ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ベジータ「ほう……なかなかのスピードだ」

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ベジータ「……」

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ベジータ「なあ、ナッパ。少し手伝ってやろうか？」

ナッパ「いや、素人は手出ししないでくれ。足手まといになる」ｻｯｻｯ

ベジータ「す、すまん」

ナッパ「……」ｻｯｻｯ

ベジータ「……」

ナッパ「終わったぜ」

ベジータ「やるじゃないか」

ベジータ「ところで、メスのヒヨコは卵を産むよう育てられるが、オスはどうなるんだ？」

ナッパ「決まってるだろ」ｸﾝｯ

ズワオッ！！！

ベジータ「フッ、使えない奴は殺処分ってわけか」

ナッパ「苦しまないようにしてやるのが、せめてもの慈悲ってもんだ」

ベジータ「クックック、それでこそサイヤ人だ」

ナッパ「……」

ベジータ（む、ナッパの目にうっすらと光るものが……？）

ﾋﾟﾖﾋﾟﾖ…

ベジータ「こいつらは宇宙中の養鶏場に送られるってわけか」

ナッパ「ああ、これが結構いい稼ぎになる」

ベジータ「……」

ベジータ「これだけいるんだ。俺も一匹もらっていいか？」

ナッパ「いいぜ、好きなのを選んでくれ」

ベジータ「よし……じゃあ、こいつにするか」

ひよこ「ﾋﾟﾖﾋﾟﾖ」

ベジータ「ほう、なかなか可愛いもんだ」

ひよこ「ﾋﾟﾖﾋﾟﾖﾋﾟﾖ」

ベジータ「クックック、超エリートに育ててもらえることを幸運に思うがいい」

ひよこ「ﾋﾟﾖ!」

ベジータ「こいつはいいニワトリになりそうだぜ」ﾆﾔｯ

ベジータ「ほら、餌だ」ﾊﾟｯﾊﾟｯ

ひよこ「ﾋﾟｨﾋﾟｨ」

ベジータ「いいぞ、たっぷり食え。たっぷり食って、このベジータ様に卵を産むんだ」

ひよこ「ﾋﾟﾖ!」

ベジータ「ハーッハッハッハッハッハ！！！」

ひよこ「ﾋﾟﾖﾖﾖﾖﾖ!」

ベジータ「餌だぞー」ﾊﾟｯﾊﾟｯ

ニワトリ「ｺｯｺｯ…」

ベジータ「貴様もだいぶでかくなってきたな」

ニワトリ「ｺｯｺｯｺｯｺｯｺｯ…」

ベジータ「この分なら、卵を産む日も近そうだな」

ベジータ「……む？」

ニワトリ「ｺｹ…」

ベジータ（様子がおかしい。これはまさか……！）

ニワトリ「……」ﾌﾙﾌﾙ…

ベジータ「落ちつけ……！　冷静になるんだ！　焦るんじゃない！　ゆっくりと力みやがれ！」

ニワトリ「……」ﾌﾙﾌﾙﾌﾙ…

ﾌﾟﾘｯ

ベジータ「卵だ！」

ニワトリ「ｺｹｰｯ!」

ベジータ「よくやったぞ……！」ｶﾞｼｯ

ニワトリ「ｺｹｯ!」

ベジータ「お前は全宇宙でナンバーワンのニワトリだ！」

ニワトリ「ｺｯｺｯｺｯ…」

ベジータ「ハーッハッハッハッハッハ！！！」

ニワトリ「ｺｰｯｺｯｺｯｺｯｺｯｺ!!!」

ベジータ（さっそくスカウターで……）ﾋﾟｯ

ベジータ「おい、ナッパ、ラディッツ」

ナッパ『おう、ベジータか』

ラディッツ『どうした？』

ベジータ「今すぐ俺のところに来い」

ベジータ「宇宙一の卵焼きを食わせてやる！」

ベジータ「クックック……ベジータ様のお料理地獄開幕といこうか」

ベジータ「といた卵をフライパンに入れるぞ！　喰らいやがれ！」

ｼﾞｭｩｩｩｩｩ…

ベジータ「よしよし、よく焼き上がってきやがったぜ……」

ベジータ「ここでひっくり返す！」ｻｯ

ﾍﾞﾘｯ

ベジータ「くそったれーっ！！！」

ベジータ「……」ﾜﾅﾜﾅ

ベジータ（俺ともあろう者が……卵がフライパンに焦げついて破れてしまっただと……！）

ベジータ（あの美しかった白身と黄身が……汚いボロクズに……！）

ベジータ（こうなったら仕方ない……！）

ベジータ「はじけて混ざれ！」

ｸﾞｼｬｸﾞｼｬｸﾞｼｬｯ　ｸﾞｼｬｸﾞｼｬｸﾞｼｬｯ

ベジータ「待たせたな」

ｺﾄｯ

ラディッツ「おっ、うまそうなスクランブルエッグじゃねえか！」

ナッパ「……？」

ナッパ「さっきの通信じゃ、卵焼き作るっていってたけど……」

ベジータ「ナッパ待ていっ！！！」

ベジータ「そのことに……触れるんじゃない」

ナッパ「いや、だけどさっきはたしかに卵焼きって――」

ベジータ「ナッパ！　俺のいうことが聞けんのか！！！」

ナッパ「！？」ﾋﾞｸｯ

ナッパ「す、すまねえ……。つい調子に乗っちまって……」

ラディッツ「細かいことは気にしないで、スクランブルエッグを食おうじゃないか」

ベジータ「そう、それでいいんだ」

ラディッツ「……」ﾊﾟｸｯ

ナッパ「……」ﾓｸﾞｯ

ベジータ「どうだ？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ラディッツ「こりゃうまいぜ！　俺はこんぐらい焦げてる方が好きなんだ！」

ナッパ「ああ……ホクホクしてて、味付けもバッチリだ！」

ベジータ「そ、そうか！」

ベジータ「やったな！　貴様のおかげだ！」

ニワトリ「ｺｯｺｯｺｯ…」

ナッパ「ベジータ、お前も食えよ」

ベジータ「ああ」ﾊﾟｸｯ

ベジータ「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ベジータ「我ながら、ナイスクッキングだ……」

ラディッツ「この調子で、これからも色んな星を侵略していこうぜ！」

ナッパ「おう。だけどお前はもう少ししっかりしろよ、ラディッツ」

ベジータ「そして……」

ベジータ「いつかフリーザの野郎もこの卵のように食ってやる！」ﾊﾞｸﾊﾞｸ






おわり