大丈夫だよ。ヒッキーには、あたしたちがついてるから」
八幡「由比ヶ浜……」
雪乃「私たち三人で解決策を探っていきましょう、比企谷くん」
雪乃「今度こそ……まちがえたりしないようにね」
八幡「雪ノ下……」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 01:01:54.01 :SCSVe7nm0
八幡「……ありがとう、二人とも」
この時、この瞬間に感じた、言葉では言い尽くせない感慨、共感、情念の発露
これこそが、俺が、俺たちがいくら求めても得られないと思っていた『本物』なのだと信じて、これからも生きてゆく
この、薄れゆく頭髪とともに――
(おしまい)
八幡「……ありがとう、二人とも」
この時、この瞬間に感じた、言葉では言い尽くせない感慨、共感、情念の発露
これこそが、俺が、俺たちがいくら求めても得られないと思っていた『本物』なのだと信じて、これからも生きてゆく
この、薄れゆく頭髪とともに――
(おしまい)
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 01:19:18.41 :XfH/R06HO
_____
|\ \ .\
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | Amazon |
\.|_____|
/ パカッ 、
_//______ヽ_
\ / \::::::::::::::::::::::::\ヾ、\
 ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄
| | Amazon |
\.|_____|
ニャーン
___ 彡 ⌒ ミ ___
\ \ ( ´・ω・`)\ \
 ̄| ̄| ̄∪ ̄∪ ̄| ̄ ̄
| | Amazon |
\.|_____|
|\ \ .\
| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | Amazon |
\.|_____|
/ パカッ 、
_//______ヽ_
\ / \::::::::::::::::::::::::\ヾ、\
 ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄
| | Amazon |
\.|_____|
ニャーン
___ 彡 ⌒ ミ ___
\ \ ( ´・ω・`)\ \
 ̄| ̄| ̄∪ ̄∪ ̄| ̄ ̄
| | Amazon |
\.|_____|
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2017/11/26(日) 03:06:23.30 :jxO2qqC9o
ワロタ
乙です
乙です
コメント