アローラ地方

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

サトシ「…………ん…」ﾊﾟﾁ

サトシ「………………」

サトシ「またあの夢、か………」

サトシ「……………あれから15年か……」

サトシ「…………ご飯でも食べるか……」

サトシ「えーと、昨日のカップヌードルはっと……」ｺﾞｿｺﾞｿ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

サトシ「…………ん？」

サトシ「………朝っぱらから誰だよ……」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

サトシ「はーい、今開けるよー」

ｶﾞﾁｬ

スイレン「サトシ、アロー………

サトシ「なんだスイレンか、朝っぱらからなに……

スイレン「えぇぇぇぇぇ！？」

サトシ「！？」ﾋﾞｸｯ

サトシ「なんだよ急に大声で………」

スイレン「さ、サトシ！何で着替えてないの！？」

サトシ「は？」

スイレン「は？じゃない！今日はカキとマオちゃんの結婚式でしょ！！」

サトシ「………結婚式……」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

サトシ「…………………」ﾎﾟﾘ

サトシ「ああぁぁぁぁ！！」

サトシ「や、ヤバい！忘れてた！」

スイレン「忘れてた！じゃない！早く着替えて！」

サトシ「ご、ごめん！すぐ着替えるから！」

サトシ「えーと……スーツどこにやったっけな？確か……」ｶﾞｻｺﾞｿ

スイレン「……うわぁ…サトシの部屋、相変わらず汚い…」

サトシ「う、うるさいなぁ！」ｶﾞｻｺﾞｿ

スイレン「……サトシのお嫁さんになる人は大変そうだね」ﾋｮｲ

サトシ「………関係ないだろ！……あ！あったあった！」

スイレン「………ん？」

スイレン「サトシ！」

サトシ「なんだよ！」ｷｶﾞｴｷｶﾞｴ

スイレン「この箱なに？」

サトシ「何でもないよ！勝手に人のもん触るなよ！」ｷｶﾞｴ

スイレン「………怪しい…ひょっとしてやらし～本とか……」ｼﾞﾄｰ

サトシ「そんなんじゃないよ！今忙しいんだから話しかけないでくれよ！」ｷｶﾞｴ

スイレン「……忙しいのはサトシのせいなんだけど……」

ﾀｯﾀｯﾀ

スイレン「ほら、サトシ！走って！間に合わなくなる！」ﾀｯﾀｯﾀ

サトシ「ま、待ってくれよスイレン…まだ寝起きで体力が…それに二日酔いで…」ｾﾞｰｾﾞｰ

スイレン「また飲みに行ってたの！？昔の元気はどうしたの？」ﾀｯﾀｯﾀ

サトシ「んな事言ったって……オエ…気持ち悪い……」ｵｴｰ

スイレン「ハァ……もう…」ﾀｯﾀｯﾀ


ﾌﾞﾛﾛﾛﾛｰ

サトシ、スイレン「！」

ｳｨｰﾝ

リーリエ「サトシ、スイレン！乗ってください！」

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛｰ

サトシ「いやー、サンキューサンキュー助かったぜリーリエー」ﾀﾞﾗｰﾝ

スイレン「ありがとうね、リーリエ」

リーリエ「いえ、気にしないでください。目的地はどうせ一緒ですしね？」ﾆｺｯ

ジェイムズ「そうです。社長のご友人となれば当然です」

サトシ「………しっかしすっげー車だよなー……」

サトシ「…………社長、か………」

スイレン「リーリエ、すごいよね。その歳でアローラ１の財団の社長さんだもん」

リーリエ「そんな事はないですよ。それにスイレンだってすごいじゃないですか？」

リーリエ「海のポケモン達の調査や保護のお仕事……とっても素敵だと思いますよ？」

スイレン「そ、そっかな？」ﾃﾚｯ

サトシ「……………」

リーリエ「えっと……サトシもコイキングに金色の色を塗る仕事でしたっけ？素敵だと思います」

