【 長良 】


四六時中運動しては汗をかき、その度にシャワーを浴びるせいか、長良はいつも石鹸の香り。

清潔で結構な事と思いきや、大きな問題もあるようで。


長良「むむむ……」

提督「悩み事か」

長良「シャンプー代がかさんじゃって」

提督「そんなの大した金額じゃないだろう」

長良「積み重なると、意外と負担になるんです」

提督「そうなのか？」

五十鈴「分かるわ」ｶﾞﾗｯ

由良「分かるよ」ｶﾞﾗｯ

阿武隈「分かります」ｶﾞﾗｯ


◇


五十鈴「私なんて一回で半分くらい使うわよ」

長良「リンスやコンディショナーもいるしさ」

由良「乾かすだけでも一苦労だよね」

阿武隈「セットに一時間かかる事も」

五十鈴「ホント、髪が多すぎるのも困りものだわー」

提督「……」



無意識のハラスメントに心をへし折られながらも

毎日の執務を誠実にこなす全国のハゲ提督に、いつか幸せが訪れますように。

【 五十鈴 】


海防艦統括本部長。

手の掛かる悪ガキに囲まれ悪戦苦闘の日々。

厳しくも優しい指導には定評があり、提督からの信頼も厚い。



Ｑ、軽巡で一番美人なのは誰ですか


択捉「五十鈴さんです！」

松輪「……五十鈴お姉ちゃん」

佐渡「いすずんだな、間違いねぇよ」

大東「そんなの五十鈴に決まってんじゃん」



提督「すごいな、これ」

大淀「懐かれてますね」

五十鈴「な、何よあの子たち…… ///」

【 名取 】


女優よりも美しくアイドルよりも可愛い

天使よりも愛らしく菩薩よりも優しい

そんなどこにでもいる、ありふれた普通の女の子


それが、名取。



名取「ううぅ～」

提督「何か不満か」

名取「勉強も運動も平均点ばかり」

提督「ふむ」

名取「何か一つでも一番になりたいです」

提督「ああ、そんなことか」

名取「そんな事じゃないです！切実なんですから」

提督「もう、なってる」

名取「えっ」

提督「もう一番だから。問題ない」

名取「えええ～？な、何がですか？」

提督「さっ、仕事仕事」

名取「教えて下さいよ提督」

提督「ほらほら、名取も仕事に戻れ」

名取「教えて下さいってば、提督～」

【 由良 】


提督「由良は可愛いなー」

鬼怒「む」

提督「綺麗だし美人だし、ああいうのを天使って言うんだろうなー」

鬼怒「むむむー」

提督「由良可愛いなー、最高だなー」

鬼怒「あーっ、もうっ！うるさいうるさい！」

提督「なあ鬼怒、お前もそう思うだろ」

鬼怒「はいはい、そうですねー」

提督「ああ、うん。　鬼怒も可愛いよ」

鬼怒「ついでみたいに言うなー！」


由良「仲いいなぁ……」




見ているだけで、待つだけで、叶う恋などないのだと。

知りながら、さりながら。

【 鬼怒 】


艦娘三大決めポーズのひとつ、鬼怒のポーズの使い手。

駆逐艦や海防艦に大人気。



皐月「鬼怒さんアレやってー」

鬼怒「え～？また～」

望月「いいじゃん、やってよー」

水無月「やって、やってー」

文月「お願い～」

鬼怒「仕方ないなぁ、ちょっとだけだよ」

皐月「わーい、やったー」

鬼怒「じゃあ、いくよ……」

望月「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

文月「……」ﾜｸﾜｸ

鬼怒「パナイっ！」ｷﾇｯ!

