1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 02:58:50.116 :TxpQ7XLhD.net
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
岩本あずさ(39) アーティスト
【永遠の美貌】
ホーッホッホッホ……。」
喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで『笑ゥせぇるすまん』。
ただの『せぇるすまん』じゃございません。私の取り扱う品物はココロ、人間のココロでございます。
この世は、老いも若きも男も女も、ココロのさみしい人ばかり。
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。
さて、今日のお客様は……。
岩本あずさ(39) アーティスト
【永遠の美貌】
ホーッホッホッホ……。」
3:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:00:41.516 :TxpQ7XLhD.net
東京都、ある多目的ホール。ライブ鑑賞を目的とした人たちが並んでいる。
ホールの近くには「岩本あずさ LIVE TOUR 2018」の立て札や看板がある。
列に並んでいるのは、髪を茶髪や金髪に染めた30代から40代の女性たちの姿が多い。
このマイルドヤンキー風の女性たちの列の中に一人だけ場違いな人物――喪黒福造が混じっている。
女性ファンたち「今では信じられないけど、昔の『あず』はすごかったんだよねぇ」
「ほんと、あのころの『あず』はキラキラ輝いていたよ」
ホールでライブが始まる。スポットライトを浴びて舞台の上に立つ一人の女性アーティスト。
その身体はやや太っちょで、顔にも少し小じわが見える。金髪に染めた彼女の髪もどこかパサついている。
彼女の姿は、ホール前の立て札や看板の写真の女性アーティスト――フォトショした姿とは似ていない。
テロップ「岩本あずさ(39) アーティスト」
右手にマイクを持ち、左手を振り上げながら笑顔で熱唱するあずさ。しかし、彼女の表情はどこかむなしげだ。
ファンたちはあずさに対しサイリウムを振っている。ただ、ライブ会場はいくつかの空席が目立っている。
ライブ鑑賞で熱狂するファンたちの中で、喪黒はただ一人おとなしく女性アーティストを見つめている。
東京都、ある多目的ホール。ライブ鑑賞を目的とした人たちが並んでいる。
ホールの近くには「岩本あずさ LIVE TOUR 2018」の立て札や看板がある。
列に並んでいるのは、髪を茶髪や金髪に染めた30代から40代の女性たちの姿が多い。
このマイルドヤンキー風の女性たちの列の中に一人だけ場違いな人物――喪黒福造が混じっている。
女性ファンたち「今では信じられないけど、昔の『あず』はすごかったんだよねぇ」
「ほんと、あのころの『あず』はキラキラ輝いていたよ」
ホールでライブが始まる。スポットライトを浴びて舞台の上に立つ一人の女性アーティスト。
その身体はやや太っちょで、顔にも少し小じわが見える。金髪に染めた彼女の髪もどこかパサついている。
彼女の姿は、ホール前の立て札や看板の写真の女性アーティスト――フォトショした姿とは似ていない。
テロップ「岩本あずさ(39) アーティスト」
右手にマイクを持ち、左手を振り上げながら笑顔で熱唱するあずさ。しかし、彼女の表情はどこかむなしげだ。
ファンたちはあずさに対しサイリウムを振っている。ただ、ライブ会場はいくつかの空席が目立っている。
ライブ鑑賞で熱狂するファンたちの中で、喪黒はただ一人おとなしく女性アーティストを見つめている。
4:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:02:22.642 :TxpQ7XLhD.net
岩本あずさのライブが終わり、ホールを後にするファンたち。
帰りの列を作るファンたちの顔には充実感がなく、どことなくむなしげな表情が混じっている。
女性ファンたち「あーあ、今回のライブもマンネリかぁ」「『あず』はこのまま、残念な人になっていくのかなぁ」
インターネット。匿名掲示板では岩本あずさのコンサートに対し、皮肉や嘲笑の書き込みがあふれる。
ネット掲示板の書き込み「まるでプロレスラーwww」「フォトショをしないとこんなもの」
「声もガラガラで昔より音痴になってる」「今じゃすっかりオワコン」
東京都港区、デイベックス本社ビル。
執務室で、デイベックスの社長と岩本あずさのマネージャーが会話をしている。
社長「一時期は『平成の歌姫』と呼ばれた『あず』が、ここまで落ちぶれるとはな……」
マネージャー「申し訳ありません……!俺が彼女の管理をもっとしっかりしていれば……」
社長「いや、君が謝ることはないんだ……。あの『あず』も、年を取ったんだよ……。それにだ……」
