1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:02:03.489 :fXh8MW8N00202.net
~♪ ~♪ ~♪
男子「……」パクパク
女子「あ!」
女子「ちょっと男子ー! ちゃんと歌いなさいよ!」
女子「あんた今、口パクだったでしょ! 分かるんだからね!」
女子「みんながちゃんと歌わないと、合唱コンクールで優勝できないじゃない!」
男子「ちっ、うるせーな……」
女子「なんかいった!?」
男子「いってねーよ」
女子「他にもちゃんと歌ってないのいるでしょ! 分かってんだからね!」
~♪ ~♪ ~♪
男子「……」パクパク
女子「あ!」
女子「ちょっと男子ー! ちゃんと歌いなさいよ!」
女子「あんた今、口パクだったでしょ! 分かるんだからね!」
女子「みんながちゃんと歌わないと、合唱コンクールで優勝できないじゃない!」
男子「ちっ、うるせーな……」
女子「なんかいった!?」
男子「いってねーよ」
女子「他にもちゃんと歌ってないのいるでしょ! 分かってんだからね!」
3:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:05:33.044 :fXh8MW8N00202.net
級友A「あいつ、うざくね?」
級友B「いちいちうるせえのな!」
級友C「だけど、あいつ怖いからなぁ……」
男子「ふん、お前らあんな女にビビってんじゃねえよ」
級友A「でもよ……」
男子「次の練習の時、俺がガツンといってやるよ」
級友A「あいつ、うざくね?」
級友B「いちいちうるせえのな!」
級友C「だけど、あいつ怖いからなぁ……」
男子「ふん、お前らあんな女にビビってんじゃねえよ」
級友A「でもよ……」
男子「次の練習の時、俺がガツンといってやるよ」
4:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:08:15.872 :fXh8MW8N00202.net
~♪ ~♪ ~♪
男子「……」パクパク
女子「ちょっと! あんたまたちゃんと歌ってないでしょ!」
女子「いい加減にしてよ! 優勝できなかったらあんたのせいだからね!」
男子「うるっせぇんだよ!!!」
女子「!」ビクッ
女子「な、なによ……」
~♪ ~♪ ~♪
男子「……」パクパク
女子「ちょっと! あんたまたちゃんと歌ってないでしょ!」
女子「いい加減にしてよ! 優勝できなかったらあんたのせいだからね!」
男子「うるっせぇんだよ!!!」
女子「!」ビクッ
女子「な、なによ……」
6:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:11:36.855 :fXh8MW8N00202.net
男子「すぐちゃんと歌ってない歌ってないって……」
男子「お前は俺の母ちゃんでも先生でもねえだろ! お前なんかに指図される筋合いねーんだよ!」
女子「なんですって……」
級友A「そうだそうだ!」
級友B「いいぞー!」
級友C「お前いつもうぜぇんだよ!」
女子「……!」
男子「すぐちゃんと歌ってない歌ってないって……」
男子「お前は俺の母ちゃんでも先生でもねえだろ! お前なんかに指図される筋合いねーんだよ!」
女子「なんですって……」
級友A「そうだそうだ!」
級友B「いいぞー!」
級友C「お前いつもうぜぇんだよ!」
女子「……!」
7:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:15:08.080 :fXh8MW8N00202.net
男子「これで分かったろ! お前みんなに嫌われてんだよ! 一人で空回りしやがってよ!」
女子「う、うう……」
「いいぞー!」
「もっといってやれ!」
「たしかに……ちょっとうるさいところあるよねー」
ワーワー!
この日を境に、女子のうるささは影をひそめ――
それどころか、クラスメイトから疎外されるようになり、
やがて、父親の事情で転校していった。
男子「これで分かったろ! お前みんなに嫌われてんだよ! 一人で空回りしやがってよ!」
女子「う、うう……」
「いいぞー!」
「もっといってやれ!」
「たしかに……ちょっとうるさいところあるよねー」
ワーワー!
この日を境に、女子のうるささは影をひそめ――
それどころか、クラスメイトから疎外されるようになり、
やがて、父親の事情で転校していった。
8:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:18:17 :fXh8MW8N00202.net
数年後――
男(あの時のことを思い返すと、今でも心が痛む)
男(俺は……あの子のことが好きだったんだ)
男(だから、注意されたくて、怒られたくて、気を引きたくて、反発して……)
男(なのに俺のせいで、あの子は皆からいじめられるようになって……)
男(あの時ちゃんと歌ってれば……!)
