ラフィエル「ガヴちゃん、昨日『どうせあいつら初詣の後ウチ来るんだろうし、ちょっとぐらい片付けておいてやるか』って部屋を綺麗にしてましたよね」

ガヴリール「おおおおおい！？ お前なんで知ってんだよ！！」

ラフィエル「ヴィーネさんが構ってくれるからあまのじゃくになってしまうんですよね？」ﾆｺﾆｺ

ヴィーネ「もー、ガヴったら可愛いな～！」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガヴリール「な、なでるなっ！」

ラフィエル「掃除、3分でやめてましたけど」

ヴィーネ「もうちょっと頑張りなさいよ」

サターニャ「ガヴリール～！」

タプリス「月乃瀬せんぱーい！白羽せんぱーい！」

ヴィーネ「サターニャ、タプちゃん！」

ガヴリール「ん、遅いぞお前ら」

サターニャ「ふふん、主役は遅れてやっ」

ラフィエル「それでは行きましょうか」

サターニャ「ちょっと！最後まで言わせなさ」

タプリス「私、初詣は天界の教科書でしか見たことないです。緊張して来ました！」

ヴィーネ「ふふ、楽しみ？」

タプリス「はい！」

サターニャ「こらー！！」

ガヴリール「相変わらず騒がしいなお前は」

【神社】


タプリス「ほわー、すごい人ですね～！」

ヴィーネ「ここから奥までお参りに行くのよ。タプちゃん、はぐれないように手をつなぎましょ？」ｽｯ

タプリス「は、ははははい！ お手数おかけしますが何卒よろしくお願い致します！」ｷﾞｭｯ

ヴィーネ「そこまでかしこまらなくても」

タプリス（あぁぁ～、やっぱり月乃瀬先輩は優しいです。まるで女神様のよう……！）

ガヴリール「あー、人ごみダル。タプリス引っ張ってってくれ」ｷﾞｭｯ

タプリス「！！」

タプリス（てっ、天真先輩も手を繋いできた！？ なんですかこれ！ 両手に花ですか！？）

タプリス（ダブル女神にサンドイッチされてる！！）

タプリス「あぁ……私、今年いい事ありそうです」ﾎﾟﾜ-

ガヴリール「どうしたタプリス。今年はもう終わるぞ」

ガランガラン

パンパン


ヴィーネ（みんなが楽しく健康でありますように）

ラフィエル（皆さんをたくさんいじれますように）

ガヴリール（金、金、金が欲しい）

サターニャ「私祈る神がいないのにここに並んでてもしょうがなくない？」

ガヴリール「ほんとだ。なんでお前いんの？ 魔界帰れよ」

サターニャ「どこまで帰らせるつもりよ！！」

ピカ……

サターニャ「ん？」

タプリス「父なる神に感謝を……」ﾊﾟｧｧｧ

ヴィーネ「ちょっ！タプちゃん！？光ってる！？」

ゴーンゴーン

ザワザワザワ

「ママー なんかお空がまぶしいー」

ヴィーネ「祈り方違うから！ 天使降臨しかけてるから！？」

タプリス「すすすすみません！ まさか文化で祈り方に違いがあるとは……！」

ラフィエル「大晦日に奇跡が起きる神社として話題になってしまいましたねー」

ガヴリール「仕方ない。来年もやるか」

ヴィーネ「やめなさい！」

「あけましておめでとうございまーす」

ヴィーネ「なんて言ってる内に新年に！」


ヴィーネ「あけましておめでとうございます」ﾍﾟｺ

ラフィエル「おめでとうございますー」

ガヴリール「あけおめ～」

サターニャ「新年あけおめことよろ！」

タプリス「今年もよろしくお願いしますっ」

ガヴリール「やっぱなんかこれ変な文化だな」

サターニャ「あれ、赤い顔した変な奴がくねくね踊ってるわよ？ 顔こわっ」

ラフィエル「あれは……獅子舞ですね」

タプリス「ししまい？」

ヴィーネ「獅子舞は縁起物で、頭を噛まれると賢くなると言われているのよ」

ガヴリール「よしサターニャ噛まれてこい」

サターニャ「バカにしてんの！？」

ガヴリール「バカにしてるよ」

獅子舞「かぷっ」

サターニャ「うぎゃああああいだだだだだ！？」

ラフィエル「他にも悪魔払いの意味もありますね」ﾆｺﾆｺ

サターニャ「早く言いなさいよぉ！！」

【ガヴリール宅】


ガヴリール「あー、寒かった……」

タプリス「先輩、ストーブ付けてもいいですか？」

ガヴリール「つけろつけろ。エアコンもコタツも全部つけろ。何が地球温暖化だ」

サターニャ「地球に厳しい天使ね」

ヴィーネ「ガヴ、お雑煮の下準備するわね」

ガヴリール「うーい」

ガヴリール「うぅぅさむい。くそう、なかなか部屋が暖まらないな」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ラフィエル「まだつけたばかりですよー」

