ひろし「しんのすけ まずお前に足りないのは精神力だ！だから父ちゃんが空手を直々に教えてやる！」

みさえ「あなた、空手できたのね！」

ひろし「まずは組手からだ！」

それはとても空手と言えるものではなかった 一方的な正拳突き　それは暴力以外の何物でもない

しんのすけ「…父ちゃん痛いゾ…どうしてこんなことするんだ…」

みさえ「親に口答えするなんて…私の教育不足だったのね…」

みさえは泣きながら そして震えながら回し蹴りをする

ひろし「どうだ？しんのすけ！強くなったか？」

しんのすけ「…ただただ痛いゾ」

次の瞬間、みさえはしんのすけに全力ビンタをする

みさえ「今はお稽古中でしょ！師範には敬語よ！」

しんのすけ「…はぁはぁ…はぁはぁ…」

しんのすけはストレスのあまり過呼吸を起こした

ひろし「しんのすけは言葉遣いが悪いのは分かっていたがまさかここまでだとは思わなかった」

みさえ「あなた、どうする？」

ひろし「明日は少し早いが国語の勉強だ！」

翌日

ひろし「おい！しんのすけ！今日は国語の勉強だ！」

みさえ「まずはこの紙に自分の名前を書きなさい　いいわね？」

しんのすけはのはらしんのすけと紙に書く だが次の瞬間、ひろしは全力でビンタをする

ひろし「しんのすけ！誰がひらがなで書けと言ったんだ！？もしかしてわざとか？」

みさえ「しんのすけはひらがなだけど 苗字は漢字よ！おばかね！」

しんのすけ「おら…ようちえんじ…わかんないゾ」

ひろし「しんのすけ…しんのすけ…こんな父ちゃんを許してくれ…俺も辛いんだ」

みさえ「あなた…」

ひろし「俺が間違っていた…」

みさえ「あなただけのせいじゃないわ」

ひろし「お前は文系じゃなくて理系の大学を目指してるんだな！よし！
明日は数学の勉強だ！」

翌日

ひろし「さぁ～しんのすけ！中学二年生の数学ドリルを買ってきたぞ！解くんだ！」

みさえ「あなたなら少し早いけどできるわ！」

しんのすけ「…オラ、ようちえんじ…無理だゾ」

ひろし「しんのすけ！お前は将来、アクション仮面になるんだろう？」

みさえ「そうよ！アクション仮面はあきらめないわよ！」

しんのすけはアクション仮面になること以前に人生をあきらめていた
アクション仮面になることは不可能に近いが しんのすけにとって
普通に生きることはもうそれ以上に不可能だった