数年後――
男(あの時のことを思い返すと、今でも心が痛む)
男(俺は……あの子のことが好きだったんだ)
男(だから、注意されたくて、怒られたくて、気を引きたくて、反発して……)
男(なのに俺のせいで、あの子は皆からいじめられるようになって……)
男(あの時ちゃんと歌ってれば……!)
10:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:21:41 :fXh8MW8N00202.net
男「母さん!」
母「なに?」
男「俺、歌を習いたいんだけど……」
母「歌を? なにいってるの、いきなり……。そんな暇があったら塾に行きなさいよ」
父「まあまあ、いいじゃないか。せっかく何かやりたいなんて言い出したんだ。やらせてやろう」
父「ただし、やるからには中途半端じゃダメだ。それにちゃんと勉強もするんだぞ」
男「ありがとう、父さん!」
男「母さん!」
母「なに?」
男「俺、歌を習いたいんだけど……」
母「歌を? なにいってるの、いきなり……。そんな暇があったら塾に行きなさいよ」
父「まあまあ、いいじゃないか。せっかく何かやりたいなんて言い出したんだ。やらせてやろう」
父「ただし、やるからには中途半端じゃダメだ。それにちゃんと勉強もするんだぞ」
男「ありがとう、父さん!」
11:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:24:18 :fXh8MW8N00202.net
講師「腹式呼吸をして、お腹から声を出しましょう」
男「はいっ!」
男「~♪ ~♪ ~♪」
講師「おおっ……! いい! いいですよ! あなたには才能がある!」
男「ホントですか!?」
男(よーし、もっとちゃんと歌えるようになってやる!)
講師「腹式呼吸をして、お腹から声を出しましょう」
男「はいっ!」
男「~♪ ~♪ ~♪」
講師「おおっ……! いい! いいですよ! あなたには才能がある!」
男「ホントですか!?」
男(よーし、もっとちゃんと歌えるようになってやる!)
12:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:29:19 :fXh8MW8N00202.net
やがて――
男「……」ジャンジャカジャン
男「~♪ ~♪ ~♪」
通行人「へぇ~、いい歌だな」
学生「あれ誰? もしかしてプロ?」
JK「なにあの人、すごい歌上手なんだけど!」
やがて――
男「……」ジャンジャカジャン
男「~♪ ~♪ ~♪」
通行人「へぇ~、いい歌だな」
学生「あれ誰? もしかしてプロ?」
JK「なにあの人、すごい歌上手なんだけど!」
14:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:33:16 :fXh8MW8N00202.net
ある日――
スカウト「このところ、毎日ここで路上ライブをなさってますよね」
男「ええ、それがなにか?」
スカウト「実は私、こういう者でして」スッ
男(この会社は……最近人気歌手を多く輩出してる……)
スカウト「あなたには才能があります。ぜひプロ歌手としてデビューしてみませんか?」
男「……」
男「ちゃんと歌える場所を提供してくれるのであれば、喜んで」
ある日――
スカウト「このところ、毎日ここで路上ライブをなさってますよね」
男「ええ、それがなにか?」
スカウト「実は私、こういう者でして」スッ
男(この会社は……最近人気歌手を多く輩出してる……)
スカウト「あなたには才能があります。ぜひプロ歌手としてデビューしてみませんか?」
男「……」
男「ちゃんと歌える場所を提供してくれるのであれば、喜んで」
15:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:36:19.809 :fXh8MW8N00202.net
社長「君が路上ライブをやっていて、我が社のスカウトの目に止まったという……」
男「はじめまして」
社長「歌は聴かせてもらったし、動画も見せてもらった」
社長「君はダイヤの原石……いや、すでにダイヤモンドそのものだ」
社長「君の歌に私の力が加われば、間違いなく音楽界のトップに上り詰めることができる」
男「……」
社長「反応が薄いねえ……興味ないかね?」
男「あまりありませんね」
社長「君が路上ライブをやっていて、我が社のスカウトの目に止まったという……」
男「はじめまして」
社長「歌は聴かせてもらったし、動画も見せてもらった」
社長「君はダイヤの原石……いや、すでにダイヤモンドそのものだ」
社長「君の歌に私の力が加われば、間違いなく音楽界のトップに上り詰めることができる」