タプリス「あ、そうだ。わたし身体が温まる飲み物持ってきてますよ」

ガヴリール「なにそれ」

タプリス「スーパーで見かけたので買ってみたんです。温めてくるので少しだけ待っててくださいね！」

タプリス「はいどうぞ！」

ラフィエル「あら？これは……」

サターニャ「この白いの、なんか見覚えが」

ガヴリール「あつっ、あまっ」ｺﾞｸｯ

サターニャ「あ」
ラフィエル「あ」

タプリス「え？」

ガヴリール「」ﾌﾗ

ガヴリール「新年あけましておめでとー！！」ｳﾋｬ-

ガヴリール「みんなもっとテンションあげてこっ！ ほらほらお祝いしようよ！」

ヴィーネ「ちょっ、ガヴ！？ どうしたのこれ！！」

タプリス「あ、あああ甘酒を飲んだら先輩が壊れました！！？」

ガヴリール「にごり汁ではっぴー！」

ヴィーネ（やっちまったー！）

ガヴリール「サターニャぁ」

サターニャ「な、なによ」

ガヴリール「いつもいじわるしてごめんね？ サターニャが構ってくれるからわたしいっつも楽しいよー」

ガヴリール「サターニャだいすきっ」ｷﾞｭ

サターニャ「ふへぇぇぇえ！？」

ガヴリール「サターニャ、ちゅーしよ？」

サターニャ「なななななにいってんのあんた」

ガヴリール「友達のしるしだよっ ちゅーしよ？」

サターニャ「がっ、ガヴリールとちゅー……！？」

ガヴリール「わたしとちゅー」

サターニャ「ガヴリールとちゅー、ガヴリールとちゅー……」

ガヴリール「んー」

サターニャ「ガヴリールとちゅー……！」

サターニャ「ガヴリールぅ！」ｶﾞﾊﾞｯ

ラフィエル「ストップです。サターニャさん」ﾍﾟｼ-ﾝ

サターニャ「ふぎゃっ！？」

ラフィエル「面白いので見ていましたが、流石にここまでですね。ガヴちゃん、いくらなんでもキスは気軽にするものでは───」

ガヴリール「たぷりすー、ちゅーしよっ」

タプリス「あわわわわ」

ラフィエル「今度はタプちゃんに！」

サターニャ「」

ガヴリール「たぷりすー」

タプリス「ななななな、どうしたんですか天真先輩！なんでおかしくなっちゃったんですか！」

ガヴリール「おかしくないよー」

ラフィエル「ガヴちゃん、お酒にすごく弱いみたいなんです。甘酒でも一口飲んだだけで酔っちゃうんですよ」

タプリス「そんな萌えポイントが！？」

ガヴリール「酔ってないよー」

ガヴリール「タプリス、ちゅーするね？」

タプリス「あわわわわダメです先輩私たち女の子同士ですこんなのいけません正気に戻ってください！」

ラフィエル「言いながら全く抵抗していないのは何故ですかタプちゃん」

ヴィーネ「ガヴ、お水持ってきたからこれ飲んで酔いをさましなさい！」

ガヴリール「やっ」

ヴィーネ「イヤじゃないの！」

ラフィエル「ほら、ひとまずタプちゃんから離れましょう？」ｸﾞｲ

ガヴリール「あう」

ガヴリール「……むー」

ガヴリール「ちゅーさせろー！」ｶﾞﾊﾞｯ

ヴィーネ「ひゃぁぁぁぁ！？」

ラフィエル「次はヴィーネさんが！？」

ヴィーネ「なんであんた急にキスを迫り出したのよ！」

