ヴァルキリー「家から出ない場合はトラックが家に突っ込んできて死にます」

ワイ「んなアホなwこの部屋2階やぞ」

ヴァルキリー「ガソリンスタンドの爆発で吹っ飛んだトラックが飛んでくるんです」

ワイ「そんな偶然あるかい！そんなにワイを殺したいんか」

ヴァルキリー「あなたが死ぬのは定めなので別に私が殺したい訳ではありません」

ワイ「じゃあどこのガソスタか教えろや。注意入れとくから」

ヴァルキリー「…言えません」

ワイ「なんやお前！結局俺を死ぬように仕向けたいんか！」

ヴァルキリー「そうではありません。ただ…」

ワイ「なんや」

ヴァルキリー「貴方の死の運命は避けられないのです。無理に避けようとすると周りにもっと被害が出ます」

ワイ「なんやそれ」

ヴァルキリー「ガソリンスタンドの爆発を避けると、暴走トラックの衝突で高速道路が倒壊してご近所ごと破壊されてみんな死にます」

ワイ「嘘やろ…」

ヴァルキリー「わかりましたか？もう仕方ないんですよ」

ワイ「ほんまなんか…ワイの人生こんなところで…阪神の優勝、見たかったわ…」

ヴァルキリー「死後、私たちのために戦ってくれますか？」

ワイ「それは別にええで、でももっとうまいものも食いたかったし、まだ童貞やし、あと、あと…」

ヴァルキリー「ごめんなさい…知らせるの早すぎたかも」

ワイ「…」

ヴァルキリー「まだしばらく時間ありますから、また来ますね」（フワフワ

ワイ「消えた…ワイが死ぬのか。嘘やろ…」

ワイ「でもまだナイターまで時間ある…死ぬ前に…やることは…」



ヴァルキリー「…」

プルルルル

ヴァルキリー「はい、ヴァルキリーです。あ、オーディン様」

ヴァルキリー「今、戦士の勧誘中でもうすぐ死にます…え、手違い？『死ぬのはこの男ではない』！？」

ヴァルキリー「た、確かに戦士としては役立たなそうな男ですが、もう死ぬって言っちゃったんですけど？え、ちょっと待って下さ」

ツーツーツー

ヴァルキリー（大変なことになった）

ヴァルキリー「こんにちは」

ワイ「おお、もう来たんか！」

ヴァルキリー「なんかさっぱりしましたね」

ワイ「風呂入ってヒゲ剃って、ついでに髪も切ってきたわ！死ぬ前にスッキリしたいからな！」

ヴァルキリー「えーとそのことですが」

ワイ「あと、さっきマッマにも謝ってきたわ。ニートで迷惑かけて悪かったって。産んでくれてありがとうって。マッマ泣いてた」

ヴァルキリー「そ、それは良かったですね。実は…」

ワイ「あとな、エロ本も全部処分したわ！もういらんからな！マッマに捨てさせるの悪いし。あとエロ動画も全部消した」

ヴァルキリー「え、ええそうですか。それでですね…」

ワイ「もう全部済んだ。いつ死んでも大丈夫やで。まあ、ほんまは童貞捨てたかったけどな、もうええわ」

ヴァルキリー「実はですね…問題がありまして」

ワイ「なんや？もう何いわれても驚かんわ！覚悟決めたからな！」

ヴァルキリー「実はその話なんですが」

ワイ「なんや」

ヴァルキリー「やっぱり、貴方が死ぬというのは間違いでした」

ワイ「またまたwもうそんな嘘はええんやで」

ヴァルキリー「いや、本当に。人違いでした」

ワイ「マジで？」

ヴァルキリー「マジです」

ワイ「」

ヴァルキリー「…」


ワイ「な、なんやねんお前！ワイが死ぬとか言って、こっちが覚悟決めたら今度はやっぱり死なないとか！」

ヴァルキリー「ごめんなさい」

ワイ「ごめんで済んだら警察いらんわ！どう責任とってくれんねん」

ヴァルキリー「すみませんでした。では私はこれで…」

ワイ「待てこら！おい！謝罪で済むかボケ！そうや！一発やらせろ！」

ヴァルキリー「キャー！」（ボコー

ワイ「グェー死んだンゴ」

ワイ「死んだンゴ…いや、死んでない…」

ワイ「…」

ワイ「死ぬと思えばマッマに謝るのも髪切るのもエロ本捨てるのも簡単やったな…」

ワイ「…」

ワイ「明日から…頑張るか」

ヴァルキリー「おはようございます」

ワイ「なんやお前また来たんか？ワイは出かけるんやから「やっぱり死ぬ」とかいうのはナシやで」

ヴァルキリー「いや、ご迷惑をかけたお詫びに、あなたが将来いつ死ぬかを教えてあげることになりまして」

ワイ「そんなのええわ」

ヴァルキリー「どうして？もしかしたら明日死ぬかもしれないじゃないですか。人間ならみんな知りたいことでしょう」

ワイ「ワイはもう毎日後悔なく生きることに決めたからな。いつ死んでもいいように。だから必要ない」

ヴァルキリー「…そうですか。わかりました。じゃあもう行きますね」

ワイ「おう、またワイが死ぬ時に会いに来てや」

ヴァルキリー「貴方が戦士に選ばれるような人間にならないと来ませんけどね」

ワイ「おっ、それは楽しみやな！ワイの活躍みせたるで！」



ワイ「さあ、ハロワ行くか」

完