男「……」
社長「反応が薄いねえ……興味ないかね?」
男「あまりありませんね」
17:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:40:08.169 :fXh8MW8N00202.net
社長「君はそもそも、なぜ歌を歌っているのだ?」
社長「皆に自分の歌を聴いて欲しい、皆から注目されたい、という思いからではないのか?」
男「そんな大層な動機じゃありません。ちゃんと歌いたいから、です」
社長「ちゃんと歌いたい? 今でも十分すぎるほどちゃんと歌えてると思うがねえ」
男「……」
社長「まあいい。我が社の音響設備は充実している。ちゃんと歌える環境があることは保証するよ」
男「よろしくお願いします」
社長「君はそもそも、なぜ歌を歌っているのだ?」
社長「皆に自分の歌を聴いて欲しい、皆から注目されたい、という思いからではないのか?」
男「そんな大層な動機じゃありません。ちゃんと歌いたいから、です」
社長「ちゃんと歌いたい? 今でも十分すぎるほどちゃんと歌えてると思うがねえ」
男「……」
社長「まあいい。我が社の音響設備は充実している。ちゃんと歌える環境があることは保証するよ」
男「よろしくお願いします」
18:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:43:05.184 :fXh8MW8N00202.net
まもなく男はデビューする。
男「~♪ ~♪ ~♪」
ワーワーッ! キャーキャーッ!
業界人A「これは……ものすごい新人が出てきたもんだな」
関係者B「ああ……“令和の歌王”が早くも決まっちゃったかもな」
まもなく男はデビューする。
男「~♪ ~♪ ~♪」
ワーワーッ! キャーキャーッ!
業界人A「これは……ものすごい新人が出てきたもんだな」
関係者B「ああ……“令和の歌王”が早くも決まっちゃったかもな」
19:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:47:18 :fXh8MW8N00202.net
社長「すごいじゃないか。予想以上だ」
社長「君のデビュー曲、ベテランや人気アイドルを抑え、オリコンはダントツの一位だ」
社長「次のライブはいつか、ツアーはやるのか、といった問い合わせが殺到してるよ」
男「そうですか」
社長「……嬉しくないのかね?」
男「嬉しいですよ」
社長「これから君にはますます稼いでもらう。忙しくなるだろうが、よろしく頼むよ」
男「はい、ちゃんと歌わせて頂きます」
社長「すごいじゃないか。予想以上だ」
社長「君のデビュー曲、ベテランや人気アイドルを抑え、オリコンはダントツの一位だ」
社長「次のライブはいつか、ツアーはやるのか、といった問い合わせが殺到してるよ」
男「そうですか」
社長「……嬉しくないのかね?」
男「嬉しいですよ」
社長「これから君にはますます稼いでもらう。忙しくなるだろうが、よろしく頼むよ」
男「はい、ちゃんと歌わせて頂きます」
21:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:50:07 :fXh8MW8N00202.net
男「~♪ ~♪ ~♪ ~♪ ~♪」
ワァァァァァ…
キャーッ!
その後も、出す曲出す曲が全て大ヒット。
男の歌手としての地位は、もはや不動のものとなっていった――
社長(しかし、なぜだ……)
社長(なぜ彼はあんな満たされない表情をしているのだ……)
男「~♪ ~♪ ~♪ ~♪ ~♪」
ワァァァァァ…
キャーッ!
その後も、出す曲出す曲が全て大ヒット。
男の歌手としての地位は、もはや不動のものとなっていった――
社長(しかし、なぜだ……)
社長(なぜ彼はあんな満たされない表情をしているのだ……)
23:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:53:34 :fXh8MW8N00202.net
ファンA「男さーん!」
ファンB「今日の歌も最高でした!」
警備員「下がって下がって! ほら、押さない! 押さないで!」
キャーキャーッ! コッチムイテー! カックイー!
男「……」
男(どいつもこいつも……俺のことなんかなんも分かってねえくせにギャーギャー騒ぎやがって……)
男(俺はこんな騒がれていい人間じゃねえんだよ)
男(ちゃんと歌わなかった……クズなんだよ!)
ファンA「男さーん!」
ファンB「今日の歌も最高でした!」
警備員「下がって下がって! ほら、押さない! 押さないで!」
キャーキャーッ! コッチムイテー! カックイー!
