朋「あー、これ？」

海「それだよ」

海「……ほんとに何してんのさ」

朋「いやー、あたしの今日のラッキーパーソンがプロデューサーだったのよ」

朋「で、プロデューサーの運気もすっごいいい日だったの」

海「それで？」

朋「だから今日はずっとそばにいようと思って！」

朋「幸運分けてほしくって！」

海「……まあ、いつもの朋だね」

朋「でしょ？」

海「だからって、なんでおんぶを選んだのさ」

朋「だって密着してたほうが幸運いっぱい分けてもらえそうじゃない？」

海「まあ、なんとなくわかるけど……」

海「でもそれだったら手をつなぐとかでもよかったんじゃないかい？」

朋「それは……」

朋「……」

朋「……してほしかったから」

海「……」

朋「な、何よ！　別にいいじゃない！」

朋「なんか……なんか、そんな気分だったんだもん！」

モバP「この前読んだ漫画に影響されたんだってさ」

朋「ちょっと、言わないでよ！」

海「ははっ、朋らしいね」

海「でもプロデューサーもよくやってあげたね」

モバP「ん、ああ」

モバP「まあ、今日は朋の誕生日だしな」

海「あー」

モバP「少しおんぶするくらいなら別にいいさ」

朋「えっ、ずっとしてくれないの……？」

モバP「さすがに、俺の腕と体力が死ぬ」

朋「がんばってよ、プロデューサーなんだから」

モバP「お前はプロデューサーを何だと思ってるんだ」

朋「すごい人！」

モバP「……」

朋「ふふっ、頼りにしてるわよプロデューサー！」

モバP「……ありがと」

モバP「だが、今それを言われてもなぁ……」

海「そうだそうだ、今日は朋の誕生日だったね」

海「おめでと、朋」

朋「ありがとっ！」

海「……でも、どうしよっかな」

朋「え？」

海「いや……プレゼント、どうしよっかなって」

朋「……あれ、もしかしてないの？」

海「6月って30日までだったのを忘れてたよ」

海「てっきり31までだと思って……今日買うつもりだったんだけど……」

朋「えー……」

海「ごめんね、朋。あしたもってくるから」

朋「……まあ、仕方ないよね」

朋「ちょっと残念だけど……明日を楽しみにしてるわ」

朋「……」

海「……なんてね」

朋「ふぇっ！？」

海「ちゃんと用意してるよ」

朋「えっ、ほんと！？」

海「ほんとほんと」

朋「もう……脅かさないでよ……」

海「ははっ、ごめんごめん」

海「ほら、プレゼント……ネックレスだよ」

朋「わぁ、ありがと！」

海「どういたしまして」

朋「ねぇ、つけてみていい？」

海「ああ、もちろん」

海「ほら」

朋「ん、ありがと」

朋「わぁ……いいデザインね……」

海「はは、気に入ってくれたならうれしいよ」

朋「……」

朋「……どうやって、このままつけようかしら」

モバP「降りてつけたらどうだ」

朋「そうね、それが楽なんだけど……」

朋「でも……んー……」

朋「……」

朋「……ねぇ、ちょっとだけ手はなしてもいい？」

モバP「……まあいいけど」

海「そんなに離れたくないのかい？」

朋「だって……せっかくだし……」

朋「……んっ、しょっと」

朋「どう？」

海「うん、似合ってるよ」

海「想像通りだったね」

朋「えへへっ、よかった！」

朋「プロデューサーも、どう？」

モバP「見えないな」

朋「あ、そっか……そうよね」

朋「んー……」

朋「でも……もうちょっとだけ……」ﾎﾞｿｯ

モバP「……」

モバP「……そろそろ営業にいかないといけないから、もうちょっとだけな」

朋「ふぇっ！？　き、聞こえてたの……！？」

モバP「耳に近いところで言われたらそりゃあな」

朋「あー……そっか……そうよね」

朋「……じゃ、あと少しの間だけ、あんたの背中を楽しむわ」

モバP「おう」

モバP「……っと」

モバP「悪い、そろそろ時間だ」

モバP「そろそろ降りてくれ」

朋「あ、うん」

朋「……」

モバP「……ふぅ」

海「大丈夫かい？」