サトシ「違うよリーリエ。無理しなくていいよ」

スイレン「それにしても結婚かぁ……いいなぁ……」

スイレン「マオちゃんのウェディングドレス姿、きっとキレイなんだろうなー」

リーリエ「ウェディングドレスは女の子の夢ですもんね？」

スイレン「うん！私もいつか着たい！」

スイレン「ね、ねぇ！サトシは結婚とか………」

サトシ「………え？」

スイレン「………話し聞いてた？」

サトシ「あ、えと……ごめん！何の話しだっけ？」ｱｾｱｾ

スイレン「もぅ！」ﾌﾟｸｰ

リーリエ「ハァ…やれやれですね」

ジェイムズ「社長」

ｷｲｲ

リーリエ「！」

ジェイムズ「着きました」

ポケモンスクール

ﾜｲﾜｲ

リーリエ「ジェイムズさん、ありがとうございました」

ジェイムズ「いえ、本日は楽しんできてください社長。では」

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛｰ

スイレン「うわぁ…もういっぱい人集まってる」

サトシ「スクールで結婚式かぁ……」

スイレン「マーマネ、今日これなくて残念だったね…」

サトシ「そうだなーマーマネにも会いたかったなぁ…でも、仕事が忙しいんならしょうがないよ」

スイレン「確か、カロスで難しい研究してるんだっけ？」

リーリエ「マーマネも今日来れない事は残念がってましたよ？」

スイレン「え？」

サトシ「リーリエ！マーマネと連絡とってんのか？」

リーリエ「はい、仕事の関係上たまに…」

スイレン「本当にそれだけ～？」ﾆﾔﾆﾔ

リーリエ「それだけですが？」ｺﾎﾝ


ｻﾄｼｰ

サトシ「！」

タケシ「サトシー！久しぶりだな！」

カスミ「元気してたー？」

サトシ「タケシ！カスミ！お前たちも呼ばれてたのか？」

タケシ「ああ、まぁな！」

カスミ「スイレンとリーリエも久しぶり！」

スイレン「うん！」

リーリエ「お久しぶりです！」

カスミ「あららリーリエ……すっかりキレイになっちゃって……」ﾆﾔﾆﾔ

リーリエ「そ、そんな事ないですよ」ﾃﾚｯ

タケシ「本当だ…」ﾎﾜｰﾝ

カスミ「こらこら、鼻の下伸びてるわよ」ｸﾞｲｰ

タケシ「いたいっ！」

カスミ「あっ、タケシは気にしないでねリーリエ」ﾆｺｯ

リーリエ「はは……」

サトシ「ははっ、タケシもカスミも変わってないな」

タケシ「そ、そうか？」

カスミ「………………」

カスミ「あんた、ちゃんとマサラタウンの家に帰ってる？」ｸﾞｲｯ

サトシ「な、なんだよいきなり……」

カスミ「お母さん、心配してたわよ？」

サトシ「…………仕事が忙しくてなかなか帰れないんだよ」

カスミ「………そういえばハルカの結婚式にも来てなかったわよね？」

サトシ「……あの日は都合がつかなくって……ハルカには本当に悪い事したよ…」

カスミ「………………」

カスミ「あのさぁ……」

タケシ「か、カスミ！サトシにも事情があるんだよ！だから落ち着け！」

スイレン「そ、そう！ほらっ、もうすぐ式始まるよ？」

リーリエ「せっかくのめでたい席ですし……ね？」

カスミ「………………」

サトシ「……………………」

ｷｬｰ ｷｬｰ

スイレン「ほ、ほら！式始まるよ！いこっ？サトシ！」ｸﾞｲｯ

サトシ「…………ああ…」

マオ「えへへ」ﾋﾟｰｽﾋﾟｰｽ

カキ「」ｶﾁｺﾁ

ﾜｰ ﾜｰ

スイレン「マオちゃんキレイ……」ﾎﾜｰﾝ

リーリエ「カキはすごく緊張してますね？」ｸｽｯ

ククイ「うぅ……立派になったなぁ…マオ！カキ！」ｸﾞｽｯ

ロトム図鑑「博士ー！泣きすぎロトー」

バーネット「やれやれ、まったく…」

カスミ「次はあんた達かなぁ？」ｶﾞｼｯ

リーリエ、スイレン「！」

カスミ「で？どうなの？あんたらもいい歳なんだし、そっちの方は？」ﾆﾔﾆﾔ

リーリエ「わ、私は会社の方が忙しくて恋愛なんてしている暇はありません！ね？シロン？」