男「……」
男(どいつもこいつも……俺のことなんかなんも分かってねえくせにギャーギャー騒ぎやがって……)
男(俺はこんな騒がれていい人間じゃねえんだよ)
男(ちゃんと歌わなかった……クズなんだよ!)
24:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:56:34.240 :fXh8MW8N00202.net
売れれば売れるほど男は荒んでいき、次第に騒動を起こすようになっていった。
『ライブをドタキャン!』
『ファンに冷淡な態度……渡された花束を手ではたく……』
『大物司会者に“おっさんは風呂場で歌ってろ”と暴言!』
『動画サイトに数分間無言のままの動画を配信……奇行のワケは……!?』
『酔っ払ってセクハラ! 示談金は……』
売れれば売れるほど男は荒んでいき、次第に騒動を起こすようになっていった。
『ライブをドタキャン!』
『ファンに冷淡な態度……渡された花束を手ではたく……』
『大物司会者に“おっさんは風呂場で歌ってろ”と暴言!』
『動画サイトに数分間無言のままの動画を配信……奇行のワケは……!?』
『酔っ払ってセクハラ! 示談金は……』
25:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 19:59:23.068 :fXh8MW8N00202.net
社長「……」
男「……」
社長「どうしたというんだ。いくら君に実力と実績があろうと、これ以上はかばい切れんぞ」
男「なら、かばわなくていいですよ」
社長「なに?」
男「俺は歌手辞めます。あんたとの縁もここまでだ」
社長「辞めてどうするというんだ」
男「さぁ? テキトーに生きていきますよ」
社長「……」
社長「……」
男「……」
社長「どうしたというんだ。いくら君に実力と実績があろうと、これ以上はかばい切れんぞ」
男「なら、かばわなくていいですよ」
社長「なに?」
男「俺は歌手辞めます。あんたとの縁もここまでだ」
社長「辞めてどうするというんだ」
男「さぁ? テキトーに生きていきますよ」
社長「……」
27:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:04:38 :fXh8MW8N00202.net
男「ウ~イ……。俺なんてどーなったって……」ヨロヨロ…
ドンッ!
チンピラ「ってーな……気をつけろ!(こいつ、どこかで見たような……)」
男「うるせえ、チンピラが!」
チンピラ「あ!?」
男「気をつけるのはお前だろ! ちゃんと前見て歩けや、このボケが!」
チンピラ「てめえ、なめてんじゃねえぞ!」
男「ウ~イ……。俺なんてどーなったって……」ヨロヨロ…
ドンッ!
チンピラ「ってーな……気をつけろ!(こいつ、どこかで見たような……)」
男「うるせえ、チンピラが!」
チンピラ「あ!?」
男「気をつけるのはお前だろ! ちゃんと前見て歩けや、このボケが!」
チンピラ「てめえ、なめてんじゃねえぞ!」
28:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:06:55 :fXh8MW8N00202.net
バキィッ!
男「うぐっ!」ドザッ
チンピラ「ケッ、この酔っ払いが!」ペッ
男「……」
男「もう、どうでもいい……」
男「どんだけ歌おうが、どんだけファンがつこうが、もう償えない……」
男「あの時ちゃんと歌わなかった時点で……俺は終わってたんだ……」
バキィッ!