ひろし「しんのすけ！勉強中に寝ちゃダメだ！」

みさえ「やかんに熱湯を入れてきたわ」

ひろし「こういう体罰は好きじゃないがこれもしんのすけの未来のためだ！」

ジュワー　ジュワー

しんのすけ「あああああああああああああああああああああああああ！」

みさえ「こら！しんちゃん、夜は大声出しちゃダメでしょ！」

ひろし「近所迷惑だぞ！」

幼稚園

風間「しんのすけ…お前最近、元気ないな？何かあったか？」

しんのすけ「…オラ、つらいゾ」

マスオ「何かあったの？話してよ！」

ネネ「そうよ！言いなさいよ！」

ボーちゃん「しんちゃん 最近　オカシイ」

風間「そうだぞ！おかしいぞ前なら僕たちがいじめても抵抗してきたじゃないか！」

ネネ「それなのに最近はなにしたって無視じゃない！」

マスオ「もしかして…しんちゃん、僕たちのことが嫌いになった？」

風間「ひどいぞ！しんのすけ！友達だろ？僕たち？」

園長先生「しんのすけくん！？大丈夫かい！？どうしたんだ！そのあざ！？」

しんのすけ「父ちゃん…ごめんなさい　ごめんなさい　オラが悪いゾ」

園長先生「まさか！？しんのすけくん虐待されてるのかい！？」

しんのすけ「オラいっつも殴られて辛いゾ」

園長先生「…ごめんな しんのすけくん 気づいてあげられなくて！」

しんのすけ「それに風間くんたちもオラをいじめるんダ」

次の瞬間、園長先生はしんちゃんにジャーマンスープレックスをする

園長先生「しんのすけくん！どんなにつらいからって嘘はいけないよ！」

園長先生「なんで嘘をつくんだい！？風間くんたちとは仲良くしているじゃないか！」

園長先生「あ、熱くなってごめん…幻覚が見えているんだね…すべてが敵に見えるんだね」

しんのすけ「…みんなひどいゾ」

しんのすけ「みんないなくなればイイ…みんな…みんな」

しんのすけ「オラ…みんなと笑いたいダケ」

ななこ「しんちゃん！久しぶりね！」

しんのすけ「ななこおねぃさ～ん！久しぶりだぞ～」

ななこ「元気そうで安心したわ～」

しんのすけ「元気じゃないゾ オラはもう壊れたンだ」

ななこ「…そうしんちゃんも なのね」

しんのすけ「オラ、みんなと仲良くしたいんダ」

ななこ「それは無理なのよ…しんちゃん」

しんのすけ「ならもう痛いのヤダ」

ななこ「それがあなたの願いなのね…あの日には戻れない」

しんのすけ「オラ、タタカウ　理不尽なボウリョクと世界と」

ななこ「力を解放するわね…しんちゃん」

それから約８０年後

石原慎太郎「やはりですね…今の日本人というのは平和ボケしすぎているんだよね」

石原慎太郎「だって 戦争がない歴史はないんだよ？」

石原慎太郎「戦争は避けるべきものじゃない 備えるものだよ？」

石原慎太郎「戦わなければ 切り開けないものもあるんですよね…」

石原慎太郎「戦うことすべてを肯定するわけじゃないけどね…守るために
戦うこれもひとつの手段」

石原慎太郎「ってなんだねその顔は…君 私が気に入らないのかい？」

草刈正雄「石原さんね、考えが極端なんですよ！」

風間俊介「お二方ともヒートアップしていますが…番組もそろそろお時間ですので また来週！」

朝まで生テレビ

田原総一朗「えーっとですね 今日からクレヨンしんちゃんというね下品な
アニメ？が終わりまして 朝まで生テレビはこの時間に移動になりましてね」

石原慎太郎「僕もね、アニメってのは嫌いだけど 田原くんのそういうなんでも否定から
入るスタイルも嫌いなんだよ」

？？？「しんちゃん あなたは間違えてしまったのね…守るために 戦うために
権力を手にしたかったのね でももう一度だけあの時に戻せるわ」

石原慎太郎「戻るゾ あの時に」

ピカーーーーーーーーーーーーン

実況解説「さぁ次は４番の阿部慎之助！」

ななこ「サヨナラ しんちゃん　がんばって！」

おしまい

つづき

風間俊介「…なんでだ しんのすけ！お前はなぜ、何回転生を繰り返させても」

風間俊介「石原慎太郎か…阿部慎之助になるんだ？」

風間俊介「いや…でも待てよ？マサオくんは自分で草刈正雄を選択した！」

風間俊介「…見落としてた！僕は！」

風間俊介「なんで僕としんのすけとマサオくんだけなんだ？」

風間俊介「ボーちゃんとネネちゃんはなぜ？春日部防衛隊なのに
転生しないんだ？やはり…」

草刈正雄「気づいちゃったんだね 風間くん」

風間俊介「やはり君が黒幕だったんだな？」

草刈正雄「答えを教えてあげるよ 簡単なことさ」

草刈正雄「ネネちゃんみたいなクソアマを大塚寧々にするのなんて恐れ多いし
ストレスがたまるからそもそもネネちゃんの存在自体を消した」

風間俊介「じゃあボーちゃんは！？」

草刈正雄「本当は気づいてるんじゃないの…いや言いたくないだけかな？」

風間俊介「まさか…！」

草刈正雄「ボーちゃんはなんか気持ち悪いじゃん それだけだよ！ハハハ」

池畑慎之介(ピーター）「久しぶりだね 風間くん」

風間俊介「やはり僕の予想通りだ！君はそこに気づいたんだな！」

ピーター「うん！まぁね！」