水無月「キャー！やったー！」

皐月「カッコいいー！」




提督「大人気だな」

大淀「さすが鬼怒さんですね」

明石「とおっ！たあっ！」

提督「……何やってんだ」

明石「明石のポーズを」

提督「まだまだだなー」

大淀「修行が足りませんね」

明石「あははー、残念です」

【 阿武隈 】


形容し難い表情と奇妙なポーズで見る者を不安にさせる軽巡のサブキャラだったが、改二で完全に生まれ変わった。

可愛らしい制服との相乗効果で本来の魅力が開花し、爆発的な人気を博す。


「分かったわ！あたしの力が必要なのね！」




綺麗になってから優しくしても、女の子はもう振り向かない。

選ばれるのはいつだって、ずっと見ていてくれたひと。


「あ、あの……あたし的には、お、OKです！」

【 阿賀野 】


元祖だらし姉。

妊婦かと思ったら阿賀野（暴言）

艦隊のオスカー・デ・ラ・ホーヤ。


酒匂「ぴゃ？誰それ」

矢矧「伝説のボクサーだって」

能代「何で阿賀野姉ぇが？」

酒匂「強いって事かな」

矢矧「それもあるけど……」

矢矧「六階級制覇だって」

能代「あー……」

酒匂「あー……」

阿賀野「みんなー！ドーナツ買ってきたよー！」ﾄﾞｱｶﾞﾁｬﾊﾞﾀｰﾝ

【 能代 】


苦労人（姉のせい）

髪型も、お腹まわりもゆるふわ系（姉の買ってくるおやつのせい）

けしからんおっぱい。とにかくエロい（姉ゆずり）



体重計「よう、デブ」

能代「……！？ ///」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

阿賀野「能代ー、シュークリーム買ってきたよー」

能代「全部阿賀野姉ぇのせいなんだからねっ！」ﾊﾞﾝｯ!

阿賀野「えっ、えっ！？」

能代「今日からおやつ禁止！甘いのは駄目！」

阿賀野「あっ、うん、そうなんだ」

能代「阿賀野姉ぇもよ！」

阿賀野「えええーーっ！？」

【 矢矧 】


見た目に騙されてはいけない（戒め）


長門や那智を彷彿とさせる軍人気質と思いきや、中身はかなりの甘やかし体質。

鞭ではなく飴ばかりを与えるタイプ（特に阿賀野に）



真面目で面白味に欠けるイメージがあるが、実は意外と子供好き。

電車やスーパーで抱っこされている赤ん坊を見かけると、死角から変顔で笑わせにくる。

【 酒匂 】


卯月「やったぴょん！また卯月の勝ちぴょん！」

長門「はっはっは、卯月は速いなぁ」

卯月「次はかくれんぼするぴょん！長門が鬼ぴょん」

長門「よーし、負けないぞ」

長門「……ん？」

長門「……ッ！」

長門「そうか……遂に……」

卯月「ん？誰か来たぴょん？」


◇


卯月「むー……」ﾌﾟｸｰ

睦月「卯月ちゃんどうしたの」

如月「長門さんに遊んでもらってたんじゃ？」

卯月「……友達が来たから今日はおしまい、って言われたぴょん」

睦月「友達？長門さんの」

如月「あら、誰かしらね」

卯月「変な奴だったぴょん！」

卯月「細くてちっちゃくて、おかしな喋り方してたぴょん！」

如月（アンタじゃん……）

睦月（卯月ちゃんだねぇ……）

如月「変かどうかはともかく」

睦月「卯月ちゃんが知らないって、相当なレア艦だよね」

卯月「きっとどこかの駆逐艦だぴょん！」

卯月「卯月がやっつけてやるぴょん！」ｶﾞﾙﾙｰ

睦月「何で戦う事になってるんだろう……」

【 夕張 】


錆の汚れ、油の汚れ、煤の汚れ。

技術畑の艦娘は、酷い汚れの中にいる。


鉄の匂い、塗料の匂い、火薬の匂い。

工廠暮らしの軽巡は、惨い匂いの中にいる。



荒れたその手を、強く握ってくれるひと。

匂い染み付くその髪を、優しく撫でてくれるひと。



「提督！おはようございます！」



夕張には、大切なひとがいる。

以上です。