「彼女にはうちの会社を大きくしてもらった恩があるからな。今さら、面と向かってガツンと言い難いしな……」
マネージャー「……ですよね」
岩本あずさのライブが終わり、ホールを後にするファンたち。
帰りの列を作るファンたちの顔には充実感がなく、どことなくむなしげな表情が混じっている。
女性ファンたち「あーあ、今回のライブもマンネリかぁ」「『あず』はこのまま、残念な人になっていくのかなぁ」
インターネット。匿名掲示板では岩本あずさのコンサートに対し、皮肉や嘲笑の書き込みがあふれる。
ネット掲示板の書き込み「まるでプロレスラーwww」「フォトショをしないとこんなもの」
「声もガラガラで昔より音痴になってる」「今じゃすっかりオワコン」
東京都港区、デイベックス本社ビル。
執務室で、デイベックスの社長と岩本あずさのマネージャーが会話をしている。
社長「一時期は『平成の歌姫』と呼ばれた『あず』が、ここまで落ちぶれるとはな……」
マネージャー「申し訳ありません……!俺が彼女の管理をもっとしっかりしていれば……」
社長「いや、君が謝ることはないんだ……。あの『あず』も、年を取ったんだよ……。それにだ……」
「彼女にはうちの会社を大きくしてもらった恩があるからな。今さら、面と向かってガツンと言い難いしな……」
マネージャー「……ですよね」
6:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:04:13.844 :TxpQ7XLhD.net
ファミリーレストラン。サングラスをかけた金髪頭の女性――岩本あずさが、一人テーブルに座っている。
彼女がいるテーブルの上は、料理が山のように盛られている。あずさは、それを一心不乱で食べている。
あずさを見つめるある男性客たち「すげえな。あいつ、まだ食べるのかよ」「こんなに食ったら、絶対太るぞ」
遠くの席でコーヒーを飲む喪黒福造。ドカ食いを続ける岩本あずさの姿が、喪黒の目に留まる。
喪黒は席を立ち、あずさが座っているテーブルへ向かう。そのまま、彼女がいる椅子へ座り込む喪黒。
喪黒「……岩本あずささんですね!?」
あずさ「うわあっ!!び、びっくりしたぁ!!」
喪黒「実は私……。この間、あなたのライブに初めて参加しましたよ」
あずさ「そりゃあ……、どうも……。……って、何であたしが岩本あずさだって分かるのよ!?」
喪黒「あなたほどの有名人なら、変装をしても芸能人としての雰囲気は隠せないものですよ」
あずさ「そ……、そうなんだ……」
ファミリーレストラン。サングラスをかけた金髪頭の女性――岩本あずさが、一人テーブルに座っている。
彼女がいるテーブルの上は、料理が山のように盛られている。あずさは、それを一心不乱で食べている。
あずさを見つめるある男性客たち「すげえな。あいつ、まだ食べるのかよ」「こんなに食ったら、絶対太るぞ」
遠くの席でコーヒーを飲む喪黒福造。ドカ食いを続ける岩本あずさの姿が、喪黒の目に留まる。
喪黒は席を立ち、あずさが座っているテーブルへ向かう。そのまま、彼女がいる椅子へ座り込む喪黒。
喪黒「……岩本あずささんですね!?」
あずさ「うわあっ!!び、びっくりしたぁ!!」
喪黒「実は私……。この間、あなたのライブに初めて参加しましたよ」
あずさ「そりゃあ……、どうも……。……って、何であたしが岩本あずさだって分かるのよ!?」
喪黒「あなたほどの有名人なら、変装をしても芸能人としての雰囲気は隠せないものですよ」
あずさ「そ……、そうなんだ……」
7:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:06:05.939 :TxpQ7XLhD.net
喪黒「まあ……。こんなことを言うのも何ですが……。もう少し食事の量をセーブしたらどうです?」
あずさ「ほっといて!!今のあたしは、こんなにおいしそうに食べてるんだから水を差さないでよ」
喪黒「残念ですなぁ……。私なら、あなたをもう一度スリムな体形にすることができるんですがねぇ……」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
あずさ「……ココロのスキマ、お埋めします?」
喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」
あずさ「ふーん……。そうなのか……」
喪黒「よろしかったら、私は今のあなたのお力になりたいところですよ」
BAR「魔の巣」。喪黒とあずさが席に腰掛けている。
あずさ「そりゃあ……。もう一度痩せたいと心の中では思っているよ……。思っているけど、でも……」
喪黒「つい、やけ食いをしてしまいがちですよねぇ」
あずさ「うん……。食欲をコントロールできなくて、どうしても……」
喪黒「まあ……。こんなことを言うのも何ですが……。もう少し食事の量をセーブしたらどうです?」
あずさ「ほっといて!!今のあたしは、こんなにおいしそうに食べてるんだから水を差さないでよ」