男「うぐっ!」ドザッ
チンピラ「ケッ、この酔っ払いが!」ペッ
男「……」
男「もう、どうでもいい……」
男「どんだけ歌おうが、どんだけファンがつこうが、もう償えない……」
男「あの時ちゃんと歌わなかった時点で……俺は終わってたんだ……」
30:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:09:33.200 :fXh8MW8N00202.net
男「このまま……野垂れ死にしよう……」
「ちゃんと歌いなさいよ」
男「……え?」
男「このまま……野垂れ死にしよう……」
「ちゃんと歌いなさいよ」
男「……え?」
33:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:12:20.089 :fXh8MW8N00202.net
女「なんでこんなとこで寝ちゃってるの」
男「君は……?」
女「覚えてない? ほら、合唱コンクールの練習で、よくあなたを注意してた……」
男「え!? まさか……なんで君がこんなところに……!」
女「ま、いいからいいから。って怪我してるじゃない。大丈夫?」
男「ああ、大丈夫……立てるよ」
女「なんでこんなとこで寝ちゃってるの」
男「君は……?」
女「覚えてない? ほら、合唱コンクールの練習で、よくあなたを注意してた……」
男「え!? まさか……なんで君がこんなところに……!」
女「ま、いいからいいから。って怪我してるじゃない。大丈夫?」
男「ああ、大丈夫……立てるよ」
34:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:15:27.809 :fXh8MW8N00202.net
バーに入った二人。
女「しっかし、驚きだよねー。昔の同級生がスーパースターになってるんだもん」
女「最初は分からなかったわ」
男「……あれから、どうしてたんだ?」
女「どうしてたって?」
男「ほら、転校してから……」
女「んー、普通に勉強して、進学して、就職して……今は結婚して一児の母やってます!」
男「そっか、結婚してたのか。おめでとう」
女「ありがとう」
バーに入った二人。
女「しっかし、驚きだよねー。昔の同級生がスーパースターになってるんだもん」
女「最初は分からなかったわ」
男「……あれから、どうしてたんだ?」
女「どうしてたって?」
男「ほら、転校してから……」
女「んー、普通に勉強して、進学して、就職して……今は結婚して一児の母やってます!」
男「そっか、結婚してたのか。おめでとう」
女「ありがとう」
36:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:17:53.972 :fXh8MW8N00202.net
男「あの時は本当にごめん……」
女「なにが?」
男「俺が君に反発したことがきっかけで、イジメみたいなことが起きちゃって……」
女「ああ、あんなの全然気にしないで!」
女「今思えば、私だってギャーギャーやかましかったしね。あれじゃ煙たがられるのもムリないって!」
女「もっとも今でも、子供にはちゃんと勉強しろ、パート先ではちゃんと仕事しろ、とうるさいけど」フフッ
男「ハハハ、君らしいや」
男「あの時は本当にごめん……」
女「なにが?」
男「俺が君に反発したことがきっかけで、イジメみたいなことが起きちゃって……」
女「ああ、あんなの全然気にしないで!」
女「今思えば、私だってギャーギャーやかましかったしね。あれじゃ煙たがられるのもムリないって!」
女「もっとも今でも、子供にはちゃんと勉強しろ、パート先ではちゃんと仕事しろ、とうるさいけど」フフッ
男「ハハハ、君らしいや」
38:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:20:34.488 :fXh8MW8N00202.net
女「えーっ! 私のこと好きだったの!?」
男「ああ、だから俺は君に反発してたんだ。子供特有の、好きだからいじめるってやつ」
女「惜しいことしたわー、もっと早く知ってれば日本一の歌手が夫になったのに」
男「日本一の歌手が、日本一の夫になれるとは限らないけどな」
男「君は今の旦那さんに出会えてよかったんだよ。あらためて祝福するよ」
女「どうもどうも」
男「だけど、今は主婦やってる君が、どうして夜に一人で……?」
女「……」
女「えーっ! 私のこと好きだったの!?」
男「ああ、だから俺は君に反発してたんだ。子供特有の、好きだからいじめるってやつ」
女「惜しいことしたわー、もっと早く知ってれば日本一の歌手が夫になったのに」
男「日本一の歌手が、日本一の夫になれるとは限らないけどな」
男「君は今の旦那さんに出会えてよかったんだよ。あらためて祝福するよ」
女「どうもどうも」
男「だけど、今は主婦やってる君が、どうして夜に一人で……?」
女「……」
40:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:24:24 :fXh8MW8N00202.net
女「実は、今日私とあなたが会ったのは偶然じゃないの」
男「え?」
女「あなたの過去を調べた社長さんが、私に連絡をくれて、わざわざ家まで頼みに来たのよ」
女「“彼を立ち直らせられるのは、恐らくあなただけだ”って」
男「社長が……!」
男「……ふん、あの人は金儲けの道具を手放したくなかっただけだろう」
