リン「はぁはぁ……。」ｽｯｷﾘ

リン「（前から馬鹿だと思っていたが……。）」

リン「（まさか、走行中のバイクに向かってくるとは……。）」

リン「（どうしよう、コレ……。）」

なでしこだったもの「」

リン「バイクは……まだ動くな。あっ、なでしこの血が……。」

ﾌｷﾌｷ ﾌｷﾌｷ

リン「……よし、取れた。さて、次は……。」ｷｮﾛｷｮﾛ

リン「（誰も見てないな。）」

ｽﾞﾙｽﾞﾙ ｽﾞﾙｽﾞﾙ

リンは、なでしこの死体を引きずって近くにあった森の中に入った。

リン「ここまで来れば誰にも見られずに死体を処理出来る。」

なでしこだったもの「」

リン「……誰にも見られてないよな？」ｷｮﾛｷｮﾛ

なでしこだったもの「」

リン「（落ち着け私、道路には私となでしこ以外誰もいなかった。だから焦ることはない。）」

リン「（落ち着け、落ち着け、落ち着け。）ふーっ、ふーっ、ふーっ。」

なでしこだったもの「」

ホームセンター

リン「……あった。」

リンは、なでしこの死体を埋めるのに使うスコップを、近くにあったホームセンターに買いに行った。

リン「あとは、埋めるだけ。そうすれば、私がした事は無かった事になる。」

リン「なでしこは、ある日突然行方不明になった。それが真実になる。」

リン「ふふふふふ。」

ホームセンター　バイク駐車場

リン「急げ、急げ。」

リン「……ん？」

リン「あの車、見覚えがあるぞ……。」

リン「……あ。」

桜「～♪」

リン「（桜さんだ！不味い、こんな所で知り合いに出くわすとは……。）」

ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ……

リン「（ハンドルを握る手が震えている……。落ち着け私。幸い向こうは、私に気付いてない。）」

リン「（話しかけられる前に戻らなきゃ……。）」

リン「……。」

リン「（なでしこが突然行方不明になったら桜さんは、きっと悲しむだろう。だが私は、やらなければならない。私の未来の為に……。）」

桜「あ、リンちゃん奇遇ね。こんな所で会うなんて。」

リン「」

桜「キャンプ用品を買いに来たの？」

リン「そそそそそそうなんです。あああアレが古くなったので新しいのをかかか買いに来たんです。（落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け。）」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

桜「（何か様子が変ね？）どうしたの？もしかして具合が悪いの？」

リン「だだだだだ大丈夫です。ししししし心配ご無用です。だから付いて来ないで下さい。」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

桜「そう、なら良いんだけど。」

リン「（は、早く行かないと……。）」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ ﾌﾞｩｩｩｩﾝ

リン「……あっ。」ﾌﾗﾌﾗ

桜「危ない！」

リン「痛っ！」ｽﾞﾃｰﾝ!!

桜「リンちゃん、大丈夫！？」

リン「（し、しまった。動揺し過ぎてコケてしまった。）」

桜「やっぱり具合が悪いのね！無理したら駄目よ！」

リン「ち、違っ……いてて。」

桜「もう見てられないわ！私が送っていくから車に乗りなさい！」

リン「だ、大丈夫です。（ぐっ、流石に二度目の転倒は、キツい。）」

桜「どう見ても大丈夫じゃないでしょ！嫌だと言っても乗せるからね！」

リン「（不味い。早くなでしこの死体を埋めないといけないのに……。このままでは、殺人犯になってしまう。）」

桜「立てる！？歩ける！？」

リン「は、はい……。（かと言って桜さんの車で行けばバレてしまう……。）」

リン「……。」

リン「（そうだ！）」

リン「あ、あの桜さん。行きたいところがあるのですが……。」

リン「（あった。桜さんの車で行ってもバレない方法。）」

なでしこの死体がある森

桜「……えっ？」

なでしこだったもの「」

桜「リンちゃん、どういう事？」

リン「死ねぇぇぇぇ！」

ｶﾞﾝｯ!!

桜「がはっ！」

リンは、桜の頭をスコップで思いっ切り殴った。

リン「はぁ、はぁ、桜さんが悪いんですよ。私の事を放っておけばこんな目に合わずに済んだのに……。」

桜「ぐっ……どうして……こんな……。」

リン「もう遅いですよ。あなたは、見てはいけないものを見てしまったのですから。（見せたのは、私だけど。）」

桜「…………………………。」

リン「これで全部無かったことになる。」

リンは、倒れている桜の頭部めがけて勢い良くスコップを振り下ろした。





ｶﾞｼｯ!!

リン「！？」

桜「酷いじゃないリンちゃん、妹と私にこんな事するなんて。あ、だからさっき付いて来ないでって言ったのね。」

リン「（受け止めた！？）」

桜「まさか妹の友達が殺人犯だったとは、思わなかったわ！」
ｹﾞｼｯ

リン「あうっ。」

桜は、リンを蹴飛ばしてスコップを奪い取った。

リン「か、返して下さい。」

桜「嫌よ。」

ｶﾞﾝｯ!!

リン「がはっ！」

桜「えいっ。」

ﾄﾞｽｯ!!

リン「ぐふっ！」

桜「食べなさい。」

ｽﾞﾎﾞｯ!!

リン「むごっ！むごごごご！」

桜「そ～れ。」

ﾒｷｯ!!

リン「い、痛い痛い痛い！」

ﾒｷﾒｷﾒｷﾒｷ……

数分後

桜「ふふふふふふふふふふ♪形勢逆転ね♪」

リン「ひ、ひぃ、ごめんなさい……。」ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

桜「……ねぇ、スコップって便利だと思わない？」

リン「は、はひ？」ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

桜「鈍器にも使えるし。」

ｶﾞﾝｯ!!

桜「刃物にも使えるし。」

ｻﾞｸｯ!!

桜「証拠隠滅にも……。」

ｻﾞｯｸｻﾞｯｸ……

桜「使える。」

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

桜「ね、便利でしょ♪」

土中

リンだったもの「」

桜「ちちりちりちりちちりち♪」

桜「なんでもできちゃうスコップ♪」

桜「刺して♪」

桜「切って♪」

桜「刻んで♪」

桜「掘って♪」

桜「叩いて♪」

桜「埋めて♪」

桜「……ん？」

なでしこだったもの「」





桜「死体がもう一個あったのを忘れてたわ。」

桜「きっちり証拠隠滅しないと……。」

ｱﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ……


完

ホラーっぽいゆるキャンSSを書いてみた