1:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:38:06 :Nt.eFOtU
少女「あたしはどこまでがあたしなの?」
先生「それはどういう意味なんだい?」
少女「あたし、昨日髪を切ってもらったの」
先生「知っているよ、かわいいね」
少女「かわいいのは知っているよ」
先生「そういうとこはかわいくないね」
少女「あたしはどこまでがあたしなの?」
先生「それはどういう意味なんだい?」
少女「あたし、昨日髪を切ってもらったの」
先生「知っているよ、かわいいね」
少女「かわいいのは知っているよ」
先生「そういうとこはかわいくないね」
2:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:39:19 :Nt.eFOtU
少女「うん、それでね切った髪はね、切ってくれたお姉さんが箒とちりとりを使って
捨てていたの」
先生「そうだね、切った髪は捨てないと部屋が汚れたままになるからね」
少女「ゴミ箱に捨てられた髪は切る前まではあたしだったでしょ?」
先生「ほう・・・」
少女「あの髪はいつからあたしじゃなくなったの?それともあのゴミはあたしなの?」
少女「うん、それでね切った髪はね、切ってくれたお姉さんが箒とちりとりを使って
捨てていたの」
先生「そうだね、切った髪は捨てないと部屋が汚れたままになるからね」
少女「ゴミ箱に捨てられた髪は切る前まではあたしだったでしょ?」
先生「ほう・・・」
少女「あの髪はいつからあたしじゃなくなったの?それともあのゴミはあたしなの?」
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:39:59 :Nt.eFOtU
先生「むつかしい疑問をもったね、でも二つとも違うよ」
少女「どうして言いきれるの?」
先生「髪の毛と君は最初から別物だ、髪の毛は君の頭部から垂れ下がっている時から
君の髪の毛ではあったが、君ではなかったんだ」
少女「博士頭いい」
先生「そうだろう、もっと誉めておくれよ」
少女「こんなに早くあたしと同じ答えにたどり着くなんてえらいえらい」
先生「うーん・・・やっぱりかわいくない」
先生「むつかしい疑問をもったね、でも二つとも違うよ」
少女「どうして言いきれるの?」
先生「髪の毛と君は最初から別物だ、髪の毛は君の頭部から垂れ下がっている時から
君の髪の毛ではあったが、君ではなかったんだ」
少女「博士頭いい」
先生「そうだろう、もっと誉めておくれよ」
少女「こんなに早くあたしと同じ答えにたどり着くなんてえらいえらい」
先生「うーん・・・やっぱりかわいくない」
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:40:56 :Nt.eFOtU
少女「そう、あれはあたしの髪の毛であってあたしじゃないの」
少女「だとしたら・・・あたしの腕は?あたしじゃないの?あたしの顔は?眼は?心臓は?
全部あたしのものだけどあたしじゃないとしたら?」
先生「それで最初の質問に戻るのかい」
少女「うん、博士はどう思う?」
先生「あれ?答えじゃなくて求めるのは意見かい?」
少女「うん、どうせあたしが生きている間には答えなんてでないし」
少女「そう、あれはあたしの髪の毛であってあたしじゃないの」
少女「だとしたら・・・あたしの腕は?あたしじゃないの?あたしの顔は?眼は?心臓は?
全部あたしのものだけどあたしじゃないとしたら?」
先生「それで最初の質問に戻るのかい」
少女「うん、博士はどう思う?」
先生「あれ?答えじゃなくて求めるのは意見かい?」
少女「うん、どうせあたしが生きている間には答えなんてでないし」
5:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:41:35 :Nt.eFOtU
先生「・・・そうだなあ、心?魂とかはとりあえず僕らのものかな?」
少女「うーん、科学的じゃないなあ、でもそれが博士の意見なら反論はしない」
先生「はは、そりゃどうも」
少女「あ、そうだ!もうひとつ質問してもいい?」
先生「もちろん、どうぞ」
少女「ニセモノにも魂はあるのかな」
先生「・・・・・・そうだなあ」
先生「・・・そうだなあ、心?魂とかはとりあえず僕らのものかな?」
少女「うーん、科学的じゃないなあ、でもそれが博士の意見なら反論はしない」
先生「はは、そりゃどうも」
少女「あ、そうだ!もうひとつ質問してもいい?」
先生「もちろん、どうぞ」
少女「ニセモノにも魂はあるのかな」
先生「・・・・・・そうだなあ」
6:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:42:16 :Nt.eFOtU
♪~
少女「あ、就寝のベルだ、博士!今の無し!」
先生「いや、答えるよ」
少女「いいの、聞きたくなくなったの」
先生「ほんとうに・・・本当に?」
少女「うん、おやすみなさい博士」
先生「・・・おやすみなさい」
♪~
少女「あ、就寝のベルだ、博士!今の無し!」
先生「いや、答えるよ」
少女「いいの、聞きたくなくなったの」
先生「ほんとうに・・・本当に?」
少女「うん、おやすみなさい博士」
先生「・・・おやすみなさい」
7:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:43:04 :Nt.eFOtU
患者「先生本当にありがとうございました。」
先生「・・・ええ、移植した心臓の発育も良好でしたし
拒否反応も99%でませんし来月には退院できますよ」
患者「あなたはたくさんの人の命を救っているんでしょう?
先生はあたしにとって神様みたいな人です」
先生「違いますよ・・・神様なんかじゃないんです・・・」
患者「先生本当にありがとうございました。」
先生「・・・ええ、移植した心臓の発育も良好でしたし
拒否反応も99%でませんし来月には退院できますよ」
患者「あなたはたくさんの人の命を救っているんでしょう?
先生はあたしにとって神様みたいな人です」
先生「違いますよ・・・神様なんかじゃないんです・・・」
8:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:44:19 :Nt.eFOtU
看護婦「今日もお疲れさまでした、明日も一件移植手術が予定されています」
先生「・・・つくづく素晴らしい世の中になったものだね、君はもう帰っていいよ」
看護婦「あら?先生はどちらへ?」
先生「ドナー室」
看護婦「今日もお疲れさまでした、明日も一件移植手術が予定されています」
先生「・・・つくづく素晴らしい世の中になったものだね、君はもう帰っていいよ」
看護婦「あら?先生はどちらへ?」
先生「ドナー室」
9:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:47:39 :Nt.eFOtU
ガール「あ!おいちゃん来た」
先生「こんばんは、今日はどんなお話が聞きたい?桃太郎?それとも金太郎」
ガール「ううん、きょうはおいちゃんに聞きたいことがあるの」
先生「なんだい?なんでもどうぞ」
ガール「あたしはどこまでがあたしなの?」
ガール「あ!おいちゃん来た」
先生「こんばんは、今日はどんなお話が聞きたい?桃太郎?それとも金太郎」
ガール「ううん、きょうはおいちゃんに聞きたいことがあるの」
先生「なんだい?なんでもどうぞ」
ガール「あたしはどこまでがあたしなの?」
10:以下、名無しが深夜にお送りします:2019/03/05(火) 23:48:42 :Nt.eFOtU
クランケ「先生ありがとうございました」
おわり
クランケ「先生ありがとうございました」
おわり
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