喪黒「残念ですなぁ……。私なら、あなたをもう一度スリムな体形にすることができるんですがねぇ……」
喪黒が差し出した名刺には、「ココロのスキマ…お埋めします 喪黒福造」と書かれている。
あずさ「……ココロのスキマ、お埋めします?」
喪黒「私はセールスマンです。お客様の心にポッカリ空いたスキマをお埋めするのがお仕事です」
あずさ「ふーん……。そうなのか……」
喪黒「よろしかったら、私は今のあなたのお力になりたいところですよ」
BAR「魔の巣」。喪黒とあずさが席に腰掛けている。
あずさ「そりゃあ……。もう一度痩せたいと心の中では思っているよ……。思っているけど、でも……」
喪黒「つい、やけ食いをしてしまいがちですよねぇ」
あずさ「うん……。食欲をコントロールできなくて、どうしても……」
8:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:08:11.727 :TxpQ7XLhD.net
喪黒「それに、人間は新陳代謝の働きも年とともに衰えるものですからねぇ」
あずさ「あたしだって年を取るから、中年太りくらいするよ!!でも、何でここまで叩かれなきゃならないのさ!!」
喪黒「岩本あずささん。ファンたちは若いころのあなたの輝きを知っているからですよ」
「容姿の美しさだけではありません。アーティストとしても、あの頃のあなたはまさにカリスマそのものでした……」
あずさ「あのころのあたしは、J-POPのトップランナーを走っているという自負があった……」
「でも……、どうしてこんなことになったんだろう……」
喪黒「岩本さんの人生もいろいろありましたからねぇ……」
あずさ「その通りだよ。幼いころに父が蒸発し、あたしは極貧の中で育った……」
喪黒「それに歌手になってからは……。たび重なる恋愛遍歴に2度の離婚……」
「あなたの心の深い傷とストレスが、やけ食いに走る原因になっているのでしょうなぁ……」
あずさ「言われてみれば……、そうかもね……」
喪黒「あと、言うのも何ですが……。ここ数年のあなたは、音楽の方向性でも迷走しているようですねぇ……」
あずさ「うん。音楽の方向性で迷走しているってのは、あたしも認める。言い返せない」
喪黒「それに、人間は新陳代謝の働きも年とともに衰えるものですからねぇ」
あずさ「あたしだって年を取るから、中年太りくらいするよ!!でも、何でここまで叩かれなきゃならないのさ!!」
喪黒「岩本あずささん。ファンたちは若いころのあなたの輝きを知っているからですよ」
「容姿の美しさだけではありません。アーティストとしても、あの頃のあなたはまさにカリスマそのものでした……」
あずさ「あのころのあたしは、J-POPのトップランナーを走っているという自負があった……」
「でも……、どうしてこんなことになったんだろう……」
喪黒「岩本さんの人生もいろいろありましたからねぇ……」
あずさ「その通りだよ。幼いころに父が蒸発し、あたしは極貧の中で育った……」
喪黒「それに歌手になってからは……。たび重なる恋愛遍歴に2度の離婚……」
「あなたの心の深い傷とストレスが、やけ食いに走る原因になっているのでしょうなぁ……」
あずさ「言われてみれば……、そうかもね……」
喪黒「あと、言うのも何ですが……。ここ数年のあなたは、音楽の方向性でも迷走しているようですねぇ……」
あずさ「うん。音楽の方向性で迷走しているってのは、あたしも認める。言い返せない」
10:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:10:13.045 :TxpQ7XLhD.net
喪黒「今のあなたは、様々な形で行き詰まりを迎えているのは確かでしょうなぁ……」
あずさ「そうだよ……。だけどねぇ……、今のあたしには何もなすすべがないよ!!」
喪黒「まずは、姿の美しさを取り戻すことから始めた方がいいでしょう」
「外見の美しさを取り戻すことは、心の自信を取り戻すことにもつながります」
「それによって……、あなたは立ち直ることができるかもしれませんよ!」
あずさ「だよねぇ……」
喪黒「岩本あずささん。あなたは再び、若いころのように美しくなりたいでしょう!?」
あずさ「当然だよ!!そうに決まってるって!!でも、どうすりゃいいのさ!!」
喪黒「そのためには、もう一度スリムで健康的な肉体を手に入れる必要があります」
あずさ「それが簡単にできれば苦労しないって!!」
喪黒「できるんですよ、それが……。マスター、例の水を……!」
「魔の巣」のマスターは、透明な水と黒い鉱石が入ったペットボトルをあずさのいる席へ置く。
喪黒「あなたの美貌を取り戻してくれるのはこの水です……。さあ、飲んでみなさい」
あずさ「これが……!?」
あずさはペットボトルに入った水をコップに注ぎ、ゆっくりと飲む。
喪黒「今のあなたは、様々な形で行き詰まりを迎えているのは確かでしょうなぁ……」
あずさ「そうだよ……。だけどねぇ……、今のあたしには何もなすすべがないよ!!」
