フネ「いい加減にしてくださいっ！バカはあなたです！」

バチーン

波平「亭主に向かってその口の利き方はなんだぁ！えぇいけしらかん！」

サザエ「ちょっと暴力はダメでしょ！お父さん！」

マスオ「悪いのはお母さんじゃないか！？口で言ってわからないなら力で分からせるしかないじゃないかぁ！？」

サザエ「そんなの間違ってるわ！」

マスオ「そう言い切れるかい？君だってカツオくんに似たような行動をしてるじゃないか！自分のことは棚に上げる
まったく典型的な女性で嫌になるよ」

サザエ「まぁっ！あんまりだわ！もういいわ！」

波平「正論を言われるとすぐにそうやって逃げ出す まったく今どきの若い者は…」

ワカメ「ちょっと喧嘩はやめてよ！仲良くしてよ！」

波平「ワカメ あっちへ行ってなさい！」

ワカメ「やだよ！喧嘩なんて！」

波平「いい加減にせんかあああああ！泣いて解決するのは２歳までだ！そんな子に躾けた覚えはない！」

カツオ「あんまりだよ！ワカメにあたることないじゃないかぁ！ひどすぎるよ！」

波平「なにぃ！？カツオ！なんだその反抗的な態度は！？こっちへきなさい！」

カツオ「やだよ！どうせ暴力するんでしょ！？」

波平「暴力だと！？これは愛の鞭だ！それがわからぬというのか？」

ワカメ「やめてよ…」

波平「えぇぇい！二人とも倉庫に１２時間入っていなさい！そこで反省するがよい！」

タラオ「おじいちゃん～そんなに怒ってどうしたですかぁ～」

波平「タラちゃん 今家族で大事な話をしてるんだよ～ちょっとあっちで待っててもらえるかな～？」

タラオ「僕も家族ですぅ～だから混ぜてくださ～い」

波平「タラちゃん　もう一度しか言わんぞ あっちへ行ってなさい！」

タラオ「なんかおじいちゃん 怖いですぅ～優しいおじいちゃんに戻ってくぅださぁ～い」

波平「サザエ！タラちゃんを寝室へ戻しなさいぁああああああああい！」

タラオ「うわあああああああああ！おじいちゃんが怒鳴ったですぅぅぅぅぅ！もう嫌いですぅぅぅぅ」

波平「今なんといった！？ワシを嫌いだと！？散々かわいがってやったのに！恩知らずな子供だ！」

バチーン

タラオ「いたいですぅ いたいですぅ」

サザエ「ちょっと子供相手にやりすぎよ！」

マスオ「…僕たちが悪いんだ！タラちゃんだけを怒らず 甘やかした僕らに代わってお父さんは躾けしてくれているんだ！文句を言ったらだめだ！」

倉庫

ワカメ「お兄ちゃん さすがに寒いよ…パンツ一本で倉庫に閉じ込めるなんてお父さんはおかしいわ」

カツオ「なぁワカメ…なんか僕、ちんちんがムズムズしてきたよ～冬だからかな？」

ワカメ「まぁ！こんな時に下品ね！」

カツオ「よくわからないけど なんかおしっこみたいなのが出そうだよ！」

ワカメ「おもらししないでよ！」

カツオ「うぅ…出る」

ドピュ！

ワカメ「ちょっと何よこれ！おしっこじゃないじゃない！？」

カツオ「なんかすごく気持ちいよ！」

ワカメ「やだ！なんかイカ臭くなってきたわ！こんなところ耐えられないわ！」

翌日

波平「反省したか？二人とも」

ワカメ「もう出してくれるの！？」

波平「馬鹿者！妹の裸を見て射精するやつがおるかぁ！？ええーい！カツオ、お前は精神に異常がある！わしが直してやるからこっちへきなさい！」

カツオ「ちょっと意味がわらかないよ！？射精ってなんだよ！？僕はおもらししただけだよ！」

波平「マスオくん！木刀を持ってきてくれ！」

マスオ「はい これです」

波平「その性根をワシが叩き直す！」

バチン　バチン　バチン　バチン　バチン

カツオ「やめてよ！父さん！痛いよぉ！これ虐待じゃないか！？」

波平「馬鹿者！躾けに対して虐待だと！？そうか…この程度じゃ ワシの思いが伝わらんのだな」

カツオ「やめてよ！死んじゃうよ！」

波平「こうなったら ワシが直接 殴りつけてやる！まさに鉄拳制裁だ！」

ドン！ドン！ドン！ドン！

カツオ「」


タラオ「大変ですぅ～カツオお兄ちゃんの顔が土砂崩れしてるですぅ～！」

サザエ「父さん！やめて！本当にカツオが死んじゃうわ！」

波平「なぁにを言うか！この程度で死んだらワシの息子ではない！」

波平「それにいつ戦争が起きてもおかしくはないんだ！このくらいの痛み ワシらのころならとっくに経験しておった！」

波平「まったく今の若いのはすぐに弱音を吐く こんなことではご先祖様に顔向けできん！」

波平「さぁタラちゃん！次へこっちへきなさい！」

タラちゃん「いやですぅ～怖いですぅ」

波平「マスオくん！タラちゃんをこっちへ！」

マスオ「お願いします 甘ったれた根性を叩き直してください」

波平「いいか？タラちゃん三つ子の魂百までというんだ！だから今日の痛みを決して忘れてはならんぞ！」

カツオ「やめろおおおおおおおおおおおお！」

バリンッ

カツオ「はぁ…はぁ…」

ワカメ「お兄ちゃん！？」

タラオ「大変ですうううううううううう！カツオお兄ちゃんが盆栽でおじいちゃんを殴ったですぅぅぅ！」

マスオ「カツオくん！！！暴力はいけないよ！」

波平「や、やめてくれええええ！わ、わしが悪かったから殺さないでくれえええ！」

カツオ「父さん 僕は頭がおかしいんでしょ？精神異常なんでしょ？」

波平「実の親を！？血のつながった家族を殺すというのか！？その手で！」

カツオ「…本当は知ってたんだ僕…お父さんはもう自分で止め方がわからないんでしょ？」

カツオ「だから僕がやるしか！」

バーン

波平「」

フネ「カツオ…あんたがやることないよ…」

カツオ「お母さん！？どうして！？」

フネ「私が悪いのよ…私がこんな人を愛して、結婚したばかりにっ！」

マスオ「あぁ大変だ！お母さんがお父さんの頭を撃ち抜いた！」

フネ「いいかい？カツオ…どんな理不尽なことがあっても 絶対に暴力はいけないよ？
暴力じゃなくて心で立ち向かうんだよ？それでも無理な時はみんなの心で立ち向かうのよ」

サブロウ「…話はすべて聞かせてもらいました」

サブロウ「…実は僕、死体の処理なんかもしています」

サブロウ「もし良ければ それ僕が処理しましょうか？」

フネ「いいえ いいんです 罪は償います」

サブロウ「…そんなの逃げてるだけじゃないですか！？」

サブロウ「あなたはみんなを守りたかった！それだけじゃないですか！」

サブロウ「僕はみなさんの笑い声が大好きでした！僕が処理する代わりに
これからもずっと素敵な笑い声を聞かせてください！それが取引の条件です！」

裏のおじいちゃん「警察のほうには根回しをしておいたよ…ワシも磯野さんたちが
いなくなってはつまらないからねぇ」

いささか「私たち家族は何も見ていないし 何も聞いていない」

甚六「さぁいつも通り受験勉強しよう！」

カツオ「みんな…」

おしまい