ガヴリール「わたし天使だもんっ。わたしだって踊ったりちゅーしたりしてみんなを幸せにできるもんっ」

ヴィーネ「踊る……？ まさか獅子舞に対抗意識燃やしてるの！？ あれちゅーじゃないから！」

ガヴリール「あむあむ」ﾁｭｯ ﾁｭｯ

ヴィーネ「あっ……あぁ、ガヴぅ……鎖骨、吸っちゃだめ……！」

ラフィエル「…………」

ラフィエル「ガヴちゃん、いい加減にしないと怒りますよ」

ヴィーネ「ら、ラフィ、たすけ……」

ラフィエル「どうして私には迫ってくれないんですか！」

ヴィーネ「そっち！？」

ラフィエル「私にも来てくださいっ」

ガヴリール「らふぃ……？」

ガヴリール「あー、らふぃだー。らふぃー」ﾄﾃﾃﾃ

ラフィエル「ガヴちゃーん♪」ｷﾞｭｯ

ガヴリール「えへへへ、らふぃのおっぱいきもちいい」ﾌﾆﾌﾆ

ラフィエル「もー、ガヴちゃんったらー」ﾆｺﾆｺ

ガヴリール「むにむにー」

ラフィエル「あっ、あん……ガヴちゃんそこはだめ、あはぁん……！」ﾋﾟｸ

ガヴリール「もちもちー」

ラフィエル「はぁぁん！」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

ヴィーネ「なんかすごいやらしい雰囲気出てる！？」

ヴィーネ「ダメダメ！ラフィはダメ！」ﾊﾞｯ

ラフィエル「あ、ガヴちゃん取られちゃいました」

ガヴリール「らふぃ、らふぃー」ﾌﾆﾌﾆ

ガヴリール「…………………………ゔぃーね？」

ヴィーネ「おいこら今どこ触って判断したお前」

ガヴリール「ヴィーネ……いいにおい……すぅ……ZZZ」

ヴィーネ「……まあいっか」ﾅﾃﾞ

【元日・正午】


ガヴリール「ん、ふぁぁ……」ﾑｸｯ

ヴィーネ「おはよ、ガヴ」

ガヴリール「あれ、私いつ寝たんだ？」

ガヴリール「なんか記憶がない……」

ヴィーネ「……無理に思い出す必要ないと思う」

ガヴリール「ヴィーネたち、ずっと起きてたの？」

ヴィーネ「少しだけ寝たわよ」

ラフィエル「寝て起きてもまだ元日というのは、なんだか得した気分ですねー」

ガヴリール「ん」ｸﾞｩ-

ガヴリール「お腹減ったな」

ヴィーネ「お雑煮すぐできるわよ？ お餅何個がいい？」

ガヴリール「2個」

ヴィーネ「ちょっと待っててね」

ガヴリール「タプリス、サターニャ。起きろほらお雑煮だぞ」

サターニャ「んー」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

タプリス「うぅん、せんぱぁい……ちゅーしてくださぁい」

ガヴリール「なに寝ぼけてんだ。するわけないだろ」

ラフィエル「……」

ヴィーネ「お雑煮おいしい？」

ガヴリール「美味い」

サターニャ「ほんとヴィネットは料理上手よね」

ガヴリール「んー、もうヴィーネに嫁に来てもらおうかな」

ヴィーネ「よ、嫁……っ///」

ガヴリール「冗談だよ。なに赤くなってんの」

「嫁だと？ そんなのゆるさんぞガヴリール！」ﾊﾟｧｧ

ガヴリール「ん？」

ゼルエル「お前に結婚はまだ早い！」ﾊﾞ-ﾝ