喪黒「まずは、姿の美しさを取り戻すことから始めた方がいいでしょう」
「外見の美しさを取り戻すことは、心の自信を取り戻すことにもつながります」
「それによって……、あなたは立ち直ることができるかもしれませんよ!」
あずさ「だよねぇ……」
喪黒「岩本あずささん。あなたは再び、若いころのように美しくなりたいでしょう!?」
あずさ「当然だよ!!そうに決まってるって!!でも、どうすりゃいいのさ!!」
喪黒「そのためには、もう一度スリムで健康的な肉体を手に入れる必要があります」
あずさ「それが簡単にできれば苦労しないって!!」
喪黒「できるんですよ、それが……。マスター、例の水を……!」
「魔の巣」のマスターは、透明な水と黒い鉱石が入ったペットボトルをあずさのいる席へ置く。
喪黒「あなたの美貌を取り戻してくれるのはこの水です……。さあ、飲んでみなさい」
あずさ「これが……!?」
あずさはペットボトルに入った水をコップに注ぎ、ゆっくりと飲む。
11:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:12:30.144 :TxpQ7XLhD.net
あずさ「この水、おいしい……。こんなにおいしい水、生まれて初めて飲んだ……」
「それに身体も何だかすっきりした感じがする……」
喪黒「水の中に入っている特殊な鉱石のおかげですよ」
「これは、オーストリアのバート・ガスタインにある廃鉱で採掘されたものです」
あずさ「えっ、オーストリア!?ヨーロッパにある遠い国からわざわざ……」
喪黒「そうです。バート・ガスタイン鉱石は、天然のラジウム鉱石です」
「この鉱石の効能は古くから人々に知られており、ローマ時代のころには治療に使われていました」
あずさ「そうなんだ……」
喪黒「バート・ガスタインはラドン温泉の発祥地でもあり、世界中から多くの人々が療養のために訪れています」
あずさ「へー……、知らなかった……」
喪黒「身体の調子を整えることにより、食欲のセーブもダイエットも可能になりますよ」
あずさ「……ということは」
喪黒は鞄から何かを取り出す。机の上には、黒い鉱石が入った小さな瓶が置かれる。
喪黒「バート・ガスタイン鉱石の入った水を毎日飲むのです。普通の水にこの鉱石を入れれば、特別な水が簡単に作れます」
あずさ「この水、おいしい……。こんなにおいしい水、生まれて初めて飲んだ……」
「それに身体も何だかすっきりした感じがする……」
喪黒「水の中に入っている特殊な鉱石のおかげですよ」
「これは、オーストリアのバート・ガスタインにある廃鉱で採掘されたものです」
あずさ「えっ、オーストリア!?ヨーロッパにある遠い国からわざわざ……」
喪黒「そうです。バート・ガスタイン鉱石は、天然のラジウム鉱石です」
「この鉱石の効能は古くから人々に知られており、ローマ時代のころには治療に使われていました」
あずさ「そうなんだ……」
喪黒「バート・ガスタインはラドン温泉の発祥地でもあり、世界中から多くの人々が療養のために訪れています」
あずさ「へー……、知らなかった……」
喪黒「身体の調子を整えることにより、食欲のセーブもダイエットも可能になりますよ」
あずさ「……ということは」
喪黒は鞄から何かを取り出す。机の上には、黒い鉱石が入った小さな瓶が置かれる。
喪黒「バート・ガスタイン鉱石の入った水を毎日飲むのです。普通の水にこの鉱石を入れれば、特別な水が簡単に作れます」
12:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:14:27.045 :TxpQ7XLhD.net
あずさ「で……、それを飲むと……」
喪黒「若いころのような健康な肉体が戻ってきますし、スリムで美しい身体を手に入れることもできます」
「そうすることで当然……、血液の流れもよくなり、お肌もツヤツヤになり、顔も若々しくなります」
あずさ「いいことずくめじゃん!!」
喪黒「そうです。効果は本物ですよ」
あずさ「あたし、そのバー……バー何とか鉱石ってやつメッチャ欲しくなった……!!」
喪黒「よろしければ、無料で差し上げましょうか?岩本さん」
あずさ「えっ、いいの!?これ高そうじゃん……」
喪黒「これはあなたに対する私からのプレゼントです」
あずさ「ありがとう、喪黒さん!帰ったらさっそく、この鉱石を水に入れて飲んでみるから!!」
喪黒「そりゃあ、どうも……」
田園調布。ここの高級住宅街の中に、岩本あずさの豪邸もある。
台所に立つあずさ。彼女は冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターの入った大型のペットボトルを出す。
あずさ「で……、それを飲むと……」
喪黒「若いころのような健康な肉体が戻ってきますし、スリムで美しい身体を手に入れることもできます」
「そうすることで当然……、血液の流れもよくなり、お肌もツヤツヤになり、顔も若々しくなります」
あずさ「いいことずくめじゃん!!」
