後輩「……まだ事の重大さが分かっていないようですね…。」

後輩「このこと、ほかの人に言ったっていいんですからね。友達とか先生とか、親にだって……このままだと、警察沙汰にだってなるかも…。」

後輩「……謝ってください。しっかり頭を下げて、ごめんなさいと言ってください。」

後輩「…………はあぁ…っ。……ああ、そうですか…。先輩がどうしても罪を認めないと言うなら、もう報告するしかありませんね。」

後輩「そしたらもう、先輩は当然退学ですよ。それどころか、犯罪者です。一度大事になったら、示談なんてしませんよ。しっかり罪を償ってもらいますから。」

後輩「じゃ……そういうことで。証拠品として先輩のスマホは預かりますから。このあと写真を消されでもしたらたまりませんからね。」

後輩「……っ、痛いですっ。離してくださいっ。……つ、次は暴行ですか…？殴って言うことを聞かせようとでも…？」

後輩「野蛮です……最低ですね、先輩って…。……頼りになるひとだと、思ってたのに……こんなことするひとだったなんて……。」

後輩「いいからっ、離してくださいってばっ。大声出しますよ…！？ッ……離せって…ッ。」

後輩「…………ん……なんですか、これは……？」

後輩「…………うわぁ……っ…。」

後輩「……これ…………失くなってた私の靴下…。」

後輩「部活のとき、ロッカールームで失くしたと思ってたのに……もしかして、先輩が盗んでたんですか……？」

後輩「言い逃れはやめてください、現に先輩のバッグから出てきたじゃありませんか。私、今この目でハッキリと見ましたから。」

後輩「……これで……なにをしていたんですか……？いえ、やっぱり聞きたくありません。本ッ当に……おぞましい…っ。」

後輩「最低です……本当に、気持ち悪いです…。はあっ……なんっでこんな……気持ち悪い……ッ…。」

後輩「……でも……これで現行犯ですよね。写真だけじゃなくて、私の靴下まで先輩が持ってたって判明したんですから。」

後輩「……これでもう……言い逃れできませんね……先輩……？」

後輩「…………謝ってください。謝ってっ。そんな泣きそうな顔したって駄目です。今ここで土下座して、罪を認めてくださいっ。」

後輩「ッ……その言葉は聞き飽きましたっ！何度言えば気が済むんですかっ……そんなに私のこと怒らせたいですか…！？」

後輩「俺じゃない俺じゃないって……見苦しいんですよさっきから…っ。泣きそうな顔して、どうしてそう簡単に嘘がつけるんですか…！？信じられない…っ。」

後輩「……謝れ…。謝れよ……はやく私に謝りなさいよおっ！！気持ち悪いッ、最低っ、このクズ！！変態ッ！ぁああ気色悪い気色悪いっっ……死ねばいいのに…っ！」

後輩「…………？」

後輩「……ぁ……ああ……。」

後輩「……ははっ……そう……そうです、それでいいんですよ、先輩…。そうやって、膝を折り曲げて……私に謝るんです。」

後輩「ちゃんと手のひらを地面に揃えて……自分のしたことの罪の大きさに押しつぶされるようにして……私に頭を垂れるんです…。」

後輩「そして……ごめんなさい、自分が悪かったと……身勝手な欲求が溜まって、こんなことをしてしまったと……罪を認めるんです…。」

後輩「ふ……ふふ……！」

後輩「私は変態ですと……ちゃんと、言ってくださいね…。私のことを盗撮して、履いていた靴下まで盗んだんですから…。」

後輩「大丈夫……今は私しかここにいませんよ。情けない姿を見せるのは、私だけですから…。だから……さあ……はやく…。」

後輩「……っっ…。」

後輩「…っ……はあ…ぁぁ…ぁ……っっ……。」

後輩「……よく、言えましたね。ちゃんと謝ることができて、えらいですよ、先輩…。頑張りましたね……えらいえらい…。」

後輩「土下座なんてしたの、生まれて初めてだったんですよね…？本やドラマのなかでしか見たことないものを、まさか自分がやるとは思いませんでしたね…？」

後輩「うんうん……素敵でしたよ、先輩…。とっても格好よかったです…。……ふう…ぅ…ふう………あ……あまりに、素敵だったから……。」

後輩「今の…………ムービーで撮っちゃいましたぁぁ……ぁ…ぁ……。」

後輩「うふぅぅ…っくく……くっ……だ、だって……先輩ったら、あまりにかわいいんですもん…。」

後輩「身に覚えのないことなのに、どういうわけか盗撮写真なんてものがスマホにあって……いつのまにか靴下が、自分のバッグに入ってて…。」

後輩「ふくくっ…ぅ…ふ…………そりゃあ、やってないと言うしかありませんよねぇ…。どれだけ自分に不利な証拠だらけでも……やってないんですから…。」

後輩「あはっ…ぅくっ…く……！でも……認めちゃうんですねぇ……謝ってしまうんですねぇ……人って、やってないことでも、追い詰められたら……ぁあっ……土下座、しちゃうんだぁぁ……っ！」

