翌日

みほ「やっぱり気になる・・・・」

みほ「疑問点をノートにまとめてみよう」

・どれくらいの高さだったら死ぬのか？

・声は出るのか？

・骨はどうなるのか？


・・・


みほ「うーん、この中で最も気になる項目は・・・」

・屋上から飛び降りたら本当に死ぬのか？

みほ「これだね」

みほ「問題は誰を実験に使うかだよね・・・」

みほ「やっぱり・・・自分？いやいや、好奇心で自分の命を犠牲にするなんて・・・」

みほ「ここはやっぱり他人を使おう」

みほ「でも誰にしよう」

みほ「できれば死んで悲しむ人が少ない方がいいよね」

みほ「・・・」

みほ「河嶋先輩だ」

みほ「あ、ごめんね皆。今日は先に帰ってて！」

沙織「え？　どうしたの？」

華「なにか用事ですか？」

みほ「うん、そんなとこ。じゃあね！」

優花里「なんでしょう？」


みほ「すいませ～ん！」

杏「ん？　西住ちゃんじゃん。どしたの？」

柚子「忘れ物？　それとも伝達事項？」

みほ「あ、いえそんなのじゃないんですけど……」

桃「どうした？」

みほ「ちょっと、河嶋先輩にお話が」

桃「私にか？」

杏「珍しいねぇ」

桃「それで西住、話とはなんだ？」

みほ「はい。実は、これは河嶋先輩にしか話せないことでして……」

桃「ほう、言ってみろ。」

みほ「・・・」ｽｯ

桃「うっ！な、何だ！」

桃「ぐっ・・・うっ・・・」

桃「・・・」

みほ「これでよし」

みほ「よいしょ・・・」

みほ（ここまで来たんだ・・・実行しないと・・・あとで気付かれでもしたら・・・）

みほ（それに相手はみんなの嫌われ者だし・・・いなくなった方が世のためだよ）

ｽｯ...

ﾊﾟｧﾝ!!!

みほ「動かなくなった・・・」

みほ「・・・ここからじゃよくわかんないな・・・」

ﾀｯﾀｯﾀｯ


みほ「・・・ずっと動いてない・・・」

みほ「体は・・・冷たい」

みほ「・・・死んでるんだ」ﾆｺ

次の日

教室

ｶﾞﾔｶﾞﾔ

沙織「ねえ聞いた！河嶋先輩が飛び降り自殺だって・・・」

華「何か思い詰める事でもあったんでしょうか・・・」

みほ（河嶋先輩の話題で持ち切りになってる・・・）

沙織「ねえみぽりん！河嶋先輩はなんで自殺したんだと思う？」

みほ「え？うーん・・・まず家が凄く貧乏だし・・・それに進学も厳しいとなると・・・それにAO入試のためにみんなが・・・」

沙織「そういう事なのかなぁ・・・」

一週間後

みほ（確かに屋上から人が落ちると死ぬって事はわかった）

みほ（でも・・・）

みほ（ひょっとしてあの時意識を失ってたから死んだんじゃ？）

みほ（意識を失ってなかったら死んでなかったかもしれない・・・？）

みほ（・・・）

みほ（また検証してみるか・・・）

みほ（まだ嫌われ者はたくさんいる）

みほ（あと2,3人は突き落としても誰も困らないよ）

次の日

放課後

みほ「丸山さん丸山さん！」

紗希「？」

みほ「今日ちょっと話したいことがあるから・・・屋上に来て」

屋上

紗希「・・・」

紗希「？」

ｽｯ

ﾄﾞｺﾞｫ!

紗希「！？？」

紗季「うっ、うぅ・・・」

みほ（よし、今だ！）

ｽｯ...

ﾊﾟｧﾝ!!

みほ「・・・やっぱり、また死んでる」

みほ（今度は頭が割れて脳味噌が飛び出してる）

みほ（確実に死んでるな・・・）

数日後

みほ（・・・・今度はバットで殴ったのが原因かもしれない・・・）

みほ（また試さないと・・・・）

教室

みほ「猫田さん！ちょっと話があるんだけど」

ねこにゃー「うんにゃ？」

みほ（今度は気絶させて手足を縛って起きるのを待ってから落とそう）

ﾊﾟｧﾝ!!

みほ「・・・また、死んだ」

みほ「やっぱり死ぬんだな・・・」

みほ（今度こそは満足できる）

数日後

みほ（あれはたまたまかも・・・）

みほ（本当は死なないのかもしれない・・・）

みほ（人間がそう簡単に死ぬはずがない・・・）

みほ（また実験がしたい・・・）

みほ（でも流石に3度も自殺が続いたら学校側も黙ってない）

みほ（屋上は封鎖されてるし）

みほ（夜中学校に忍び込んででも実験したい・・・）

翌日

みほ（うーん、流石にみんな怯えて話に乗ってこないよ・・・）

みほ（どうしよう・・・）

みほ（・・・そうだ、仲のいい友達を・・・）

夜中

みほ「優花里さん・・・相談があるの、悪いけど聞いてくれない？」

優花里「はい！西住殿のご相談なら！」


公園

みほ（・・・ここで気絶させて学校に忍び込んで目が覚めた時に落とす・・・）

みほ（よし、完璧な作戦だ）

優花里「相談ってなんですか？西住殿」

みほ「うん、実はね・・・」ｽｯ

優花里「な、何ですか！？」

優花里「うぅ・・・ぐっ・・・」

優花里「・・・」

みほ（これでよし）

屋上

みほ「ふー、ここまで運ぶの大変だったなぁ・・・」

優花里「・・・・！？」

優花里「こ、ここは・・・屋上？」

みほ「よし、あとはここから突き落とすだけ・・・」

みほ「よいしょっと・・・」

優花里「に、西住殿、何をするんですか！？」

優花里「ま、まさかここから・・・」

優花里「やめてください！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀｼﾞﾀﾊﾞﾀ

みほ「あ、ちょっと、暴れないで！！」

ﾄﾞｶｯ

みほ「ああ！！」

優花里「はぁ、はぁ、誰かー！！！」

みほ（まずい、逃げられる！！）

みほ（・・・待って）

みほ（そうだ）

みほ（自分で飛び降りればいいんだ・・・）

みほ（やっぱり他人が飛び降りてるのを見ただけじゃわからない）

みほ（自分でやらないと・・・）

みほ「あは、あはは・・・」

ｽｯ

みほ（ああ、これで、わかる、全てが・・・）

ﾋｭｩｩｩｩ-

翌日

沙織「みぽりんがあの3人を殺したなんて・・・なんでそんなこと・・・」

華「まさか、あのみほさんが・・・」

優花里「はい・・・自分でも信じられません」

麻子「家に日記が残ってたらしいな、『実験ノート』という題の」

華「最後、みほさん自身が飛び降りる瞬間のことが記されていたそうですが・・・」

沙織「みぽりんは今行方不明だって・・・」

優花里「警察が捜索隊を組んで探してるみたいですけど全く見つからないそうです」

沙織「どこにいるんだろうね・・・」