喪黒「そうです。効果は本物ですよ」
あずさ「あたし、そのバー……バー何とか鉱石ってやつメッチャ欲しくなった……!!」
喪黒「よろしければ、無料で差し上げましょうか?岩本さん」
あずさ「えっ、いいの!?これ高そうじゃん……」
喪黒「これはあなたに対する私からのプレゼントです」
あずさ「ありがとう、喪黒さん!帰ったらさっそく、この鉱石を水に入れて飲んでみるから!!」
喪黒「そりゃあ、どうも……」
田園調布。ここの高級住宅街の中に、岩本あずさの豪邸もある。
台所に立つあずさ。彼女は冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターの入った大型のペットボトルを出す。
14:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:17:04.738 :TxpQ7XLhD.net
コップにバート・ガスタイン鉱石を入れ、それにミネラルウォーターを注ぐあずさ。彼女は鉱石の入った水を飲む。
あずさ(鉱石の入った水が……、全身にしみとおる感じ……。身体が研ぎ澄まされそう……)
ある程度、日が経ったころ。
デイベックス本社ビル。執務室で会話をする本社社長とあずさのマネージャー。
社長「そういえば、『あず』は最近、姿を見せていないな」
マネージャー「確か『あず』は……。ダイエットに専念すると言っていました」
「コンサートのスケジュールもいくつかキャンセルしましたから、本気でしょう……」
社長「だがなぁ……、今までの彼女を見ろ。ダイエットを宣言しては失敗する……。それの繰り返しだ」
「今回もどうせ、うまくいくとは思えんのだよなぁ……」
執務室の中に入ってくる岩本あずさ。あずさ「おはようございまーーーす!!」
社長・マネージャー「おはよう、あずさ……!!ど、どうしたんだ……!!その姿は……!!」
岩本あずさの身体は今までとは見違えるようになっている。
全身は健康的でスリムになり、顔の小じわが消えていて肌も若々しくなっている。
コップにバート・ガスタイン鉱石を入れ、それにミネラルウォーターを注ぐあずさ。彼女は鉱石の入った水を飲む。
あずさ(鉱石の入った水が……、全身にしみとおる感じ……。身体が研ぎ澄まされそう……)
ある程度、日が経ったころ。
デイベックス本社ビル。執務室で会話をする本社社長とあずさのマネージャー。
社長「そういえば、『あず』は最近、姿を見せていないな」
マネージャー「確か『あず』は……。ダイエットに専念すると言っていました」
「コンサートのスケジュールもいくつかキャンセルしましたから、本気でしょう……」
社長「だがなぁ……、今までの彼女を見ろ。ダイエットを宣言しては失敗する……。それの繰り返しだ」
「今回もどうせ、うまくいくとは思えんのだよなぁ……」
執務室の中に入ってくる岩本あずさ。あずさ「おはようございまーーーす!!」
社長・マネージャー「おはよう、あずさ……!!ど、どうしたんだ……!!その姿は……!!」
岩本あずさの身体は今までとは見違えるようになっている。
全身は健康的でスリムになり、顔の小じわが消えていて肌も若々しくなっている。
15:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:19:19.127 :TxpQ7XLhD.net
社長「信じられん……」
マネージャー「まるで魔法でも使ったみたいだ……」
あずさ「実は……。新曲のアイデアも考えてきました」
岩本あずさの新曲「Reborn」が全国のCDショップに発売される。あずさの新曲のCDを手に取る女性の客たち。
東京のビル群。ビルの建物の巨大スクリーンには、「Reborn」を歌う岩本あずさの映像が映っている。
民報のニュース番組、スポーツ紙、インターネットのニュースサイトでも、「Reborn」が話題になる。
街を行くタクシー。サラリーマンの客を乗せたタクシーの車内にはラジオ放送が流れている。
ラジオ「今週のオリコン1位は……。岩本あずさ『Reborn』……!」
運転手「岩本あずさはもう終わったと思っていたけど……。久しぶりにヒット曲を出しましたなぁ」
サラリーマン「ええ。実はねぇ……、うちの娘もこの曲をえらく気にいっているんですよ……」
車内に岩本あずさの「Reborn」が流れる。
社長「信じられん……」
マネージャー「まるで魔法でも使ったみたいだ……」
あずさ「実は……。新曲のアイデアも考えてきました」
岩本あずさの新曲「Reborn」が全国のCDショップに発売される。あずさの新曲のCDを手に取る女性の客たち。
東京のビル群。ビルの建物の巨大スクリーンには、「Reborn」を歌う岩本あずさの映像が映っている。
民報のニュース番組、スポーツ紙、インターネットのニュースサイトでも、「Reborn」が話題になる。
街を行くタクシー。サラリーマンの客を乗せたタクシーの車内にはラジオ放送が流れている。
ラジオ「今週のオリコン1位は……。岩本あずさ『Reborn』……!」