モバP「ああ、このくらいならぜんぜん大丈夫だ」

モバP「朋も、軽かったしな」

朋「そ、そう……？」

朋「……よかった」

海「プロデューサーは優しいねえ」

朋「……どういう意味よ」

海「別に、なんでもないよ」

海「ただ、最近相談受けたなーって思ってね」

朋「う……」

海「お菓子の食べすぎで——」

朋「——わ、わーっ！　わーわーっ！」

朋「もうっ、やめてよ海ちゃん！」

海「ははっ！」

海「ほんと、朋はからかいがいがあるねえ

朋「もうっ！」

モバP「そんな気にするほどじゃないと思うぞ」

モバP「スタイルだってそんなに変わったわけでもない品」

朋「……それでも気になるのよ。女子だもん」

モバP「……そういうもんか」

朋「そういうもんよ」

モバP「……さて」

モバP「じゃ、行ってくるな」

海「ん、いってらっしゃい」

朋「いってらっしゃーい」

朋「あたしのわがままきいてくれてありがとね、プロデューサー」

モバP「どういたしまして」

モバP「ああ、朋。そのネックレスに合ってるぞ」

朋「そ、そう……？」

朋「えへへっ、ありがと！」

モバP「どういたしまして」

モバP「それじゃあ、またな」

朋「……」

海「……」

朋「……はぁ」

海「……どうしたんだい急に。顔を隠して」

朋「……わかんない？」

海「いいや」

海「恥ずかしかったんだよね？」

朋「……そうよ」

朋「あー……ほんっと、恥ずかしかったわ」

海「……でも、どうして急におんぶされようなんて思ったのさ」

朋「……だから、漫画を読んで——」

海「それ、建前だよね？」

朋「——なんでわかったの？」

海「朋とも付き合いが長いからねぇ」

海「それで、どうしてだい？」

朋「……あのね」

朋「ほんとは、ハグしてもらいたかったのよ」

海「……ハグ？」

朋「うん……こう、ぎゅって」

朋「でも……なんか、それをお願いするのも恥ずかしくって」

朋「だから……」

海「……後ろから抱きつけるおんぶを選んだってわけなんだね」

朋「うん……」

朋「……あー……ほんと、恥ずかしかった……」

海「その割にはノリノリだったじゃないか」

朋「あはは……なんか慣れちゃって」

朋「でも、最初はすっごく恥ずかしかったのよ」

朋「顔も見れないくらいにね」

海「はは、結果的におんぶを選んで正解だったね」

朋「うん……そうかも」

朋「どうやってもプロデューサーには顔見られないしね」

海「その代わり、ウチからは丸見えだったけどね？」

朋「……あたし、どんな顔してた？」

海「聞きたいかい？」

朋「……いや、いいわ」

海「ははっ」

朋「はぁ……まだ顔赤いわ……」

海「……朋は可愛いらしいねえ」

朋「……褒めてる？」

海「もちろん褒めてるよ」

海「ハグのかわりにおんぶなんて……ねぇ」

朋「……ほんとに褒めてる？」

海「褒めてる褒めてる」

海「ははっ、ほんと可愛らしいねぇ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

朋「……ちょ、ちょっとやめてよ、もうっ！」





おしまい

速報でのお祝いSS
芳乃「朋殿の願いをー」茄子「叶えるのでしてー♪」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498835773/

朋ちゃん関連のSS
朋（どうしよ……すっごく鼻がムズムズする）
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486731215/

朋「夢と違うじゃない」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488982119/

朋「ぶきように恋してる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461259916/


よかったらこちらもよろしくお願いします