風間俊介「すごいぞ！お前！」

ピーター「ただ問題があるんだ！たしかにこのピーターに転生したことで
オラはピーターの長所とも言える 誰にでも転生できる能力を得た」

風間俊介「じゃあ何が問題なんだ？ピーターの長所である 芸名と本名のふたつ
つまり 能人ならだれにでも転生できるようになる 完全なチート能力じゃないか」

ピーター「風間くんは大事なことを見落としてるゾ」

風間俊介「なんだよ？もったいぶるなよ」

ピーター「今のオラはおかまだゾ！」

風間俊介「！！！」

風間俊介「そうか…転生できるのは同じ性別だけだったもんな？今まで
僕は風間ゆみになろうとしても無理だった」

ピーター「それ今はおかまも認められつつあるんだよ」

風間俊介「そこが盲点だった」

ピーター「諦めるのは早いゾ マツコ・デラックスになれば風間くんを止められるかもしれない」

風間俊介「その根拠は？」

ピーター「単純なことだゾ オカマなら圧倒的に金持ちからも知名度もある
マツコになるのが賢明だゾ」

風間俊介「それはわかってる！」

ピーター「それにマツコはキムタクとも仲がいい 草刈正雄に近づくのは難しくないゾ」

風間俊介「妥当な選択だ！マサオくんの転生能力は残り１週間で切れる…ただ
逆を言えばもう一度転生されたら厄介だ…それこそ金正男になられたらね！」

ピーター「それが一番怖いゾ　金正男は死んだ それに転生されたら
すべてがおかしくなってしまう　つまりマサオくんのやりたい放題だゾ」

風間俊介「さぁいってきてくれ！しんのすけ！マツコになるんだ！」

ピカーーーーーーーーーン

すまん眠いから誤字が目立つ　風間くんを止めるじゃなくてマサオくんでした

楽屋

マツコ「ちょっと…吉永さ～ん 本当にきれいでびっくりしたわ～」

吉永小百合「…久しぶりね しんちゃん」

マツコ「！！！誰っ？」

吉永小百合「私よ！アクション幼稚園の！」

マツコ「まさかっ！？」

吉永小百合「正解！ダメよ！マサオくんの真似しちゃ♪」

マツコ「そ、そっち側につくのね！」

吉永小百合「当り前よ…それに草刈正雄と私が一緒にいてもな～んも怪しまれることはないわよ　ハハハ」

マツコ「おかしい…なんで苗字だけ同じの人物に転生できるんだ！」

吉永小百合「それは君のせいよ！」

マツコ「な、なにっ！？」

吉永小百合「君が最初に転生したのは石原慎太郎 それもおかしいじゃない？」

吉永小百合「でもね…今、苗字で転生できるのは私だけ あなたでも無理よ」

マツコ「なんでそう言い切れるのよ！」

吉永小百合「この力の持ち主はななこお姉さん…それは知ってるわよね？」

マツコ「えぇ…」

吉永小百合「つまり 力の創造主、設定も変えることも許される
だから君が石原慎太郎になるそのタイミングに私も吉永小百合になったのよ」

吉永小百合「そして藤崎奈々子に転生される前にもとのななこおねぇさんを消したのよ」

マツコ「でも転生すれば！」

吉永小百合「おばかね～相変わらず！転生するには転生する前に何かになりたいと
願うわよね？だからつまり 考える間もなく即死させたのよ」

マツコ「ひどいわ！そんなの！」

マツコ「だとするとおかしいじゃない！？ななこさんが死んだ時点でその力は消えるはずじゃない！」

吉永小百合「あらら気づいちゃった？」

猫ひろし「しんのすけ～頭がいいな～」

マツコ「父ちゃん！？」

吉永小百合「確かに一度は能力が消えたわ でも簡単なことだわ」

猫ひろし「まぁ～何と言うか奈々子さんとの間に俺は隠し子がいたんだ」

マツコ「そ、そんなありえない！いくらなんでもその子がいたとして力を引き継ぐだなんて！バカげてる！」

猫ひろし「さぁ～挨拶しなさい！」

薬師丸ひろ子「お兄ちゃん♪よろしくね」

猫ひろし「そう…俺の娘のひろ子だよ」

吉永小百合「つまり今、この世界で力の持ち主は薬師丸ひろ子だけ　ただね隠し子ということもあって
野原家のダメな遺伝子もあるようで設定を変える能力までは引き継げなかったのが難点よ」

猫ひろし「ひどいな～ははは～」

マツコ「あとおかしいことがあるゾ！なぜ風間くんは…風間くんは」

マツコ「苗字に変われるんだ？なぜ仲村トオルじゃなくて 風間俊介なんだ？」

風間俊介「それは…僕が協力者だからに決まってるじゃないか～」

マツコ「裏切ったのか！？どうして！？」

風間俊介「お前は所詮、実験台に過ぎない…でもいろいろといいことがわかった
貴重なサンプルもね　だから死んでくれ！しんのすけ！」

風間俊介「おっと…転生しようとしたって無駄だぞ？許可するわけないじゃないか
薬師丸ひろ子さんが」

桑田真澄「久しぶりね…しんのすけくん」

佐藤健「さぁいこう！しんのすけくん！すべてを変えるために最後の転生だ！」

しんのすけ(桑田真澄ということは上尾先生 佐藤健…誰だ？）

しんのすけ(わかったゾ！いろんな法則を無視して高倉文太→高倉健→佐藤健になったんだ！
つまり園長先生！）

しんのすけ「野原しんのすけに戻ってすべてに向き合ってみんなを救うゾ！」

ほんとうにほんとうにおしまい