亜智（くそ……彼氏の俺が彼女の顔も分からねえなんて彼氏失格だろ……）

亜智（……にしても双子だけあって似過ぎだろ……）

ひとみ「じゃあ逆に私から亜智さんに問題です」

亜智「ん？ なんだよ」

ひとみ「この写真は私とお姉ちゃん、どっちでしょーか？」

亜智「……」

ひとみ「……」

亜智「ひとみ！！！」

ひとみ「デレレレレレ……」

亜智「……」ゴクリ

ひとみ「せーかいでーす！！」

亜智「おっしゃあああ！！！」

亜智「やっぱりな！！ こんなに可愛いのはひとみ以外いないぜ！！」

ひとみ「亜智さんったらはしゃぎすぎですよ」

亜智「！ そ、そうだよなわりい。 彼氏だったら正解して当然なんだからこんなに喜ぶのはおかしいよな！！」














ひとみ「……っていう話をこの間したんだー」

マリア「ふふ……二人とも仲がいいのね」

マリア「うーん……」

ひとみ「どうしたのお姉ちゃん？」

マリア「亜智さんがそんなに悩んでるんなら……私、その悩み解決してあげようっかな」

ひとみ「えっ？ 解決？」

マリア「うん、パッと見ただけで分かるようになればいいのよね？」

マリア「だったら……」

別の日

亜智（今日はひとみだけじゃなくてお姉さんも来るんだよな）

亜智（うっかりお姉さんの事をひとみって呼ばないようにしないと……）

ピンポーン！！

亜智「来た！！」

ガチャ

ひとみ「こんにちは亜智さん」

亜智「おうひ……」

亜智（いや待て、お姉さんか？）

マリア「こんにちはーー！！」

亜智「！！！？」

亜智「え……誰？」

マリア「失礼だなー、ひとみの双子の姉のマリアですよ！」

亜智「え、ふ、双子？」

ひとみ（亜智さん、困惑してる……）

亜智（お姉さんこんな顔だったか……？ 金髪になってるし、性格もちょっとハイテンションになってるし……なんかアニメ顔って感じだ）

マリア「ふふん、これならどっちがひとみでどっちが私か分かりますよね？」

亜智「！！！」

亜智「こっちがひとみで……こっちがお姉さん……」

ひとみ「私が金髪になったら分からなくなっちゃったりします？」

亜智「！！ そ、そんなわけねーだろ！！ 俺はひとみ一筋だ！！ ひとみしか見てねえ！！」

ひとみ「あ、亜智さん///」















カナン「そっか、じゃあマリアが前来た時と違ってるのは妹の彼氏を困惑させない為なんだ」

マリア「うん！ そういう事！！」

別の日

御法川「そうか！！ そういう事か！！！！」

マリア「うわあ！！ いきなり大声出してどうしたんですか！！？」

御法川「お前のその『見た目を変えて区別をはっきりさせよう大作戦』……俺もリスペクトさせてもらう！！」

マリア「そ、そんな作戦名つけてませんけど……」

御法川「実はな！！！ 俺も兄弟がいる！！！ けど熱血漢で顔も似てるからよく間違えられやすい！！！」

御法川「そこでだ！！ 俺がちょっとでも冷静になれば……」

御法川「区別がつけれると思わないか！！！」

マリア「最初聞いた時、ミノさんから熱血を抜いたら何も残らないから無理だって思ってたのに……」

御法川「失礼な事を言うな……あと髭を生やした事も忘れるなよ」

亜智「お姉さんの見た目が変わってから月日が経つ……」

亜智「……」












亜智「ひとみ……」

ひとみ「なんですか？」

亜智「お姉さんって……元の姿に戻れる事ってできないのか？」

亜智「俺が間違えない為にわざわざやってくれてるんだよな？」

亜智「だとしたら申し訳ねぇよ……そろそろ自由にさせてやりたいんだよ」

亜智「俺はもう、ひとみとお姉さんを間違えたりなんかしねえ」

ひとみ「それが……」

亜智「？」













カナン「マリア、今の方が可愛い」

マリア「本当！？ じゃあずっとこのままでいようっと！！」












ひとみ「カナンが今の姿が気に入ってるらして……」

亜智「」

終わり