女「ううん、違うわ。あの人はもう、あなたが自分の手を離れてもいいっていってた」
女「だけど、歌は辞めて欲しくないって……自分もファンだからって……」
女「私だって、あの社長さんがいい人だと判断したからこそ、その頼みに応じたのよ」
女「お金だって一円ももらってないしね」
男「……」
女「実は、今日私とあなたが会ったのは偶然じゃないの」
男「え?」
女「あなたの過去を調べた社長さんが、私に連絡をくれて、わざわざ家まで頼みに来たのよ」
女「“彼を立ち直らせられるのは、恐らくあなただけだ”って」
男「社長が……!」
男「……ふん、あの人は金儲けの道具を手放したくなかっただけだろう」
女「ううん、違うわ。あの人はもう、あなたが自分の手を離れてもいいっていってた」
女「だけど、歌は辞めて欲しくないって……自分もファンだからって……」
女「私だって、あの社長さんがいい人だと判断したからこそ、その頼みに応じたのよ」
女「お金だって一円ももらってないしね」
男「……」
42:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:27:10 :fXh8MW8N00202.net
男「だけど、いいのか? 旦那さんもお子さんもいる身で、こうやって俺と飲んで……」
女「ウチの旦那、私以上にあなたのファンだから。その点は問題なし」
女「給料日にはあなたのグッズ買って……しょっちゅう喧嘩してるわよ」
女「今日だって正直にあなたに会いに行くことを伝えたら、私が浮気する心配なんか一切せず」
女「サインもらってきてくれ、ってうるさかったのよ。やんなっちゃう」
男「サインなんかでよければいくらでもするよ」
女「ありがと~!」
男「だけど、いいのか? 旦那さんもお子さんもいる身で、こうやって俺と飲んで……」
女「ウチの旦那、私以上にあなたのファンだから。その点は問題なし」
女「給料日にはあなたのグッズ買って……しょっちゅう喧嘩してるわよ」
女「今日だって正直にあなたに会いに行くことを伝えたら、私が浮気する心配なんか一切せず」
女「サインもらってきてくれ、ってうるさかったのよ。やんなっちゃう」
男「サインなんかでよければいくらでもするよ」
女「ありがと~!」
44:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:30:09 :fXh8MW8N00202.net
女「……ちゃんと歌ってよ」
男「!」
女「色々と騒ぎ起こしちゃったけどさ。それでもまだあなたを待ってる人が大勢いるんだから」
女「私だってあなたを待ってるんだから」
男「……」
男「ああ、俺……ようやくちゃんと歌える気がする」
男「俺……歌うよ!」
女「……ちゃんと歌ってよ」
男「!」
女「色々と騒ぎ起こしちゃったけどさ。それでもまだあなたを待ってる人が大勢いるんだから」
女「私だってあなたを待ってるんだから」
男「……」
男「ああ、俺……ようやくちゃんと歌える気がする」
男「俺……歌うよ!」
47:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:34:32 :fXh8MW8N00202.net
ワァァァ… ワァァァァ…
男「ファンのみんな!」
男「このところ色々とお騒がせして、本当に申し訳なかった!」
男「だけど俺はもう大丈夫!」
男「今日からは心機一転、これまでのことを反省して……ちゃんと歌わせてもらう!」
男「それじゃ、一曲目からいってみよう!」
ワァァァァ……!!!
ワァァァ… ワァァァァ…
男「ファンのみんな!」
男「このところ色々とお騒がせして、本当に申し訳なかった!」
男「だけど俺はもう大丈夫!」
男「今日からは心機一転、これまでのことを反省して……ちゃんと歌わせてもらう!」
男「それじゃ、一曲目からいってみよう!」
ワァァァァ……!!!
50:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:38:33.646 :fXh8MW8N00202.net
~♪ ~♪ ~♪ ~♪ ~♪ ~♪
ワーワーッ! キャーキャーッ!
子供「かっこいいー!」
夫「うおおおおおおおっ! まさか復活してくれるなんて! 復活を生で見れるなんて!」
夫「しかも歌唱力さらに上がってないか!? 俺もう死んでもいいかもぉぉぉぉぉ!!!」
女「はぁ……死ぬんならちゃんと保険金おりる死に方してよね」
女「……」
女(男君……ちゃんと歌えるようになったじゃない)
~おわり~
~♪ ~♪ ~♪ ~♪ ~♪ ~♪
ワーワーッ! キャーキャーッ!
子供「かっこいいー!」
夫「うおおおおおおおっ! まさか復活してくれるなんて! 復活を生で見れるなんて!」
夫「しかも歌唱力さらに上がってないか!? 俺もう死んでもいいかもぉぉぉぉぉ!!!」
女「はぁ……死ぬんならちゃんと保険金おりる死に方してよね」
女「……」
女(男君……ちゃんと歌えるようになったじゃない)
~おわり~
52:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:45:54.113 :e4MVFtHpr0202.net
乙
ちゃんと歌えてよかったな
ちゃんと歌えてよかったな
53:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2020/02/02(日) 20:54:07.905 :CKB5uD4g00202.net
良かった乙
コメント