2: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 18:54:28.71 :dbp55CRJ0
ある冬の日。
P「まいったな……」
帰り道、俺は降りたバス停で雨宿りをしていた。
こんな寒い日に濡れてしまっては凍えてしまいそうだ。数日後にとある芸能プロダクションの入社面接を控えている身としては、今のうちから体調を崩したくはない。
P「ちゃんと、予報見とけば良かったかな…」
ある冬の日。
P「まいったな……」
帰り道、俺は降りたバス停で雨宿りをしていた。
こんな寒い日に濡れてしまっては凍えてしまいそうだ。数日後にとある芸能プロダクションの入社面接を控えている身としては、今のうちから体調を崩したくはない。
P「ちゃんと、予報見とけば良かったかな…」
3: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 18:56:38.34 :dbp55CRJ0
出かける前の自分のだらしなさへの後悔が声に出ていたのか、少し前に通り過ぎたであろう女性から声をかけられた。
「あ…あの!その…」
P「はい?えっーと…」
「……そ、その、傘を持っていないようだったので……」
P「は、はあ」
出かける前の自分のだらしなさへの後悔が声に出ていたのか、少し前に通り過ぎたであろう女性から声をかけられた。
「あ…あの!その…」
P「はい?えっーと…」
「……そ、その、傘を持っていないようだったので……」
P「は、はあ」
4: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 18:57:37.55 :dbp55CRJ0
話しかけてきた彼女の顔は、傘に隠れてよく見えない。
P「あっ。そうなんです。傘を忘れてきてしまって…」
そう言うと、彼女は鞄から折りたたみの傘を取り出した。
「こ、この傘…使って下さい!」
P「え。いやその……」
「い、いいですから…」
話しかけてきた彼女の顔は、傘に隠れてよく見えない。
P「あっ。そうなんです。傘を忘れてきてしまって…」
そう言うと、彼女は鞄から折りたたみの傘を取り出した。
「こ、この傘…使って下さい!」
P「え。いやその……」
「い、いいですから…」
5: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 18:59:07.21 :dbp55CRJ0
そうして渡された傘は可愛いピンク色をしていた。
P「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
P「ありがとうございます。助かりました…」
「い、いえ!じゃ、じゃあ私はこれで…」
そう言って顔も見えなかった彼女は小走りで去って行った。
きっと彼女からも俺の顔は見えていなかっただろう。
そうして渡された傘は可愛いピンク色をしていた。
P「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
P「ありがとうございます。助かりました…」
「い、いえ!じゃ、じゃあ私はこれで…」
そう言って顔も見えなかった彼女は小走りで去って行った。
きっと彼女からも俺の顔は見えていなかっただろう。
6: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 19:00:33.59 :dbp55CRJ0
自宅の近くまでピンクの可愛い傘をさして帰ってきた俺は、この傘を返すための連絡先も何も交換しなかった事に気付いた。
どうしたものかと考えていると、傘の柄の部分に「萩原雪歩」と可愛いシールが貼られている事に気がつく。
「ハギワラ ユキホ」という人だったのか。
しかし、名前だけ知っていても返す当てがない。
P「まあいつか偶然会えた時に返せるようにいつも鞄に入れておくか」
自宅の近くまでピンクの可愛い傘をさして帰ってきた俺は、この傘を返すための連絡先も何も交換しなかった事に気付いた。
どうしたものかと考えていると、傘の柄の部分に「萩原雪歩」と可愛いシールが貼られている事に気がつく。
「ハギワラ ユキホ」という人だったのか。
しかし、名前だけ知っていても返す当てがない。
P「まあいつか偶然会えた時に返せるようにいつも鞄に入れておくか」
7: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 19:01:44.03 :dbp55CRJ0
そんな独り言を呟きながら歩いていく。
いつの間にか、雨は雪に変わっていた。
P「ははっ」
雪の中を歩く自分が、まるで彼女の名前のようで俺は少し笑った。
そんな独り言を呟きながら歩いていく。
いつの間にか、雨は雪に変わっていた。
P「ははっ」
雪の中を歩く自分が、まるで彼女の名前のようで俺は少し笑った。
8: ◆HOXU8/DdDTdF:2019/10/18(金) 19:03:11.65 :dbp55CRJ0
終わりです。
終わりです。
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