後輩「あはぁぁ…っっ……かっわいいぃ……かわいいなぁぁ、先輩…っ…。ああっもう…っ、どうしてそんなにかわいいんですかぁ……！？」

後輩「今のムービー……絶対一生の宝物にします…っ。この先何十年経っても、ぅふ……毎日毎日見返して……先輩の土下座姿ぁぁ……見てぇ…ぁあああ～っっ……！！」

後輩「……はぁあ……？ふ、くっ……先輩、まだ気づいてないんですかぁ…？」

後輩「これ、全部私の自作自演です。先輩のこと、泣かせたくって……一生懸命考えたんですよ？」

後輩「盗撮写真も、私の方で用意したのを先輩のスマホに転送したものだし……靴下だって、さっき私がこっそり仕込んだものですし…。」

後輩「でも駄目ですねぇ……先輩、すぐ雰囲気に飲まれちゃうから…。写真だって、撮影日時なんかを見ればすぐ分かりそうなものですが。」

後輩「それに、普通ならもっと強気に出てもおかしくありませんよ。逆ギレするとか……だって、本当に先輩はやってないんですもの。」

後輩「でも……そんなこと、先輩にはできないんですよね…？だって先輩、優しいから……自分に自信がないから……。」

後輩「だからすぐ、自分のことなんて信用されないつて、諦めちゃう……無意識に私と自分の社会的信用を比較して、負けてしまう…。」

後輩「その惨めな癖、なおしたほうがいいですよ？もっとも……私が先輩の気に入ってる部分でもあるんですが……っくく……っ。」

後輩「……さて……それじゃあせっかく誤解も解けたところですし……ねえ、先輩。」

後輩「そのままズボン脱いで、そこで私の靴下嗅ぎながらオナニーしてくださいよ。」

後輩「さっき私の仕込んだやつ、あるじゃありませんか。それそのまま先輩にあげますから……ああそれとも、今履いてるやつがいいですか？」

後輩「…………はあ？ふ、ふっ……ふふ……あの……先輩、何言ってるんですか…？まだ、なんにも終わってませんよ？」

後輩「今ここでタネ明かしをしたのは、あくまで私と先輩の間だけでのこと。これから先輩をどうするかまでは、何も決めていませんが？」

後輩「…………へえ……。さっき私に土下座までしたくせに、急に気が大きくなりましたね…？」

後輩「言っとくけど……先輩、墓穴掘ったんですよ…？あんな情けない姿晒して、挙句私に動画まで撮られてしまって…。」

後輩「…………先輩のスマホに残った、私の盗撮写真の残ったこのカメラロール……今、スクショ撮って私のスマホに送っときました。」

後輩「それに、こうして先輩のスマホは私が持ったままですし……どうすることもできるじゃありませんか。ねえ？」

後輩「このスクショと、先輩のスマホと、さっきの土下座動画……これ全部晒したらどうなりますかね…？」

後輩「……後輩の盗撮をしていた変態男の犯行その後輩にバレて、土下座して謝る一部始終が、ぜーんぶ揃ってるんですよ、今。」

後輩「ねえ……ねえ、先輩……楽しくありません……？」

後輩「……さっき言った先輩の悪癖……あれ、すっごい惨めですけど役に立ちますよね。」

後輩「だって変態行為をしていた先輩と、盗撮の被害に遭っていた私……どっちを信用するかなんて、火を見るより明らかですもんね？」

後輩「そう……真実はどうあれ、ほかの人たちがそれを信じるかどうかはまた別の話……一体みんなはどっちの肩を持ちますかねぇ…？」

後輩「大人はともかく、生徒たちはこの手のゴシップ大好きですし？事が事ですし……あーっという間に拡散しちゃいますよ…。」

後輩「それで尾ヒレがたくさんついて、あることないことたーっくさん書かれて……先輩の家とか、特定されちゃったりして……！」

後輩「ふ…ふぅ…ふぅ…ふ、ふ……！！ねえ…………先輩が今とるべき行動って、もうあんまり選択肢ありませんよ…。言わなくても、分かりますよね…？」

後輩「…………してよ……オナニー。そこで。それでその動画、撮らせてくださいよ。」

後輩「そうしてまた私に弱み握られてぇ、それでまたどんどんどんどん泥沼にハマっていってぇぇ……溺れて、死んじゃってくださいよぉ……先輩ぃい～っっ……！！」

後輩「大丈夫……愛してあげますから…。私の機嫌がいいうちは、先輩のこと、大好きでいてあげますから……ぅふ……ふふぅ…！」

後輩「な……泣いたところでどうにかなるわけないじゃないですかあ…っ。もう諦めてよ……人生人質にされてるんですから……もう、死ぬ気で私に媚を売るしか、ないでしょ……！？」

後輩「だから……ほら、まずはズボン脱いで……おちんちん出しましょ？じゃないと…………」

後輩「……先輩の人生……狂って終わらせちゃいますよ……？」

みたいなのどうかな