シロン「コーン」

カスミ「スイレンは？あんた結構可愛いしモテモテなんじゃな～い？」

スイレン「わ、私も………」ﾁﾗｯ

サトシ「………………」

スイレン「な、無い……」

カスミ「………ふーん……」

タケシ「ほらサトシ！」ﾎﾟﾝ

サトシ「！」

タケシ「せっかくの友達のめでたい門出なんだぞ？いつまで暗い顔をしてるんだ、な？」ﾆｯ

サトシ「………ああ、そうだな…」

サトシ「おめでとう、カキ、マオ！」

ライチ(次は私かな？)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ﾜｲﾜｲ

リーリエ「いよいよですね、ブーケトス！」

スイレン「う、うんそうだね…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

カスミ「あはは、私はそっちで見てるから頑張ってね♪」

スイレン「い、いや……そんなんじゃなくて……や、やっぱりこういうのって、参加しなきゃマオちゃんに悪いし……」

リーリエ「そ、そうです！論理的結論として…その……なんというか……」

カスミ「あーはいはい」

ライチ(取る！絶対に取る！！)ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ムサシ「あ～めんどくさっ」

コジロウ「ん？ムサシも参加すんのか？」

ムサシ「だって未婚の女性参加でしょ？一応ね」

コジロウ「ふーん」

ニャース「ま、頑張るにゃ」

ソーナンス「ソーナンス！」



マオ「よーし、いくよー！」ｸﾞｯ

アマージョ「アマー」

リーリエ、スイレン、ライチ(き、きた……)

リーリエ(マオ！わかってますよね？こっちです！こっちですよ！)ﾒﾗﾒﾗﾒﾗ

スイレン(取る取る取る取る取る取る取る取る)ﾒﾗﾒﾗﾒﾗ

ライチ(来い来い来い来い来い来い来い来い来い来い)ﾒﾗﾒﾗﾒﾗ

ムサシ「ふぁ～ぁ」


サトシ「………何か…博士達の時とは違って殺伐としてんな…」

ククイ「まぁ……そこは……」

タケシ「察してやれよサトシ」ﾎﾟﾝ

サトシ「え？」

ロトム図鑑「サトシー、サトシも少しは大人になるロトー」


マオ「えーい！」

ﾎﾟｰﾝ

リーリエ、スイレン、ライチ(来た！！)

リーリエ「はぁぁぁぁ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

スイレン「うおぉぉぉ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ライチ「どりゃぁぁぁぁ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


ﾄﾞｶﾊﾞｷ


マオ(えぇぇ……！？ちょっとリーリエとスイレン…！それにライチさんまで…やめてよもう…///)ｶｧｧｧ


カスミ「いやぁ…必[ﾋﾟｰｰｰ]ぇ……」

タケシ「だな……」

サトシ「ははっ、だな？」

サトシ「……………」ﾁﾗｯ


マオ「あぁぁぁ…もぅ…！///」ｶｧｧｧ

カキ「やれやれ」ﾊｧ


サトシ(あれから15年…カキはすごく立派になったし、マオもすごくキレイになったぞ…)

サトシ「お前にも見せてやりたかったな、ピカチュウ……」ﾎﾞｿｯ

>>467 うっかりしてました

カスミ「いやぁ…必[ﾋﾟｰｰｰ]ぇ……」→ひっし

二次会

ﾜｲﾜｲ

ライチ「うぅ……ブーケとれなかった…」ｸﾞｽｯ

リーリエ「げ、元気出してくださいライチさん…」

スイレン「ブーケとれなかったから結婚できない訳じゃないし……」

ライチ「………そうよね……逆に前回とったのにあれから15年結婚出来てない女もいるもんね……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