ガヴリール「ゼルエル姉さん！？」

タプリス「どうしてここに！」

サターニャ「まだ早いっていうか嫁の時点でおかしいわよ」

ラフィエル「ガヴちゃんとヴィーネさん女の子同士なのに」

ゼルエル「ガヴリール、家にはいつごろ帰るんだ？」

ガヴリール「明日の朝イチでゲートに行くつもりだけど」

ゼルエル「わかった、ハニエルと一緒に待っている」

ガヴリール「ハニエル元気？ 風邪ひいてない？」

ゼルエル「安心しなさい元気いっぱいだ。昨日も寒いなか外で遊んでいた」

ガヴリール「そっか、よかった」

ゼルエル「…………」

ゼルエル「ガヴリール、実はお姉ちゃん今ちょっぴり喉が痛いんだ」

ガヴリール「ふーん。うつさないでね」

ゼルエル「」

ガヴリール「っていうか姉さん何しにきたの」

ゼルエル「ああ、そうだった。新年の挨拶に来たんだった」

ゼルエル「あけましておめでとう。いつもガヴリールが世話になっているな。日頃から大変感謝をしている」ﾍﾟｺ

ヴィーネ「いえいえっ、私も好きでやっている事なので。こちらこそ明けましておめでとうございます」ﾍﾟｺ

ガヴリール「うわ、親類のそういう挨拶うざ……もー、さっさと帰れよまじで」

ゼルエル「君たちが実家に帰省する前に、私からささやかな贈り物を渡そうと思ってな」ｺﾞｿｺﾞｿ

ゼルエル「ほら、お年玉だ」ｽｯ

タプリス「えっ、いいんですか？」

サターニャ「やるじゃない、天使！」

ガヴリール「姉さん、私には！？」

ゼルエル「お前にもあるぞ」

ガヴリール「やった！お姉ちゃん大好き！」

ゼルエル「態度が一瞬で変わるガヴリールも可愛い」

ゼルエル「この袋には神の加護を込めている。みんなの普段の行いで入っている内容が決まるぞ」

ヴィーネ「あっ、1万円だわ」

ラフィエル「私もですっ」

ヴィーネ「えへへ、嬉しいな～！」

タプリス「5000円でした！」

サターニャ「2000円……納得いかない！」

ガヴリール「私はどうかなっ」ﾜｸﾜｸ

チャリンチャリン

サターニャ「150円」

ガヴリール「……」

ゼルエル「厳しいとは思うがこれもお前のため！ 良い子になるんだガヴリール……！ お姉ちゃんは期待してるぞ！」

ゼルエル「さらば！」ﾊﾟｧｧ

ガヴリール「ちょっとまてこらーーー！！」


ガヴリール「シスコンのくせに全然甘くないとこがムカつく」

ラフィエル「良いお姉さんじゃないですか」

サターニャ「初詣に甘酒、お雑煮、お年玉。私たち割とお正月を満喫してるわねー」

タプリス「とっても楽しいです！」

ラフィエル「ガヴちゃんも、こうしてお正月気分を味わうのもいいでしょう？」

ガヴリール「んー、そうかもな」

ヴィーネ「でしょ！ やっぱり新年のイベントはわくわくするわよね」

ガヴリール「ま、正月も悪くないね。ちょっとぐらいは付き合ってあげてもいいかな」

ヴィーネ「ほんとっ？ じゃあこれから七福神めぐりに行って、おみくじと羽根つきと凧揚げをやって、福笑いと書き初めと今年の抱負の発表と……」

ガヴリール「ごめんやっぱ正月もういいわ」


完