運転手「岩本あずさはもう終わったと思っていたけど……。久しぶりにヒット曲を出しましたなぁ」
サラリーマン「ええ。実はねぇ……、うちの娘もこの曲をえらく気にいっているんですよ……」
車内に岩本あずさの「Reborn」が流れる。
16:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:21:34.407 :TxpQ7XLhD.net
BAR「魔の巣」。喪黒とあずさが席に腰掛けている。
あずさ「ダイエットに成功し……。美貌も取り戻し……。新曲も大ヒット……」
喪黒「平成の歌姫・岩本あずさは見事によみがえりましたなぁ……」
「何しろ……。新曲『Reborn』の歌詞には、今のあなたの心境の変化が表れていますね」
あずさ「うん……。もう一度生まれ変わったような気分になって、あの例の新曲を作ったからねぇ……」
「喪黒さんから貰った鉱石を水に入れて飲み続け……、私の人生は本当に変わったんだ!!」
「ほら……。バー……、バー……、バー何とか鉱石……!!」
喪黒「バート・ガスタイン鉱石」
あずさ「そう!!それ!!」
喪黒「美貌を取り戻した岩本さんならば、内面にも変化があったでしょうから……」
「本当の美しさとは何かを、あなたはたぶん理解できたはずだと思いますよ……」
あずさ「は、はあ……」
喪黒「外面の美しさだけが本当の美しさじゃありません。そのことをくれぐれも忘れてはいけません」
あずさ「はい……」
喪黒「約束ですよ。ありのままの姿で存在しているものも、心の中にしっかり受け入れてくださいね」
あずさ「わ、分かったよ……。喪黒さん」
BAR「魔の巣」。喪黒とあずさが席に腰掛けている。
あずさ「ダイエットに成功し……。美貌も取り戻し……。新曲も大ヒット……」
喪黒「平成の歌姫・岩本あずさは見事によみがえりましたなぁ……」
「何しろ……。新曲『Reborn』の歌詞には、今のあなたの心境の変化が表れていますね」
あずさ「うん……。もう一度生まれ変わったような気分になって、あの例の新曲を作ったからねぇ……」
「喪黒さんから貰った鉱石を水に入れて飲み続け……、私の人生は本当に変わったんだ!!」
「ほら……。バー……、バー……、バー何とか鉱石……!!」
喪黒「バート・ガスタイン鉱石」
あずさ「そう!!それ!!」
喪黒「美貌を取り戻した岩本さんならば、内面にも変化があったでしょうから……」
「本当の美しさとは何かを、あなたはたぶん理解できたはずだと思いますよ……」
あずさ「は、はあ……」
喪黒「外面の美しさだけが本当の美しさじゃありません。そのことをくれぐれも忘れてはいけません」
あずさ「はい……」
喪黒「約束ですよ。ありのままの姿で存在しているものも、心の中にしっかり受け入れてくださいね」
あずさ「わ、分かったよ……。喪黒さん」
17:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:23:20.573 :TxpQ7XLhD.net
国立代々木競技場第一体育館。
近くにある看板や立て札には「AZUSA IWAMOTO SPECIAL LIVE TOUR 2018」の文字が書かれている。
建物の周辺には、これまでになく女性ファンたちが列を作っている。
女性ファンたち「聖地・国立代々木競技場第一体育館で、『あず』はきっと完全復活してくれるはず……」
「『あず』にはいつも期待を裏切られたけど……、今回ばかりは信じてみよう」
ライブが始まり、舞台の上にドレスを着た岩本あずさが現れる。
痩せて美貌を取り戻しただけでなく、スターとしての輝かしいオーラを放っているあずさ。
観客席にいる大勢のファンたちがいっせいに歓声を上げる。ファンたちにこたえるあずさ。
あずさ「聞いてください……!!私の新曲……、『Reborn』!!」
『Reborn』を熱唱するあずさ。彼女の声も、昔のような透き通った歌い方が戻っている。
あずさに対しサイリウムを振るファンたち。ライブ会場も満席となっている。
国立代々木競技場第一体育館。
近くにある看板や立て札には「AZUSA IWAMOTO SPECIAL LIVE TOUR 2018」の文字が書かれている。
建物の周辺には、これまでになく女性ファンたちが列を作っている。
女性ファンたち「聖地・国立代々木競技場第一体育館で、『あず』はきっと完全復活してくれるはず……」
「『あず』にはいつも期待を裏切られたけど……、今回ばかりは信じてみよう」
ライブが始まり、舞台の上にドレスを着た岩本あずさが現れる。
痩せて美貌を取り戻しただけでなく、スターとしての輝かしいオーラを放っているあずさ。
観客席にいる大勢のファンたちがいっせいに歓声を上げる。ファンたちにこたえるあずさ。
あずさ「聞いてください……!!私の新曲……、『Reborn』!!」
『Reborn』を熱唱するあずさ。彼女の声も、昔のような透き通った歌い方が戻っている。
あずさに対しサイリウムを振るファンたち。ライブ会場も満席となっている。
20:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:25:12.740 :TxpQ7XLhD.net
あずさはいくつかの曲を歌い、ライブは盛り上がりを見せる。
ライブ会場の観客席はファンたちがほぼ総立ちの状態になっていく。
そうした中……。観客席の前列になぜか座っている女性がいる。
その女性を指差すあずさ。
あずさ「一番前なのに座ってるよぉ!!みんなぁ、どう思う!?感じ悪いよねぇ!!」
あずさの言葉を受け、観客たちもいっせいにはやし立てる。
前列で座っている女性の顔の表情が凍りつく。そう、彼女は車椅子に座っているのだ。
次の曲を歌うあずさ。コンサートは何事もなく進んでいるように見える。
しかし、前列にいる車椅子の女性の表情は曇っており、目には涙が浮かんでいる。
盛り上がるライブ会場の中で、車椅子の女性が一人浮いた状態になる。
あずさはいくつかの曲を歌い、ライブは盛り上がりを見せる。
ライブ会場の観客席はファンたちがほぼ総立ちの状態になっていく。
そうした中……。観客席の前列になぜか座っている女性がいる。
その女性を指差すあずさ。
あずさ「一番前なのに座ってるよぉ!!みんなぁ、どう思う!?感じ悪いよねぇ!!」
あずさの言葉を受け、観客たちもいっせいにはやし立てる。
前列で座っている女性の顔の表情が凍りつく。そう、彼女は車椅子に座っているのだ。
次の曲を歌うあずさ。コンサートは何事もなく進んでいるように見える。
しかし、前列にいる車椅子の女性の表情は曇っており、目には涙が浮かんでいる。
盛り上がるライブ会場の中で、車椅子の女性が一人浮いた状態になる。
22:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:27:00.748 :qycegEP+0.net
あっ…
23:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:27:12.189 :TxpQ7XLhD.net
ライブを終え、楽屋の裏へ行く岩本あずさ。
マネージャー「よくやったな、『あず』!!今回のライブは大成功のようだぞ!!」
あずさ「本当によかったぁ……」
廊下を歩くあずさ。彼女は控室のドアを開ける。
あずさ「ふーーっ……、疲れたぁ……。あ……!!」
控室の中には喪黒がいる。
あずさ「も、喪黒さん……!!」
喪黒「岩本あずささん……。あなた約束を破りましたね」
あずさ「そんな……!!あたしは……!!」
喪黒「私はあなたに忠告したはずです」
「ありのままの姿で存在しているものも、心の中にしっかり受け入れてください……と」
あずさ「一体、あたしが何をしたっていうの!?」
喪黒「思い出してくださいよ……。ライブの最中に、前列で座っている女性にあなたは暴言を吐いたでしょ……」
あずさ「そりゃあ、みんなが立っているのに……」
ライブを終え、楽屋の裏へ行く岩本あずさ。
マネージャー「よくやったな、『あず』!!今回のライブは大成功のようだぞ!!」
あずさ「本当によかったぁ……」
廊下を歩くあずさ。彼女は控室のドアを開ける。
あずさ「ふーーっ……、疲れたぁ……。あ……!!」
控室の中には喪黒がいる。
あずさ「も、喪黒さん……!!」
喪黒「岩本あずささん……。あなた約束を破りましたね」
あずさ「そんな……!!あたしは……!!」
喪黒「私はあなたに忠告したはずです」
「ありのままの姿で存在しているものも、心の中にしっかり受け入れてください……と」
あずさ「一体、あたしが何をしたっていうの!?」
喪黒「思い出してくださいよ……。ライブの最中に、前列で座っている女性にあなたは暴言を吐いたでしょ……」
あずさ「そりゃあ、みんなが立っているのに……」
25:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:30:43.896 :TxpQ7XLhD.net
喪黒「岩本さん……。あの方は……、足が悪くて車椅子に座っていたんですよ!!障害者なんですよ!!」
あずさ「えええっ!!!」
喪黒「あなたのやったことは、人間としてどうかと思いますよ……!!」
あずさ「だ、だって……!!あの人が車椅子に座っているなんて……!!あたし、気がつかなかったから……!!」
喪黒「いいえ……、あなたも気がついていたでしょう……!!」
「前列にいる人だから……、岩本さんにもあの人の車椅子が目に映っていたはずですよ……!!」
あずさ「あああ……!!!」
喪黒「図星のようですね……」
「美貌を取り戻したあなたならば、本当の美しさとは何かを理解できたかと思っていましたが……」
「どうやらそれは……、私の見込み違いだったようです!!」
あずさ「ごめんなさい喪黒さん!!私、あの人に謝るから!!何でもするから!!」