リーリエ、スイレン「！」ﾋﾞｸｯ

リーリエ「ら、ライチさんはほら……まだ運命のお相手に出会えてないだけですよ？」ｱｾｱｾ

スイレン「そ、そうそう！」ｱｾｱｾ

ライチ「うぅ……」ｸﾞｽｯ

サトシ「そうだよライチさん！残り物には福があるって言うじゃん！」

リーリエ「サトシ……」

カスミ「あんたねぇ……」ﾊｧ

サトシ「え？」

タケシ「ははは」

ライチ「だーれが残り物だぁ～！！」ｸﾞｲｯ

サトシ「うぃぃ……！？」

ライチ「サトシ～！責任とって私と結婚しろぉ～」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

スイレン「！？」

サトシ「ちょ…や、やめてライチさん！酔いすぎ！」


ｶﾞﾗｯ

サトシ「！」

グラジオ「すまん、遅れた」

サトシ「グラジオ…………！」

サトシ「グラジオじゃん！久しぶり！」

グラジオ「ああ、久しぶりだなサトシ」ﾌｯ

リーリエ「お兄様！」ﾊﾟｺﾝ

グラジオ「いでっ！」

グラジオ「な、なにしやがるリー……」

リーリエ「なぁ～～にが久しぶりだなサトシ！ですか？カッコつけないでください！」ｳｨ

グラジオ「えぇ……」

サトシ「な、なぁ…リーリエどうしたの？」ﾋｿﾋｿ

スイレン「あれ、たぶん酔ってるよ」ﾋｿﾋｿ

リーリエ「だいたいお兄様が武者修行の旅？に行ってるせいで私がエーテル財団を……」ｶﾞﾐｶﾞﾐ

グラジオ「い、いや……オレはその…他の地方を旅する事でより強いポケモントレーナーに……」

リーリエ「私はそのお陰で遊びにもいけないし、恋愛もできない……仕事仕事の毎日ですよ！」ｳｴｰﾝ

グラジオ「い、いや…その…すまん…」

ライチ「あれぇ？グラジオ…いい男になったじゃん？」ﾇｯ

グラジオ「こ、今度はなんだ！？」

ライチ「グラジオー！彼女いる？歳上ってどう思う？」ｹﾞﾌｯ

グラジオ「いや…その……酒くさっ！」

リーリエ「だいたいお兄様は昔からぁ…！」ｳｴｰﾝ

グラジオ「うぅ……」

ｷﾞｬｰ ｷﾞｬｰ

サトシ「いやぁ…グラジオも大変だな…」

スイレン「う、うん…そうだね……」

サトシ「なぁグラジオ！武者修行の旅どうだ？」

グラジオ「！」

グラジオ「………………」

グラジオ「……あれから15年……オレは様々な地方をまわった…」

サトシ「！」

グラジオ「カロスにイッシュ……シンオウにホウエン……ジョウト……」

グラジオ「アローラから出て、相棒のポケモン達と様々な地方のトレーナーとバトルした」

グラジオ「そこで……世界の広さを……如何に自分が井の中の蛙かを思い知らされた…」ｸﾞｯ

サトシ「………………」

グラジオ「何度も挫折しかけたさ、だがその度に……」ｽｯ

グラジオ「オレを勇者づけてくれる相棒たちがいた……」

サトシ「相棒………」

グラジオ「………………」

グラジオ「サトシ、オレは今カントーにいる」

サトシ「カントー………」

グラジオ「今度カントーのポケモンリーグに挑戦するつもりだ」

サトシ「……ははっ、すげーなグラジオ」

グラジオ「……………」

スイレン「サトシ……」

グラジオ「…………サトシ、無理にとは言わないが良かったら見にきて……」

リーリエ「お兄様！まだ私の話は終わってませんよ！」ｸﾞｲｯ

グラジオ「ぐえっ」

ライチ「グラジオ～今度合コンしな～い？」

グラジオ「ちょ……今サトシと大切な話を………」


ｷﾞｬｰ ｷﾞｬｰ

サトシ「………ポケモンリーグか…」ﾎﾞｿｯ