喪黒「あなたには幻滅しました……。約束を破った以上、罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒はあずさに右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
あずさ「キャアアアアアアアアア!!!」
喪黒「岩本さん……。あの方は……、足が悪くて車椅子に座っていたんですよ!!障害者なんですよ!!」
あずさ「えええっ!!!」
喪黒「あなたのやったことは、人間としてどうかと思いますよ……!!」
あずさ「だ、だって……!!あの人が車椅子に座っているなんて……!!あたし、気がつかなかったから……!!」
喪黒「いいえ……、あなたも気がついていたでしょう……!!」
「前列にいる人だから……、岩本さんにもあの人の車椅子が目に映っていたはずですよ……!!」
あずさ「あああ……!!!」
喪黒「図星のようですね……」
「美貌を取り戻したあなたならば、本当の美しさとは何かを理解できたかと思っていましたが……」
「どうやらそれは……、私の見込み違いだったようです!!」
あずさ「ごめんなさい喪黒さん!!私、あの人に謝るから!!何でもするから!!」
喪黒「あなたには幻滅しました……。約束を破った以上、罰を受けて貰うしかありません!!」
喪黒はあずさに右手の人差し指を向ける。
喪黒「ドーーーーーーーーーーーン!!!」
あずさ「キャアアアアアアアアア!!!」
26:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:31:24.602 :ptSYiEWk0.net
ワロタ
27:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:33:28.737 :qycegEP+0.net
m9(^д^)ドーン
30:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2018/07/31(火) 03:34:09.309 :TxpQ7XLhD.net
控室の前でドアをノックするマネージャー。
マネージャー「『あず』!!『あず』ぅ!!どうしたー、返事をしてくれー!!」
マネージャーのノックや呼びかけに対し、あずさの返事が返ってこない。
マネージャー「何なら、こっちから入るぞー!!」
控室のドアを開けるマネージャー。その時、彼は驚愕した表情になる。
控室の中で、岩本あずさは黒っぽい石の塊になっている。それはまさに、女性の姿をかたどった石像のようだ。
石像となったあずさの姿を見て、驚きのあまり言葉が出ないマネージャー。
建物の廊下を歩く喪黒。
喪黒「外見の素晴らしさは、確かに美しさの一つと言えるかもしれません。しかし、それだけが美しさなのでしょうか?」
「そもそも、美しさの基準は時代とともに変化してきましたし、何が美しいか美しくないかは人間が決めているものです」
「とはいえ……、本当の美しさは目で見るものではなく、心で感じ取ることで理解できるものではないでしょうか?」
「何しろ、この世にあるものは皆、それぞれ異なった形で存在していますし……」
「ありのままの姿の中にこそ、本来の美しさが宿っているのですから」
国立代々木競技場第一体育館の外にいる喪黒。
喪黒「岩本あずささん。あなたは石像になったおかげで、外見の美しさを永遠のものとすることができたようですねぇ……」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
控室の前でドアをノックするマネージャー。
マネージャー「『あず』!!『あず』ぅ!!どうしたー、返事をしてくれー!!」
マネージャーのノックや呼びかけに対し、あずさの返事が返ってこない。
マネージャー「何なら、こっちから入るぞー!!」
控室のドアを開けるマネージャー。その時、彼は驚愕した表情になる。
控室の中で、岩本あずさは黒っぽい石の塊になっている。それはまさに、女性の姿をかたどった石像のようだ。
石像となったあずさの姿を見て、驚きのあまり言葉が出ないマネージャー。
建物の廊下を歩く喪黒。
喪黒「外見の素晴らしさは、確かに美しさの一つと言えるかもしれません。しかし、それだけが美しさなのでしょうか?」
「そもそも、美しさの基準は時代とともに変化してきましたし、何が美しいか美しくないかは人間が決めているものです」
「とはいえ……、本当の美しさは目で見るものではなく、心で感じ取ることで理解できるものではないでしょうか?」
「何しろ、この世にあるものは皆、それぞれ異なった形で存在していますし……」
「ありのままの姿の中にこそ、本来の美しさが宿っているのですから」
国立代々木競技場第一体育館の外にいる喪黒。
喪黒「岩本あずささん。あなたは石像になったおかげで、外見の美しさを永遠のものとすることができたようですねぇ……」
「オーホッホッホッホッホッホッホ……」
―完―
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